=-=-=-=-=-=-=-=
エチオピア
=-=-=-=-=-=-=-=
情報種別:海外安全情報(危険情報)
本情報は現在有効です。

エチオピアの危険情報(一部地域の危険レベル改定)

2023年9月19日

【危険度】
●エリトリア、ソマリア、スーダン、南スーダンとの国境地帯、ティグライ州西部地区及びアムハラ州との州境地帯、オロミア州東西ウェレガ地区、ケレム・ウェレガ地区、ホログドゥル・ウェレガ地区及び東西グジ地区、ベニシャングル・グムズ州カマシ地区及びメテケル地区
 レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(継続)
●ティグライ州(エリトリアとの国境地帯、西部地区、アムハラ州との州境地帯、メケレ市及びシレ市を除く)、アファール州のティグライ州との州境地帯
 レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(引き下げ)
●ケニアとの国境地帯
 レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(引き上げ)
●アムハラ州(スーダンとの国境地帯及びティグライ州との州境地帯を除く)、アファール州キルバティ地区、オロミア州イルバボール地区、ガンベラ州(ガンベラ市、南スーダンとの国境地帯を除く)、ベニシャングル・グムズ州アソサ地区
 レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)
●ティグライ州メケレ市及びシレ市
 レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(不要不急の渡航中止)(引き下げ)
●アファール州の上記以外の地域、オロミア州ボレナ地区(ケニアとの国境地帯を除く)、東西ハラルゲ地区、バレ地区、北シェワ地区、西シェワ地区、東シェワ地区、ガンベラ州ガンベラ市、ソマリ州(ソマリア及びケニアとの国境地帯を除く)
 レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)
●首都アディスアベバを含む上記以外の地域
 レベル1:十分注意してください。(継続)

【ポイント】
●2020年11月にティグライ州において発生した連邦政府とティグライ人民解放戦線(TPLF)との武力衝突に関しては、2022年11月2日の和平合意成立以降武力衝突や暴動が発生しておらず、また2023年4月にはティグライ暫定政府が正式に発足し、重火器の武装解除も順調に進展するなど和平合意の履行が進んでいます。
●上記の状況に鑑み、依然として武力衝突の可能性が残るティグライ州のエリトリアとの国境地帯、西部地区及びアムハラ州との州境地帯を除き、同州その他の地域及びアファール州のティグライ州との州境地帯をレベル3(渡航中止勧告)に引き下げるとともに、治安の改善が見られ、首都等から空路で移動可能なティグライ州メケレ市及びシレ市をレベル2に引き下げます。
●ケニアとの国境地帯については、テロや誘拐、民族・部族対立による武力衝突等の可能性があるため、レベル3(渡航中止勧告)に引き上げます。
●2023年8月4日、連邦政府は、アムハラ州において、武装勢力と治安部隊の衝突により治安状況が悪化したことを受け、同州全域に非常事態宣言を発出しました。引き続き同地域への渡航はどのような目的であれ止めてください。

