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ホンジュラス
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情報種別:海外安全情報(危険情報)
本情報は現在有効です。

ホンジュラスの危険情報【危険レベル継続】(内容の更新)

2022年2月15日

【危険度】
●首都テグシガルパ市、コルテス県、アトランティダ県、ジョロ県、オランチョ県、グラシアスアディオス県、コロン県、コマヤグア県及びコパン県
レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)
●その他の地域
レベル1:十分注意してください。(継続)

【ポイント】
●ホンジュラスは人口あたりの殺人事件発生率が世界で最も高い国の一つです。危険情報レベル2の地域への不要不急の渡航は止めるとともに、危険情報レベル1の地域においても十分注意してください。
●2021年12月より、テグシガルパ所在のトンコンティン国際空港に就航していた国際便は、パルメローラ国際空港(コマヤグア県:レベル2)に発着場所を変更しています。空港・市内間の移動はタクシーを事前予約するなどし、安全確保に努めてください。

1 概況
(1)ホンジュラスは、政府による治安対策により、殺人による死者数が2011年ピークとなって以来治安情勢は大幅に改善しているものの、2020年の殺人による死者数は、3,496人で、10万人あたりの殺人事件による死者数は37.57人(国家警察統計)と世界的に見てもいまだ高い水準で発生し、1日当たり約10人が殺害されています。
(2)国内ではコカイン、マリファナの大量押収事案や、麻薬精製所、密輸用の滑走路等が
発見されており、ホンジュラスが南米から北米への麻薬密輸の中継点の一つとなっている
とみられます。特に東部から北部にかけてのカリブ海沿岸地域では麻薬組織の活動が活発
で、組織間の抗争や麻薬売買に起因するとみられる殺人事件が頻発しています。
(3)青少年凶悪犯罪集団「マラス」等の犯罪組織は、殺人・強盗・誘拐等の犯罪を行い、企業やバス、タクシーなどの公共交通機関等から「みかじめ料」を脅し取っているほか、その支払いを拒否した者に対する殺人や放火等も発生しており、市民生活の大きな脅威となっています。
(4)強盗・窃盗事件は、詳細なデータが発表されていないため、正確な発生件数は把握できませんが、殺人等の重大事件と同様、国内で相当数の発生があると考えられます。犯人からの報復を恐れ、治安機関に届け出ない事件も多いと考えられますが、2020年には、日本人が被害に遭う強盗事件も発生しています。手手口別では、携帯電話を狙った強盗・窃盗事件が急増しています。
 誘拐も国内で多数発生しています。誘拐対策の詳細は海外安全ホームページやパンフレット:http://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pamph_04.html を参照してください。
(5)2020年3月以降、新型コロナウイルス感染症対策のための経済活動に関する各種規制が実施されたことや、同年11月にホンジュラスに甚大な被害をもたらした熱帯暴風雨「イータ」、「イオタ」による災害被害の復興の遅れ等に対して、政府への抗議活動や道路封鎖が国内各地で頻発しています。デモ参加者が暴徒化し、投石やタイヤ等への放火を行う場合もあり、近づくと危険です。外出の際はデモ等の情報に十分注意し、デモに遭遇した場合は決して近づかず、速やかに退避してください。
(6)これまでに、ホンジュラスにおいてテロによる日本人の被害は確認されていませんが、近年チュニジア、ベルギー、バングラデシュ、スリランカ等において日本人が殺害されるテロ事件が発生しています。また、テロは、日本人が数多く渡航する欧米やアジアをはじめとする世界中で発生しており、特に近年では、単独犯によるテロ(ローンウルフ型)や、一般市民が多く集まる公共交通機関等(ソフトターゲット)を標的としたテロが頻発しており、テロの発生を予測し、未然に防ぐことが益々困難となっています。
 テロはどこでも起こり得ることや、日本人が標的となり得ることを十分に認識し、テロの被害に遭わないよう海外安全ホームページや報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心がけてください。

2 地域別情勢
(1)テグシガルパ市、コルテス県、アトランティダ県、ジョロ県、オランチョ県、グラシアスアディオス県、コロン県、コマヤグア県及びコパン県
 レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)

