=-=-=-=-=-=-=-=
タジキスタン
=-=-=-=-=-=-=-=
情報種別:海外安全情報(危険情報)
本情報は現在有効です。

タジキスタンの危険情報【危険レベル継続】(内容の更新)

2023年8月31日

【危険度】
●アフガニスタンとの国境付近、ソグド州イスファラ市ヴォルフ地区(キルギス領に囲まれた飛び地)
 レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)

●共和国直轄地:ログーン市以東、ソグド州:キルギスとの国境付近、フェルガナ盆地のウズベキスタンとの国境付近及びクヒストニ・マスチョ郡(ザラフシャン川のアイニ郡より上流部分)、ハトロン州:アフガニスタンとの国境を有する郡(上記アフガニスタンとの国境付近を除く)、ゴルノ・バダフシャン自治州全土(上記アフガニスタンとの国境付近を除く)
 レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)

●上記を除くタジキスタン全土
 レベル1:十分注意してください。(継続)

【ポイント】
●アフガニスタンとの国境付近の治安情勢は、非常に緊迫しています。同地域は、イスラム過激派組織の勢力が強い隣国アフガニスタンからの影響を受けやすく、依然として麻薬密輸グループの摘発も散見されます。ここ数年、アフガニスタンの北部に「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)を含むイスラム過激派武装勢力が多数流入していると言われている中、2021年以降のアフガニスタンでの政情不安の影響で両国の国境付近は一層緊迫した状況が続き、今後どのように事態が進むのか予断を許さない状況です。どのような目的でも同地域への渡航は止めてください。
●ソグド州イスファラ市ヴォルフ地区(キルギス領に囲まれた飛び地)は、イスラム過激派組織の越境ルート、麻薬密輸グループの麻薬運搬ルートとして頻繁に利用されている模様です。主な理由として、同地区は、イスラム過激派組織の活動が活発なフェルガナ盆地に隣接していること、さらには山岳地帯を含むため国境警備も困難なことなどが挙げられます。さらに、近年タジキスタン・キルギス国境では、国境問題を端とする暴動などが発生し、死傷者が出る事態となっています。国境警備隊同士の銃撃戦にまで発展する事案も散見され、国境沿いは緊張状態が続いています。どのような目的でも同地域への渡航は止めてください。

1 概況
(1)タジキスタンでは、1997年に政府とイスラム過激派を含む反政府勢力との間で和平合意が成立し、以降、国内の治安情勢は徐々に改善していきました。2005年以降は、反政府勢力の活動が再び活発化するに伴い、一時は治安情勢も悪化しましたが、2011年には反政府勢力の主流派が国内から一掃されています。
(2)ただし、2015年3月にはタジキスタン国内での戦闘を主張するISILタジキスタン人戦闘員によるインターネット動画の投稿が確認され、同年5月にはタジキスタン内務省特殊部隊(OMON)元司令官がISILに参加したことを公表し、タジキスタンにイスラム法に基づく国家の創設を宣言したほか、多数のタジキスタン人がシリア、イラクでの戦闘に参加していたこと等から、タジキスタン国内においても、イスラム過激派による事件発生の潜在的脅威は存在するとみられます。
(3)アフガニスタンとの国境付近の治安情勢は、イスラム過激派組織の勢力が強い隣国アフガニスタンからの影響を受けやすく、依然として麻薬密輸グループの摘発も散見されています。ここ数年、アフガニスタン北部にISILを含むイスラム過激派武装勢力が多数流入しているとされている中、昨今のアフガニスタン情勢を受け、国境周辺情勢は非常に緊迫し、今後どのように事態が進展するか予断を許さない状況です。
(4)タジキスタン東部ゴルノ・バダフシャン自治州のアフガニスタン国境付近は、ソ連から独立以降、長年治安機関と反政府勢力の衝突が頻発している地域です。最近では、2021年11月及び2022年5月に、治安機関に対する住民のデモが行われ、死傷者が出る事態となりました。今後も厳重な警戒が必要です。
(5)上記以外の地域においても、インフレが進み、生活需要品を他国からの輸入に頼る経済に多大な影響を及ぼしていることから、生活苦を背景にした一般犯罪の増加による治安悪化が懸念されています。比較的裕福と見なされている日本人をはじめとする外国人が犯罪行為の標的となる可能性がありますので、十分注意が必要です。
(6)テロによる日本人の被害は、シリアやアフガニスタンといった渡航中止勧告や退避勧告が発出されている国・地域に限りません。テロは、日本人が数多く渡航する欧米やアジアをはじめとする世界中で発生しており、これまでもチュニジア、ベルギー、バングラデシュ、スリランカ等においてテロによる日本人の被害が確認されています。
近年では、単独犯によるローンウルフ型テロや、一般市民が多く集まるレストラン、ショッピングモール、公共交通機関等のいわゆる「ソフトターゲット」を標的としたテロが世界各地で頻発しており、こうしたテロの発生を未然に防ぐことは困難です。
 テロはどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロに巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。
 また、タジキスタンのテロや誘拐に関する情報については、テロ・誘拐情勢(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_201.html )も参照してください。

