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リビア
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情報種別:海外安全情報(危険情報)
本情報は現在有効です。

リビアの危険情報【危険レベル継続】(内容の更新)

2024年2月8日

【危険レベル】
●全土:レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(継続)

【ポイント】
●リビアでは、民兵組織など武装グループによる武力衝突・テロ・誘拐事件が発生しています。リビアへの渡航はどのような目的であれ止めてください。また、既に滞在されている方は直ちに退避してください。

1 概況
リビアにおいては、2011年のカダフィ政権崩壊後、内戦状態を経て議会と政府が東西に併存し、政治的に不安定な状況が続いています。
国の東西分裂は、両陣営の軍事的衝突を引き起こしてきました。2019年4月には、東部勢力の実力者であるハフタル総司令官率いる国軍(LNA)が首都トリポリへ進攻し、当時の国民統一政府(GNA)の部隊との間で空爆を含む武力衝突に発展しました。2020年5月以降、トルコの支援を受けたGNA側勢力が巻き返し、LNA側勢力はトリポリ近郊から撤退しました。
2020年10月に両陣営の停戦合意が成立し、2021年3月には暫定国民統一政府(GNU)が成立しましたが、2024年1月現在においても国政選挙の実施に向けた政治プロセスは停滞しています。国内各地で民兵組織が活動し、トリポリ市内においても2023年5月及び8月に発生した民兵間の武力衝突で民間人を含め100人以上 が死傷しています。民兵組織の武装解除や、政府機関・軍への統合プロセスは進んでいません。
また、リビア各地で犯罪組織による身代金目的誘拐・武装強盗等が発生しています。詳細については、「テロ・誘拐情勢」(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_125.html )を併せてご参照ください。

2 地域別情勢
 全土:レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(継続)
(1)首都トリポリ及びその近郊
トリポリ及びその近郊においては、多数の民兵組織が独自に活動し、不安定な状況にあります。各民兵組織の国軍・警察への統合は停滞しており、GNUが民兵組織を完全には統制できない状況にあります。
2020年10月の停戦合意以降も、民兵組織間の勢力争いから派生する武力衝突が頻発しています。2022年8月末には、トリポリ中心部で民間人を含む多数の死傷者を出した大規模な武力衝突が発生しました。その後は、民兵組織間の武力衝突は減少し、治安情勢は徐々に改善しつつありますが、2023年5月及び8月には、再び民兵間の大規模な衝突が発生し、民間人を含め100人以上が死傷しています。
また、トリポリ西郊のザーウィヤ等の隣接地域では、政府側のドローンによる空爆が行われており、引き続き不安定な状況が予想されます。

(2)リビア西部(トリポリタニア地域((1)の地域を除く。)
 ミスラタ、サブラタ、シルトにおいて、民兵等地元武装グループ、治安部隊等による武力衝突、殺人、誘拐事件が発生しています。特に2022年末から、サブラタにおいて武力衝突が頻発し、治安情勢が悪化しており、非常に危険です。

(3)リビア東部(キレナイカ地域)
 ベンガジでは一定の治安が保たれていますが、民兵間の対立・衝突が断続的に発生しています。ベンガジは、ハフタルLNA総司令官の影響が色濃いため、治安当局による取締活動が頻繁に実施されている一方、高齢である同人の後継者争いなどによる治安悪化が懸念されます。
 また、ベンガジでは、市内全域で無差別的な爆弾事件やロケット弾攻撃が散発的に発生しています。2019年8月にはショッピングモール前で国連の車列を標的にした自動車爆弾テロが発生し、国連職員3名が死亡しています。

(4)リビア南部(フェッザーン地域)
 リビア南部では、LNA部隊等を標的とするテロ攻撃が散発的に発生しています。2022年1月には、「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)によるLNA部隊襲撃や、LNA部隊本部への爆弾テロなどが連続して発生し、同年4月にもISILによる検問所への自動車爆弾テロが発生しました。これに対し、現在も継続的にLNAによる大規模な掃討作戦が行われています。
 南部の砂漠地帯では、政府による治安維持が十分に行き届いていない地域が広く存在し、国境管理が緩いことから、テロリストの流入、人身売買、薬物や武器・弾薬密輸の温床となっている可能性が指摘されています。これらの地域では、GNUやLNAの統制が実質的に及んでいないため非常に危険です。

 
このように、リビアでは日本人渡航者・滞在者に深刻な危険が及ぶ可能性が極めて高い状況が続いていますので、リビアへの渡航はどのような目的であれ止めてください。また、既に滞在されている日本人の方は、以下の連絡先まで連絡するとともに、直ちに国外の安全な地域へ退避してください(現在のリビア情勢下にあっては、取材活動であっても不測の事態に巻き込まれる可能性が高く、非常に危険です。リビアにおける取材について、報道各社等に向けて累次にわたり注意喚起を発出していますが、フリーランスの報道関係者の方も含め、リビアへの渡航は止めてください。)。


(問い合わせ先窓口)
○外務省領事サービスセンター
 住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
 電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902,2903

(外務省関係課室連絡先)
○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)(内線)2853
○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)(内線)3047
○海外安全ホームページ:
http://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC・スマートフォン版)
http://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp (モバイル版)

(現地大使館連絡先)
○ 在リビア日本国大使館
住所: Embassy of Japan in Libya, Terraced House A 103 & 104, Palm City Residences, Sidi Abdul Jalil, Janzour, Tripoli, Libya
電話:(開設中)
代表メールアドレス:eoj.libya@tr.mofa.go.jp 

○ 在リビア日本国大使館臨時事務所(在チュニジア日本国大使館内)
住所: Ambassade du Japon en Tunisie, 9 rue Apollo XI, B.P 163 - 1082- Cit? Mahraj?ne -Tunis -Tunisie
電話:(00.216) 71.791.251 / 71.792.363
ファックス : (00.216) 71.786.625
ホームページ:https://www.ly.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html

※在リビア日本国大使館は、2024年1月15日から再開していますが、当面の大使館業務については、邦人保護関連業務、二国間関係増進のためのリビア政府との連絡・調整、情報収集等に限定しています。領事の窓口業務については、当面の間、引き続き在チュニジア日本大使館内の臨時事務所にて対応します。



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