1 概況
(1)2020年11月にティグライ州において発生したティグライ人民解放戦線(TPLF)と連邦政府との間の武力衝突は、アフリカ連合(AU)主導の和平交渉を経て、2022年11月2日、TPLFと連邦政府との間で「恒久的敵対行為停止による持続的和平合意」(プレトリア和平合意)に至り、さらに、11月12日、ケニアにおいて行われていた両当事者の上級司令官会合において、「恒久的敵対行為停止による持続的和平合意」の履行に関する上級司令官宣言(ナイロビ共同宣言)が発表され、それ以降、同州内での武力衝突は発生していません。
 2023年1月から停戦監視遵守ミッションが配置され、4月にはティグライ暫定政府が正式に発足し、重火器の武装解除も順調に進展するなど和平合意の履行が進み、州内の多くの地域では落ち着きが見え始めています。 
 しかし、同州西部地区では、TPLFと連邦政府との武力衝突時に進行したアムハラ武力勢力とTPLF勢力とが対峙している可能性があり、また、ティグライ州及びアファール州の国境付近では武力衝突時に侵攻してきたエリトリア軍が残存し、武力衝突の可能性を残しています。さらに、ティグライ州北西部地区テケゼ川南側ツェレムティ、同州南部のアラマタ・オフラ地域ではアムハラ武装勢力による襲撃等の可能性があります。
 また、過去に武力衝突が発生したアムハラ州及びアファール州の一部地域並びにティグライ州では、多くの不発弾、遺棄弾薬等が残存し、住民等が被害に遭う状況が続いています。
(2)アムハラ州では、2023年4月の連邦政府による州特別部隊の解体及び警察・国防軍への統合決定以降、同決定に対抗して武装勢力が治安部隊と衝突する事案等が各地で発生し、治安状況が悪化しています。同年8月4日、連邦政府は、アムハラ州全域に非常事態宣言を発出しました。
(3)民族間の緊張状態は依然解消されておらず、現在も各州の境界地帯では、武器等を使用する過激な民族間衝突が断続的に発生しています。また、主にオロミア州においてアムハラ系民族に対する襲撃事件が頻繁に発生しているほか、エチオピア正教会及びイスラム教モスクへの襲撃事件も断続的に発生しています。
(4)ソマリアのイスラム過激派組織「アル・シャバーブ」(AS)は、過去にアディスアベバ市内で爆弾テロ事件を引き起こし、犯行声明を出したことがあるものの、エチオピア政府による国境警備等の強化もあり、ここ数年、同組織によるエチオピア国内での大規模なテロ事件の発生は確認されていません。しかし、2022年7月には、ソマリ州アフダール県に越境してきたAS構成員とソマリ州特別部隊との間で戦闘が発生し、民間人を含む多くの死傷者が発生しました。ASはエチオピアを攻撃対象国としており、常時、国内に潜入しテロ活動を行う可能性や越境襲撃を行う可能性があることに留意する必要があります。
(5)2023年4月以降激化した隣国スーダンでの内戦の影響で、エチオピア国内にも多数の難民・避難民が流入してきており、特に国境周辺地帯では、地元住民との対立等の新たな治安不安定化要因となる可能性があります。また、主にガンベラ州において、南スーダンから越境したムルレ族による襲撃事件、拉致事件などが頻繁に発生しています。
(6)エチオピアでは、2019年3月に車両襲撃事件により日本人1名を含む計5名が死亡するなど、外国人を標的とした襲撃事件や誘拐事件が散発的に発生しています。
 このような状況を十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、海外安全ホームページや報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。

