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スリランカ
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情報種別:海外安全情報(危険情報)
本情報は現在有効です。
スリランカの危険情報【危険レベル継続】(内容の更新)
2024年12月20日
【危険度】
●全土
レベル1:十分注意してください。(継続)
【ポイント】
●2022年、経済状況の悪化を契機とした生活必需品や燃料の不足等により、政府に対する国民の不満が高まり、スリランカ各地において抗議活動が頻繁に行われましたが、2023年以降、大規模な抗議活動や抗議活動の暴徒化は見られていません。ただし、増税や政府機関の民営化などの政策に対する抗議活動が散発する可能性がありますので、引き続き注意が必要です。
●2019年4月、コロンボを始めとする複数の都市で連続爆破テロ事件が発生しました。現在は大規模かつ組織的なテロが発生する可能性は低いとされていますが、標的となりやすい施設や人混みを避けるなど、引き続き行動には十分注意してください。
●スリ、置き引き、詐欺、ぼったくり(三輪タクシー、観光ガイド、宝石店等)、性犯罪や違法薬物などの犯罪には引き続き注意してください。
●北部州、北中央州及び東部州の一部地域では、現在でも地雷の除去作業が行われていますので、十分注意してください。
●最近は、モンスーンの影響による豪雨やサイクロンが毎年のように発生し、洪水や土砂崩れによって大きな被害が出ています。警戒を怠らず、テレビ、ラジオやインターネット等で常に最新の情報を入手するよう心がけてください。
1 概況
(1)デモ・抗議活動
ア 経済状況の悪化を契機とした生活必需品や燃料不足により、政府に対する国民の不満が高まり、2022年、コロンボ周辺に限らず、スリランカ各地において、政府に対する抗議活動が頻繁に行われました。抗議活動の暴徒化により、道路の封鎖や治安機関との衝突が頻発し、大統領官邸、大統領府等の政府中枢施設が暴徒の襲撃を受けて占拠、略奪されたほか、一般家屋や車両への放火や襲撃、略奪も発生しました。
イ これらの抗議活動は、2022年7月にゴタバヤ・ラージャパクサ大統領(当時)が退陣に追い込まれ、経済状況の改善が見られ始めて以降、沈静化傾向にあり、2023年以降は大規模な抗議活動や抗議活動の暴徒化は見られていません。
ウ 2024年9月に大統領選挙、11月に議会選挙が実施され、重大な暴力事件などは発生せず平穏に終了したものの、新政権が経済危機後の諸課題に取り組む中で増税や政府機関の民営化などの政策に反発する各種団体のデモやストライキ等の抗議活動が散発する可能性があります。抗議活動の現場付近では、治安機関による道路封鎖が実施されるほか、突発的に衝突が発生する可能性もあるため、十分な注意が必要です。
(2)テロ情勢
2019年4月、コロンボを始めとする複数の都市の教会やホテル等計8か所において自爆犯による爆破テロが発生し、邦人1名を含む約270名が死亡、500名以上が負傷しました。
この連続爆破テロ事件は、スリランカ国内のイスラム過激派組織「ナショナル・タウヒード・ジャマート」(NTJ)や「ジャマティ・ミラットゥ・イブラム」(JMI)から派生したグループによる犯行で、国際テロ組織「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)の影響を受けていたとされています。
同事件以降、治安当局が大規模かつ集中的な捜査及び警備強化を行ったこともあり、これまでのところテロ事件は発生していません。現状では、大規模かつ組織的なテロが発生する可能性は低いとされますが、犯行グループの残党がいまだ逃走・潜伏している可能性は排除できないため、引き続きテロへの留意が必要です。
(3)一般治安情勢
ア 経済危機による暴動や抗議行動はおおむね沈静化していますが、物価高騰により生活に困窮した市民や薬物中毒者による犯罪が増加しており、2024年上半期の強盗と住居侵入を合計した発生件数は、月平均で2023年の1.5倍以上に増加しています。暴動や抗議行動の状況が改善するにつれ、観光客数が増加傾向にありますが、これを標的とする詐欺、窃盗、性犯罪事案も多発しています。性犯罪及び性的ハラスメントは、被害者の国籍や時間・場所に関係なく発生しているので、常に注意が必要です。薬物については、2023年12月から始まった大規模な薬物対策により、2024年上半期に10万人以上が逮捕されています。
イ 2009年5月に政府軍とタミル人反政府組織「タミル・イーラム解放の虎」(LTTE)との紛争が終結しました。ただし、民族や宗教間の対立については依然として懸念があります。2019年4月に発生した連続爆破テロ事件の後、事件の実行犯がイスラム教徒であったことからモスクやイスラム教徒の商店等に対する放火・襲撃事件が発生したほか、同年5月には、仏教徒とイスラム教徒との間で緊張が生じて局所的に緊急事態宣言が発令されました。また、これまでも、イスラム教徒の女性が身につけるブルカの禁止、神学校マドラサの閉鎖、新型コロナウイルス感染による死者の強制火葬といった政府の政策等がイスラム教徒の反発を招くなどしています。
2 地域別情勢
全土
レベル1:十分注意してください。(継続)
(1)スリランカ全土
ア 様々な主体によるデモ・抗議活動が散発していますので、最新情報の収集に努めるとともに、治安当局と抗議者の間で突発的な衝突も発生し得る事を念頭に置き、抗議会場や暴徒を見かけた場合には、直ちに十分な距離を取るなど、身を守る行動に徹し、不測の事態に巻き込まれないよう注意してください。
イ 一般治安の面では、スリ、置き引き、詐欺、ぼったくり(三輪タクシー、観光ガイド、宝石店等)、性犯罪や違法薬物などの犯罪が発生しています。特に、詐欺やぼったくりは、外国人がターゲットにされていますので、十分に注意をしてください。また、違法薬物については、厳しい取締りが行われていますので、巻き込まれないようにしてください。
(2)北部州、北中央州及び東部州
