危険情報
キルギスの危険情報【危険レベル継続】(内容の更新)
更新日 2023年03月09日
危険レベル・ポイント
【危険度】
●バトケン州内のウズベキスタンとタジキスタンの飛び地及び同州のウズベキスタンとタジキスタンとの国境地帯、オシュ州とジャララバード州のウズベキスタンとの国境地帯
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)
●上記を除くバトケン州
レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)
●オシュ州及びジャララバード州(ウズベキスタンとの国境地帯を除く)
レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)
●首都ビシュケク市を含む上記を除くキルギス全土
レベル1:十分注意してください。(継続)
【ポイント】
●バトケン州内に存在するウズベキスタンとタジキスタンの飛び地及び同州のウズベキスタンとタジキスタンとの国境地帯、オシュ州とジャララバード州のウズベキスタンとの国境地帯は、イスラム過激派組織及び麻薬密輸グループの移動ルートとみられています。また、タジキスタンとの国境地帯ではキルギス及びタジキスタン当局との衝突が頻発しています。また、タジキスタンとの国境では、度々キルギス・タジキスタン間の衝突が生じていますので、渡航は止めてください。
●上記を除くバトケン州、オシュ州及びジャララバード州(ウズベキスタンとの国境地帯を除く)では、民族衝突や野党勢力による抗議活動の発生、治安当局とイスラム過激派組織等の間で銃撃戦が発生するおそれがありますので、不要不急の渡航は止めてください。
●ビシュケク市を含む上記を除くキルギス全土において、反体制グループや社会不満層によるデモ、イスラム過激派組織によるテロ行為が発生するおそれがありますので、今後も十分注意してください。
●バトケン州内のウズベキスタンとタジキスタンの飛び地及び同州のウズベキスタンとタジキスタンとの国境地帯、オシュ州とジャララバード州のウズベキスタンとの国境地帯
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)
●上記を除くバトケン州
レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)
●オシュ州及びジャララバード州(ウズベキスタンとの国境地帯を除く)
レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)
●首都ビシュケク市を含む上記を除くキルギス全土
レベル1:十分注意してください。(継続)
【ポイント】
●バトケン州内に存在するウズベキスタンとタジキスタンの飛び地及び同州のウズベキスタンとタジキスタンとの国境地帯、オシュ州とジャララバード州のウズベキスタンとの国境地帯は、イスラム過激派組織及び麻薬密輸グループの移動ルートとみられています。また、タジキスタンとの国境地帯ではキルギス及びタジキスタン当局との衝突が頻発しています。また、タジキスタンとの国境では、度々キルギス・タジキスタン間の衝突が生じていますので、渡航は止めてください。
●上記を除くバトケン州、オシュ州及びジャララバード州(ウズベキスタンとの国境地帯を除く)では、民族衝突や野党勢力による抗議活動の発生、治安当局とイスラム過激派組織等の間で銃撃戦が発生するおそれがありますので、不要不急の渡航は止めてください。
●ビシュケク市を含む上記を除くキルギス全土において、反体制グループや社会不満層によるデモ、イスラム過激派組織によるテロ行為が発生するおそれがありますので、今後も十分注意してください。
詳細
1 概況
(1)キルギスは、以前からイスラム過激派組織の移動経路、麻薬密輸の運搬経路とされており、特に南部地域では、治安当局の取締りにより、多くの関係者が拘束されるとともに、武器等も押収されています。現在もテロ企図事案・宗教過激主義団体による犯罪が摘発されています。また、南部山岳地帯では、1999年にイスラム過激派組織による邦人技術者等4名の誘拐事件も発生しています。
(2)オシュ州及びジャララバード州では、2010年6月、キルギス系住民とウズベク系住民の間で銃撃戦を伴う衝突が発生し、多数の死傷者が出ました。また、西部・南部地域は、隣国ウズベキスタン、タジキスタンと国境を接しており、これらの国境付近では国境警備隊同士の衝突等、死傷者が出る事案が過去に発生しています。
