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広域情報
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欧米等でのテロ等に関する注意喚起

2025年11月28日
●クリスマスや年末年始といった祝祭日・イベントシーズンは、人の集まりや移動が増えるため、テロの標的とされる可能性が高まります。
●このほか、中東情勢を背景に、イスラエル権益・ユダヤ人を標的としたテロ事案が発生していることから、ユダヤ教の記念日・祭日の期間及びその前後の期間においても、注意する必要があります。
●欧米等では、近年、警備や監視が手薄で一般市民が多く集まる場所(ソフトターゲット)を標的としたテロが発生しています。特に、観光施設周辺、イベント会場、レストラン、ホテル、ショッピングモール、公共交通機関、宗教関連施設等は、テロの標的となっています。
●常に最新情報の入手に努め、安全確保に十分注意を払ってください。

1 クリスマスや年末年始といった祝祭日・イベントシーズンは、人の集まりや移動が増えるため、テロの標的とされる可能性が高まります。欧米等では、近年、警備や監視が手薄で一般市民が多く集まる場所(ソフトターゲット)を標的としたテロが発生しています。これらは組織とのつながりが薄い単独犯によるテロが多く、事前の取締りが難しいため、今後も継続することが懸念されます。
「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)等のイスラム過激派組織は、中東情勢に乗じて、イスラエルや欧米諸国等の関係者や関連施設、宗教施設等を標的にするよう、また、軍事施設より民間の標的(人・施設)を狙うよう、繰り返し呼びかけており、過激化した個人への影響も懸念されます。また、近年は、極右・極左思想の影響を受けた者によるテロも発生しています。
このほか、中東情勢を背景に、イスラエル権益・ユダヤ人を標的としたテロ事案が発生していることから、例えば、本年12月14日頃~12月22日頃に予定されているハヌカ(光の祭り)のようなユダヤ教の記念日・祭日の期間及びその前後の期間においても、注意する必要があります。
 最近のテロ事案等の例は、下記の(参考1)及び(参考2)を御参照ください。

2 観光施設周辺、レストラン、ホテル、ショッピングモール、公共交通機関、宗教関連施設等は、警備や監視が手薄で不特定多数の人が集まるため、テロの標的となりやすく、常に注意が必要です。特に、クリスマスマーケット等のイベント会場、宗教施設における行事、年末のカウントダウンや祝賀行事、音楽フェスティバルやスポーツ大会等では、テロの可能性を警戒する必要があります。

3 過去のクリスマスや年末年始期間には以下のような事件(未遂含む)が発生しています。
○2016年:ドイツ・ベルリンのクリスマスマーケットへの車両突入事件
○2017年:英国中部のクリスマスイベントテロ未遂事件
○2017年:米国・ニューヨークのタイムズスクエア爆破事件
○2018年:フランス・ストラスブールのクリスマスマーケット銃撃事件
○2019年:オーストリア・ウィーンのクリスマスマーケットテロ未遂事案
○2021年:フランス・パリの無差別殺傷テロ計画事件
○2022年:米国・ニューヨークタイムズスクエア付近における警官襲撃事件
○2023年:フランス・パリ(エッフェル塔付近)の観光客襲撃事件
○2024年:ドイツ・マクデブルクのクリスマスマーケットへの車両突入事件
○2025年:米国・ニューオーリンズの繁華街への車両突入事件

4 テロの被害に遭う可能性を減らすため、下記の対策をお願いします。
(1)「たびレジ」を活用し、最新の関連情報の入手に努める。
(2)次の場所がテロの標的となりやすいことを十分認識する。
観光施設、観光地周辺の道路、記念日・祝祭日等のイベント会場、レストラン、ホテル、ショッピングモール、スーパーマーケット、ナイトクラブ、映画館、公共交通機関、宗教関連施設等人が多く集まる施設、政府関連施設(特に軍、警察、治安関連施設)等。
(3)上記(2)の場所を訪れる際には、周囲の状況に注意を払い、不審な人物や状況を察知したら速やかにその場を離れる、できるだけ滞在時間を短くする等の注意に加え、その場の状況に応じた安全確保に十分注意を払う。
(4)現地当局の指示があればそれに従う。特にテロに遭遇してしまった場合には、警察官等の指示をよく聞き冷静に行動するように努める。
(5)下記の一般的な留意事項に留意する。

【車両突入の場合】
○ガードレールや街灯などの遮へい物が無い歩道などでは危険が増すことを認識する。

【コンサート会場、競技場、空港等の閉鎖空間】
○会場には時間より早めに入る、終了後はある程度時間を置いてから退出するなど、人混みを避けるよう努める。
○セキュリティの確保されていない会場の外側や出入口付近は危険であり、こうした場所での人だまりや行列は避けるようにする。空港等では、人の立入りが容易な受付カウンター付近に不必要に近寄ったり長居したりせず、セキュリティ・ゲートを速やかに通過する。
○不測の事態の発生を念頭に、出入口や非常口、避難の際の経路等についてあらかじめ入念に確認する。
○パニック状態となった群衆の中で負傷するおそれがあるため、周囲がパニック状態になっても冷静さを保つように努める。

