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チリ
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情報種別:海外安全情報(危険情報)
本情報は現在有効です。

チリの危険情報【危険レベル継続】(内容の更新)

2025年4月21日

【危険レベル】
●全土
レベル1:十分注意してください。(継続)

【ポイント】
●2019年10月、地下鉄運賃の値上げに反対する抗議活動を契機として、サンティアゴ市や各地方において政府への大規模な抗議活動が行われ、一部の抗議活動参加者が暴徒化し、放火、略奪、治安部隊との衝突など、死傷者を伴う社会騒乱へと発展しました。その後も国内では抗議活動が多発しており、抗議活動が暴徒化する可能性もありますので、引き続き情勢に注意する必要があります。

1 概況
(1)チリでは、殺人、強盗、性犯罪等の凶悪犯罪を含め、各種犯罪が増加傾向にあります。置き引き、スリ、ひったくり等の盗難被害が多発しているほか、拳銃使用による強盗、夜間に歩行者に車を横付けし、複数人で暴行・金品を強奪する事件、通りすがりに刃物で切りつける強盗等の凶悪事件も発生しています。また、最近は、邦人が多く居住する比較的安全とされていたサンティアゴ市東部地区でも住居への侵入窃盗、ショッピングセンターでの強盗、車上狙い等の犯罪が発生しています。強盗に抵抗したために刃物で刺され、あるいは鈍器で殴られ重傷を負う事例も散見され、過去には、日本人が殺害された事件も発生しています。特に夜間は、複数人でも出歩くのは大変危険ですので十分注意が必要です。
(2)チリ検察庁の統計によると、2024年に発生した殺人、窃盗、傷害、強盗事件の既遂及び未遂を含む総件数は441,140件であり、社会騒擾が発生した2019年の435,471件を上回っています。このうち、窃盗や強盗の発生件数は減少していますが、殺人発生件数については、2019年の2,170件に対し、2024年は3,616件と大幅に増加しており、犯罪における銃器の使用率も増加傾向にあります。殺人事件の大多数は公道で発生しているため、危険な地域に近づかない、事件に巻き込まれないように十分注意する必要があります。
(3)例年、反政府主義者(アナーキスト)による小規模爆弾事件が発生しており、直近では、2022年7月5日にサンティアゴ市ラス・コンデス区の建設会社前で爆弾が爆発しました。また、2023年5月23日には、プロビデンシア区の「市民の平和財団(Fundacion Paz Ciudadana)」建物前において時限爆弾が設置される事件が発生しています。
2 地域別情勢
 全土
 レベル1:十分注意してください。(継続)
2019年10月の社会騒擾以降も、国内では抗議活動が多発しており、抗議活動が暴徒化する可能性もありますので、引き続き情勢に注意する必要があります。
つきましては、チリへの渡航滞在にあたっては十分注意するとともに、報道等により最新の情報の入手に努めてください。

(1)チリ北部
北部のアリカ・パリナコタ州、タラパカ州及びアントファガスタ州の国境地帯では、非正規移民の流入問題に起因する犯罪が発生しています。この対策として、チリ国軍が2023年2月以降、同国境地帯における移民管理及び安全保障任務を実施しており、2025年1月19日のチリ議会による承認を受け、現在もこれら任務を継続しています。
(2)チリ中部
殺人・暴力犯罪防止センターの発表によると、2024年に発生した殺人事件の45.7%がメトロポリタン州、11.1%がバルパライソ州と、中部で多く発生しており注意が必要です。なお、殺人事件の約半数は銃器によるものです。
(3)チリ南部
南部のビオビオ州、ラ・アラウカニア州、ロス・ラゴス州、ロス・リオス州では、先住民問題が長期化しています。先住民系の一部過激派による発砲事件や放火事件などが発生しており、未だ根本的な解決に至っていないことから、注意が必要です。南部における暴力事件の増加を受け、2022年5月16日、ボリッチ大統領は軍を動員して治安維持活動を行うことを可能にするため、南部のアラウカニア州2県、ビオビオ州2県に対して、非常事態宣言を再度発令しました。また、2023年6月21日、土地問題解決のための「平和と理解のための委員会」が創設され、暴力事件数は、2023年の775件に対して、2024年は419件と減少傾向にありますが、南部における暴力事件には依然注意が必要です。