2 地域別情勢
(1)エリトリア、ソマリア、スーダン、南スーダンとの国境地帯、ティグライ州西部地区及びアムハラ州との州境地帯、オロミア州東西ウェレガ地区、ケレム・ウェレガ地区、ホログドゥル・ウェレガ地区及び東西グジ地区、ベニシャングル・グムズ州カマシ地区及びメテケル地区
 レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(継続)
ア エリトリアとの国境地帯
 ティグライ州での武力衝突発生後、ティグライ州及びアファール州に侵攻したエリトリア軍が撤退を完了せず、武力衝突の可能性を残しています。また、武装勢力や盗賊といった集団が存在している可能性があります。
イ ソマリアとの国境地帯
 軍、警察及び地元自警団の大規模な警戒や取締りにより、ASの攻撃や侵入が防がれている状態ですが、引き続きASやその他の反政府武装勢力等によるテロや誘拐事件の発生が強く懸念されます。2022年7月には国境付近において、ソマリ州警察とASとの大規模な戦闘が発生し、それ以降も国境地帯においては、同様の武力衝突及び越境を試みたAS構成員の摘発が相次いでいます。
ウ スーダンとの国境地帯
 スーダンとの国境地帯では、国境問題を巡り、武力衝突が散発的に発生しています。2022年6月及び9月には、アムハラ民兵とスーダン軍との武力衝突が発生しています。また、2023年4月以降激化した隣国スーダンでの武力衝突の影響で、エチオピア国内にも多数の難民・避難民が流入してきており、特に国境周辺地帯では、地元住民との対立等の新たな治安不安定化要因となる可能性があります。
エ 南スーダンとの国境地帯
 ガンベラ州南部の国境地帯においては、南スーダンから越境したムルレ族武装集団による車両や集落を対象とした襲撃事件、拉致事件などが頻繁に発生しています。また、ガンベラ州北部の国境地帯においては、2022年3月以降、武装集団とエチオピア治安部隊との武力衝突が増加しています。
オ ティグライ州西部地区及びアムハラ州との州境地帯
 2022年11月2日の連邦政府とTPLFとの和平合意成立、2023年4月のティグライ暫定政府の正式発足後も、同州西部地区及びアムハラ州との州境地帯である北西部地区テケゼ川南側ツェレムティ、南部地区のアラマタ及びオフラにはアムハラ武装勢力が残存し、TPLF勢力との武力衝突が発生する可能性があります。
カ オロミア州東西ウェレガ地区、ケレム・ウェレガ地区、ホログドゥル・ウェレガ地区及び東西グジ地区
 これら地域では、オロモ解放戦線(OLF)等武装勢力の活動が活発であり、2022年4月、オロミア州政府は、連邦政府と共同で武装勢力の壊滅を目指した掃討作戦の開始を発表しました。2023年4月末には連邦政府とOLAとの初めての交渉が行われましたが和平合意に達せず、交渉終了後には再び治安部隊とOLA等との武力衝突が発生しています。
(ア)西ウェレガ地区
 2019年3月、走行中の車両に対する襲撃事件が発生し、乗車していた日本人1名を含む計5名が死亡しました。2022年6月、武装集団による襲撃で民間人300名以上が殺害される事件が発生しています。この地域では、連邦政府による無人機を用いた空爆が確認されています。
(イ)東ウェレガ地区及びケレム・ウェレガ地区
 オロミア州西ウェレガ地区に近接する東ウェレガ地区及びケレム・ウェレガ地区では、襲撃事件や武装集団と治安部隊との間で多数の死傷者を伴う衝突が頻繁に発生しています。2022年10月及び12月、東ウェレガ地区において武装集団による襲撃事件が発生し、それぞれ民間人数十名が犠牲となっています。当地区では、10月から11月にかけて、連邦政府による無人機を用いた空爆が確認されています。ケレム・ウェレガ地区では、2022年7月、武装集団の襲撃により、民間人約150名が死亡する事件が発生しているほか、地方政府関係者が武装集団に殺害される事件が発生するなど、治安の悪化が続いています。
(ウ)ホログドゥル・ウェレガ地区
 東西ウェレガ地区に近接するホログドゥル・ウェレガ地区では、襲撃事件や武装集団と治安部隊との衝突が頻繁に発生しており、2022年8月、武装集団による襲撃で民間人60名以上が死亡し、70名以上が負傷する事件が発生しています。
(エ)東西グジ地区
 東西グジ地区では、武装集団の活動が活発であり、多数の死傷者を伴う治安部隊との武力衝突が日常的に発生しています。2022年4月以降、オロミア州政府と連邦政府による掃討作戦により、武力衝突の発生件数は増加しています。
キ ベニシャングル・グムズ州カマシ地区、メテケル地区
 2020年8月からメテケル地区などにおいて武装集団と治安部隊との衝突が頻繁に発生しています。同年10月、アソサ地区からメテケル地区に移動中の車両が襲撃され、外国人1名を含む14名が殺害されました。
 2022年4月から6月にかけて、カマシ地区において治安部隊と武装集団との武力衝突が多発しました。また、同年3月、同州メテケル地区において、作業員を乗せた車両が武装集団の襲撃を受け治安部隊との衝突に発展し、治安部隊員20名、民間人3名、武装集団の30名が死亡する事件が発生しています。

