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バングラデシュ
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情報種別:海外安全情報(危険情報)
本情報は現在有効です。

バングラデシュの危険情報【危険レベル継続】(内容の更新)

2025年12月26日

【危険レベル】
●チッタゴン(チョットグラム)丘陵地帯(カグラチャリ県、ランガマティ県、バンドルボン県)
 レベル2:不要不急の渡航は止めてください。《継続》
●上記の地域を除くバングラデシュ全土
 レベル1:十分注意してください。《継続》

【ポイント】
●2026年2月に実施が見込まれている総選挙を見据え、ダッカを含むバングラデシュ各地で、様々な政治勢力による示威・妨害行為やそれに対する抗議活動を含め、政治的要因による突発的な衝突や襲撃事件等が発生する可能性があるため、引き続き注意が必要です。
●ダッカ管区を中心に粗製爆弾(注:火薬をビニールテープで巻いたもの)の爆発が教会、病院及び主要道路等で発生し、負傷者が出ています。今後、高い殺傷能力をもった粗製爆弾が使用され被害が拡大する可能性も排除されません。また、公共交通バスへの放火事案が数多く発生し、死傷者が出ています。これらの事案に巻き込まれないよう、注意が必要です。
●2019年から2020年にかけて治安当局を標的とする爆弾テロが散発したほか、2023年にはバングラデシュを拠点とする新たな過激派組織が確認されるなど、依然としてテロの脅威は排除されていません。
●チッタゴン(チョットグラム)丘陵地帯では、仏教系少数民族が多数居住していますが、民族対立等が未解決です。バングラデシュ治安部隊によるチッタゴン丘陵地帯でのテロ掃討作戦のため、ミャンマー国境の一部で渡航制限が継続される等、治安情勢が不安な状態が続いており、引き続き警戒する必要があります。

1 概況
(1)政治情勢
ア 2024年7月、首都ダッカを含むバングラデシュ全土において、公務員採用制度を巡り(注:公務員採用における独立戦争時のフリーダムファイター(退役軍人)等に対する特別枠を割り当てるクオータ制度の廃止の適否を巡るもの。)、学生団体と治安機関等との間で衝突が相次ぎ、数千人規模の死傷者が出ました。国内各所におけるデモ活動等の抗議行動が先鋭化し、ハシナ政権(当時)の退陣を求めるに至り、2024年8月5日、ハシナ首相(当時)は辞任し、インドに逃避しました。
イ 同月8日、ユヌス首席顧問率いる暫定政権が発足しました。暫定政権は、法と秩序の回復を最優先課題に位置づけ、軍に治安判事権限を与える法令発出や改革委員会の設立など、様々な改革に向けた取組を進め、治安改善の取組も強化しました。その結果、昨年末の時点では、昨年夏の政変時と比べ、過激な抗議活動は収束し、情勢は落ち着きを取り戻しました。
ウ 本年に入り、暫定政権は、国民的合意形成委員会(NCC)の枠組みを活用し、政党間等の対立を緩和し暴力を抑制しながら、政治プロセスを進めました。10月17日には、政党による7月憲章(憲法・行政・司法・選挙制度等の包括的な改革案)の署名が行われました。11月13日、暫定政権は、7月憲章施行令を公布するとともに、総選挙と同日に国民投票を実施する方針を明らかにしました。12月11日、選挙管理委員会は、第13次総選挙を来年2月12日に実施することを発表しました。
エ 2026年2月に実施予定の総選挙を見据え、政党や学生等の政治活動が活発化してきています。様々な政治勢力による示威・妨害行為やそれに対する抗議活動を含め、政治的要因による突発的な衝突や襲撃事件等がダッカを含むバングラデシュ各地で発生する可能性があります。
オ 2025年11月17日に国際犯罪法廷(注:バングラデシュの国内法廷)によりハシナ前首相に対し死刑判決が下されるに至るまでの数日間、アワミ連盟は、抗議活動やロックダウンを呼びかけました。アワミ連盟は、12月中旬にも抗議活動やロックダウンを再び呼びかけました。
カ ダッカ管区を中心に粗製爆弾(注:火薬をビニールテープで巻いたもの)の爆発が教会、病院及び主要道路等で発生し、負傷者が出ています。今後、高い殺傷能力をもった粗製爆弾が使用され被害が拡大する可能性が排除されません。また、公共交通バスへの放火事案が数多く発生し、死傷者が出ています。
キ 上記エ〜カの動きの中で、治安が悪化するおそれがあるので、引き続き報道等で最新の関連情報を入手するとともに、不測の事態に巻き込まれないよう、十分ご注意ください。抗議活動や集会が予定されている場所付近への接近は避け、抗議活動・集会等に遭遇した場合にはすぐにその場から離れるなど、自らの安全確保に努めてください。

