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マリ
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情報種別:海外安全情報(危険情報)
本情報は現在有効です。

マリの危険情報【危険レベル継続】(内容の更新)

2024年2月9日

【危険レベル】
●全土(首都バマコを除く)
 レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(継続)●首都バマコ
 レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)

【ポイント】
●マリでは、2020年8月及び2021年5月、マリ国軍の一部兵員による2度の武力政変が発生するなど、政治社会情勢が不安定となっています。
●首都バマコにおいて、イスラム過激派組織によるテロの脅威の南下・拡大に伴う治安情勢の急速な悪化の兆候が見られます。
●首都バマコを含むマリ全土において、テロ・誘拐事件等の不測の事態に巻き込まれる高い脅威があります。どのような目的であれ渡航は止めてください。また、レベル4の地域に既に滞在されている方は、直ちにこれらの地域の外(安全な場所)に退避してください。

1 概況
(1)2016年以降、マリの北部・中部でテロ事案が増大し、首都バマコを含む南部にも脅威が及び始めたことにより、マリ全土に非常事態宣言が発令、維持されてきました。2020年8月の政変後に発足した暫定政権において、同年10月に同宣言は一時失効しましたが、同年12月に、治安危機及び新型コロナウイルス感染拡大への対応として、マリ全土に再び非常事態宣言を発令しました。これにより、現在も国防・治安・司法・行政当局の権限が強化されています。

(2)他方、2020年8月及び2021年5月、マリ国軍の一部兵員による2度の武力政変が発生するなど、政治社会情勢が不安定となっています。

(3)マリ北部・中部では、アル・カーイダ関連組織である「イスラムとムスリムの支援団」(JNIM)、ISIL関連組織である「ISILサヘル州」(旧称「大サハラのイスラム国」(ISGS))をはじめとするイスラム過激派組織が活動しています。これらの地域では、テロ攻撃や部族間抗争が頻発していることに加え、2012年以降「セルヴァル作戦」及び「バルカンヌ作戦」で対テロ軍事介入を行ってきたフランス軍は2022年8月末をもってマリから完全撤退、また国連PKOも2023年12月末までに完全撤退したことに伴い、マリ国軍・トゥアレグ武装勢力・イスラム過激派の三つ巴の激しい戦闘が連日のように繰り広げられています。

(4)南部においても、マリ国軍や治安部隊の詰所を対象としたテロ攻撃や一般凶悪犯罪が増加しています。首都バマコにおいても、銃火器を用いた殺人事件や押し込み・タクシー強盗が多発しています。

(5)首都バマコでは、テロの脅威が再び急速に高まりつつあります。2022年7月には、バマコ北郊にあるカティで、マリ国軍最大の軍事基地がイスラム過激派組織による攻撃を受けています。また、過去には、バマコでホテルやリゾート施設を狙ったテロ攻撃が発生しています。

(6)上記のとおり、首都バマコを含むマリ全土でテロ・誘拐事件等の不測の事態に巻き込まれる高い脅威がありますので、どのような目的であれマリへの渡航は止めてください。また、マリのテロ・誘拐に関する詳細については、「テロ・誘拐情勢」(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_121.html )もご参照下さい。

2 地域情勢
(1)全土(首都バマコを除く)
 レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(継続)

