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広域情報
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薬剤耐性(AMR)に関する注意喚起(内容の更新)

2026年01月30日
● 薬剤耐性(AMR)とは、細菌による感染症の治療薬である抗菌薬が効きにくくなる、もしくは効かなくなる問題であり、細菌感染症ではないのに抗菌薬を使用したり、抗菌薬の使用を自己判断で止めてしまったりするなどの不適切な使用によって出現・拡大するおそれがあります。
● 薬剤耐性(AMR)に対して、何も対策がとられなかった場合、2050年には全世界でAMR関連の死亡者数は毎年1,000万人に上ると言われています。
● 薬剤耐性(AMR)の拡大を防ぐために、抗菌薬を使用する際には、医師や薬剤師の指示に従い、適切な量・回数・期間を守って服用してください。
● 日本とは異なり、薬局で抗菌薬を買えてしまう国もありますが、自分の判断で不要な抗菌薬を内服しないようにしましょう。
● 薬剤耐性菌を拡げないためには、基本的な感染対策が重要です。手についた病原体があなたのからだに侵入したり、周りの人に感染を広げたりすることを防ぐために、こまめに手洗い・手指消毒を行うなど、感染症にかからないように努めましょう。

1 薬剤耐性(AMR)と感染症
(1) 細菌やウイルスなどの病原体が体内に侵入し、増えることによって体に異常(症状)が生じる状態のことを「感染症」といいます。こうした感染症の中で、細菌が原因で引き起こされた場合に有効なのが、原因となる細菌を殺したり、その増殖を抑制したりする働きを持つ「抗菌薬」(注1)です。
 2026年現在、抗菌薬が効かない「薬剤耐性(AMR)」(注2)を持つ細菌が世界中で増加し、問題となっています。そのため、薬剤耐性菌が原因の感染症により治療が困難になるケースが多く認められており、そのような症例が今後さらに増加すると予測されています。

(注1) 抗菌薬
 抗菌薬は、細菌感染によって引き起こされる感染症の治療を助ける薬剤の総称です(同様に、薬剤が対象とする病原体に応じて、抗ウイルス薬、抗真菌薬、抗寄生虫薬などがあります。)。
(注2) 薬剤耐性:AMR (Antimicrobial resistance)
 抗菌薬や抗ウイルス薬等の抗微生物薬が効きにくくなる、または効かなくなる問題です。特に、抗菌薬に耐性を得た細菌を「薬剤耐性菌」といいます。抗菌薬は細菌感染症の治療を目的として使用されますが、多くの抗菌薬が効かない薬剤耐性菌が原因の場合、治療が困難になるおそれがあります。また、薬剤耐性菌が感染症を起こしていないとしても、保菌状態で体内に定着していることもあるため、健康な人から周囲の人々に薬剤耐性菌を広げてしまうこともあります。
なお、薬剤耐性は細菌だけではなく、ウイルスや真菌、寄生虫(原虫)など他の病原体でも認められますが、本感染症広域情報では細菌に限定して記載しています。

(2) 薬剤耐性菌が増えると、抗菌薬による治療が難しい細菌感染症も増加することになり、患者が重症化したり、死亡したりする危険性が高くなってしまいます。
 特に、免疫力の弱い乳幼児や妊婦、高齢者や、免疫力が低下してしまうような持病を持つ方々は、感染症を発症したり、重症化したりするリスクが高いため、薬剤耐性菌増加の影響を強く受けることになります。
 また、薬剤耐性菌には様々な種類があり、それぞれの薬剤耐性菌に対して有効な治療薬は非常に限られています。疾患の原因である細菌を特定するには時間を要することも多いため、適切な抗菌薬の投与が遅れてしまうことも少なくありません。
AMRに対して何も対策がとられなかった場合、2050年には全世界で薬剤AMR関連の死亡者数は毎年1,000万人に上り、2013年時点におけるがんによる死亡者数を上回ると言われています。AMRの拡大防止は、世界中の人々にとって非常に重要な課題です。

