【ポイント】
●宗教に関連した祝祭日やイベントでは、人の集まりや移動が増えるため、テロの標的とされる可能性が高まります。
●今年は、概ね2月18日(水)から3月21日(土)までの期間は、イスラム教のラマダン月及びラマダン明けの祭り(いわゆるイード)に当たります。
●また、4月1日(水)から約1週間は、ユダヤ教の過越の祭り(ペサハ)が予定されています。4月5日(日)にはキリスト教の復活祭(イースター)が予定されています。
●近年、上記のタイミングを狙って、警備や監視が手薄で一般市民が多く集まる場所(ソフトターゲット)を標的としたテロが発生しています。特に、観光施設周辺、イベント会場、レストラン、ホテル、ショッピングモール、公共交通機関、宗教関連施設等は、テロの標的となっています。
●常に最新情報の入手に努め、安全確保に十分注意を払ってください。
【本文】
1 宗教に関連した祝祭日やイベントでは、人の集まりや移動が増えるため、テロの標的とされる可能性が高まります。近年、警備や監視が手薄で一般市民が多く集まる場所(ソフトターゲット)を標的としたテロが発生しています。これらは組織とのつながりが薄い単独犯による場合が多く、事前の取締りが難しいため、今後も継続することが懸念されます。
2 今年は、概ね2月18日(水)から3月19日(木)の期間(注1)は、イスラム教徒が日の出から日没まで断食を行うラマダン月に当たります。また、3月20日(金)から3月22日(日)の約3日間には、イード・アル・フィトル(以下「イード」という)と呼ばれるラマダン明けの祭りが行われます。
(注1)ラマダン月の期間は、目視による月齢観測に依拠するため、上記日程は直前に変更されることがあります。また、国・地域によって日程が少し異なる場合があります。
3 また、4月1日(水)から約1週間は、ユダヤ教の過越の祭り(ペサハ)が予定されています。4月5日(日)(注2)には、キリスト教の復活祭(イースター)が予定されています。
(注2)一部教会では4月12日(日)に予定されています。
4 過去のラマダン月及びイードの期間中には、「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)等の国際テロ組織や、その支持者等によるテロが発生している他、国際テロ組織が同期間に合わせたテロの実行を呼びかけたこともあります。
また、ISIL等のイスラム過激派組織は、中東情勢に乗じて、イスラエルや欧米諸国等の関係者や関連施設、宗教施設等を標的にするよう、軍事施設より民間の標的(人・施設)を狙うよう、繰り返し呼びかけており、過激化した個人がこのような呼びかけ応じることも懸念されます。
近年は、極右・極左思想の影響を受けた者によるテロも発生しているほか、中東情勢を背景に、イスラエル権益・ユダヤ人を標的としたテロ事案が発生しています。
最近のテロ事案等の例は、下記の参考1及び参考2を御参照ください。
5 テロの被害に遭う可能性を減らすため、下記の対策をお願いします。
(1)「たびレジ」又は「在留届」に登録し、最新の関連情報の入手に努める。
(2)次の場所がテロの標的となりやすいことを十分認識する。
観光施設、観光地周辺の道路、祝祭日、イベント等の会場、レストラン、ホテル、ショッピングモール、ナイトクラブ、映画館、公共交通機関、宗教関連施設等人が多く集まる施設、政府関連施設(特に軍、警察、治安関連施設)等。
(3)上記(2)の場所を訪れる際には、周囲の状況に注意を払い、不審な人物や状況を察知したら速やかにその場を離れる、できるだけ滞在時間を短くする等の注意に加え、その場の状況に応じた安全確保に十分注意を払う。
(4)現地当局の指示があればそれに従う。特にテロに遭遇してしまった場合には、警察官等の指示をよく聞き冷静に行動するように努める。
(5)下記の一般的な留意事項に留意する。
【車両突入の場合】
○ガードレールや街灯などの遮へい物が無い歩道などでは危険が増すことを認識する。
【コンサート会場、競技場、空港等の閉鎖空間】
○会場には時間より早めに入る、終了後はある程度時間を置いてから退出するなど、人混みを避けるよう努める。
○セキュリティの確保されていない会場の外側や出入口付近は危険であり、こうした場所での人だまりや行列は避けるようにする。空港等では、人の立入りが容易な受付カウンター付近に不必要に近寄ったり長居したりせず、セキュリティ・ゲートを速やかに通過する。
