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テロ・誘拐情勢

2016年05月12日

1.概況
(1)オーストリアでは、近年、イスラム過激派組織等によるテロ事件は発生していません。
(2)従来、オーストリアにおけるイスラム過激派の活動は、勧誘、宣伝、資金獲得等が主たる目的であって、直接的なテロの脅威は低いと考えられてきました。しかしながら、過去にはオーストリアに所在する国際機関がテロの標的となった例もあること、また、当局によれば、最近、国内居住者がインターネットのプロパガンダを通じて過激化する例が増加しているほか、テロ訓練キャンプや戦闘に参加するためにパキスタン、アフガニスタン、シリア等に渡航しており、国内に戦闘帰還者が数十名存在すること等を踏まえれば、今後、オーストリアがテロの標的になる可能性も否定できません。当局は、イスラム過激派の脅威を重視して捜査等を行っています。

2.各組織の活動状況または各地域の治安情勢
 近年、オーストリアで発生したテロに関連する事案は以下のとおりです。
(1)2014年7月、テロ訓練キャンプに参加した男が懲役21月の禁固刑に処せられました。
(2)2014年8月、シリアでの戦闘に参加するため出国しようとしたチェチェン出身の難民等が逮捕されました。
(3)2014年11月、イスラム過激思想に影響を受け、国内におけるテロを計画したとしてトルコ系の少年が逮捕されました。
(4)2014年11月、イスラム過激派に対する大規模な強制捜索が実施され、有力イマーム等11名が逮捕されました。
(5)2015年中は、シリア・イラクでの戦闘に参加した者等のジハード関連被疑者の逮捕が相次ぎ、治安当局による積極的な取締りが行われました。

3.誘拐事件の発生状況
 近年、誘拐事件は、年間10件から20件程度発生していますが、日本人を標的とした誘拐事件の発生は確認されていません。

4.日本人・日本権益に対する脅威
 現在までのところ、オーストリアでは、日本人・日本権益に対する脅威は高くありません。
 他方、近年、シリアやチュニジアにおいて日本人が殺害されたテロ事件や、パリ、ブリュッセル、イスタンブール、ジャカルタ等でテロ事件が発生しています。このように、世界の様々な地域でイスラム過激派組織によるテロがみられるほか、これらの主張に影響を受けた者による一匹狼(ローンウルフ)型等のテロが発生しており、日本人・日本権益が標的となり、テロを含む様々な事件の被害に遭うおそれもあります。
 このような情勢を十分に認識して、誘拐、脅迫、テロ等に遭わないよう、また、巻き込まれることがないよう、海外安全情報及び報道等により最新の治安・テロ情勢等の関連情報の入手に努め、日頃から危機管理意識を持つとともに、状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。



(注記)
 「テロ」については国際的に確立された定義は存在していませんが、一般には、特定の主義主張に基づき、国家等にその受け入れを強要し、又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等をいうものとされています。本情報は、このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず、外務省が報道等の情報等に基づき、海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考資料として編集したものであり、本資料の掲載内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。