(2)テロ情勢
ア 過去には、国内各地で外国人、イスラム教スンニ派以外の宗教信者、治安当局関係者等が標的となるテロ事件が相次いで発生しており、2015年10月には、ロングプール県における邦人殺害事件、2016年7月には武装グループが人質を取って籠城し、日本人7名を含む20名以上が殺害されるダッカ襲撃テロ事件が発生しました。邦人が被害となった両事件に関しては、「ISILバングラデシュ」を名乗る犯行声明が発出され、2019年に発生した警察官を狙った爆弾事件に関しても、同様の犯行声明が発出されました。
イ 2016年以降、バングラデシュ政府は、テロ計画を有するイスラム過激主義者らの摘発を継続的に推進し、テロを未然に阻止しています。2017年以降、外国人を標的としたテロ事件は発生していませんが、過激派組織の拠点から爆弾や爆弾の原材料等が押収される事案は現在も発生しています。2023年には、バングラデシュを拠点とする新たな過激派組織2団体が確認されました。
ウ 2024年夏の政変に伴い、当局の銃器が流出し、過激派を含む犯罪者が刑務所から逃走しているとの情報もあります。
エ このように、バングラデシュでは依然としてテロの脅威は排除されていません。今後ともテロ情勢を注視していく必要があります。
詳細は、バングラデシュの「テロ・誘拐情勢」をあわせてご確認ください。( https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_012.html

具体的には以下の点に留意してください。

[行動]
●予定を多くの人に知られないようにし、目立たないように行動する。
●通勤や買い物等を同じ経路や時間帯で行わず、日常の行動パターンをできるだけ固定しないようにする。
●外出時の移動は車両を利用する。
●早朝・夜間の外出、移動は控え、日中の時間帯に用事を済ませる。
●建物からの出入り及び車両乗降時(駐車中も含む)には、不審者や不審車両(バイク等を含む)が近づいてこないか、周囲の状況を慎重に確認する。

[訪問場所]
●最新の治安情勢について情報収集に努め、滞在先や個別の訪問先の治安状況や警備体制を常に確認する。
●テロの標的となりやすい場所(外国人が多く集まるレストラン、欧米関連施設、政府施設、公共交通機関、観光施設、宗教施設、警察署、ショッピングモール、公立学校や市場など)を訪問・利用する場合、そのときの治安情勢に十分留意し、状況によっては訪問等を控えるほか、滞在時間を短くする、避難経路を確認しておく等の安全対策を必ず講じる。また、周囲の状況には常に注意を払い、不審な状況を察知したら、速やかにその場を離れる。

[時期等]
●宗教行事、季節的な行事や大規模イベントの際は、不要不急の外出は控える。
●イスラム教では、金曜日が集団礼拝の日とされており、その機会を利用してテロや襲撃が行われることがあるので、テロの標的となりやすい宗教施設等には極力近づかない。

2 地域別情勢
(1)チッタゴン(チョットグラム)丘陵地帯(カグラチャリ県、ランガマティ県、バンドルボン県)
 レベル2:不要不急の渡航は止めてください。《継続》

ア バングラデシュの南東部でインド及びミャンマーと国境を接するチッタゴン丘陵地帯には、仏教系少数民族が100万人以上居住しています。自治権要求等の背景から反政府組織が結成され、多くの死傷者を出す抗争が度々発生しましたが、1997年に「チッタゴン丘陸地帯和平協定」が締結されて以降、同抗争は沈静化しました。一方、民族対立等は未解決であり、現地の治安情勢は不透明な状況が続いていますので、引き続き警戒する必要があります。
イ 2019年3月、ランガマティ地区で、待ち伏せしていた武装集団が、投票所から投票箱を運んでいた乗用車2台に発砲し、少なくとも7名が死亡、15名が負傷する事案が発生しました。このほか、2022年7月頃には、ミャンマー側の国境地帯において、ミャンマー軍と反政府武装組織であるアラカン軍(AA)との戦闘が激化し、ミャンマー側から砲弾が国境を越えてバングラデシュ国内に着弾した模様です。

つきましては、上記地域への不要不急の渡航は止めてください。やむを得ず渡航する場合には特別な注意を払うとともに十分な安全対策をとってください。

(2)上記(1)の地域を除くバングラデシュ全土
 レベル1:十分注意してください。《継続》

ア ダッカ管区
(ア) 上記1(1)のとおり、2026年月の次回総選挙を見据え、今後、国内各地でデモや集会等が増加するとともに、暴力を伴う抗議活動が発生する可能性があります。
(イ) ダッカ管区を中心として、粗製爆弾(火薬をビニールテープで巻いたもの)の爆発が教会、病院及び主要道路等で発生しています。今後、高い殺傷能力をもった粗製爆弾が使用され被害が拡大する可能性も排除されません。また、公共交通バスへの放火事案も多く発生しており、死傷者が出ています。
(ウ) 首都圏を中心とするダッカ管区においては、治安当局による過激主義者に対する摘発が強力に推進されています。こうした状況に不満を募らせた過激主義者によって、2017年にダッカ国際空港付近及び独立記念博物館周辺で自爆テロが発生したほか、2019年、ダッカ市内において警察官を狙った爆弾事件が複数件発生しましたが、いずれも粗悪な手製爆弾による犯行であったため、死者を伴う被害は出ていません。2016年7月のダッカ襲撃テロ事件以降、ダッカ管区を含めたバングラデシュ国内において、邦人が被害となるテロ関連事件は発生していません。

