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東ティモールの危険情報【危険レベル継続】(内容の更新)

2017年12月28日
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【危険度】
●インドネシア(西ティモール)との国境地帯
レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)
●上記地帯を除く全土
レベル1:十分注意してください。(継続)

【ポイント】
●インドネシア側における東ティモールの国境管理は,インフラ,人的体制の両面で十分機能しているとは言えず,国境を越える犯罪者及びテロリストの移動が懸念されるほか,旧統合派民兵がインドネシア側に居住していること等から不安定要因があります。
●2017年3月に大統領選挙,同年7月に国民議会議員選挙が実施されましたが,大きな混乱等は生じていません。しかしながら,少数政党による政権運営であることから非常に流動的な状況にあり,今後の政局によっては国内情勢は不透明さを増し,日頃不満をかかえる国民,特に政党支持グループ間の対立・抗争につながる可能性があります。
1 概況
(1)東ティモールは2002年の独立後,国際社会の支援の下,平和の回復・定着を進めてきました。2006年には一部国軍兵士による待遇改善要求デモが暴動に発展する事案,2008年には当時のラモス・ホルタ大統領及びグスマン首相襲撃事件が発生しましたが,このような危機にも,国連東ティモール統合ミッション(UNMIT)や国際安定化部隊(ISF)等の支援を受け,その都度,平和的な解決を図ってきました。

(2)2009年5月,東ティモール国内の治安維持を担当していた国連警察(UNPOL)から東ティモール国家警察(PNTL)への警察権限委譲が開始され,2011年3月には全県での移譲が完了しました。
 2012年に実施された大統領選挙及び国民議会議員選挙は,おおむね平和裏に終了し,東ティモールが紛争からの回復・和解を進め,安定的な開発段階に入ったことを受け,UNPOLは同年10月に任務を終了するとともに,UNMITは2012年末を以て完全に撤収しました。

(3)2017年5月,ル・オロ新大統領が就任し,その後の国民議会議員選挙を経て,同年9月にアルカティリ新首相の下,第7次立憲内閣が発足しましたが,少数与党であるため,政権運営は流動的な状況にあります。また,急速な国家開発による貧困問題,若年層の失業問題は依然未解決のままであり,経済の停滞等から政治的な緊張が高まり,突発的に騒乱等が発生するおそれは依然として排除できません。今後の政局によっては国内情勢が不透明さを増し,日頃不満をかかえる国民,特に政党支持グループ間の対立・抗争につながる可能性もあります。

(4)東ティモールとインドネシア(西ティモール)との国境管理は十分でなく,旧統合派民兵(1999年8月のインドネシアからの独立を問う直接住民投票後に,破壊や暴力行為を行った上で西ティモールに逃れた独立反対派の民兵)がインドネシア側に居住していること等から国境付近においては不安定化要因が払拭されている状況とは言えません。

(5)これまでに,東ティモールにおいて日本人・日本権益を直接標的としたテロ事件は確認されていませんが,近年,シリア,チュニジア及びバングラデシュにおいて日本人が殺害されたテロ事件や,英国,フランス,ドイツ,ベルギー,トルコ,インドネシア,フィリピン等,日本人の渡航者が多い国でもテロ事件が多数発生しています。このように,世界の様々な地域でイスラム過激派組織によるテロがみられるほか,これらの主張に影響を受けた者による一匹狼(ローンウルフ)型等のテロが発生しており,日本人・日本権益が標的となり,テロを含む様々な事件の被害に遭うおそれもあります。このような情勢を十分に認識して,誘拐,脅迫,テロ等に遭わないよう,また,巻き込まれることがないよう,海外安全情報及び報道等により最新の治安・テロ情勢等の関連情報の入手に努め,日頃から危機管理意識を持つとともに,状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。


2 地域情勢
(1)インドネシアとの国境地帯
 レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)

ア インドネシアと国境を接している東ティモール側の国境管理は,インフラ,人的体制の両面で十分機能しているとは言えず,国境を越える犯罪者及びテロリストの移動が懸念されています。東ティモール治安当局は,ISIL(イラク・レバントのイスラム国)関係者の東ティモールへの入国の事実はないとしていますが,ISIL関係者のアジア地域への拡散が懸念されるなか,国境監視体制を引き続き強化しています。

イ 2017年11月24日,東ティモールでは改正入管法(仮称)が施行され,陸路で東ティモールへ入国する際,観光目的の場合には国境にある入管事務所(Batugade)で観光査証の取得が可能とされていますが,他の入国目的の場合は事前に入国査証を取得しておく必要があるとされています。改正入管法における実際の運用については未だ明確となっていない点も多いため,陸路で東ティモールに入国する場合には最新の情報入手に努めてください。

 つきましては,インドネシアとの国境地帯への渡航・滞在を予定されている方は,不要不急の渡航・滞在は止めてください。また,真にやむを得ない事情で渡航する場合には,事前に治安情報の収集に努め,十分な警戒を行うとともに,所属団体等を通じて組織としての必要かつ十分な安全対策を講じてください。
 

(2)上記地帯を除く全土
 レベル1:十分注意してください。(継続)

ア 首都ディリの治安状況は比較的安定しており,2012年末にUNMITが撤収した後の初めての国政選挙として,2017年3月に大統領選挙,同年7月に国民議会議員選挙が実施されました。選挙期間を通じ,これまでのところ大きな混乱等は生じていません。しかしながら,都市部では一般犯罪は増加傾向に有り,外国人住居を狙った侵入盗や強盗事件等の犯罪も報告されています。最近は,自動車やオートバイの数が急速に増加し,無免許運転も多く,交通法規を遵守しない運転手による交通事故も多発しています。

