ミクロネシア
安全対策基礎データ
- 犯罪発生状況、防犯対策
1.ミクロネシア国内4州で発生している犯罪は、銃器等による強盗や殺人等の凶悪事件は少なく、家屋侵入、窃盗、暴行やカバン類のひったくりや置き引きが主となっています。
全般的に比較的安全な国と言えますが、以前と比べ犯罪発生率は高くなってきており、最近では日本人を含む外国人が家屋侵入や盗難の被害に遭う例が増えていることから、自己防衛の意識を持つことが必要です。特に、チューク州については、飲酒に端を発するけんかや、走行中の車両に対する投石・凶器使用による攻撃(鋭利な刃を矢の先端に付け、それを射る)といった事案が発生し、治安が悪化しているとの報告がありますので、一層の注意が必要です。
2.防犯対策としては、家屋の場合、外部から侵入されない十分な措置(鉄格子の設置、鍵を増やす等)をとることが肝要です。駐車中の車両の防犯は、外側から見える所に貴重品を置かないことはもちろん、貴重品ではなくても、関心を引くような物は車内に放置しないでください。
3.犯罪被害に遭わないためには、人目を引くような華美な服装を控えるなど、裕福に見られないようにすることが肝要です。また、性的被害に遭わないよう、肌を著しく露出する服装は避けてください。
4.テロによる日本人の被害は、シリアやアフガニスタンといった渡航中止勧告や退避勧告が発出されている国・地域に限りません。テロは、日本人が数多く渡航する欧米やアジアを始めとする世界中で発生しており、これまでもチュニジア、ベルギー、バングラデシュ、スリランカ等においてテロによる日本人の被害が確認されています。
近年では、単独犯によるテロや一般市民が多く集まる公共交通機関等(ソフトターゲット)を標的としたテロが頻発するなど、テロの発生を予測し未然に防ぐことがますます困難となっています。
このように、テロはどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロの被害に遭わないよう、海外安全ホームページや報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。- 査証、出入国審査等
(手続きや規則に関する最新情報については、駐日ミクロネシア連邦大使館(03-3585-5456)に確認してください。)
1. 観光目的でミクロネシアへ入国する方は、30日以内の滞在であれば、入国許可証(Entry Permit)は不要です。ただし、2020年4月以降、新型コロナウイルス対策のため、原則として入国は認められていません。通常は、入国にあたっては、旅券については残存有効期限が出国予定日から起算して120日以上残っていること及びミクロネシアからの帰路または第三国行きの航空券を所持していることが条件となります。この条件を満たしていない場合、入国を拒否されることがあります。入国後に入国管理局での諸手続きを経れば60日以内(入国日から最大90日まで)の滞在延長許可を得ることも可能です。
なお、滞在延長許可の申請中に滞在日数が90日を超える場合は、一旦国外(グアムでも可。)に出て、再入国しなければなりませんので注意してください。
2. 観光目的以外で入国する場合には、滞在期間にかかわらず、事前に入国許可証を取得する必要があります(外交及び公用の場合を除く。)。入国許可証の取得は、目的別に提出する書類が異なりますので、許可証の発行までの所要日数を考慮して準備してください。不明な点は駐日ミクロネシア大使館(03-3585-5456)、連邦政府司法省入国管理局((国番号691)320-5844)、主な滞在先となる州の移民局までご照会ください。
【各州移民局連絡先】
* ポンペイ州 (国番号691)-320-2606
* チューク州 (国番号691)-330-4135
* コスラエ州 (国番号691)-370-3051
* ヤップ州 (国番号691)-350-2126
3. 税関では、課税対象物品(酒・タバコなど)の価値の10%から25%の税金を支払うことになります。課税対象物品の有無で通過するゲートが異なるということはありません。税関に関する問い合わせは、ミクロネシア財務省関税局((国番号691)-320-5508または(国番号691)-320-5855)に照会してください。
なお、旅行中、複数の島を訪れる場合にはその都度、州政府が独自に運営する税関にて入州のための書類手続きを行う必要があります。
(1)外貨の持込み・持出しに関する制限は設けられておらず、申告の必要もありません。
(2)主な免税範囲は次のとおりです。
・タバコ200本若しくは1ポンド(約450グラム)まで、または葉巻20本まで
・酒類52オンス(約1,474グラム)まで、または1.5リットルまで
・上記以外で200米ドル相当分までの個人使用の物品
・入国者が個人的に使用する所有物で、出国の際には入国者が持ち出す物品
(3)職業用の物品の関税手続きは特に決められていませんが、渡航前に持ち込むものの目録と使用目的などを文書にしてミクロネシア財務省の関税局(電話:(国番号691)-320-5508または(国番号691)-320-5855)へ連絡・送付しておくことをお勧めします。
4. 植物の種子、動物、生鮮食品などを持ち込むには、検疫証明書が必要です。