○不測の事態の発生を念頭に、出入口や非常口、避難の際の経路等についてあらかじめ入念に確認する。
○パニック状態となった群衆の中で負傷するおそれがあるため、周囲がパニック状態になっても冷静さを保つように努める。
【爆弾、銃器を用いたテロに遭遇した場合】
○直ちにその場に伏せる。
○周囲を確認し、可能であれば、銃撃音等から離れるよう、銃弾等を防げる遮蔽物を活用し、低い姿勢を保ったまま速やかに安全なところに退避する。閉鎖空間の場合、出入口に殺到すると雑踏事故などの二次的な被害に遭うこともあり、注意が必要。
○爆発は複数回発生する可能性があるため、爆発後に様子を見に行かない。
【刃物を用いたテロに遭遇した場合】
○犯人との距離を取る。周囲にある物を使って攻撃から身を守る。
6 海外渡航前には万が一に備え、家族や友人、職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。
3か月以上滞在する方は、緊急事態に備え必ず在留届を提出してください。また、3か月未満の旅行や出張などの際には、海外滞在中も安全に関する情報を随時受けとれるよう、「たびレジ」に登録してください。
(
https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/# )
7 テロ・誘拐対策に関しては、以下も併せて御参照ください。
(1)パンフレット「海外へ進出する日本人・企業のための爆弾テロ対策Q&A」(パンフレットは、
https://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pamph_03.html に掲載。)
(2)ゴルゴ13の中堅・中小企業向け海外安全対策マニュアル
(マニュアルは、
https://www.anzen.mofa.go.jp/anzen_info/golgo13xgaimusho.html に掲載。)
【参考1】ラマダン月及びイード期間に発生した主な事件(直近10年)
・2024年3月:ロシア・モスクワ州の商業施設銃撃事件
・2023年4月:ドイツ・デュースブルクにおける刃物襲撃事件
・2023年3月:アフガニスタン・カブールにおける自爆事件
・2022年4月:米国・ニューヨーク市地下鉄での銃撃事件
・2021年4月:フランス・ランブイエの警察署での警察官刺殺事件
・2020年4月:フランス・パリ郊外における車両突入事件
・2019年5月:フランス・リヨン中心部における不審物爆発事件
・2018年5月:ベルギー・リエージュにおける襲撃事件
・2017年6月:英国・ロンドンにおける車両暴走・襲撃事件
・2016年7月:バングラデシュ・ダッカにおける襲撃事件(邦人7名死亡)
【参考2】イスラエル権益・ユダヤ人を標的としたテロを中心とする主な事件等(2025年)
○12月:オーストラリアでのユダヤ教関連行事への襲撃事件
○10月:英国でのシナゴーグ近くの車両突入・刺傷事件
○5月:米国でのイスラエル大使館職員の射殺事件
○5月:ドイツ・ビーレフェルトでの刃物襲撃事件
○3月:ドイツ・マンハイムでの車両突入事件
○2月:ドイツのホロコースト記念碑でのユダヤ人刺傷事件
○2月:フランス・ミュルーズでの刃物襲撃事件、オーストリア・フィラハでの刃物襲撃事件
○2月:ドイツ・ミュンヘンでの車両突入事件
○1月:オーストラリアでのユダヤ人を標的とした爆破未遂事件
○1月:米国・ニューオーリンズでの車両突入事件
(問い合わせ窓口)
○外務省領事サービスセンター
住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
電話:(外務省代表)03-3580-3311 (内線)2902、2903
(外務省関連課室連絡先)
○外務省領事局海外邦人緊急事態課
電話:(代表)03-3580-3311(内線2851)
○外務省領事局海外邦人安全支援室
電話:(代表)03-3580-3311(内線3047)
○外務省海外安全ホームページ
http://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版・スマートフォン版)
http://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp (携帯版)