 つきましては、これら地域への渡航はどのような目的であれ止めてください。また、既に滞在されている方は、直ちに退避してください。

(2)ティグライ州(エリトリアとの国境地帯、西部地区、アムハラ州との州境地帯、メケレ市及びシレ市を除く)、アファール州のティグライ州との州境地帯
 レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(引き下げ)
 2022年11月2日の連邦政府とTPLFとの和平合意成立、2023年1月のAUによる停戦監視遵守ミッションの派遣、同年4月のティグライ暫定政府の正式発足後、重火器の武装解除も既に順調に進展するなど、和平合意の履行が進んでいます。このため、ティグライ州のエリトリアとの国境地帯、西部地区、アムハラ州との州境地帯、メケレ市及びシレ市を除く地域をレベル3(渡航中止勧告)へ引き下げます。
 
(3)ケニアとの国境地帯
 レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(引き上げ)
 ASは、ケニア北東部においても活発に攻撃を行っており、ケニア北東部と隣接するエチオピア領内でもASによるテロや誘拐事件が発生する可能性があります。また、南エチオピア州及びオロミア州とケニアとの国境付近では、民族間・部族間対立による誘拐事件や武力衝突等が発生する可能性があります。よって、ケニアとの国境地帯をレベル3(渡航中止勧告)に引き上げます。

(4)アムハラ州(スーダンとの国境地帯及びティグライ州との州境地帯を除く)、アファール州キルバティ地区、オロミア州イルバボール地区、ガンベラ州(ガンベラ市を除く)、ベニシャングル・グムズ州アソサ地区
 レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)
ア アムハラ州(スーダンとの国境地帯及びティグライ州との州境地帯を除く)
 アムハラ州では、2023年4月の連邦政府による州特別部隊の解体及び警察・国防軍への統合の決定以降、同決定に対抗して不満を持つ州特別部隊構成員を加えた武装勢力が治安部隊と衝突する事案等が各地で発生し、治安状況が悪化しています。このような状況を受け、同年8月4日、連邦政府は、アムハラ州全域に非常事態宣言を発出しました。
イ アファール州キルバティ地区
 2020年11月、連邦政府とTPLFとの武力衝突が発生して以降、戦闘地域はアファール州にも拡大し、国防軍とTPLFとの間で戦闘が継続しました。2021年12月、連邦政府はアファール州内のTPLF勢力を全て排除したことを発表し、同月、TPLFはアファール州からの撤退完了を発表しました。
 2022年8月の戦闘再開以降、同地域では、再び国防軍及びエリトリア軍とTPLFとの武力衝突が発生し、両軍が対峙する状況が継続しましたが、同地域での戦闘及び空爆は減少し、11月2日に和平合意が成立して以降、敵対行為の停止は守られています。
 しかし、ティグライ州での武力衝突発生後、ティグライ州及びアファール州に侵攻したエリトリア軍が撤退を完了せず、TPLF勢力と対峙している可能性があります。
ウ オロミア州イルバボール地区
 イルバボール地区は、武装勢力の活動が依然として活発です。ウェレガ地域に隣接するイルバボール地区では、武装勢力と治安部隊との武力衝突が散発的に発生しています。
エ ガンベラ州(ガンベラ市、南スーダンとの国境地帯を除く)
 2016年1月以降、ヌエル族とアニュアク族との間の部族間衝突が度々報告され、同州における緊張状態が高まっているほか、殺人、強盗、誘拐などの犯罪が多発しています。また、2021年11月以降、アニュアク県の難民キャンプにおいて、殺人・傷害事件が複数件発生しているほか、警察官、政府・民間車両を標的とした襲撃事件が日常的に多数発生しています。
オ ベニシャングル・グムズ州アソサ地区
 2021年11月以降、アソサ地区においては、武装勢力による難民キャンプへの襲撃事件や拉致事件、治安部隊との武力衝突、治安部隊の車列に対する攻撃が発生しています。
 2022年11月、オロミア州西ウェレガ地区との州境地帯に位置するアソサ地区南東部のバンバシにおいて、オロミア州を拠点とする武装集団と治安部隊との武力衝突が発生しました。 