5. 医療用麻薬を含む医薬品の携帯による持込み、持出しの手続きについては厚生労働省の以下のホームページをご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/yakubuturanyou/index_00005.html
6. ミクロネシア各州から航空機で出国する場合は、空港施設使用料(Departure Facility Service Charge)を支払う必要があります。空港でのチェックイン時に、支払いブースで使用料を支払った後、搭乗券が手交されます。また、州を移動する渡航の場合は、それぞれの州に所在する空港でこの支払いが発生します(ただし、同一フライトに乗降する24時間以内のトランジット、国外で治療が必要な患者及びその補助者、及び2歳以下の子供に対しては空港施設使用料の支払いは免除されます。)。
2021年1月現在の各地空港施設使用料は20米ドルですが、チューク州のみ30米ドルとなっています。- 滞在時の留意事項
1.連邦警察の麻薬課による麻薬や取締りの対象となる薬物の輸出、輸入、所持は全て刑罰の対象で、5,000ドル以下の罰金、または5年以下の懲役となります。現地で栽培された大麻を売人が店先等で販売していることがありますが、関わらないようにしてください。
2.コスラエ州では、バー、レストラン等を除く公共の場での飲酒を制限し、日曜日の飲酒は一切禁止しています。首都のあるポンペイ州では、路上での飲酒も取締りの対象となりますので注意してください。
3.バーでの飲酒に端を発したトラブルが頻繁に発生し、中には周囲の人が巻き込まれる被害も報告されていますので、利用しないようお勧めします。
4.移動については、全州においてバス・鉄道等の公共交通機関がなく、基本的にレンタカーまたは乗り合いタクシーの利用になります。犯罪に巻き込まれる可能性がありますので、夜間の単独乗車(特に女性)は、可能な限り控えてください。
なお、タクシーは運転が荒く、無用にスピードを出し過ぎるため、事故に遭う危険がありますので、乗車中は必ずシートベルトを着用してください。
幹線道路は、全体の半分程度が舗装されていますが、街の中心部を外れる支線は、未舗装の部分や、激しい凸凹が多くあります。近年では、自動車、二輪車、自転車の交通量が増える一方で、ライトが点灯しなかったり、ウインカーが壊れているなど整備不良の車両が多数あり、また、運転技術の欠如や飲酒運転も見られますので、運転する際は、十分注意を払ってください。特に、夕刻から夜間にかけては酒や鎮静作用を含有する「サカウ」(コショウ科の植物の根から作った伝統的な飲み物)を飲んだ者が運転する自動車が対向車線や歩道にはみ出してくることが多いので、十分注意してください。
5.ミクロネシアには多数の野犬が街中にいます。特に夕方以降はこれらの野犬が群れをなし通行人に襲いかかることがありますので、十分な注意が必要です。狂犬病の報告はありませんが、万一噛まれた場合は、最寄りの医療機関に相談されることをお勧めします。
6.ミクロネシアに3か月以上滞在される方は、緊急時の連絡などに必要ですので、到着後遅滞なく在ミクロネシア日本国大使館に「在留届」を提出してください。また、住所その他届出事項に変更が生じたとき、または日本への帰国や他国に転居する(一時的な旅行を除く)際には、必ずその旨を届け出てください。在留届の届出は、在留届電子届出システム(オンライン在留届、https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet/index.html )による登録をお勧めしますが、郵送、ファックスによっても行うことができますので、在ミクロネシア日本国大使館まで送付してください。
7.在留届の提出義務のない3か月未満の短期渡航者の方(海外旅行者・出張者を含む)は、「たびレジ」への登録をお願いします(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/index.html )。「たびレジ」は、滞在先の最新の安全情報などを日本語のメールで受け取れる外務省のサービスです。登録した情報は、ミクロネシアで事件や事故、自然災害が発生した際に、在ミクロネシア日本国大使館が安否確認を行う際にも利用されます。安全情報の受け取り先として、家族・同僚等のメールアドレスも追加登録できますので、併せてご活用ください。- 風俗、習慣、健康等
1.政治、経済、社会全般にわたり、近代的側面と伝統的慣習が混在していて、様々な面で二重の構造を織りなしています。近代的な行政体制と昔ながらの伝統的指導体制が共存しており、双方共それぞれに重要な役割を果たしています。村民同士や親族間の結びつきは強く、冠婚葬祭等は多くの村民が集まり、仕事を休んででもこれらの行事に参加します。貨幣経済と自給自足も混在しており、市の中心部にはスーパーマーケット等の商店がありますが、内陸部や離島では昔ながらの自給自足の生活を中心としています。
2.対日感情は全体的に良く、戦前からの日本との歴史的関係の深さから、近年では減ってきてはいますが、日本語を理解する年輩者もいます。
3.ポンペイ州には、鎮静作用を含有する「サカウ」というコショウ科の植物の根から作った伝統的な飲み物がありますが、製造過程に不衛生な部分があるので、飲用に際しては十分注意してください。
4.気候は海洋性熱帯気候で、気温は年間を通じほぼ一定です(平均気温摂氏27度)。