ア テグシガルパ市
 首都所在地であるフランシスコモラサン県における2020年の殺人発生件数は669県で、コルテス県に次いで2番目ですが、都市・地域別に見た統計では、テグシガルパ市を含む首都特別区(ディストリート・セントラル)での殺人発生件数は569件と全国で最も高い数値となっています。
 2015年11月には、白昼、日本人が、拳銃を持った者に現金等が入ったバッグを奪われる強盗事件が発生しており、滞在には細心の注意が必要です。
 また、市内を縦断するチョルテカ川より西の地区(コマヤグエラ地区)は、マラス構成員が多く居住し、特に治安悪化が顕著な地区です。2012年9月には、コマヤグエラ地区及びセントロ地区の境界付近にある市場を一人で観光していた日本人旅行者が、二人組の強盗に頭部を拳銃で殴られ、パソコンや携帯電話等を奪われる強盗事件が発生しました。コマヤグエラ地区及びセントロ地区を徒歩で散策・移動することは極力避けてください。長距離バス等のターミナルに立ち寄る場合、ラジオタクシー等との乗り換えのみとし、ターミナル内の移動は最小限にするとともに、ターミナルから外のコマヤグエラ地区に徒歩で出かけることも極力避けてください。同地区内には低料金のホテルも多く存在しますが、宿泊は避けることをお勧めします。

イ コルテス県
 コルテス県は、殺人事件による県別死者数がホンジュラスで最も多い県で、殺人事件の多くは県都サンペドロスーラ市及びチョロマ市で発生しています。
 同県は、2020年11月にホンジュラスに襲来した熱帯暴風雨「イータ」、「イオタ」により甚大な被害を受けた場所が多く、政府の災害復興政策の遅れや治水対策に対する大規模な抗議活動も頻発しています。
 同市に滞在する場合は、市中心部(環状道路(通称シルクンバラシオン)南側の大型ショッピングモールや外資系ホテルの所在する地区)をお勧めします。また、夜間はもちろんのこと、昼間でも徒歩による移動は避け、貴重品等も極力持ち歩かないことをお勧めします。 

ウ アトランティダ県
 アトランティダ県県都のラセイバ市は、カーニバルやカリブ海観光の玄関口としても有名ですが、2020年の都市別殺人発生件数は国内第4位(118件)でした。県内の殺人事件の約半数が同市で発生しており、麻薬密輸の主要ルートになっているとみられます。旅行者が訪れる海岸沿いの地域でも、強盗事件や誘拐事件が発生していることから、注意が必要です。

エ ジョロ県、オランチョ県、およびグラシアスアディオス県
 麻薬を搭載した小型飛行機が離着陸し、麻薬や銃器の主要な密輸ルートとなっており、麻薬関連とみられる犯罪組織間の抗争が各地で頻発しています。国内で殺人発生件数が減少傾向にあるなか、グラシアスアディオス県では2020年の殺人発生件数は前年より増加しました。
 グラシアスアディオス県は、大部分が密林地帯であり、交通アクセスが悪く、他県から陸路で入ることが困難なため、緊急事態の際に十分な支援が受けられない可能性があります。

オ コロン県
 コロン県における殺人事件の半数は、トコア市とトルヒージョ市において発生しています。過去には、バホアグアン地区のパーム椰子農園内で土地所有権問題に起因する衝突が発生していますので、今後も抗争に関連した道路封鎖などに注意が必要です。コカやマリファナの違法栽培地や、麻薬の摘発が頻繁に行われており、麻薬関連組織の活動が活発な場所と見られます。

カ コマヤグア県
 コマヤグア県における殺人事件は主にコマヤグア市およびシグアテペケ市で多く発生しています.
 テグシガルパ市に所在するトンコンティン国際空港の国際線発着は、2021年12月以降、コマヤグア県に所在するパルメローラ国際空港へ移転しています。
新空港はテグシガルパ中心地から約60キロメートル、車で所要1時間半から2時間かかり、道程の大部分が山間部です。山間部では強盗団の活動が確認されています。
 市内・空港間の移動は深夜・早朝を避けることをお勧めします。また、事前に信頼のおけるタクシー会社で配車を予約するなどし、流しのタクシーは絶対に利用しないでください。

キ コパン県
 国内の観光名所となっているコパン遺跡付近は警察も警戒を強化していますが、一つの都市に偏ることなく県全域で殺人事件が発生しています。

 上記の地域(レベル2)への不要不急の渡航は止めてください。自らの安全につき慎重に検討し、やむを得ず渡航・滞在する場合には最新の治安情報を入手しつつ、周囲に警戒を払う等十分な安全対策を講じてください。移動に際しては、信頼できる現地事情に詳しい人を同行させるなどしてください。