 つきましては、これら地域への渡航はどのような目的であれ止めてください。

(5)ティグライ州メケレ市及びシレ市
 レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(不要不急の渡航中止)(引き下げ)
 ティグライ州の州都メケレ市及びシレ市については特に治安の改善が見られ、商用便の運航も再開して復興に動き出しているため、同州メケレ市及びシレ市をレベル2(不要不急の渡航中止)に引き下げます。
 
(6)アファール州の上記以外の地域、オロミア州ボレナ地区、東西ハラルゲ地区、バレ地区、北シェワ地区、西シェワ地区及び東シェワ地区、ガンベラ州ガンベラ市、ソマリ州(ソマリアとの国境地帯を除く)
 レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)
ア アファール州の上記以外の地域
 ゲビ地区のソマリ州との州境地帯では、かねてからアファール族とイサ・ソマリ族との対立がみられ、2021年7月には同民族間の対立が激化し、数日間にわたる衝突で数百名の死者が出ています。この対立は現在も継続し、民族間の衝突が多発しています。
 ハリ地区のオロミア州との州境地帯では、アファール族とオロモ族との間で、民族間の衝突が発生しています。
イ オロミア州ボレナ地区(ケニアとの国境地帯を除く)、東西ハラルゲ地区、バレ地区、北シェワ地区、西シェワ地区、東シェワ地区
 同地域では、武装勢力の活動が散発的に認められます。バレ地区のソマリ州との州境地帯では、オロモ族とソマリ族の衝突が発生しています。
 アディスアベバに隣接する北シェワ地区、西シェワ地区、東シェワ地区は、これまで比較的安定した治安状態が保たれていましたが、2022年4月以降、同州西部に拠点を置く武装集団の活動範囲が東部に拡大し、警察官や民間人を対象とした襲撃事件や拉致事件、治安部隊との銃撃戦が増加しています。2022年10月以降、連邦政府はこれら地域の武装勢力を標的として、無人機による空爆を複数回実行しており、今後も継続される可能性があります。
 東シェワ地区ビショフトゥ(デブラゼイト)では、2023年5月には、同市内の警察署が武装勢力に襲撃され、警察官4人が死亡する事件が発生しています。
ウ ガンベラ州ガンベラ市
 2022年6月、武装勢力がガンベラ市内に侵入し、治安部隊との銃撃戦が発生しました。数時間続いた衝突は治安部隊が収拾しましたが、民間人を含め約80名の死傷者が出ました。
 ガンベラ市では、2021年11月以降、凶器を使用した殺人・傷害・強盗事件が増加しています。
エ ソマリ州(ソマリア及びケニアとの国境地帯を除く)
 同州内では、過去にテロ未遂や外国人誘拐事件等が発生しており、ASの侵入による重大事件が発生する可能性があります。2019年9月、AS及びISILがアディスアベバでの爆弾テロを企図したとして、ソマリ州からの入国者が多数逮捕されたほか、複数の住居がテロの拠点として摘発されました。ソマリアとの国境を接する地区では、州内に侵入したAS構成員と治安部隊との衝突が発生しています。
2021年11月以降、主にアファール州との州境地帯及び南部の地区において複数の死傷者を伴う民族間の衝突が散発的に発生していますが、他地域への波及や大規模な暴動への発展等は認められません。
(ア)ジジガ市及びゴデ市
 ジジガ市及びゴデ市では近年武力衝突や暴動はなく、商業便も定期運航していますが、ソマリ州における反政府活動や民族間衝突の起点となっており、これらの間隙を突かれASの標的となる可能性もあります。両市は軍や警察等の治安部隊により治安が保たれていますが、民族間衝突やテロ等、様々な原因によって治安が急激に悪化する可能性があります。また、過去にテロ未遂や外国人誘拐事件等が発生しており、ASの侵入による重大事件が発生する可能性があります。2019年9月には、AS及び「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)がアディスアベバでの爆弾テロを企図したとして、ソマリ州からの入国者が多数逮捕されたほか、複数の住居がテロの拠点として摘発されました。
(イ)ソマリ州ジジガ市及びゴデ市を除く地域
 過去にテロ未遂や外国人誘拐事件等が発生しており、ASの侵入による重大事件が発生する可能性があります。2019年9月には、AS及びISILがアディスアベバでの爆弾テロを企図したとして、ソマリ州からの入国者が多数逮捕されたほか、複数の住居がテロの拠点として摘発されました。ソマリアとの国境を接する地区では、州内に侵入したAS構成員と治安部隊との衝突が発生しています。
 ソマリ族とオロモ族との衝突は継続しており、武器による攻撃や焼き討ちに巻き込まれる可能性があります。また、州東部においても、民族間の衝突が散発的に発生しています。ケニア及びソマリアと国境を接するリベン地区では、治安部隊と反政府勢力との衝突が多発しています。
 同州内で発生している干ばつは極めて深刻であり、その後洪水も発生し、食糧不足による治安の悪化も懸念されます。