また、一年間の降水量が4,000ミリメートルを超える年もある世界有数の多雨地帯であり、平均湿度が80%と高いものの、貿易風とスコールによって暑さ、湿気が若干緩和される時期もあります。
5.生水は避けて、ミネラル・ウォーターや煮沸した水、スーパーで販売されている清涼飲料水等を飲むことをお勧めします。一般的に、レストランは比較的衛生管理が行き届いていると言えますが、油断することなく、火を通していないものの摂取には十分な注意が必要です。
6.各州に州立病院がありますが、財政的な問題から、器材、薬品、職員等が乏しく、病院内の衛生状況も良くない上、技術も高くはありません。
7.ジカウイルス感染症が、ミクロネシア国内でも発生しています。ジカウイルスを持ったネッタイシマカやヒトスジシマカに刺されることで感染するほか、母胎から胎児への感染、輸血や性交渉のよる感染リスクも指摘されています。ジカウイルス感染症は感染しても症状がないか(不顕性感染)、症状が軽いため感染に気づきにくいことがありますが、妊娠中にジカウイルスに感染すると、胎児に小頭症等の先天性障害を来すことがあることから、特に妊娠中または妊娠を予定している方は、流行地域への渡航を可能な限り控えるなど、十分な注意が必要です。
(参考)感染症広域情報:ジカウイルス感染症に対する注意喚起
http://www2.anzen.mofa.go.jp/kaian_search/pcinfectoninfo.asp#widearea
8.ミクロネシアでは、数年に一度の頻度でデング熱が流行します(2019年9月にはヤップ島で流行)。デング熱は蚊を媒介して感染する急性の熱性感染症で、主に発熱、頭痛、筋肉痛や皮膚の発疹などの症状が現れます。デング熱の治療は対症療法になり、重症化するケースもあり、早期に適切な治療が行わなければ死に至ることがありますので、早めに医療機関を受診してください。予防策としては、虫除けスプレー、蚊取り線香(現地で入手可。)を使用する、できるだけ肌を露出せず、長袖・長ズボンを着用するなどで、蚊に刺されないよう注意してください。
9.ミクロネシア国内の衛生・医療情報については、「世界の医療事情」(http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/oceania/micro.html )においてミクロネシア国内の衛生・医療情報等を案内していますので、渡航前には必ずご覧ください。
その他、必要な予防接種等については、以下の厚生労働省検疫所ホームページも参考にしてください。
http://www.forth.go.jp
10.新型コロナウイルスに関する感染症危険情報が発出されていますので、引き続き外務省ホームページなどを通じて動向を注視してください。- 緊急時の連絡先
(国番号691)
1. ポンペイ州
* 警察:911(または320-2221)
* 消防: 911(または320-2739)
* 救急・病院:911(または320-2213)
2. チューク州
* 警察:911(または330-2224)
* 消防:330-2222
* 救急・病院:330-2444
3. コスラエ州
* 警察:911(370-3333)
* 消防:370-3333
* 救急・病院:370-3012
4. ヤップ州
* 警察:911
* 消防:350-3333
* 救急・病院:350-3446
5. 在ミクロネシア日本国大使館:320-5465、320-6366
*国外からは(国番号691)-320-5465(または320-6366)
※ 在留邦人向け安全の手引き
在ミクロネシア日本国大使館が在留邦人向けに作成した「安全の手引き」(http://www.anzen.mofa.go.jp/manual/micronesia.html )もご参照ください。- 問い合わせ先
(問い合わせ窓口)
○ 外務省領事サービスセンター
住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902、2903
(外務省関連課室連絡先)
○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)(内線)4965
○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)(内線)3047
○領事局政策課(感染症関連)(内線)4475
○海外安全ホームページ
https://www.anzen.mofa.go.jp (PC版、スマートフォン版)
http://www.anzen.mofa.go.jp/m/mbtop.html (モバイル版)
(現地大使館連絡先)
○ 在ミクロネシア日本国大使館
住所: One World Plaza 2nd Floor, Kapwaresou Street, Kolonia, Pohnpei, 96941
電話: 320-5465
国外からは(国番号691)320-5465
ファックス: 320-5470
国外からは(国番号691) 320-5470
ホームページ: http://www.micronesia.emb-japan.go.jp/index_j.html
※本情報記載の内容(特に法制度・行政手続き等)については、 事前の通告なしに変更される場合もありますので、渡航・滞在される場合には、渡航先国の在外公館または観光局等で最新情報を確認してください。