情報種別:海外安全情報(スポット情報)
本情報は2017年04月03日(日本時間)に失効しました。

イラク:治安情勢(更新)

2016年12月08日
イラク:治安情勢(更新) イラク:治安情勢(更新)
【安全のために】
●クルド地域の一部を除き,危険情報「レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)」及び「レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)」を発出しています。このような地域では,渡航者の安全を確保することが困難です。目的の如何を問わず渡航は止めてください。
●この情報を知らずに「退避勧告地域」に既に滞在されている方については,速やかに退避してください。退避までの期間の緊急連絡先を在イラク日本国大使館又は外務省邦人テロ対策室まで至急連絡してください。
●「渡航中止勧告地域」に真にやむを得ない事情で既に滞在されている方についても,緊急連絡先を至急連絡してください。
在イラク日本国大使館: +964-(0)77-0494-2018 (緊急連絡先)
外務省邦人テロ対策室:(代表)03-3580-3311(内線)3047

【主要トピック】
●10月17日,モースル解放作戦が開始されました。同作戦の治安への影響に十分注意するとともに,モースル以外の各都市におけるISILによる反撃・報復テロが予想されることから,テロへの警戒を一層強化してください。(継続)
●イスラム過激派組織によるテロ事件が,首都バグダッドを含む各地で継続しています。(継続)
●イラク北部及び西部でイラク軍とイスラム過激派組織との戦闘が継続しており,現時点で比較的安定している地域においても,情勢が急変するおそれがあります。(継続)

☆詳細については,下記の内容をよくお読み下さい。

1 最近のイラクにおける治安情勢は以下のとおりです。
(1)イラク全土
ア 2014年6月にISIL(イラクとレバントのイスラム国)を中心とする武装勢力がイラク北部ニナワ県モースル市等を占拠して以降,イラク北部及び西部を中心に勢力を拡大させました。これに対しイラク軍は,米国が主導する「連合」による空爆等の支援を受け,ISILに占拠された都市および地域の奪還作戦を進めています。2015年4月以降,サラーハッディーン県ティクリート市,アンバール県ラマーディー市,同県ヒート市,同県ファッルージャ市を奪還した旨発表しました。また,2016年10月17日にモースル解放作戦が開始され,モースル近郊で激しい戦闘が継続されています。ISILは,イラク軍側の攻勢により,防御に転じるとともに,その支配地は徐々に縮小しています。こうしたなかISILは首都バグダッドやキルクーク,南部諸県において自爆テロ等を実行するなど,その戦術を変化させてきています。11月14日及び17日,ファッルージャではISILによる自爆テロが発生し,多数の死傷者が出たと報じられています。
イ 今後,モースル解放作戦の進展やそれに伴う国内避難民の急増などの治安への影響に十分な注意が必要です。特にニナワ県モースル市及び同市周辺地域では,ISILとの激しい戦闘が続いており,どのような目的であれ同地域及び同地域に近いニナワ県とエルビル県との県境付近には立ち入らないでください。また,バグダッド等,モースル以外の各都市においても,ISILが自爆テロ等による反撃,報復を行うことが予想されることから,テロへの警戒を一層強化してください。イラク国内の治安情勢は,現時点で比較的安定している地域においても,引き続き十分な警戒が必要です。
なお,モースル近郊では,10月に現地に入った邦人が現地当局に拘束される事案も発生しています。モースル市近郊に限らず,イラクでは軍事作戦に伴って現地当局の警戒度も高まっています。やむを得ない事情でイラク国内に滞在する際には,当局から疑念を抱かれないよう細心の注意を払って行動してください。
ウ 昨年8月から発生している反腐敗や公共サービス改善,公務員の新給与体系に対する抗議デモは,現在も,金曜日を中心に,バグダッド及び南部諸県で発生しています。バグダッドでは,本年2月,4月,5月及び7月にサドル派指導者の呼びかけによる大規模なデモが発生しました。今後も引き続き,デモの発生が予想されますので,特に金曜日の移動は避けてください。
エ 11月24日,バービル県ヒッラ市で,イスラム教シーア派の宗教行事「アルバイーン」(注)から帰還する巡礼者を狙ってISILによる自爆テロが発生し,約100人が死亡しました。今年の「アルバイーン」は終了しましたが,引き続き宗教施設や宗教行事がテロの標的となり易いことに十分注意してください。
(注)預言者ムハンマドの孫であるイマーム・フサインの殉教40日目の喪明けの儀式であり,シーア派にとって重要な宗教行事の一つ。

(2)クルディスタン地域及びその周辺
ア イラク北部クルディスタン地域では,2013年9月にエルビル市内の治安機関庁舎を標的とした爆弾テロ,2014年11月に県庁舎を標的とした爆弾テロ,2015年4月に米国総領事館付近での爆弾テロが発生しましたが,それ以降,テロ事案の発生は確認されていません。
イ クルディスタン地域北部の山岳地帯においては,クルディスタン労働党(PKK)の拠点に対するトルコ軍による空爆が続いています。
ウ スレイマニヤ県においては,給与支払いを求める教職員によるデモがたびたび発生しています。
エ 10月23日,著名な宗教関係者がエルビル市内の自宅前で何者かに殺害されており,クルディスタン地域においても銃器を用いた凶悪事件が発生しています。