(2)その他の地域
 レベル1:十分注意してください。(継続)
 ホンジュラス国内では地域を問わず犯罪が発生しています。依然として、銃器を使用した凶悪犯罪が頻発しており、厳しい治安情勢が続いています。2017年には、これまで治安が比較的安定しているとされていたラパス、エルパライソ及びチョルテカの各県において、日本人がひったくりや拳銃を突きつけられて金品を奪われる強盗被害に遭っています。また、サンタバルバラ、コパン、オコテペケ各県での麻薬組織の活動が沈静化する一方、チョルテカ、バジェ両県での活動が活発化しつつあります。特に2020年3月以降、新型コロナウイルス感染拡大による経済活動の規制や、熱帯暴風雨「イータ」、「イオタ」の被災により経済困窮者が増加しており、比較的治安が良いとされている地域においてもデモや窃盗などが発生する可能性があります。今後もホンジュラスの治安状況の推移に対する注意が必要です。

ア フランシスコモラサン県(テグシガルパ市を除く)
 2020年10月、フランシスコモラサン県サンアントニオ・デ・オリエンテ市に所在するホテル内で、敷地内に所在するコテージに数名の強盗が押し入り、滞在中であった日本人男性らが拳銃のようなもので脅されたうえ、金品を強奪される事件が発生しました。
 本地区のように、比較的治安が良いと認識されている場所でも、犯罪被害に遭う可能性はありますので十分注意してください。

イ サンタバルバラ県,オコテペケ県
 サンタバルバラ、オコテペケ両県においては、殺人事件の発生件数は年々減少し、2018年の10万人あたりの殺人事件の発生率は、サンタバルバラ県37.9人(前年比−9.3人)、オコテペケ県26.9人(前年比−3人)まで減少しました。また、窃盗・強盗,誘拐等の一般犯罪も減少しています。
 西部を中心に暗躍していた麻薬組織「バジェ・バジェ」の中心メンバーが逮捕・収監されたことにより、西部地区における麻薬組織の活動が沈静化し、両県における薬物関連事犯の発生も沈静化しています。
 さらに、同地域内で外国人に対する殺人事件・誘拐事件の発生もないことから、上記2県については2019年以降、危険度を「レベル1:十分注意してください」に引き下げています。
 ただし、両県は現在、主にサンペドロスーラ市から当国外に向け出発する移民キャラバンの移動ルートになっており、同キャラバンを狙った犯罪に巻き込まれるおそれもあることから、引き続き十分注意して下さい。

 その他の地域に渡航・滞在を予定している方は、最新情勢の入手に努めるとともに、昼夜を問わず常に周囲を警戒するなど、各種犯罪等不測の事態に巻き込まれないよう十分注意してください。

3 滞在に当たっての注意
 滞在中は上記情勢に十分注意して行動し、危険を避けてください。また、外務省、在ホンジュラス日本国大使館、現地関係機関から最新の情報を入手するようにしてください。

 海外渡航の際には万一に備え、家族や友人、職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。
 ホンジュラスに3か月以上滞在される方は、在ホンジュラス日本国大使館が緊急時の連絡先を確認できるよう、必ず「在留届」を提出してください。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet
 3か月未満の旅行や出張などの際には、渡航先の最新の安全情報や、緊急時に在ホンジュラス日本国大使館の連絡を受け取ることができるよう、外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録してください。( https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/

(問い合わせ窓口)
○外務省領事サービスセンター
 住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
 電話:(外務省代表)03-3580-3311 (内線)2902

(外務省関係課室連絡先)
○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)(内線)2306
○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)(内線)3047
○海外安全ホームページ
  http://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版)
  http://www.anzen.mofa.go.jp/sp/index.html (スマートフォン版)
  http://www.anzen.mofa.go.jp/m/mbtop.html (モバイル版)

(現地大使館連絡先)                                       
○在ホンジュラス日本国大使館
 住所:Col.San Carlos, Calzada Rep. Paraguay, Tegucigalpa, D.C., Honduras, C.A. (Apartado Postal 3232)
 電話:2236-5511
   国外からは(国番号504)-2236-5511
 FAX:2236−6100
   国外からは(国番号504)-2236-6100
 ホームページ:https://www.hn.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html



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