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チャド
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情報種別:海外安全情報(危険情報)
本情報は現在有効です。

チャドの危険情報【危険レベル継続】(内容の更新)

2022年3月17日

【危険度】
●リビア、中央アフリカ、ニジェール及びカメルーン極北州との国境地帯(首都ウンジャメナを除く)、ラク州並びにチャド湖周辺
 レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(継続)
●上記を除く地域(首都ンジャメナを含む)
 レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(退避の可能性も検討してください。)(継続)

【ポイント】
●カメルーン極北州との国境地帯及びチャド湖周辺では、依然として「ボコ・ハラム」や「イスラム国西アフリカ州」(ISWAP)等のイスラム過激派組織が活動しています。多国籍合同軍による掃討作戦によりこれら組織との間で武力衝突がたびたび発生しているほか、テロ攻撃、拉致・誘拐等が発生する可能性があり、治安上の大きな脅威があります。
●チャド全土で多数の地雷や不発弾が放置されており、特に北部地域(リビア及びニジェールとの国境地域)及び東部地域(スーダンとの国境地域)には多数の地雷が残存しています。

1 概況
(1)周辺国からチャド国内に、「ボコ・ハラム」や「イスラム国西アフリカ州」(ISWAP)等のイスラム過激派組織が越境してきており、国境地帯及びチャド湖周辺では、これら組織が活動しています。これらの地域では、チャド、カメルーン、ナイジェリア等からなる多国籍合同軍がイスラム過激派組織の掃討作戦を継続しており、武力衝突がたびたび発生しているほか、テロ攻撃、拉致・誘拐等が発生する可能性があり、治安上の大きな脅威があります。

(2)チャド全土で多数の地雷や不発弾が放置されており、特に北部地域(リビア及びニジェールとの国境地域)及び東部地域(スーダンとの国境地域)には多数の地雷が残存しています。


2 地域情勢
(1)リビア、中央アフリカ、ニジェール及びカメルーン極北州との国境地帯(首都ウンジャメナを除く)、ラク州並びにチャド湖周辺
 レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(継続)

ア カメルーン極北州との国境地帯(首都ウンジャメナを除く)、ラク州及びチャド湖周辺
 同地域は、「ボコ・ハラム」や「イスラム国西アフリカ州(ISWAP)」等のイスラム過激派組織が活発に活動しているナイジェリア北東部やカメルーン極北州に隣接する地域であり、テロや誘拐事件などに巻き込まれるおそれがあります。
 また、多国籍合同軍によるイスラム過激派組織の掃討作戦が継続されており、武力衝突による多数の死傷者が発生し、治安上の大きな脅威となっています。近年では、ラク州とチャド湖周辺を中心に、村落や軍駐屯地への襲撃やIED(手製爆発物)による攻撃が行われ、民間人を含む多数の死傷者が発生しています。

イ 中央アフリカ国境地帯
 隣国の中央アフリカでは、2013年3月の政変以降、国連PKOによる治安維持活動が行われているものの、国境地帯では武装勢力等の活動がたびたび確認されるなど、不安定な治安状況が続いています。また、中央アフリカ及びスーダンからチャドに多くの難民が流入しています。
 2021年5月には、中央アフリカとの国境沿いにある軍駐屯地を中央アフリカ国軍の部隊が攻撃し、チャド軍兵士1人を殺害、5人を負傷させ、5人を拉致して中央アフリカ側で処刑するという事件が発生しました。中央アフリカ政府は、国軍が武装勢力を追跡中、国境を挟んで発砲が生じ、チャドと中央アフリカ双方に犠牲者が生じたと説明しています。

ウ リビア国境地帯
 リビア情勢を受けたリビアとの国境地帯での治安の不安定化が続いています。国境管理が不十分であることから、武器や麻薬の密輸、金採掘に絡む戦闘、誘拐、窃盗等が横行しています。
 2021年4月11日には、リビア国内に拠点を置く反政府武装勢力「チャド変革協調戦線(FACT)」がチャド側に越境し国境検問所を襲撃。その後首都ウンジャメナから北方約300キロメートルのカネム州まで南下し、17日、チャド軍と衝突しました。20日には、イドリス・デビー・イトゥノ大統領(当時)がFACTとの交戦での負傷が原因で死亡したことが発表されました。5月9日、チャド軍はFACTとの戦闘が終了したと発表しましたが、今後も情勢は変化する可能性があります。