(3)キルギスでは、2010年4月に首都ビシュケク市や北西部タラス市を中心に発生した政変により、バキーエフ政権(当時)が崩壊するとともに、治安当局と民衆との衝突で多数の死傷者が出ました。また、2020年10月、共和国議会選挙が実施され、その結果に反対するキルギス国民らによる集会に端を発した騒乱が首都ビシュケク市を中心に発生し、政治の混迷や、議会運営に不満を持つキルギス国民らによる抗議集会、デモ等がキルギス全土で連日発生し、一時期、大統領による非常事態令が発令されるなどしました。今後も同様の騒乱等が繰り返される可能性が否定できず注意が必要です。
(4)現在のキルギスの政治・治安情勢は落ち着いています。しかし、依然としてテロの脅威も存在していることから、滞在中は常に安全面に気を配るとともに、テロの標的となる可能性のある政府機関、軍・警察等治安当局やその関連施設には無用に近づかず、デモや集会等に遭遇した際には、すぐにその場所を離れてください。人が多く集まる公共交通機関・観光施設・ショッピングセンター・市場等を訪れる際には、周囲の状況に注意を払い、不審な人物や状況を察知したら速やかにその場を離れる等、自らの安全確保に努めてください。また、キルギスに渡航・滞在を予定される方は、上記情勢や渡航情報に留意の上、テロ事件等不測の事態に巻き込まれることのないよう、外務省、在キルギス日本国大使館、現地関係機関等からキルギスの最新の情報を入手するよう努めてください。
2 地域情勢
(1)バトケン州内のウズベキスタンとタジキスタンの飛び地及び同州のウズベキスタンとタジキスタンとの国境地帯、オシュ州とジャララバード州のウズベキスタンとの国境地帯
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)
キルギス南部、特にバトケン州は、ウズベキスタン及びタジキスタンとの国境線が複雑に入り組んでいることに加え、両国の飛び地が存在すること、イスラム過激派組織の活動が活発なフェルガナ盆地に隣接していること、さらには山岳地帯のため国境警備も困難なこと等から、イスラム過激派組織の越境ルート、麻薬密輸グループの麻薬運搬ルートとして頻繁に利用されている模様です。
1999年夏には国境を越えて侵入してきたイスラム過激派組織による邦人誘拐事件も発生しています。
タジキスタンとの国境付近及びバトケン州内のタジキスタンの飛び地付近では、土地や水資源をめぐる住民対立が衝突に発展する可能性があるほか、タジキスタンとの国境付近の一部地域では、過去に埋設された地雷で住民が死亡する事件も発生しています。
バトケン州内のウズベキスタンとの飛び地では、2013年1月に国境を巡る衝突が発生し、一時、キルギス人住民数十名が、ウズベキスタン領内の住民らに人質に取られる事件が発生したほか、ウズベキスタンとの国境付近では、2015年6月に両国国境警備隊間での銃撃戦、2016年には同国との国境未確定地域におけるトラブルが発生しています。
ウズベキスタン及びタジキスタンの飛び地を含む国境付近で紛争が発生すると、治安当局により予告無く国境が封鎖されるなどの事態も発生しています。
さらに、2022年に入り、9月に同州北部地域を中心にキルギス及びタジキスタン治安当局間において激しい銃撃戦・砲撃を伴う衝突が発生しました。現在は小康状態を保っていますが、いつ発生するか予想がつきません。また、同地域の混乱に乗じてアフガニスタンから流入するイスラム過激派組織の活動や麻薬密輸組織の活動も活発化しており、動向等には引き続き警戒が必要です。
つきましては、これら地域への渡航は、どのような目的でも止めてください。
(2)バトケン州の上記(1)を除く地域
レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)
近年イスラム過激派組織等による大きな事件は発生していません。
しかし、依然としてイスラム過激派組織の活動や麻薬密輸組織の活動も活発に行われており、引き続き動向等には注意が必要なことから、これら地域への不要不急の渡航は止めてください。やむを得ない理由で渡航、滞在する場合は、報道等により最新情報を入手するよう努めるとともに、必要に応じて現地事情に精通したガイドを同行させるなどの十分な安全対策を講じてください。
