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● 犯罪発生状況、防犯対策

1 犯罪発生状況
(1)2022年にペルー国内で発生した殺人件数は4,625件(前年比15%増)、強盗・窃盗件数は227,793件(前年比31%増)、強姦件数は22,343件(前年比10%増)、詐欺・横領件数は20,352件(前年比31%増)となっており、犯罪発生率は全般的に増加しています。また、この件数はあくまで警察が把握した犯罪の統計であり、実際には更に多くの犯罪が発生しているものと考えられます。

(2)一般犯罪については、拳銃を使用した強盗などの凶悪犯罪が発生しており、抵抗したために被害者が殺害される事件も確認されています。リマ市内では、近年主に南米諸国の一部外国人による犯罪が多発しています。観光客を狙って観光名所や宿泊施設前、バスターミナル、人通りの少ない路地裏などでも犯罪が発生しており、単独旅行者は標的になりやすい傾向にあります。

2 最近の犯罪発生傾向
(1)強盗
 拳銃を使用した強盗事件が多発しています。犯行の例として、バイクに乗った犯人らが拳銃を通行人に突きつけ、金品、携帯電話やバック等の貴重品を盗む手口のほか、信号停止中の車両の窓を割り携帯電話等所持品を盗むといった手口があります。また、高級腕時計等の貴金属を身につけた人や銀行などで多額の現金を引き出した人等に狙いを定め、複数の犯人で後をつけてホテル前等で襲うといった強盗も発生しています。

(2)窃盗(スリ、ひったくり、置き引き等)
 犯行手口は、通行中に突然背後からカバン等をひったくる、声をかけてきた相手に気をとられている隙にカバン等を奪う、レストランやホテル、空港、バスターミナルなどで持ち主が貴重品や手荷物から離れた隙に持ち去るというものです。これらの犯行はリマのみならず全国、特にクスコ、イカ等の観光地で、観光客をターゲットとして発生しています。
 また、宅配業者を装ったバイク乗り等による携帯電話のひったくり被害が急増しています。移動中の携帯電話の使用は控え、なるべく人通りの多い明るい通りを選んで移動するようにしてください。

(3)タクシー強盗
 流しのタクシーを利用した際に、人気のないところに連れ込まれ、金品を奪われたり、そのままATMまで連れていかれ、引き出した現金を奪われた後に解放される手口も増えています。タクシーを利用する際には、配車アプリを利用するようにし、乗車前に必ず自分が手配した車両とナンバーや運転手が一致しているか確認することを怠らないようにしてください。

(4)各地での抗議活動
 ペルーでは、様々な社会・経済情勢に端を発する抗議活動(デモ・ストライキ等)が各地で行われています。抗議団体による幹線道路の封鎖等により旅行計画の変更を余儀なくされる場合がありますので、ペルー国内の旅行を計画されている方は、報道等により抗議活動に関する最新の情報を入手するよう努めるとともに、不測の事態に巻き込まれないよう、抗議活動が行われている地域には極力近づかないでください。特に、観光名所であるマチュピチュ(アグアスカリエンテス)村および遺跡への往来手段は鉄道しかないため、線路封鎖などにより鉄道が運休する場合、陸の孤島となり立ち往生することが懸念されます。抗議活動等により情勢が不透明な時は、訪問を控えてください。

3 地域別の情勢
 詳細は、外務省海外安全ホームページに掲載の危険情報をご参照ください。https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo_261.html#ad-image-0

4 日本人の被害例
 これまで大使館に届けられた主な犯罪被害例は、以下のとおりです。
(1)強盗
ア リマ市内のホテル前からタクシーに乗り込もうとしたところ、拳銃を所持した3人組の男に貴重品の入ったカバンを強奪された。
イ リマ市旧市街にある中華街の裏通りを歩いていたところ、突然5〜6人の男に襲われ、腹巻きタイプの隠し財布を含む貴重品を強奪された。
ウ ひと気のない場所で携帯電話を操作していたところ、バイクに乗った男に拳銃のような凶器を突きつけられ、携帯電話を強奪された。
エ レストランで食事中、拳銃で武装し覆面をした2人組の強盗が押し入ってきて、貴重品を奪われた。
オ 空港に向かうため、夜間にホテル前で流しのタクシーに乗ったところ、貧困地区の路地に連れて行かれ、路上で待機していた2人組に拳銃で脅され所持品を全て奪われた。
カ 早朝、クスコ市内のホテルの前で観光バスを待っていたところ、突然2人組の男が現れ、うち1名に後ろから首を絞められ意識を失っている隙に、もう1名から身に付けていた貴重品を奪われた。
キ イカ近郊のワカチナの砂丘で夕日を見た後、ホテルに戻ろうと一人で砂漠を歩いていたところ、刃物を持った男が近づいてきて貴重品を奪われた。
ク タクシーでリマ市内からホルヘ・チャベス(リマ)国際空港へ向かっている途中、信号待ち中に2人組の男にタクシーの窓ガラスを割られ、膝の上に置いていたリュックサックを強奪された。
ケ 夜間、夕食に行くため、友人ら6名とレストランに向かって歩いていたところ、車から降りてきた覆面の男に拳銃を突き付けられ、強盗被害に遭った。