エ ニジェール国境地帯
 2014年8月、チャドとニジェールとの国境付近において、違法に金を採掘していた武装集団同士の衝突が発生しました。ニジェールとの国境沿いでは、過去のニジェール内戦の影響で多数の対人地雷が埋設されたままとなっており、毎年多数の死傷者が出ています。また、特にチャド湖周辺のニジェールとの国境地帯では,「ボコ・ハラム」や「イスラム国西アフリカ州(ISWAP)」等のイスラム過激派組織が活動しています。

 つきましては、これらの地域への渡航は、どのような目的であれ止めてください。既に同地域に滞在中の方は、すぐに安全な地域へ退避してください。

(2)上記を除く地域(首都ウンジャメナを含む)
 レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(退避の可能性も検討してください。)(継続)

ア 首都ウンジャメナは、当局による厳しい統制により治安は比較的維持されているものの、周辺地域は依然として「ボコ・ハラム」や「イスラム国西アフリカ州(ISWAP)」等のイスラム過激派組織によるテロの脅威にさらされており、不測の事態に巻き込まれる危険性があります。
また、2021年4月のイドリス・デビー・イトゥノ大統領(当時)の死後、同大統領の子息マハマト・イドリス・デビー・イトゥノ氏を議長とする軍事移行評議会が設置されたことに対する抗議デモが国内各地で発生しました。ウンジャメナにおいても複数のデモが行われ、死傷者も出ました。

イ ワディ・フィラ州、ウアダイ州、サラマト州、シラ州(いずれも中央アフリカ国境地帯を除く)では、多数の地雷や不発弾が残存しています。

ウ 2019年、チャド東部のスーダン国境地帯において、死者を伴う部族間の対立が繰り返し発生し、非常事態宣言が出されました。2021年9月にも兵器を使用した衝突が発生し、7人が死亡、数人が負傷しています。

 つきましては、これらの地域への渡航は、どのような目的であれ止めてください。既に滞在中の方は、不測の事態に備え、退避の必要性も検討してください。


3 滞在に当たっての注意
 やむを得ない事情により、チャドに渡航・滞在される方は、日本国外務省、在カメルーン日本国大使館(チャドを兼轄)、現地関係機関、報道等より最新情報を入手するよう努めてください。また、首都ウンジャメナを含む主要都市は治安当局による厳しい統制下にあるため、滞在中は、不審がられるような行動、当局の許可を得ない写真撮影等は控えてください。
 なお、チャドには日本国大使館が設置されていないため、事件・事故が発生した場合の迅速な対応は困難です。危険を感じたら国外への退避も検討してください。万一、事件や事故等に巻き込まれた場合には、在カメルーン日本国大使館に連絡してください。またその他の詳細情報については、「安全対策基礎データ」(http://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure_137.html )を併せて参照してください。

 海外渡航の際には万一に備え、家族や友人、職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。
 3か月以上滞在する方は、在カメルーン日本国大使館が緊急時の連絡先を確認できるよう、必ず在留届を提出してください。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet/index.html
 3か月未満の旅行や出張などの際には、渡航先の最新安全情報や、緊急時の在カメルーン日本国大使館からの連絡を受け取ることができるよう、外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録してください。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/index.html )


4 隣国のナイジェリア、中央アフリカ、カメルーン、スーダン、ニジェール及びリビアに対しても、それぞれ危険情報が発出されていますので併せて留意してください。


(問い合わせ窓口)
○外務省領事サービスセンター
  住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
  電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902、2903

(外務省関連課室連絡先)
○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)
  電話:(代表)03-3580-3311(内線)9850
○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)
  電話:(代表)03-3580-3311(内線)3047
○海外安全ホームページ
  https://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版・スマートフォン版)
  http://www.anzen.mofa.go.jp/mlmbtop.html (モバイル版)

(現地大使館連絡先)
○在カメルーン日本国大使館(チャドを兼轄)
  住所:1513, Rue1828, Bastos-Ekoudou, Yaounde, Cameroun
  電話:(市外局番なし)2-2220-6202、2-2220-6585
   国外からは(国番号237)2-2220-6202、2-2220-6585
  FAX:(市外局番なし)2-2220-6203
   国外からは(国番号237) 2-2220-6203
  ホームページ:https://www.cmr.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html



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