(3)オシュ州及びジャララバード州(ウズベキスタンとの国境地帯を除く):
レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)
オシュ州及びジャララバード州では、2010年6月、キルギス系住民とウズベク系住民の間で発生した衝突が銃撃戦にまで発展しました。両州では、暴徒による商業施設、民家等への略奪・破壊・放火が行われ、435名(キルギス法医学鑑定所発表)の死者と多数の負傷者を出しました。
ジャララバード州では、2013年5月に一部の野党勢力による抗議活動が発生し、同州政府庁舎を占拠するとともに、数日間にわたり、ビシュケク・オシュ間の道路が封鎖される事態が発生しました。
オシュ州では、2013年8月、「イスラム・ジハード団」の構成員を名乗る数名(キルギス人2名を含む)が、ビシュケク市やオシュ市でのテロを計画していたとして治安当局に検挙され、2015年1月にもオシュ市において「ウズベキスタン・イスラム運動」(IMU)関係者が、キルギスやウズベキスタンでのテロを計画していたとして治安当局に検挙される等、イスラム過激派組織の潜伏が確認されています。また、2022年においてもイスラム過激派組織「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)、イスラム過激派組織「ヒズブ・タフリール・アル・イスラム」の構成員が同地域でSNSやモスク等を利用してプロパガンダ活動を展開していることが確認されています。
これら地域では、局地的に住民間の衝突、治安当局とイスラム過激派組織等の間で銃撃戦及びテロ行為が発生するおそれがあります。
つきましては、これらの地域への不要不急の渡航は止めてください。やむを得ない理由で渡航・滞在する場合には、報道等により最新の情報を入手するよう努めるとともに、必要に応じて現地事情に精通したガイドを同行させるなどの十分な安全対策を講じてください。
(4)ビシュケク市、チュイ州、タラス州、ナリン州及びイシク・クル州
レベル1:十分注意してください。(継続)
ア ビシュケク市
ビシュケク市では、2005年の騒乱に加え、2010年4月、野党支持者らによる数千名規模の反政府集会が開催され、その後、市中心部の大統領府庁舎前においてデモ隊と治安当局との間で大規模な衝突が発生し、多数の死傷者を出しました。2020年10月、共和国議会選挙結果に反対する集会・デモ等に端を発した騒乱が、首都ビシュケク市を中心に発生しました。今後も騒乱等の事態が繰り返される可能性が十分にあります。
また、2010年11月から12月にかけ、内務省や憲法裁判所等の政府施設を標的とした爆発物使用のテロ事件(未遂事件等を含む)が連続的に発生しています。2011年1月4日には、テロ事件を計画したと見られるグループの検挙に際し、治安当局と武装グループとの間で銃撃戦となり警察官3名が射殺されたほか、翌日には、治安当局が容疑者2名を射殺、1名を拘束しています。2015年7月16日、治安当局がテロリストの拠点を摘発した際、テロリストとの間で銃撃戦が発生し、テロリスト6名が死亡、治安当局側は4名が負傷しました。同テロリストは、ISILとの関係が疑われており、ラマダン(断食月)明けの祝祭に合わせたビシュケク市内でのテロや、同市郊外に所在するロシア軍の空軍基地に対する攻撃を計画していたものとみられています。同テロリストの拠点からは多数の武器や爆薬が押収されました。2016年8月30日には、当地中国大使館前で自爆テロが発生しています。
2022年7月にもビシュケク市でのテロを計画していたとして容疑者が検挙され、多くの武器が押収される事案は発生しており、依然としてテロの脅威は排除できません。
また、ビシュケク市南部では銃器を使用した傷害事件が発生しているほか、市内中心部でも殺人事件が発生しており、強盗事件や強制性交(わいせつ行為含む)事件など凶悪犯罪が発生しています。
イ チュイ州、タラス州、ナリン州及びイシク・クル州
チュイ州、タラス州、ナリン州及びイシク・クル州などの北部地域では、2010年4月の政変において、これら北部の州を中心に野党勢力による反政府集会が開催され、各州の行政府庁舎が占拠されるなどの事態に発展しました。タラス州の州都タラス市では、暴徒により商業施設等の略奪や破壊が行われたほか、州内務局から多量の武器が持ち出されるなどの事件が発生し、現在もその多くが回収されないままとなっています。