 つきましては、これら地域への不要不急の渡航は止めてください。

(7)首都アディスアベバを含む上記以外の地域
 レベル1:十分注意してください。(継続)
ア オロミア州東部
 また、2019年から2020年にかけ、教会襲撃事件や学生誘拐事件が発生したほか、オロミア州西部におけるインターネット遮断などの際は、東西ハラルゲ地区及びバレ地区、ディレダワ市、ハラリ州などで、政府に対する大規模な抗議デモが発生しました。
イ 旧南部諸民族州(南スーダン及びケニアとの国境地帯を除く)
 2019年、南部諸民族州の州都ハワサが位置しているシダマ県において州への格上げ運動が発生し、住民投票の結果、州への格上げが決定されましたが、ワライタ県等が格上げに不満を示しており、抗議活動参加者と治安部隊の衝突が発生するなど、緊張状態が続いています。また、2021年9月の住民投票により、5県1特別郡が南西州として格上げとなることが決定し、同年11月、南部諸民族州から州としての権限が引き渡されました。
 2022年11月、グラゲ県ウォルカイトにおいて、州への格上げを求める住民らによる大規模な抗議活動が行われ、同12月、州政府は同地域に無期限でコマンドポストを設置することを発表しました。
 南部のコンソ及び周辺地域においては、民族間の衝突がたびたび発生しています。
 南部諸民族州は、2023年8月、中部エチオピア州と南エチオピア州に分かれ、名称が消えました。
ウ アディスアベバ近辺の都市
 近年のオロモ民族主義の高まりにより、大規模なデモや暴動が発生しています。また、アディスアベバとオロミア州をつなぐ幹線道路は、その都度治安部隊または抗議活動参加者によって州境で封鎖される傾向があります。
エ アディスアベバ市
(ア)2018年4月にアビィ首相が就任して以降、同年6月に爆弾による首相暗殺未遂事件、同年7月にルネサンス・ダムの工事責任者の射殺事件、2019年6月に国防軍参謀総長暗殺事件、同年10月に活動家のジャワール・モハメッドによるオロモ系民族扇動事件、2020年6月にオロモ系民族による騒擾事件等、政治色の強い重大事件が発生しています。また、2021年5月以降、ルネサンス・ダムの貯水や第6回総選挙に関連して、欧米諸外国のエチオピア内政への干渉に反対する大規模なデモや政治集会が行われました。さらに8月以降、TPLFと国防軍勢力との武力衝突が激化したことを受け、市内では政府主導による国防軍支持を目的とした大規模なデモや集会が行われているほか、非常事態宣言が発令された11月以降、「#No More」と呼ばれる欧米諸国の内政干渉に反発する気運が高まりを見せ、国内外の複数都市及びアディスアベバ市内の複数の大使館前においてデモが行われました。2022年8月に戦闘が再開し、諸外国による和平交渉への呼びかけが行われる中、アディスアベバ市内のマスカルスクエアにおいては、これに反発する連邦政府支持者による大規模なデモが開催されています。また、2023年5月には、近隣市のモスク取り壊しに抗議するイスラム教徒のデモが発生、治安部隊と衝突して死傷者も出ています。多く人が集まる場所はテロの標的となるだけでなく、興奮した群衆が暴徒化するおそれがありますので、デモが行われている場所には絶対に近付かないでください。
(イ)アディスアベバ市内では、外国人の一般犯罪被害が増加しています。背後から首を絞められ、意識を失っている間に貴重品を盗む「首絞め強盗」が頻繁に発生しています。また、歩行中に唾を吐きかけたり、物売りなどを装ったりして気を引き、携帯電話などの貴重品を盗むスリ被害も増加していますので、外出の際は十分な注意が必要です。