イ このようななか,貧困問題,若年層の失業問題は依然未解決のままであり,突発的に騒乱等に発展するおそれは依然排除されませんので,治安状況には引き続き十分注意を払う必要があります。

ウ 東ティモールで従来頻繁に抗争事件を起こしていたマーシャル・アーツ・グループ(MAG。MAGは,インドネシアに起源を持つ格闘技団体であり,東ティモールでは「MAG法」により登録をすることになっている格闘技サークル。)については,2011年12月に死傷者を出す抗争事件を起こしたため,政府がMAGの活動を一年間禁止する決議を行い,その後,MAGの表立った活動は見られません。しかしながら,特に,「PSHT」,「Korka」及び「Kera Sakti」の3つのMAGは非合法化されていますが,これらMAG間の抗争とみられる暴力事件は,現在でも散発的に発生しているため,今後も動向に注意する必要があります。

エ 2017年の一連の国政選挙は平和裡に終了しましたが,少数与党の新政権が発足したため,政局は流動的な状況にあります。今後,与野党間及び政党支持グループ並びに社会不満を有する若者及びMAGグループ間の対立・抗争につながる可能性もありますので,引き続き警戒が必要です。

 つきましては,東ティモールへの渡航を予定される方は,十分な安全対策を講じた上で渡航してください。また,同国に滞在されている方は引き続き安全確保に留意してください。


3 渡航・滞在に当たっての注意
東ティモールへ渡航・滞在される方は,以下の事項に留意するとともに,「安全対策基礎データ」(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure_295.tml )等を参考に危険を避ける行動をとってください。また,外務省,在東ティモール日本国大使館,国際機関,現地関係機関等から最新情報を入手し,自らの安全対策を心がけてください。

(1)基本事項
ア 事件,騒乱等が発生している地域には近づかない。夜間の外出は極力控える。
イ 現地の文化,風習を尊重し,現地住民の反感を招かないよう適切な行動を心がける。
ウ 治安の悪化が見られた場合は,直ちに在東ティモール日本国大使館に連絡する。

(2)東ティモールの医療水準は低く,近代的な医療設備や機器はいまだ十分に整備されていませんので,日本と同等の水準の医療措置・診察を受けることはできません。ディリ市内では数カ所の民間クリニックや国立ディリ病院である程度の診療を受けることは可能ですが,入院や手術,専門医の診察を余儀なくされる場合などは,シンガポール,インドネシア(バリ),オーストラリア(ダーウィン)等にある医療機関を受診することをお勧めします。また,歯科クリニックは簡単な治療しかできません。
 高額な治療費や移送費用の負担に備え,渡航に際しては緊急移送サービスを含む等十分な補償内容の海外旅行保険への加入をお勧めします。また,慢性疾患の治療中の方は,渡航前に主治医ともよく御相談ください。

(3)例年雨季(11月~5月)を中心にデング熱等(地方ではマラリア)の熱帯病の流行が認められ,在留邦人にも感染者が見られることがあります。デング熱やマラリアは蚊が媒介する感染症ですので,滞在中は長袖,長ズボンを着用したり,虫除けスプレーを使用するなど,十分な防蚊対策を実施してください。
 また,結核やAIDSなどの感染症対策も不十分で,患者数は増加しています。各種ウイルス・細菌・寄生虫感染等を予防するためにも,滞在中は常に節度ある生活を心がけ,外出後には手洗いやうがいを励行し,食事の際は生水(氷)や生野菜等,生ものを避けて,ミネラルウォーターや,よく火の通った料理を選ぶようにしてください。衛生管理の行き届いていないレストランや屋台等での飲食は避けた方が無難です。

(4)「在外公館医務官情報」
http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/asia/easttimor.html )において,東ティモールの衛生・医療事情等を案内していますので,渡航前には必ず御覧ください。
 その他,必要な予防接種等については,以下の厚生労働省検疫所ホームページを参考にしてください。
◎感染症情報(http://www.forth.go.jp/

(5)在留届,たびレジ
 海外渡航の際には万一に備え,家族や友人,職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。
 3か月以上滞在する方は,東ティモール日本大使館が緊急時の連絡先を確認できるよう,必ず在留届を提出してください。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet
 3か月未満の旅行や出張などの際には,渡航先の最新安全情報や,緊急時の東ティモール日本大使館からの連絡を受け取ることができるよう,外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録してください。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/ )


(問い合わせ窓口)
○外務省領事サービスセンター
  住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
  電話:(外務省代表)03-3580-3311(内線)2902,2903

(外務省関連課室連絡先)
○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)
  電話:(代表)03-3580-3311(内線)5140
○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)
  電話:(代表)03-3580-3311(内線)3047
○海外安全ホームページ
  https://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版)
  https://www.anzen.mofa.go.jp/sp/index.html (スマートフォン版)
  http://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp (モバイル版)

(現地大使館連絡先)
○在東ティモール日本国大使館
  住所:Avenida de Portugal, Pantai Kelapa, Dili, Timor-Leste
  電話:332-3131又は3132(代表),7723-1127(緊急時)
   国外からは(国番号670)-332-3131又は3132(代表),(国番号670)-7723-1127(緊急時)
  FAX:(国番号670)-332-3130
   国外からは(国番号670)-332-3130
  ホームページ: http://www.timor-leste.emb-japan.go.jp
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