(2)窃盗(スリ、ひったくり、置き引き等)
ア レストランで食事中、携帯電話をテーブルの隅に置き、食事や会話に夢中になっているうちに携帯電話が無くなっていた。
イ 路線バス内で旅券等貴重品の入ったカバンを足元に置いていたところ、気づかないうちに、カバンの中に入れていた貴重品のみが無くなっていた。
ウ 大通りを通行中、バイクに乗った2人組に肩にかけていたショルダーバッグを強奪された。
エ ショッピングセンターで買い物中、カバンに入れていた携帯電話を盗まれた。
オ 大勢の人間が密集するイベントに参加していたところ、ポケットに入れていた貴重品がなくなっていることに気付いた。
カ 携帯電話で通話をしながら通行中、2人乗りのバイクに、追い抜きざま携帯電話をひったくられた。
キ レストランでスーツケースを目の届く範囲に置いていたが、店内で客と店員のケンカ騒ぎがあり、気を取られていた隙に、スーツケースを盗まれた。
ク ホテルの金庫が壊れていたので、その鍵をかけずに外出したところ、外出前まであったはずの貴重品がなくなった。

(3)誘拐(短時間誘拐)
 ペルー南部の観光地であるアレキパ市内において、流しのタクシーを利用して宿泊先に向かったところ、暗い山道に連れて行かれ、そこで待ち合わせていた2人組の男に首を絞められて目隠しをされた上、貴重品を強奪された。その後8時間程監禁され、同市内で解放された。

5 防犯対策
 防犯のための具体的注意事項は以下のとおりです。「自分の身は自分で守る」「犯罪者から常に見られている」という意識が重要です。
ア 犯罪を誘発するような行為(公衆の面前で財布から現金を取り出す、携帯電話を外部から見える場所に装着・携帯する、屋外でパソコン等の電子機器を使用する)は慎み、常に周囲に対する警戒を怠らないようにする。
イ 派手な装飾品や衣服は着用せず、できる限り周囲に溶け込むようにする。
ウ 深夜および早朝に単独で外出することは避けるとともに、ひと気のない場所(路地裏、遺跡等)では単独で行動しない。
エ 空港、バスターミナル等の人の多い場所や、車・バイクなどが通る道路を歩く際、またレストランなどで食事をする際は、貴重品から目を離さず、しっかり保持する。
オ 長距離バスを利用する際は、チケット購入時に身分証明書の提示が必要な信用のおけるバス会社を選択し、できる限り出発地から目的地までノンストップで走行するバスを選択する。深夜便の利用はできる限り避ける。
カ タクシーを利用する際は、流しのタクシーは利用せず、宿泊施設等で安全な無線タクシー又は配車アプリを通じ手配する。
キ 空港からの移動に際しては、ホテルのピックアップ・バスや、空港内にカウンターを設置している会社のタクシーを利用する。空港の敷地外で客待ちしているタクシーは、強盗や短時間誘拐の危険性があるため利用しない。
ク 車両に乗車中は、貴重品の入ったカバン等は足元に置くなど車外から見えないようにする。停車時や降車時は周りへの警戒を怠らないようにする。
ケ 宿泊場所を決める際は安全面を重視する。
コ 自分自身と家族の安全を守る心構えとして、「目立たない」、「用心を怠らない」、「行動を予知されない」の3原則を念頭において行動する。
詳しくは外務省海外安全ホームページ掲載の「海外における脅迫・誘拐対策Q&A」(https://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pamph_04.html )をご参照ください。 

 ペルーにおけるテロ・誘拐については、テロ・誘拐情勢(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_261.html )をご確認ください。

※ 在留邦人向け安全の手引き
 在ペルー日本国大使館が在留邦人向けに作成した「安全の手引き」(https://www.pe.emb-japan.go.jp/files/100145917.pdf )もご参照ください。


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