政府軍とLTTEとの紛争が終結して以降、LTTEの拠点であったこれら地域の治安情勢は大幅に改善しましたが、現在も地雷の埋設地域が点在しており、地雷の除去作業が行われている地域があります。地雷原の警告表示に注意するとともに、車両で移動する際は交通量の多い幹線道路を利用し、森林・草原地帯などには不用意に立ち入らないでください。また、洪水や地滑り等によって地雷が移動することもありますので、不審物を発見した場合には決して近寄らないでください。
なお、これらの地域では、軍や警察による道路封鎖や検問が行われている場合があります。移動・滞在に当たっては、身分証明書を常に携行するとともに、検問等では軍・警察の指示に必ず従ってください。
3 渡航・滞在に当たっての注意
スリランカへの渡航・滞在に当たっては、以下の注意事項を参考に、十分な安全対策を講じてください。また、日本国外務省、在スリランカ日本国大使館、現地関係機関、各種報道等から最新情報を入手するよう努めてください。
また、不測の事態が発生した場合に備え、在スリランカ日本国大使館との連絡手段を確保してください。さらに、外出禁止令が発令された場合や、事態が長期化した場合に備え、緊急備蓄品(食料や飲料水,燃料等)の備蓄に留意してください。
有効な防犯対策等については、以下のサイトの「●犯罪発生状況,防犯対策」を御参考ください。
○「安全対策基礎データ」
http://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure_006.html
(1)テロ・誘拐対策
近年は、観光施設周辺、イベント会場、レストラン、ホテル、ショッピングモール、公共交通機関、宗教関連施設等はテロの標的となりやすく、常に注意が必要です。また、外国人を標的とした誘拐のリスクも排除されず、注意が必要です。
テロはどこでも起こり得ること、日本人もテロ・誘拐の標的となり得ることを十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、「たびレジ」、海外安全ホームページ、報道等から最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切かつ十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。
詳細は、スリランカの「テロ・誘拐情勢」をご覧ください。( https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_006.html )
(2)自然災害
スリランカでは、地域によって豪雨災害や深刻な干ばつが発生しています。最近は、モンスーンの影響による豪雨やサイクロンが毎年のように発生し、洪水や土砂崩れによって大きな被害が出ています。
自然災害に際しては、各交通機関が運休し、電話やインターネットが不通となるなど外部との連絡が寸断され、さらに物資の供給が滞ることがあります。緊急備蓄品として、食料や飲料水(10日〜2週間分程度)に加え、懐中電灯、ライター、ろうそく、携帯ラジオ、予備の電池、燃料等を準備するなど、日頃から自然災害に対する警戒を怠らないようにしてください。また、テレビ、ラジオやインターネット等で常に最新の情報を入手するよう心がけてください。
(3)在留届・たびレジ
海外渡航の際には、万一に備え、家族、友人、職場等に、日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。
3か月以上滞在される方は、在スリランカ日本国大使館が緊急時の連絡先を確認できるよう、必ず「在留届」を提出してください。
3か月未満の滞在の際には、渡航先の最新の安全情報や、緊急時にお住まいの地域を管轄する在外公館からの連絡を受け取ることができるよう、外務省海外旅行登録「たびレジ(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/index.html )」に登録してください。
(4)その他
スリランカに渡航・滞在するに当たっての留意事項(注意すべき取締法規等)については、「安全対策基礎データ( http://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure_006.html )」の「●滞在時の留意事項」をご参照ください。
(問い合わせ窓口)
○外務省領事サービスセンター
住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
電話:(外務省代表)03-3580-3311 (内線)2902, 2903
(外務省関連課室連絡先)
○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く) (内線4567)
○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連) (内線3047)
○外務省 海外安全ホームページ
http://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版・ スマートフォン版)
http://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp (フィーチャーフォン版)
(現地公館連絡先)
○在スリランカ日本国大使館
住所: No. 20, Srimath R. G. Senanayake Mawatha, Colombo 7, Sri Lanka
電話:(市外局番011)2693831〜3
国外からは(国番号94)-11-2693831〜3
ファックス:(市外局番011)2698629
国外からは(国番号94)-11-2698629
ホームページ: https://www.lk.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
- ○外務省 領事サービスセンター(海外安全担当)
電話:(外務省代表)03-3580-3311 (内線)2902
- ○外務省海外安全ホームページ:https://www.anzen.mofa.go.jp/
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