イシク・クル州ジュティ・オグズ地区では、2013年5月に、同州の鉱山運営を巡るデモ隊と警官隊との衝突が発生し、デモ隊によりバスが放火される等、一部が暴徒化し、治安当局が一部の道路を封鎖、催涙ガス等を使用してデモ隊の鎮圧に乗り出した結果、多数の逮捕者と負傷者を出しました。また、この事態を重く見たアタムバエフ大統領(当時)は、一時、同州の一部地域に対して、夜間の外出を禁止する内容の非常事態宣言を発出しました。この衝突は、数日後には落ち着きを取り戻しましたが、前記鉱山運営を巡っては、再びデモ等が発生する可能性が排除できません。このほか、2014年1月には、同州の中国との国境付近の山中で中国側から不法に越境してきたテロ組織との関連が疑われるウイグル人と思われる11名の集団に、狩猟中であったキルギス住民1名が刃物で殺害される事件も発生しています。
つきましては、これらの地域に渡航、滞在される方は、報道等により最新情報の入手に努めるなど十分注意してください。
3 滞在に当たっての注意
キルギスへの渡航・滞在における一般的な注意事項については、「安全対策基礎データ」(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure_265.html )も併せて参照してください。
滞在中は、下記の事項に十分留意して行動し、あらかじめ危険を避けるようにしてください。また、日本国外務省,在キルギス日本国大使館、現地関係機関、報道等により最新情報を入手するよう努めてください。
海外渡航の際には万一に備え、家族や友人、職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。
キルギスに3か月以上滞在する方は、在キルギス日本国大使館が緊急時の連絡先を確認できるよう、必ず在留届を提出してください。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet/index.html )
3か月未満の旅行や出張などの際には、渡航先の最新安全情報や、緊急時に在キルギス日本国大使館からの連絡を受け取ることができるよう、外務省海外安全情報配信サービス「たびレジ」に登録してください。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/index.html )
4 アフガニスタン、中央アジア、南アジア等の近隣諸国についても別途危険情報が発出されていますので、参照してください。
(問い合わせ窓口)
○外務省領事サービスセンター
住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902、2903
(外務省内関係課室連絡先)
○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)(内線)4567
○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)(内線)3047
○海外安全ホームページ
https://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版・スマートフォン版)
http://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp (モバイル版)
(現地大使館連絡先)
〇在キルギス日本国大使館
住所:Tashkent Street 35/1, Bishkek, 720014, Kyrgyz Republic
電話:(市外局番0312)-375-515
国外からは(国番号996)-312-375-515
ファックス:(市外局番0312)-375-518
国外からは(国番号996)-312-375-518
ホームページ:http://www.kg.emb-japan.go.jp
(1)キルギスは、以前からイスラム過激派組織の移動経路、麻薬密輸の運搬経路とされており、特に南部地域では、治安当局の取締りにより、多くの関係者が拘束されるとともに、武器等も押収されています。現在もテロ企図事案・宗教過激主義団体による犯罪が摘発されています。また、南部山岳地帯では、1999年にイスラム過激派組織による邦人技術者等4名の誘拐事件も発生しています。