2 地域別情勢
(1)ハトロン州のアフガニスタンとの国境付近、ゴルノ・バダフシャン自治州のアフガニスタンとの国境付近、ソグド州イスファラ市ヴォルフ地区(キルギス領に囲まれた飛び地) 
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)

ア ハトロン州のアフガニスタンとの国境付近
タジキスタン南西部のハトロン州とアフガニスタンとの国境付近の治安情勢は、非常に不安定です。上記1(3)で記載があるように、アフガニスタン情勢の影響を受けて国境付近は緊張状態が続いています。ハトロン州南部の国境検問所を中心として、両国による厳しい国境監視が行われています。今後、こうした状況がどのように進展するのか予断を許さない状況です。
さらに、同地域では、麻薬取引に絡む事件が頻発しており、当地国境警備隊員と麻薬密輸グループとの銃撃戦が散発的に行われ、死傷者が発生しています。
 つきましては、ハトロン州のアフガニスタンとの国境付近への渡航・滞在は、どのような目的であれ止めてください。

イ ゴルノ・バダフシャン自治州のアフガニスタンとの国境付近
タジキスタン東部ゴルノ・バダフシャン自治州のアフガニスタンとの国境付近における治安情勢は、上記1(3)に記載のとおり緊張状態が続いており、非常に不安定です。
 また、同国境付近の道路には、国境警備隊の検問所が数多く設置され、アフガニスタンの武装勢力及び麻薬・武器密輸業者等の取締りが厳しく行われており、頻繁に発生する銃撃戦により死者も出ています。
 そのほか、同州はタジキスタン国内他地域との格差等に起因する反中央政府感情が根強く存在し、州都ホログ市を中心に暴動等が頻発しています。2021年11月にはホログ市において、2022年5月には同市及びルション市周辺において、地元住民による治安機関に対する大規模デモや道路封鎖等の抗議活動が行われ、死傷者が出る事態となっています。

ウ ソグド州イスファラ市ヴォルフ地区(キルギス領に囲まれた飛び地)
タジキスタン北部のソグド州は、キルギス及びウズベキスタンとの国境線が複雑に入り組んでいます。特にヴォルフ地区(キルギス領に囲まれた飛び地)は、イスラム過激派組織の活動が活発なフェルガナ盆地に隣接していること、さらには山岳地帯を含むため国境警備も困難なことなどから、イスラム過激派組織の越境ルート、麻薬密輸グループの麻薬運搬ルートとして頻繁に利用されている模様です。
さらに、近年タジキスタン・キルギス国境では、国境問題を端とする暴動などが発生し、死傷者が出る事態となっています。国境警備隊同士の銃撃戦にまで発展する事案も散見され、国境沿いは緊張状態が続いています。 
 
つきましては、これらの地域への渡航はどのような目的であれ止めてください。

(2)共和国直轄地:ログーン市以東、ソグド州:キルギスとの国境付近、フェルガナ盆地のウズベキスタンとの国境付近及びクヒストニ・マスチョ郡(ザラフシャン川のアイニ郡より上流部分)、ハトロン州:アフガニスタンとの国境を有する郡(上記アフガニスタンとの国境付近を除く)、ゴルノ・バダフシャン自治州全土(上記アフガニスタンとの国境付近を除く)
レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)
 
ア 共和国直轄地:ログーン市以東、ソグド州:キルギスとの国境付近、フェルガナ盆地のウズベキスタンとの国境付近及びクヒストニ・マスチョ郡(ザラフシャン川のアイニ郡より上流部分)
共和国直轄地のログーン市以東のガルム地方等は、過去の内戦時に反政府勢力の活動拠点でしたが、一部の地区では依然として内戦時代に埋設された地雷の除去が行われていません。
 ソグド州のキルギス国境付近では、両国住民間及び国境警備隊間の衝突が散発しています。また、ウズベキスタンのフェルガナ盆地は、イスラム過激派組織の活動が活発な地域であり、イスラム過激派組織の越境ルート、麻薬密輸グループの麻薬運搬ルートとして頻繁に利用されている模様であり、国境付近の治安状況は不安定です。

