1. ホーム
  2. 地図からの選択
  3. テロ・誘拐情勢
  4. アフガニスタン

アフガニスタン
テロ・誘拐情勢

更新日 2021年05月20日

1 概況
(1)アフガニスタンでは、主要な反政府武装勢力であるタリバーンや過激派組織のISIL(イラク・レバントのイスラム国)ホラサーン州等が、首都カブールを含む各地で、治安部隊、政府関係者、外国人・外国権益及び民間人等を標的としたテロ、誘拐等を多数行っています。
(2)2020年2月、米国はタリバーンとの間で、タリバーンがアル・カーイダなどのテロ組織に米国及びその同盟国の安全を脅かすためにアフガニスタンの国土を利用させない措置をとること等を条件に、米軍を始めとする駐留軍を14か月以内に撤退させることを主な内容とする合意に署名しました。
(3)その後、同合意に従い、2020年9月にアフガニスタン政府側とタリバーン側による和平交渉が開始されましたが、治安は安定せず、国連の報告によると、2020年中の治安関連事案数は前年比10%増となる25,000件以上に達し、統計を取り始めた2007年以降最多となっています。特に、標的殺害(targeted killing)と呼ばれる政府関係者やメディア関係者など特定の人物をターゲットとした殺人が増加しています。
(4)4月14日、バイデン米大統領は今年9月11日までに米軍を撤退させる旨表明しました。今後、米軍及びNATO軍の撤退が治安情勢にいかなる影響を与えるか予断を許しません。

2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
(1)タリバーン
 1996年から2001年までアフガニスタンの国土の大半を実効支配し、現在は国内の反政府武装勢力として最大の勢力を有するタリバーンは、アフガニスタンに駐留する外国軍の完全撤退及びイスラム教に基づく国家の統治を標榜し、駐留外国軍やアフガニスタン治安部隊、政府関係者等を対象に、襲撃、自爆攻撃、簡易爆弾(IED)等による攻撃を繰り返しています。特に、タリバーン内の強硬派である「ハッカーニ・ネットワーク」が、首都カブール等での大規模なテロ攻撃を実行していると見られています。
 タリバーンは、2020年2月に米国との間で「和平合意」に署名し、9月にカタールにおいてアフガニスタン政府側との和平交渉が開始されましたが、大きな進展は見られません。米国との合意以降、外国兵士及び外国人を標的とする攻撃は行っていないと主張していますが、政府側との和平交渉中もヘルマンド県など各地で攻勢を強めるなど、暴力は依然高い水準にあり、治安の安定には繋がっていません。
(2)ISILホラサーン州
 2015年1月、ISILは、アフガニスタン及びパキスタンの国境付近に「ホラサーン州」の設立を宣言しました。「ISILホラサーン州」を称する勢力は、アフガニスタン東部のナンガルハール県及びクナール県の山岳地帯を拠点とし、タリバーンの元戦闘員やパキスタンなどの近隣諸国出身者も参加していると見られており、政府関係者や治安部隊、宗教施設、外国関係施設、民間人等に対するテロ・誘拐等を行っています。一方、アフガニスタン治安部隊の掃討作戦により2019年末までに東部の実効支配地域の大半を喪失し、カブール等の都市部における攻撃にシフトしていると見られ、2020年には各国大使館が集まる地区に向けたロケット弾攻撃や、カブール大学への自爆及び銃撃による複合攻撃を行うなど種々の事件を起こしています。
(3)アル・カーイダ
 アル・カーイダは、イスラム諸国から「異教徒」の影響を排除することを目的として、国際的なテロ活動を行ってきた組織であり、2001年9月11日にアメリカ同時多発テロを引き起こしたとされています。アフガニスタンにおける現在の構成員数は限定的と見られますが、国連報告書でもタリバーンとの密接な関係が指摘されています。
(4)その他
 アフガニスタン国内各地では、上記以外にも様々な反政府勢力がいるとされています。治安部隊が取締りや掃討作戦を展開し、激しい衝突に発展することもしばしばあるため、一見平穏な場所でも、急に情勢が変わり得ます。

3 誘拐事件の発生状況
(1)2021年2月の国連の年次報告書によると、2020年に発生した反政府武装勢力による民間人の誘拐件数(大半がタリバーンによるもの)は、前年比80名増となる1,086名に達し、誘拐関連の死傷者数は前年から倍増し113名となりました。
(2)一部地域では、高い失業率と貧困から、犯罪者集団による身代金目的の誘拐がビジネス化しています。主要なターゲットは、外国人、政府関係者、治安部隊関係者、裕福なビジネスマン、ジャーナリスト、援助関係者、建設作業員等です。僅かな金額の身代金目的で、一般の子どもが誘拐されるケースもあります。
 警察当局は、特に被害に遭いやすいとして外国人が所属するNGO事務所等に対して、誘拐の防止に向け、事務所や住居への監視カメラや警備員の配置、移動の経路や時間帯の頻繁な変更、身辺警護員の同行、可能な限りの防弾車の利用等を勧告しています。
(3)外国人を標的とした誘拐事案は、2019年は0件でしたが、2020年は1月31日に米国人技師の誘拐が発生し、現在も解放されていません。
 
4 日本人・日本権益に対する脅威
(1)反政府武装勢力は、外国政府からアフガニスタン政府への援助を内政干渉及び「敵」(アフガニスタン政府)への支援とみなしており、このことから外国人はテロや誘拐の標的となりやすく、日本人に対しても同様にその脅威は高いと言えます。2008年及び2019年には、ナンガルハール県(東部)において、日本人のNGO関係者が武装集団によって殺害されたほか、2010年には日本人ジャーナリストが武装集団に誘拐される事件が発生しています。
(2)近隣諸国に関し、近年、シリア、チュニジア及びバングラデシュにおいて日本人が殺害されるテロ事件が発生しています。また、テロは、日本人が数多く渡航する欧米やアジアをはじめとする世界中で発生しており、特に、近年では単独犯によるテロや、一般市民が多く集まる公共交通機関等(ソフトターゲット)を標的としたテロが頻発していることから、こうしたテロの発生を予測したり未然に防ぐことが益々困難となっています。このようにテロはどこでも起こり得ること及び日本人が標的になり得ることを十分に認識し、テロの被害に遭わないよう、海外安全ホームページや報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。

テロについて

 「テロ」について国際的に確立した定義は存在しませんが、一般には、特定の主義主張に基づき、国家等にその受け入れを強要する又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等を指すとされています。本情報は、このようないわゆる「テロ」に該当するか否かにかかわらず、外務省が報道等の情報に基づいて、海外に渡航・滞在される邦人の方々の安全確保のための参考として編集したものであり、本情報の内容がそのまま外務省の政策的な立場や認識を反映するものではありません。
page TOP