(2)オシュ州及びジャララバード州では、2010年6月、キルギス系住民とウズベク系住民の間で銃撃戦を伴う衝突が発生し、多数の死傷者が出ました。また、西部・南部地域は、隣国ウズベキスタン、タジキスタンと国境を接しており、これらの国境付近では国境警備隊同士の衝突等、死傷者が出る事案が過去に発生しています。
(3)キルギスでは、2010年4月に首都ビシュケク市や北西部タラス市を中心に発生した政変により、バキーエフ政権(当時)が崩壊するとともに、治安当局と民衆との衝突で多数の死傷者が出ました。また、2020年10月、共和国議会選挙が実施され、その結果に反対するキルギス国民らによる集会に端を発した騒乱が首都ビシュケク市を中心に発生し、政治の混迷や、議会運営に不満を持つキルギス国民らによる抗議集会、デモ等がキルギス全土で連日発生し、一時期、大統領による非常事態令が発令されるなどしました。今後も同様の騒乱等が繰り返される可能性が否定できず注意が必要です。
(4)現在のキルギスの政治・治安情勢は落ち着いています。しかし、依然としてテロの脅威も存在していることから、滞在中は常に安全面に気を配るとともに、テロの標的となる可能性のある政府機関、軍・警察等治安当局やその関連施設には無用に近づかず、デモや集会等に遭遇した際には、すぐにその場所を離れてください。人が多く集まる公共交通機関・観光施設・ショッピングセンター・市場等を訪れる際には、周囲の状況に注意を払い、不審な人物や状況を察知したら速やかにその場を離れる等、自らの安全確保に努めてください。また、キルギスに渡航・滞在を予定される方は、上記情勢や渡航情報に留意の上、テロ事件等不測の事態に巻き込まれることのないよう、外務省、在キルギス日本国大使館、現地関係機関等からキルギスの最新の情報を入手するよう努めてください。
2 地域情勢
(1)バトケン州内のウズベキスタンとタジキスタンの飛び地及び同州のウズベキスタンとタジキスタンとの国境地帯、オシュ州とジャララバード州のウズベキスタンとの国境地帯
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)
キルギス南部、特にバトケン州は、ウズベキスタン及びタジキスタンとの国境線が複雑に入り組んでいることに加え、両国の飛び地が存在すること、イスラム過激派組織の活動が活発なフェルガナ盆地に隣接していること、さらには山岳地帯のため国境警備も困難なこと等から、イスラム過激派組織の越境ルート、麻薬密輸グループの麻薬運搬ルートとして頻繁に利用されている模様です。
1999年夏には国境を越えて侵入してきたイスラム過激派組織による邦人誘拐事件も発生しています。
タジキスタンとの国境付近及びバトケン州内のタジキスタンの飛び地付近では、土地や水資源をめぐる住民対立が衝突に発展する可能性があるほか、タジキスタンとの国境付近の一部地域では、過去に埋設された地雷で住民が死亡する事件も発生しています。
バトケン州内のウズベキスタンとの飛び地では、2013年1月に国境を巡る衝突が発生し、一時、キルギス人住民数十名が、ウズベキスタン領内の住民らに人質に取られる事件が発生したほか、ウズベキスタンとの国境付近では、2015年6月に両国国境警備隊間での銃撃戦、2016年には同国との国境未確定地域におけるトラブルが発生しています。
ウズベキスタン及びタジキスタンの飛び地を含む国境付近で紛争が発生すると、治安当局により予告無く国境が封鎖されるなどの事態も発生しています。
さらに、2022年に入り、9月に同州北部地域を中心にキルギス及びタジキスタン治安当局間において激しい銃撃戦・砲撃を伴う衝突が発生しました。現在は小康状態を保っていますが、いつ発生するか予想がつきません。また、同地域の混乱に乗じてアフガニスタンから流入するイスラム過激派組織の活動や麻薬密輸組織の活動も活発化しており、動向等には引き続き警戒が必要です。
つきましては、これら地域への渡航は、どのような目的でも止めてください。
(2)バトケン州の上記(1)を除く地域
レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)
近年イスラム過激派組織等による大きな事件は発生していません。