2 AMRの拡大を防ぐには
(1) AMRの拡大を防ぐためには、不適切な抗菌薬の使用を少しでも減らすことが必要であり、そのためには、そもそも感染症にかからない、うつさないようにすることが重要です。感染症予防を目的とした対策としては、日頃からの石鹸手洗いやアルコールによる手指消毒、感染症流行時のマスク着用などが挙げられます。また、バランスのよい食事や十分な睡眠・休養など、健康に気をつけた生活を心がけることも大切です。さらに、ワクチンで予防できる感染症もさまざまなものがあります。海外渡航時には、渡航先で感染するリスクのある感染症に有効なワクチンの接種を積極的に検討してください。
 海外における感染症の流行状況や予防方法については、厚生労働省検疫所によるウェブサイト「FORTH(フォース)」も参考にしてください。   

(参考)
〇 厚生労働省検疫所ウェブサイト:「FORTH(フォース)」
  https://www.forth.go.jp/index.html

(2) 感染症の原因となる病原体は細菌やウイルスなど様々ですので、原因となっている病原体に有効な薬を選ぶ必要があります。細菌感染症に対して有効な抗菌薬は、ウイルス感染症には無効です。体調を崩して医療機関を受診する際には、医師に自分の症状を詳しく説明し、適切な診断を下せるようにしてください。特に海外渡航後であれば、国や地域によって頻度の高い薬剤耐性菌の種類は異なるため、どこに行ったかも医師に伝えて下さい。さらに、渡航先での行動も感染症と関連性があることがあります。汚染された河川水との接触や、性行為などによって薬剤耐性菌感染症にかかる可能性もあるため、具体的な行動について話すことも問診では必要です。
 また、ウイルスによる感染症と診断され、抗菌薬が処方されない場合には、医師に対して抗菌薬の処方を求めないようにしてください。
 外務省ウェブサイトの「世界の医療事情」では、各国語での簡単な医療用語を掲載していますので、参考にしてください。

(参考)
○ 外務省ウェブサイト:「世界の医療事情」
  http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/index.html

(3) 私たち一人ひとりが抗菌薬を適切に使用することも重要です。例えば、「この薬は必ず5日間、飲み切ってください」と医師から説明された薬を、症状が早く軽くなったからといって途中で止めてしまったり、「1回2錠内服」と処方せんに記載された薬を、1回1錠に減らして服用したりするなど、自己判断で医師や薬剤師の指示から外れた使い方をすると、十分な効果が期待できません。抗菌薬は感染症の種類や、各患者さんの年齢、体格、腎臓や肝臓の機能などを考慮して処方されています。そのため、指示された飲み方を守ることは、病気を確実に治すために非常に重要です。加えて、このような不適切な抗菌薬使用により、新たな薬剤耐性菌が出現するリスクを高めてしまいます。AMRの拡大を防ぐためにも、抗菌薬は必ず医師や薬剤師の指示を守って服用してください。
 もし以前に処方された抗菌薬が残っていても、それを自己判断で飲むことはやめてください。以前と似たような症状でも、同じ病気が原因であるとは限りません。その抗菌薬が効かない病原体が原因であった場合は、治療効果がないばかりか、薬の副作用でさらに体調が悪化するリスクもあります。もちろん、不適切な抗菌薬使用にあたりますので、AMRの拡大の原因にもなりえます。

(参考)
○ 内閣官房内閣感染症危機管理統括庁の取組
  https://www.caicm.go.jp/action/amr/index.html
○ 厚生労働省:薬剤耐性(AMR)対策について
  http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000120172.html

3 在留届及び「たびレジ」への登録のお願い
海外渡航前には、万一に備え、家族や友人、職場などに日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。3か月以上滞在する方は、緊急事態に備え、必ず在留届を提出してください。
在留届:https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet/index.html
 また、3か月未満の旅行や出張などの際には、海外滞在中も安全に関する情報を随時受け取れるよう、外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録してください。 
「たびレジ」:https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/index.html

(問い合わせ窓口)
○ 外務省領事サービスセンター
 住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
 電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902、2903

(外務省関連課室連絡先)
○ 外務省領事局政策課(感染症情報)
  電話:(代表)03-3580-3311
○ 外務省 海外安全ホームページ
  https://www.anzen.mofa.go.jp/  (PC版・スマートフォン)
  http://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp  (フィーチャーフォン)

(現地在外公館連絡先)
各国の在外公館は以下をご参照ください。
〇 外務省ホームページ:在外公館リスト
  https://www.mofa.go.jp/mofaj/link/zaigai/index.html
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