3 渡航・滞在にあたっての注意
(1)滞在に当たっての注意について、詳細は安全対策基礎データ(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure_251.html )も併せて参照してください。
 滞在中は以下の事項に十分留意して行動し、危険を避けるようにしてください。また、日本国外務省、在チリ日本国大使館、現地関係機関及び報道等から最新の情報を入手するようお勧めします。
ア 外出する際は、報道等から最新の治安情報の入手に努め、行き先の安全を確かめるとともに、外出中は周囲への警戒を怠らない。
イ 抗議活動や衝突・口論の場、またはその可能性のある場所には決して近づかない。万一そのような場所に遭遇した場合には直ちにその場を離れ、安全な場所に避難し、自らの安全確保に努める。
ウ 抗議活動の様子や破壊行為の現場等をスマートフォン等で撮影しない。
エ パスポート(写し)等身分証明書を携帯し、職務質問を受けたときに備える。
オ 家族や知人に行き先、居場所、連絡先を知らせておくとともに、日本の親族等との定期的な連絡を心掛ける。
カ 万一、トラブルに巻き込まれた場合には、直ちに在チリ日本国大使館に支援を求める。
キ 海外渡航の際には万一に備え、家族や友人、職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。
(2) これまでにチリにおいてテロによる日本人の被害は確認されていませんが、テロによる 日本人の被害は、シリアやアフガニスタンといった渡航中止勧告や退避勧告が発出されている国・地域に限りません。テロは、日本人が数多く渡航する欧米やアジアを始めとする世界中で発生しており、これまでもチュニジア、ベルギー、バングラデシュ、スリランカ等においてテロによる日本人の被害が確認されています。
近年は、世界傾向として、軍基地や政府関連施設だけでなく、警備や監視が手薄で不特定多数が集まる場所を標的としたテロが頻発しています。特に、単独犯によるローンオフェンダー型テロや、一般市民が多く集まるレストラン、ホテル、ショッピングモール、公共交通機関、宗教関連施設等はテロの標的となりやすく、常に注意が必要です。
 また、チリでの誘拐事件発生件数は、2021年後半から増加し年間800件以上発生しており、短時間誘拐を含め、外国人を標的とした誘拐のリスクも排除されず、注意が必要です。誘拐の被害を未然に防ぐため、「目立たない」、「用心を怠らない」、「行動を予知されない」の安全のための三原則を念頭に、日常における予防を忘れないでください。通勤時間や経路を常に変更する、外出や帰宅時に、周囲に不審者や不審車両が見当たらないかチェックする等の対策が必要です。万一拘束された場合には、犯人の指示に従い、むやみに抵抗しないことが肝要です( 誘拐対策の詳細は「海外における脅迫・誘拐対策Q&A」( https://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pamph_04.html )をご参照ください。)。
テロ・誘拐はどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロに巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。
チリの「テロ・誘拐情勢」も併せてご確認ください(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_251.html
(3)3か月以上滞在される方は、在チリ日本国大使館が緊急時の連絡先を確認できるよう、必ず「在留届」を提出してください。
 3か月未満の旅行や出張などの際には、渡航先の最新の安全情報や、緊急時に在チリ日本国大使館の連絡を受け取ることができるよう、外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録してください。
https://www.ezairyu.mofa.go.jp/index.html

4 隣国のペルー、ボリビア、アルゼンチンについてもそれぞれ「危険情報」が発出されていますので留意してください。

(問い合わせ窓口)
○外務省領事サービスセンター
  住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
  電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902、2903

(外務省内関係課室連絡先)
○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)(内線)4567
○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)(内線)3047
○領事局政策課(感染症関連)(内線)4919
○領事局ハーグ条約室(一般案内窓口)03-5501-8466
○海外安全ホームページ
  https://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC・スマートフォン版)
  http://www.anzen.mofa.go.jp/m/mbtop.html (フィーチャーフォン版)

(現地大使館連絡先)
○在チリ日本国大使館
住所:Av. Ricardo Lyon 520、 Providencia、 Santiago、 Chile
 (Casilla 124, Correo 35, Santiago, Chile)
電話:(市外局番2)2339−2200
国外からは(国番号56)-2-2339−2200

ホームページ http://www.cl.emb-japan.go.jp/index_j.htm



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