イ ハトロン州:アフガニスタンとの国境を有する郡(上記アフガニスタンとの国境付近を除く)
上記2(1)のとおり、ハトロン州のアフガニスタン国境は隣国アフガニスタンからの影響を受けやすく、治安が不安定であり、麻薬取引に絡む当地国境警備隊員と麻薬密輸者グループとの銃撃戦による死傷者も発生しています。

ウ ゴルノ・バダフシャン自治州全土(上記アフガニスタンとの国境付近を除く)
ゴルノ・バダフシャン自治州は、アフガニスタンから北方に向けた麻薬密輸の主要ルートとなっているほか、全般的に首都ドゥシャンベ等から交通アクセスが極めて悪く、自然災害や冬の積雪からの道路復旧工事のために交通規制がしばしば行われます。通信インフラも不十分で、一部においては電話も全く通じません。同地域の大部分では電気、水道等のインフラ整備も遅れており、電力供給不足のため一日の大半が停電となることがあり、頻繁に断水も発生していることから、一般的な旅行に適した環境とは言えません。

つきましては、これらの地域への不要不急の渡航は止めてください。やむを得ない事情でこれら地域に渡航・滞在される方は、十分な安全対策を講じてください。また、山岳地域の移動を含め、長距離移動の際は報道等により雪崩に関する最新情報を入手するよう努めてください。
(3)上記を除くタジキスタン全土
レベル1:十分注意してください。(継続)

ア タジキスタンの政治・治安情勢は全般的に落ち着きを取り戻しており、1992年から1997年にかけて続いた内戦等により、遅れていた道路網等の社会的インフラの整備も、現在は地方を含め改善傾向にあります。
 中でも、ヒッサール市、ヴァルゾブ郡及びパンジャケント市は、近年観光地及び避暑地として発展しており、この数年目立った事件は報じられていません。

イ 2018年7月に発生したハトロン州ダンガラ郡での外国人サイクリスト襲撃事案や、2019年11月に発生した共和国直轄地ルダキ郡でのタジキスタン・ウズベキスタン国境警備ポスト襲撃事案では、事案発生後にISILから犯行声明が表明されました。また、国内においてテロ未遂容疑者が検挙されるほか、若者を中心に潜在的なISIL等のイスラム過激派支持者がいるとされるなど、テロ事案発生の潜在的可能性は常に存在します。

ウ そのほか、ドゥシャンベ市、フジャンド市等では富裕層市民が強盗、ひったくり等の標的になることもあります。内務省犯罪統計によれば、貧富の格差が急速に拡大しつつある両市においては強盗事件及び暴力行為が増加しています。

つきましては、これらの地域への渡航・滞在にあたっては、周囲の状況に気を配って行動する、テロの標的になりそうな施設に近づかないといった特別な注意を払い、危険を避けるよう心掛けてください。

3 渡航・滞在に当たっての注意
(1)タジキスタンへの渡航・滞在にあたっての一般犯罪等の注意事項については、外務省海外安全ホームページ内の「安全対策基礎データ(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure_201.html )」も併せて参照してください。
 
(2)海外渡航の際には万一に備え、家族や友人、職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。
3か月以上滞在される方は、在タジキスタン日本国大使館が緊急時の連絡先を確認できるよう、必ず在留届を提出してください。
3か月未満の旅行や出張などの際には、渡航先の最新の安全情報や、緊急時に在タジキスタン日本国大使館の連絡を受け取ることができるよう、外務省海外旅行登録「たびレジ(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/index.html )」に登録してください。

4 隣国アフガニスタン、ウズベキスタン、キルギス及び中国西部にはそれぞれ危険情報が発出されていますので、それらにもご留意ください。

(問い合わせ窓口)
 ○外務省領事サービスセンター
  住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
  電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902、2903

(外務省内関連課室連絡先)
○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く):(内線)4567
○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連):(内線)3047
○海外安全ホームページ
  https://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版・スマートフォン版)
  http://www.anzen.mofa.go.jp/m/mbtop.html (モバイル版)

(現地大使館連絡先)
○在タジキスタン日本国大使館
  住所:80A, Kh.Nazarov St., Dushanbe, Republic of Tajikistan
  電話:(+992) 44-600-54-77〜80  
ホームページ: http://www.tj.emb-japan.go.jp/j/



−−−−−−−−−−
トップページ
−−−−−−−−−−