1 中東呼吸器症候群(MERS)について
(1)MERSは、2012年以降、主に中東地域で流行している重症呼吸器感染症で、現在でも散発的に感染症例が報告されています。
(2)MERSが発生している中東地域では、ヒトコブラクダなどの感染源動物との接触や、その体液に接触することで感染することが多いと言われています。
(3)感染した人との濃厚接触でも感染することがあるため、流行地域の動物との接触歴がない人が発症する事例も報告されています。
(4)発熱、咳、息切れの症状が典型的で、肺炎を発症することもあるほか、下痢などの消化器症状、多臓器不全を引き起こすこともあり、重篤な急性呼吸器疾患や死亡に至る場合もあります。また、高齢者や糖尿病、腎不全などの基礎疾患を持つ方は重症化リスクが高いと考えられています。
2 具体的予防策
・十分に加熱調理されていないラクダの肉や生乳の摂取は避ける。
・咳やくしゃみなどのMERSを疑う症状のある者との接触はできる限り避ける。
・流行地域の農場や市場、畜舎を訪れる際には、動物(特にヒトコブラクダ)との接触を避ける。
・動物に触れた後は、必ず石けんで手を洗い、手指消毒を行う。
・人が多く参集、往来するような宗教行事、大規模な集会では発生の可能性が高くなることに留意する。
・休息、栄養を十分に取り、体に抵抗力をつける。
(参考)
〇 厚生労働省FORTHウェブサイト:中東呼吸器症候群
https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/name61.html 〇 厚生労働省ウェブサイト:中東呼吸器症候群(MERS)について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/mers.html 〇 国立健康危機管理研究機構ウェブサイト:中東呼吸器症候群(MERS)
https://id-info.jihs.go.jp/diseases/ta/mars/010/mers.html 3 その他の注意事項
(1)日本の厚生労働省は、入国の際に発熱や咳などの呼吸器症状がある方、MERSの感染が疑われる方又はラクダと接触した可能性がある方に対して、必ず検疫官に申し出るよう呼びかけています。
また、帰国後2週間以内に発熱や咳などの呼吸器症状がみられた場合には、直ちに最寄りの保健所に電話で連絡するよう求めています。
(2)MERS流行国で患者やラクダと接触した方は、最大14日間、検疫所に毎日体温等の健康状態を報告する健康監視の対象になる場合があります。
(参考)
〇 厚生労働省:リーフレット
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000098089.pdf 4 本広域情報の対象国・地域
全世界
5 在留届及び「たびレジ」への登録のお願い
海外渡航前には、万一に備え、家族や友人、職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。3か月以上滞在する方は、緊急事態に備え、必ず在留届を提出してください。
https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet/index.html また、3か月未満の出張などの渡航の際には、海外滞在中も安全に関する情報を随時受け取れるよう、外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録してください。
https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/index.html (問い合わせ窓口)
○外務省領事サービスセンター
住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902、2903
(外務省関連課室連絡先)
○外務省領事局政策課(感染症情報)
電話:(代表)03-3580-3311(内線)5994
○外務省 海外安全ホームページ
https://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版・スマートフォン)
http://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp (フィーチャーフォン)
(現地在外公館連絡先)
各国の在外公館は以下の外務省ホームページをご参照ください。
〇外務省ホームページ:在外公館リスト
https://www.mofa.go.jp/mofaj/link/zaigai/index.html