イ ダッカ管区を除く地域
(ア) 上記1(1)のとおり、今後、国内各地でデモや集会等が増加するとともに、暴力を伴う抗議活動が発生する可能性があります。
(イ) テロ関連では、2018年に世俗化に影響力を有する著名人が殺害される事件が2件発生しました。また、2019年から2020年2月末まで、警察官を狙った爆弾事件が全土で散発し、警察官及び市民数名に負傷者が出ています。しかし、2018年以降、死者を伴うテロ事件は発生していません。

つきましては、これらの地域へ渡航・滞在に当たっては引き続き、報道等で最新の関連情報を入手するとともに、不測の事態に巻き込まれないよう十分ご注意ください。

3 渡航・滞在に当たっての注意
(1)渡航者全般向けの注意事項
滞在中は以下の情報及び注意事項に留意の上、危険を避けるようにしてください。また、バングラデシュの「安全対策基礎データ」( https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure_012.html )もご一読の上、日本国外務省、在バングラデシュ日本国大使館、現地関係機関、各種報道等から最新の情報を入手するよう努めてください。
万一、事件・事故に巻き込まれた、緊急事態が発生した、又は発生しそうな場合には、安否確認、緊急時の連絡などに必要ですので、以下(2)のとおり、在留届の提出または「たびレジ」への登録をお願いします。

ア 抗議活動に対する注意
抗議活動参加者により道路の封鎖や投石が行われることがあります。抗議活動には近づかず、また、デモが行われる場所が事前に分かる場合は同場所への立ち入りを控えてください。不自然な渋滞に遭遇した場合には迂回する等の措置を講じ、巻き込まれてしまった場合は、警察や家族、所属組織関係者と密に連絡をとるとともに、身の安全を最優先に行動してください。

イ テロ等に対する注意 
テロに対する警戒が必要であることを認識し、外務省が発出する海外安全情報及び報道等により、治安情勢等、渡航・滞在先について最新の関連情報の入手に努めるとともに、改めて危機管理意識を持つよう努めてください。テロ、誘拐等の不測の事態に巻き込まれることのないよう、特にイスラム過激派の標的となりやすい場所(上記「1(2)テロ情勢」で指摘した場所)を訪れる際には、周囲の状況に注意を払い、不審な人物や状況を察知したら速やかにその場を離れる等、安全対策を講じてください。また、以下も併せご参照ください。

・バングラデシュの「テロ・誘拐情勢」 (https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_012.html
・パンフレット「海外へ進出する日本人・企業のための爆弾テロ対策Q&A」
 (https://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pamph_03.html
・パンフレット「海外旅行のテロ・誘拐対策」
 (https://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pamph_10.html
・ゴルゴ13の中堅・中小企業向け海外安全対策マニュアル
 (https://www.anzen.mofa.go.jp/anzen_info/golgo13xgaimusho.html

(2)在留届・「たびレジ」登録
海外渡航の際には万一に備え、家族や友人、職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。
 3か月以上滞在される(予定の)方は、在バングラデシュ日本国大使館が緊急時の連絡先を確認できるよう、必ず「在留届」を提出してください。
3か月未満の旅行や出張などの際には、渡航先の最新の安全情報や、緊急時に在バングラデシュ日本国大使館の連絡を受け取ることができるよう、外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録してください。
https://www.ezairyu.mofa.go.jp/index.html

4 近隣国のインド及びミャンマーにもそれぞれ危険情報が発出されていますので、ご留意ください。

(問い合わせ窓口)
○外務省領事サービスセンター
 住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
 電話:(代表)03-3580-3311 (内線)2902、2903

(外務省内関係課室連絡先)
○領事局海外邦人緊急事態課
○海外安全ホームページ
  https://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版・スマートフォン版)
  http://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp (フューチャーフォン版)

(現地公館連絡先)
○在バングラデシュ日本国大使館
 住所:Plot No.5 & 7, Dutabash Road, Baridhara, Dhaka, Bangladesh
 電話:(市外局番02) 222260010
   国外からは(国番号880)-2-222260010
 ファックス:(市外局番02)222261591
   国外からは(国番号880)-2-222261591  
 ホームページ:http://www.bd.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
 メールアドレス:consular@dc.mofa.go.jp



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