しかし、依然としてイスラム過激派組織の活動や麻薬密輸組織の活動も活発に行われており、引き続き動向等には注意が必要なことから、これら地域への不要不急の渡航は止めてください。やむを得ない理由で渡航、滞在する場合は、報道等により最新情報を入手するよう努めるとともに、必要に応じて現地事情に精通したガイドを同行させるなどの十分な安全対策を講じてください。
(3)オシュ州及びジャララバード州(ウズベキスタンとの国境地帯を除く):
レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)
オシュ州及びジャララバード州では、2010年6月、キルギス系住民とウズベク系住民の間で発生した衝突が銃撃戦にまで発展しました。両州では、暴徒による商業施設、民家等への略奪・破壊・放火が行われ、435名(キルギス法医学鑑定所発表)の死者と多数の負傷者を出しました。
ジャララバード州では、2013年5月に一部の野党勢力による抗議活動が発生し、同州政府庁舎を占拠するとともに、数日間にわたり、ビシュケク・オシュ間の道路が封鎖される事態が発生しました。
オシュ州では、2013年8月、「イスラム・ジハード団」の構成員を名乗る数名(キルギス人2名を含む)が、ビシュケク市やオシュ市でのテロを計画していたとして治安当局に検挙され、2015年1月にもオシュ市において「ウズベキスタン・イスラム運動」(IMU)関係者が、キルギスやウズベキスタンでのテロを計画していたとして治安当局に検挙される等、イスラム過激派組織の潜伏が確認されています。また、2022年においてもイスラム過激派組織「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)、イスラム過激派組織「ヒズブ・タフリール・アル・イスラム」の構成員が同地域でSNSやモスク等を利用してプロパガンダ活動を展開していることが確認されています。
これら地域では、局地的に住民間の衝突、治安当局とイスラム過激派組織等の間で銃撃戦及びテロ行為が発生するおそれがあります。
つきましては、これらの地域への不要不急の渡航は止めてください。やむを得ない理由で渡航・滞在する場合には、報道等により最新の情報を入手するよう努めるとともに、必要に応じて現地事情に精通したガイドを同行させるなどの十分な安全対策を講じてください。
(4)ビシュケク市、チュイ州、タラス州、ナリン州及びイシク・クル州
レベル1:十分注意してください。(継続)
ア ビシュケク市
ビシュケク市では、2005年の騒乱に加え、2010年4月、野党支持者らによる数千名規模の反政府集会が開催され、その後、市中心部の大統領府庁舎前においてデモ隊と治安当局との間で大規模な衝突が発生し、多数の死傷者を出しました。2020年10月、共和国議会選挙結果に反対する集会・デモ等に端を発した騒乱が、首都ビシュケク市を中心に発生しました。今後も騒乱等の事態が繰り返される可能性が十分にあります。
また、2010年11月から12月にかけ、内務省や憲法裁判所等の政府施設を標的とした爆発物使用のテロ事件(未遂事件等を含む)が連続的に発生しています。2011年1月4日には、テロ事件を計画したと見られるグループの検挙に際し、治安当局と武装グループとの間で銃撃戦となり警察官3名が射殺されたほか、翌日には、治安当局が容疑者2名を射殺、1名を拘束しています。2015年7月16日、治安当局がテロリストの拠点を摘発した際、テロリストとの間で銃撃戦が発生し、テロリスト6名が死亡、治安当局側は4名が負傷しました。同テロリストは、ISILとの関係が疑われており、ラマダン(断食月)明けの祝祭に合わせたビシュケク市内でのテロや、同市郊外に所在するロシア軍の空軍基地に対する攻撃を計画していたものとみられています。同テロリストの拠点からは多数の武器や爆薬が押収されました。2016年8月30日には、当地中国大使館前で自爆テロが発生しています。
2022年7月にもビシュケク市でのテロを計画していたとして容疑者が検挙され、多くの武器が押収される事案は発生しており、依然としてテロの脅威は排除できません。
また、ビシュケク市南部では銃器を使用した傷害事件が発生しているほか、市内中心部でも殺人事件が発生しており、強盗事件や強制性交(わいせつ行為含む)事件など凶悪犯罪が発生しています。
イ チュイ州、タラス州、ナリン州及びイシク・クル州
