オーストリア
テロ・誘拐情勢
更新日 2023年03月31日
1 概況
(1)2020年11月2日、ウィーン市旧市街の路上において単独犯による銃撃テロ事件が発生し、4人が死亡し、23人が負傷しました。実行犯は警察により現場で射殺されました。
(2)従来、オーストリアにおけるイスラム過激派の活動は、勧誘、宣伝、資金獲得等が主たる目的であって、直接的なテロの脅威は低いと考えられてきました。しかしながら、過去には上記のような事件も発生していること、オーストリアに所在する国際機関がテロの標的となった例もあること、また、当局によれば、シリア、イラクにおけるイスラムテロ組織に参加するいわゆる「外国人戦闘員」の帰還者や上記実行犯のような渡航を阻止された者が国内に百数十名いること、インターネット等を通じて自己過激化した者によるローンウルフ型のテロに対する脅威も現実のものとなっていること等を踏まえれば、今後、オーストリアが更なるテロの標的になる可能性も否定できません。
2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
「1 概況」のとおり。
3 誘拐事件の発生状況
近年、誘拐事件は、年間10件程度発生していますが、日本人を標的とした誘拐事件の発生は確認されていません。
4 日本人・日本権益に対する脅威
テロによる日本人の被害は、シリアやアフガニスタンといった渡航中止勧告や退避勧告が発出されている国・地域に限りません。テロは、日本人が数多く渡航する欧米やアジアをはじめとする世界中で発生しており、これまでもチュニジア、ベルギー、バングラデシュ、スリランカ等においてテロによる日本人の被害が確認されています。
近年では、単独犯によるローンウルフ型テロや、一般市民が多く集まるレストラン、ショッピングモール、公共交通機関等のソフトターゲットを標的としたテロが世界各地で頻発しており、こうしたテロの発生を未然に防ぐことは困難です。
テロはどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。