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リビアの危険情報【危険レベル継続】(内容の更新)

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更新日 2023年05月29日
危険情報
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危険レベル・ポイント

【危険度】
●全土:レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(継続)

【ポイント】
●リビアでは、民兵組織など武装グループによる武力衝突・テロ・誘拐事件が発生しており、全土に「レベル4:退避勧告」を発出しています。リビアへの渡航は、どのような目的であれ止めてください。また、既に滞在されている方は直ちに退避してください。

詳細

【詳細】
1 概況
(1)リビアにおいては、2020年10月の停戦合意の成立を受けて、翌2021年3月にリビア政治対話(LPDF)のロードマップに基づき暫定国民統一政府(GNU)が成立し、政治プロセスが進み始めたものの、同年12月24日に予定されていた国政選挙は、候補者の乱立や憲法等各種法令の未整備等により、現在まで実施の目処が立っていません。選挙の延期を受けて、GNUの正統性を疑問視する代表議会(HOR)は、2022年2月に新首相を任命し、同新首相を首班とする国民安定政府(GNS)が設置されました。2022年中は、このGNS首相が複数回に亘り首都トリポリ入りを試み、トリポリ市内各地で武力衝突の原因となりました。しかし、結局GNS首相及びその支持勢力は、トリポリから撤退を余儀なくされ、その後も目立った成果を出せずにいます(2023年5月現在、同GNS首相は指名を受けたHORから不信任決議を受け職務停止)。2022年6月22日には、LPDFのロードマップ期限が切れましたが、現在までGNUはトリポリを中心とする西部地域を統治しています。

(2)トリポリにおいては、GNU及びGNSをそれぞれ支援する民兵等武装勢力による衝突や、政治的動機ではない民兵間の勢力争いが発生してきました。2022年8月27日には、2020年10月の停戦合意以来最大規模の武力衝突が発生し、民間人を含む多数の死傷者が出ましたが、それ以降は比較的安定的に推移しています。これとは別に、継続する電力・燃料不足や膠着する政治情勢に対する不満から各地でデモ等抗議活動も発生しています。また、特に南部地域において、ISILテロ分子による、ハフタル・リビア国軍(LNA)総司令官が率いる治安部隊に対するテロ攻撃が散発的に発生しており、これらテロ分子に対し、LNA部隊による掃討作戦が断続的に行われています。さらに、国内全域で殺人、誘拐等の凶悪犯罪が頻発しています。

(3)在リビア日本国大使館は、治安の急激な悪化により、2014年7月21日をもって一時閉館しました。現在はチュニジアの首都チュニスにおいて臨時事務所を開設し、一部業務を継続しています。

2 地域別情勢
 全土:レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(継続)
(1)首都トリポリ及びその近郊
国連と国際社会の働きかけもあり、東西陣営から5名ずつの軍幹部が参加する合同軍事委員会(JMC)5+5による国軍統合の試みがあり、民兵勢力とも統合の議論が進んでいますが、各民兵組織の国軍・警察への統合プロセスには時間がかかっています。トリポリ及びその近郊においては、 2020年10月の停戦合意以降も民兵組織間の勢力争いから派生する武力衝突が頻発してきましたが、2022年8月末、トリポリ中心部で民間人を含む多数の死傷者を出した大規模な武力衝突発生後は、同市内に拠点を置いていた民兵組織の多くが拠点を市外へ移し、二大勢力に集約されたことにより、各民兵組織間で発生していた武力衝突の数が減少し、治安情勢は大きく改善してきています。しかし、政治的には東西対立が解消されておらず、また、2023年1月中旬には、閉鎖中のトリポリ南部の国際空港復旧工事の受注を背景とする異なる民兵間での衝突が発生し、トリポリ西郊のザーウィヤ等の隣接地域では現在も武力衝突が発生する等、引き続き予断を許さない状況です。

(2)リビア西部(トリポリタニア地域(首都トリポリ及びその近郊を除く。)
 ミスラタ、サブラタ、シルトにおいて、民兵等地元武装グループ、治安部隊等による武力衝突、殺人、誘拐事件が発生しています。特に2022年末より、サブラタにおいて武力衝突が頻発し、治安情勢が悪化しており、非常に危険です。

(3)リビア東部(キレナイカ地域)
 特にリビア東部の中心都市ベンガジは、ハフタルLNA総司令官の影響が色濃い地域であり、治安当局による取締活動が頻繁に実施されており、LNAの軍事力を背景とする統治により情勢は比較的安定しています。
 他方、ベンガジにおいては、過去には、2017年7月、東部勢力側治安部隊による市内のテロ組織等に対する掃討作戦等が行われているほか、その後も無差別的な爆弾事件やロケット弾による攻撃が市内全域で散発的に発生し、2019年8月にはショッピングモール前で国連の車列を標的にした自動車爆弾テロが発生し国連職員3名が死亡する事案も発生しているため、引き続き予断を許さない状況です。

(4)リビア南部(フェッザーン地域)
 リビア南部は、隣接するサヘル諸国との密輸・人身売買などが横行しており、治安情勢にも大きく影響しています。また、LNA部隊等を標的とするテロ攻撃が散発的に発生しており、2022年1月にISによるLNA部隊襲撃や、LNA部隊本部への爆弾テロなどが連続発生し、LNAが掃討作戦を実施しています。これに反発した勢力がISの名の下で、同年4月にLNAの検問所への自動車爆弾テロを行っています。LNAによるテロ掃討作戦は、現在も継続的に実施されています。
 南部の砂漠地帯では、政府による治安維持が十分に行き届いていない地域が広く存在し、国境管理が甘いことから、テロリストが流入し、人身売買、薬物や武器・弾薬密輸の温床となっている可能性が指摘されています。これらの地域では、GNUのみならず、LNAの統制も実質的に及んでいないため非常に危険です。

 上記情勢に鑑み、リビアへの渡航は、どのような目的であれ止めてください。また、既に滞在されている方は、直ちに国外に退避してください。
 また、取材活動であっても、現在のリビア情勢下にあっては、不測の事態に巻き込まれる可能性が高く、非常に危険です。リビア国内での取材は止めてください。
 リビアのテロ・誘拐情勢については、こちら(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_125.html )を参照してください。

(問い合わせ先窓口)
○外務省領事サービスセンター
 住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
 電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902、2903

(外務省関係課室連絡先)
○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)(内線)4567
○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)(内線)3047
○海外安全ホームページ:
  https://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版・スマートフォン版)
  http://www.anzen.mofa.go.jp/m/mbtop.html (モバイル版)

(現地大使館連絡先)
○在リビア日本国大使館チュニス臨時事務所
  住所:Côte de Carthage, Résidence le Golden Tulip, Villa No.2, Gammarth, Tunis, Tunisia
  郵便物:Ambassade du Japon en Libye en Tunisie
B.P.53, Les Berges du Lac, 1053 Tunisie.
  電話:(市外局番71)-913-600
   国外からは(国番号216)-71-913-600
  ホームページ:https://www.ly.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
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