【ポイント】
●スリランカでは、経済状況の悪化を契機とした生活必需品不足や燃料不足等により、政府に対する国民の不満が高まり、政府への抗議活動が頻繁に行われ、死傷者が発生しています。
●5月6日、スリランカ政府は、治安、秩序の保護及び生活に不可欠な物資・サービスの維持のため、再び「緊急事態宣言」を発令しました。
●5月9日には「外出禁止令」が発令され、同12日及び13日に一時解除となりましたが、その後再発令されており、今後も断続的に外出禁止令が発令される可能性があります。また12日に就任したウィクラマシンハ新首相は大統領府前の抗議活動の継続を認める発言もしています。不測の事態、無用なトラブルに巻き込まれないように十分注意してください。
【本文】
1 スリランカでは、経済状況の悪化を契機とした生活必需品不足や燃料不足により、政府に対する国民の不満が高まり、3月以降、政府への抗議活動が頻繁に行われています。これを受け、4月1日、スリランカ政府は、治安、秩序の保護及び生活に不可欠な物資・サービスの維持のために「緊急事態宣言」を発令しましたが、同5日には同宣言を解除しました。
2 「緊急事態宣言」の撤回後もスリランカ全土でゴタバヤ・ラージャパクサ大統領の辞任を求めるデモや抗議活動が継続し、4月19日には、ランブッカナにおいてデモ隊と警察が衝突し、10名以上が負傷、警察の発砲により1名が死亡しました。
また、同28日には全国的なゼネストが実施され、100を超える労働組合が参加し、公共交通機関が止まるなど影響が及びました。
こうした状況を受け、スリランカ政府は、5月6日に再び「緊急事態宣言」を発令しました。(同日発効)
3 5月9日、首相府(テンプルツリー)前から大統領府付近にかけて、反政府側と政府擁護側の間で衝突が発生しました。各地で衝突や放火、略奪等が発生し、スリランカ全土に「外出禁止令」が発令されました(即時発効)。9日以降、全土で9名が死亡、300名以上が負傷しています。同外出禁止令は、同12日及び13日に一時解除となりましたが、その後再発令されており、今後も断続的に外出禁止令が発令される可能性があります。
4 5月9日にマヒンダ・ラージャパクサ首相が辞任しましたが、各地でデモ・抗議活動は続いており、同10日、スリランカ国防省は、各軍に対し、略奪等を行う人物に対する発砲を許可しました。また、同11日、スリランカ警察は、全国の警察署に対し、違法な車両捜索、暴力、破壊、略奪等の不法行為を制止するために総力を尽くすよう指示するとともに、必要な場合には発砲を許可しました。また12日に就任したウィクラマシンハ新首相は大統領府前の抗議活動の継続を認める発言もしています。
5 つきましては、スリランカに滞在中の邦人の皆様におかれては、次の事項等に注意を払い、不測の事態、無用なトラブルに巻き込まれないよう十分注意してください。
(1) テレビ、ラジオ、インターネット等の報道に注意を払い、最新情報の入手に努めるともに、外出禁止令が発出された場合には外出を控えてください。
(2) 抗議行動の場には近づかないようにしてください。
(3)今後、警察と抗議者らの間で激しい衝突が発生する可能性がありますので、抗議会場や暴徒を見かけた場合は、直ちに退避して十分な距離を取るなど、身を守る行動に徹してください。
(4) 公共の場、公園、ショッピング・モールなど不特定多数の人が集まる場所では常に周囲の状況に注意を払ってください。
(5) 予期せぬ衝突等に遭遇した場合には、むやみに近づいたり、写真撮影をしたりせず、警察等治安機関の指示に従って、速やかにその場から立ち去るようにしてください。
(問い合わせ窓口)
○外務省領事サービスセンター
住所:東京都千代田区霞ヶ関2-2-1
電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902、2903
(外務省関連課室連絡先)
○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)(内線)9926
○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)(内線)3047
○海外安全ホームページ:
https://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版・スマートフォン版)
http://www.anzen.mofa.go.jp/m/mbtop.html (モバイル版)
(現地大使館連絡先)
○在スリランカ日本国大使館
住所:3rd & 4th Floor, M2M Veranda Office, No.34, W. A D. Ramanayake Mawatha, Colombo2
電話:(国番号94)11-269-3831
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