(3)バグダッド
ア バグダッド県においては,特にシーア派居住地域や市の郊外(バグダッド・ベルト地域)でテロ事案が依然として多く発生しています。7月には,バグダッド市内カラーダ地区の繁華街で自動車爆弾テロ及びそれによる火災で少なくとも324人が死亡,200人以上が負傷する大惨事が起きました。また,10月にはシャーブ地区でシーア派宗教行事「アーシューラー」を狙った自爆テロが発生し,41人が死亡,33人が負傷しました。いずれの事件もISILが犯行声明を発出したと報じられています。また,市内のその他の地域でも,引き続き,小規模なテロ事件が発生しています。
イ バグダッド市においては,2015年8月以降金曜日を中心に反腐敗や公共サービス改善を求める大規模なデモがたびたび発生しています。2016年4月末には,内閣改造を求める大規模デモ隊のインターナショナルゾーン(IZ)への進入,議会の一時占拠を受け,バグダッド治安当局が非常事態を宣言する事態となりました。その後もデモが再三にわたり発生し,死傷者も出ています。9月には千人規模のデモのほかサドル派指導者の呼びかけによるストライキも発生しています。また,10月にはトルコに対する領土と主権の尊重を訴えるデモが発生しており,今後も同様のデモの発生が懸念されます。
ウ バグダッド県に隣接するアンバール県において,2016年6月に同県ファッルージャ市をISILから全面的に奪還するなど,イラク軍の優勢が伝えられています。これに対してISILが,同市のほか,バグダッドなどの都市部での自爆テロなどで反撃する構図も生まれており,引き続き注意が必要です。ファッルージャにおいては,11月14日に検問所周辺で自動車爆弾が爆発し,8人が死亡し,25人が負傷しており,同市に近いアーミリーヤト・ファッルージャにおいても同17日に結婚式を標的とした自爆ベストを用いたテロにより21名が死亡し,40人が負傷しています(いずれもISILが犯行声明を発出)。

(4)イラク南部
ア イラク南部県の治安情勢は比較的落ち着いており,ISILによるテロはほとんど発生していませんでしたが,ISILが劣勢になるつれ,南部県においてもテロ攻撃を実施するなど戦術的変化に注視する必要があります。2016年4月以降,「ISIL南部州」と名乗る組織によるテロが,バスラ県やムサンナー県で複数発生しています。
イ バスラ県北部のハルサ地区及びバスラ市内においては,部族間で武器を使用した衝突が散発的に発生しています。また,バスラ市においては犯罪集団による身代金目的の誘拐,強盗,殺人事件が引き続き多発しています。
ウ イラク南部諸県では,バグダッド同様にサドル派指導者の呼びかけに呼応する形で2015年8月以降,反腐敗や公共サービス改善を求めるデモが発生しています。

2 主要地域において発生した主なテロ事案
2016年11月中,首都バグダッド,中心部IZ及びその周辺,クルディスタン地域及び南部等で発生が報じられた主なテロ事件は,以下のとおりです(以下,全て現地時間で記述)。別添「バグダッド市内中心部での主な治安事案マップ」を併せて参照してください。なお,イラクでは,バグダッド以外でも,上記1の戦闘が行われている地域等,各地でテロ事件等が発生しており,注意が必要です。

(バグダッド中心部)
<IZ内>
●テロ事件の発生は確認されていない。

<IZ外>
●4日,バグダッド東部ザハラ地区で爆弾が爆発し,3人が死亡し,8人が負傷した。
●5日,バグダッドのシェイクオマル地区,アブーグレイブ地区,ラシード地区,オバイディ地区で爆弾の爆発が相次ぎ,10人が死亡し,37人が負傷した。
●7日,バグダッド南部ドーラ地区で追撃砲弾が着弾し,4人が死亡し,11人が負傷した。
●8日,バグダッド東部アミン地区で自動車爆弾が爆発し,2人が死亡し,11人が負傷した。
●13日,バグダッド東部オバイディ地区にあるモスク周辺で自動車爆弾が爆発し,2人が死亡し,8人が負傷した。
●14日,バグダッドのシューラー地区及びバラディヤト地区で巡礼者を狙った爆弾テロが発生し,3人が死亡し,12人が負傷した。
●23日,バグダッドのウール地区,バヤー地区,シュルタ地区,ザファラニーヤ地区で爆弾の爆発が相次ぎ,9人が死亡し,30人が負傷した。
●28日,ジャミーラ地区で自動車爆弾が爆発し,2人が死亡し,5人が負傷した。

(クルディスタン地域3県)
●テロ事件の発生は確認されていない。

(カルバラー県及びナジャフ県)
●14日,カルバラー県アイン・アルタムル地区のアンバール県との県境付近で自爆テロが発生し,12人が死亡した。ISILが犯行声明を発出したと報じられている。

(南部4県)
●テロ事件の発生は確認されていない。

(イラク「海外安全情報」)
https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo_045.html#ad-image-0

(参考広域情報・スポット情報)
・「イスラム過激派組織「ISIL(イラクとレバントのイスラム国)」指導者の声明発出に伴う注意喚起」(2016年11月4日)
https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcwideareaspecificinfo_2016C295.html
・「イラク:モースル解放作戦開始に伴う注意喚起」(2016年10月18日)
https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcspotinfo_2016C284.html

(問い合わせ窓口)
○外務省領事サービスセンター
住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902,2903

(外務省関連課室連絡先)
○外務省領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)
電話:(代表)03-3580-3311 (内線)3047
○外務省領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)
電話:(代表)03-3580-3311 (内線)5139
○外務省 海外安全ホームページ:
https://www.anzen.mofa.go.jp/
http://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp (携帯版)

(現地大使館連絡先)
○在イラク日本国大使館
住所:International Zone,Baghdad, Iraq
電話:(870-772)-543-197(衛星電話)
FAX:(870-782)-174-466
緊急連絡先:+964-(0)77-0494-2018
URL:http://www.iraq.emb-japan.go.jp/Japanese/index_j.html
E-mail:embjp.ryoji.iraq@bd.mofa.go.jp