【爆弾、銃器を用いたテロに遭遇した場合】
○直ちにその場に伏せる。
○周囲を確認し、可能であれば、銃撃音等から離れるよう、銃弾等を防げる遮蔽物を活用し、低い姿勢を保ったまま速やかに安全なところに退避する。閉鎖空間の場合、出入口に殺到すると雑踏事故などの二次的な被害に遭うこともあり、注意が必要。
○爆発は複数回発生する可能性があるため、爆発後に様子を見に行かない。

【刃物を用いたテロに遭遇した場合】
○犯人との距離を取る。周囲にある物を使って攻撃から身を守る。

5 海外渡航前には万が一に備え、家族や友人、職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。
3か月以上滞在する方は、緊急事態に備え必ず在留届を提出してください。
 また、3か月未満の旅行や出張などの際には、海外滞在中も安全に関する情報を随時受けとれるよう、「たびレジ」に登録してください。
https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/#

6 テロ・誘拐対策に関しては、以下も併せて御参照ください。
(1)パンフレット「海外へ進出する日本人・企業のための爆弾テロ対策Q&A」
(パンフレットは、https://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pamph_03.html に掲載。)
(2)ゴルゴ13の中堅・中小企業向け海外安全対策マニュアル
(マニュアルは、https://www.anzen.mofa.go.jp/anzen_info/golgo13xgaimusho.html に掲載。)

(参考1)近年の欧米での主なテロ事件等(以下、全て現地時間)
【2025年】
○ドイツ:ビーレフェルトにおける刃物襲撃事案(5月18日)
○ドイツ:マンハイムにおけるパレード広場の歩行者エリアへの車両突入事案(3月3日)
○フランス:ミュルーズにおける刃物襲撃事案(2月22日)
○ドイツ:ベルリンのホロコースト記念碑付近における刃物襲撃事案(2月21日)
○オーストリア:フィラハにおける刃物襲撃事案(2月15日)
○ドイツ:ミュンヘンにおける車両突入事案(2月13日)
○米国:ニューオーリンズの繁華街への車両突入事件(1月1日)

【2024年】
○ドイツ:マクデブルクのクリスマスマーケットへの車両突入事件(12月20日)
○ドイツ:ゾーリンゲンでの刃物による襲撃事件(8月24日)
○セルビア:ベオグラードのイスラエル大使館への襲撃事件(6月29日)
〇ロシア:ダゲスタン共和国の礼拝所や警察施設等への襲撃事件(6月23日)
○ドイツ:マンハイムでの刃物による襲撃事件(5月31日)
○スロバキア:ブラチスラバ郊外での銃撃事件(5月15日)
○ロシア:モスクワ州の商業施設での銃撃事件(3月22日)
○スイス:チューリッヒでの刃物による襲撃事件(3月2日)

【2023年】
○ベルギー:ブリュッセル市内での銃撃事件(10月16日)
○フランス:北部アラスの高校での刃物による教師襲撃事件(10月13日)
○セルビア:ベオグラード近郊での銃撃事件(5月4日)
○ドイツ:デュースブルク市中心部のスポーツジムでの刃物襲撃事件(4月18日)
○モンテネグロ:首都ポドゴリツァの裁判所前での自爆事件(3月3日)
○スペイン:南部の教会での刃物襲撃事件(1月25日)

(参考2)2025年に発生したイスラエル権益・ユダヤ人を標的とした事案(未遂含む)
○10月:英国におけるシナゴーグ近くでの車両突入・刺傷事案
○9月:イタリアにおける観光客襲撃事件
○8月:オランダにおける襲撃事案、スリランカにおける暴行事案及びイタリアにおける観光客襲撃事案
○7月:オーストラリアにおけるイスラエル料理店への襲撃事案とシナゴーグ放火事案、スイスにおける襲撃事案及びギリシャにおけるイスラエル人観光客への暴行事案
○6月:米国における襲撃事案及びキプロスにおける襲撃未遂事案
○5月:米国におけるイスラエル大使館職員2人の射殺事案、トルコにおけるイスラエル領事館への発砲事案、英国におけるテロ未遂事案及びフランスにおける反ユダヤ主義的破壊行為
○4月:スペインにおけるテロ未遂事案及び米国ペンシルベニア州における過越祭セダー(ユダヤ教の断食)後のユダヤ人知事公邸への放火事案
○3月:フランスにおけるラビ襲撃事案及びスペインにおけるコーシャー・ピザ店への放火未遂事案
○2月:ギリシャにおけるユダヤ人襲撃事案及びドイツのホロコースト記念碑におけるユダヤ人刺傷事案
○1月:オーストラリアにおけるユダヤ人を標的とした爆破未遂事案

(問い合わせ先)
 ○外務省領事サービスセンター
  住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
  電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902、2903
(外務省関連課室連絡先)
 ○外務省領事局海外邦人緊急事態課
  電話:(外務省代表)03-3580-3311 (内線)9926 
 ○海外安全ホームページ:
  https://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版・スマートフォン版)
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