ア 北部地域では、マリ暫定政府の統治・治安維持が十分に及んでいません。特に、キダル州、ガオ州、メナカ州においては、2023年12月末に完全撤退した国連PKOの基地を巡る争い等、マリ国軍・トゥアレグ武装勢力・イスラム過激派によるいわゆる内戦状態が継続しています。
 また、イスラム過激派とみられる武装集団による国際NGOやジャーナリスト等に対する強盗・誘拐事件が多発しています。2021年7月、北部トンブクトゥ州で活動中の人道NGOの車両2台が武装集団に襲撃され、NGO職員が車両ごと連れ去られています。
イ 中部地域では、2015年頃から土地をめぐるバンバラ族(農耕民)とプル(フラニ)族(遊牧民)の間の伝統的な確執が尖鋭化しています。最近ではドゴン族(農耕・狩猟民)とプル族の間の対立も激化しており、2020年7月にはモプチ州バンカス圏において、身元不明の武装集団により4箇所のドゴン族の村落が襲撃を受け33人が死亡しました。
 また、モプチ州、セグー州においては、JNIM及び「大サハラのイスラム国」(ISGS)をはじめとするイスラム過激派組織の活動が活発化しており、主要都市を結ぶ幹線道路においては、地雷や簡易手製爆弾(IED)を使用した攻撃も多発しています。
ウ 南部地域のうち、首都バマコ以外のクリコロ州、カイ州、シカソ州、ナラ州においても、イスラム過激派組織が活動し、テロ・誘拐等の凶悪事件が多発しています。2023年4月、ナラ州において暫定大統領府の職員が乗った車列がテロリストによる待ち伏せ攻撃を受け、職員4人が殺害されています。

 つきましては、どのような目的であれ、これらの地域への渡航は止めてください。既に滞在している場合は、直ちに安全な地域へ退避してください。
 これら地域においては、治安上の問題等から、大使館の対応に限界があることにも留意してください。

(2)首都バマコ
 レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)

ア 首都バマコでは、テロの脅威が再び急速に高まりつつあります。2022月7月には、バマコ北郊にあるカティで、マリ国軍最大の軍事基地がイスラム過激派組織による攻撃を受けています。また、過去には2015年11月にバマコ中心部の「ホテル・ラディソン・ブルー」、2017年6月にバマコ東郊のリゾート施設「キャンプメント・カンガバ・コンプレックス」に対し、イスラム過激派組織によるテロ事件が発生しています。
イ 2023年1月、バマコから約15Km地点に位置する南部クリコロ州の森において、バマコのマリ国軍部隊に対する攻撃を試みていたとみられる、約100人からなるJNIMの武装集団が目撃されました。
ウ マリ国民の生活環境や治安情勢が改善しないことに対する不満から、マリ暫定政権や治安当局の対応に対する抗議、賃上げ要求、物価高に対する抗議や国連PKO(2023年12月末に完全撤退)の撤退要求等を理由に、多くのストライキやデモ・集会が頻繁に行われており、場合によっては参加者と治安当局の衝突により負傷者や逮捕者が出ています。
 また、バマコにおいては一日中停電している地域も多く、その影響により断水も頻発しています。その他、大統領選挙の延期やマリ経済の悪化についても住民の不満は高まりつつあり、ストライキやデモ・集会及びそれらに伴う一般犯罪の増加が懸念されます。

 つきましては、首都バマコへの渡航はどのような目的であれ止めてください。

3 隣国のアルジェリア、ニジェール、コートジボワール、ブルキナファソ、ギニア、モーリタニア及びセネガルについても、別途それぞれ、マリとの国境付近における危険情報を発出していますので、併せて留意してください。


(問い合わせ窓口)
○外務省領事サービスセンター
 住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
 電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902、2903

(外務省関連課室連絡先)
○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)
 電話:(代表)03-3580-3311(内線)9850
○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)
 電話:(代表)03-3580-3311(内線)3047
○海外安全ホームページ:
 https://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版・スマートフォン版)
 http://www.anzen.mofa.go.jp/m/mbtop.html (モバイル版) 

(現地大使館連絡先)
○在マリ日本国大使館
 住所:Avenue du Mali, devant le Minist?re de l’Economie et des Finances, Hamdallaye ACI2000, Commune IV, Bamako, Mali
 電話:(市外局番なし)4497-9220(代表)
  国外からは(国番号223)4497-9220
 FAX:(市外局番なし)4490-4947
  国外からは(国番号223)4490-4947
 緊急携帯電話(夜間、休館日):(市外局番なし)6675-3326
  国外からは(国番号223)6675-3326
 ホームページ:https://www.ml.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html



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