チュイ州、タラス州、ナリン州及びイシク・クル州などの北部地域では、2010年4月の政変において、これら北部の州を中心に野党勢力による反政府集会が開催され、各州の行政府庁舎が占拠されるなどの事態に発展しました。タラス州の州都タラス市では、暴徒により商業施設等の略奪や破壊が行われたほか、州内務局から多量の武器が持ち出されるなどの事件が発生し、現在もその多くが回収されないままとなっています。
イシク・クル州ジュティ・オグズ地区では、2013年5月に、同州の鉱山運営を巡るデモ隊と警官隊との衝突が発生し、デモ隊によりバスが放火される等、一部が暴徒化し、治安当局が一部の道路を封鎖、催涙ガス等を使用してデモ隊の鎮圧に乗り出した結果、多数の逮捕者と負傷者を出しました。また、この事態を重く見たアタムバエフ大統領(当時)は、一時、同州の一部地域に対して、夜間の外出を禁止する内容の非常事態宣言を発出しました。この衝突は、数日後には落ち着きを取り戻しましたが、前記鉱山運営を巡っては、再びデモ等が発生する可能性が排除できません。このほか、2014年1月には、同州の中国との国境付近の山中で中国側から不法に越境してきたテロ組織との関連が疑われるウイグル人と思われる11名の集団に、狩猟中であったキルギス住民1名が刃物で殺害される事件も発生しています。
つきましては、これらの地域に渡航、滞在される方は、報道等により最新情報の入手に努めるなど十分注意してください。
3 滞在に当たっての注意
キルギスへの渡航・滞在における一般的な注意事項については、「安全対策基礎データ」(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure_265.html )も併せて参照してください。
滞在中は、下記の事項に十分留意して行動し、あらかじめ危険を避けるようにしてください。また、日本国外務省,在キルギス日本国大使館、現地関係機関、報道等により最新情報を入手するよう努めてください。
海外渡航の際には万一に備え、家族や友人、職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。
キルギスに3か月以上滞在する方は、在キルギス日本国大使館が緊急時の連絡先を確認できるよう、必ず在留届を提出してください。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet/index.html )
3か月未満の旅行や出張などの際には、渡航先の最新安全情報や、緊急時に在キルギス日本国大使館からの連絡を受け取ることができるよう、外務省海外安全情報配信サービス「たびレジ」に登録してください。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/index.html )
4 アフガニスタン、中央アジア、南アジア等の近隣諸国についても別途危険情報が発出されていますので、参照してください。
(問い合わせ窓口)
○外務省領事サービスセンター
住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902、2903
(外務省内関係課室連絡先)
○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)(内線)4567
○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)(内線)3047
○海外安全ホームページ
https://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版・スマートフォン版)
http://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp (モバイル版)
(現地大使館連絡先)
〇在キルギス日本国大使館
住所:Tashkent Street 35/1, Bishkek, 720014, Kyrgyz Republic
電話:(市外局番0312)-375-515
国外からは(国番号996)-312-375-515
ファックス:(市外局番0312)-375-518
国外からは(国番号996)-312-375-518
ホームページ:http://www.kg.emb-japan.go.jp