 つきましては、これら地域に渡航する場合には十分注意してください。できるだけ単独行動や夜間の外出を避け、犯罪に巻き込まれることがないよう、適切かつ十分な安全対策をとるよう心掛けてください。

3 渡航・滞在にあたっての注意
 エチオピア滞在中は下記の事項に十分留意して行動し、危険を避けるようにしてください。また、日本国外務省、在エチオピア日本国大使館、現地関係機関及び報道等より最新情報を入手するよう努めてください。
(1)海外渡航の際には万一に備え、家族や友人、職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。
 エチオピアに3か月以上滞在される方は、在エチオピア日本国大使館が緊急時の連絡先を確認できるよう、必ず「在留届」を提出してください。
 3か月未満の旅行や出張などの際には、渡航先の最新の安全情報や、緊急時に在エチオピア日本国大使館の連絡を受け取ることができるよう、外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録してください。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/index.html
(2)エチオピアは内陸国であり、周辺各国の影響を受けやすいため、注意が必要です。特に、ソマリア国内のASが周辺国でもテロ・襲撃などを行っており、エチオピアを含む東アフリカ地域では、テロの脅威に十分注意する必要があります。エチオピア政府は、アディスアベバ市内やソマリ州周辺地域を中心に警備を強化していますが、エチオピア国内でテロやこれに関連する不測の事態が発生する可能性は排除できません。
(3)テロの対象となる可能性のある治安機関、宗教施設等には近づかず、ショッピングセンター等人の多く集まる場所を利用する際には周囲に十分注意を払ってください。テロに関する注意事項については、「テロ・誘拐情勢」も確認してください。(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_095.html)

 隣国のソマリア、ケニア、スーダン、南スーダン、エリトリア及びジブチに対しても、別途それぞれ危険情報が発出されているので、留意してください。国境を陸路で越境することは、決して安全ではありません。場所によっては、極めて危険なところもあります。陸路移動はできるだけ避け、空路を選んでください。

(問い合わせ窓口)
○外務省領事サービスセンター
  住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
  電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902、2903
(外務省内関係課室連絡先)
○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く。)(内線)9850
○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)(内線)3047
○海外安全ホームページ
  https://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版・スマートフォン版)
  http://www.anzen.mofa.go.jp/m/mbtop.html (モバイル版)
(現地大使館連絡先)
○在エチオピア日本国大使館
(所在地)Bole Sub-city Woreda 6, House No.431, Addis Ababa, Ethiopia(P.O.BOX 5650)
 電話:(市外局番11)667-1166
    (国外からは251-11)667-1166
 FAX:(市外局番11)667-1177
    (国外からは251-11)667-1177
 ホームページ:https://www.et.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html



−−−−−−−−−−
トップページ
−−−−−−−−−−