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アルジェリア
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情報種別:海外安全情報(危険情報)
本情報は現在有効です。

アルジェリアの危険情報【危険レベル継続】(内容の更新)

2021年4月23日

【危険度】
●リビア、ニジェール、マリ及びモーリタニアとの国境地帯並びにイリジ県イナメナス地区
 レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(継続)

●テベッサ県、ヘンシュラ県、ベジャイア県西部(ベジャイア地区を除く同地区から西の地域)、ティジ・ウズ県(ティジ・ウズ地区を除く。)、アイン・デフラ県、イリジ県(リビア及びニジェールとの国境地帯並びにイナメナス地区を除く。)、タマンラセット県(ニジェール及びマリとの国境地帯を除く。)、エル・ウェッド県及びウアルグラ県のチュニジアとの国境地帯並びにアドラール県のザウイエット・クンタ地区及びタメクテン地区以南の地域(マリ及びモーリタニアとの国境地帯を除く。)
 レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)

●バトナ県、ベジャイア県東部(ベジャイア地区を含む同地区から東の地域)、ティジ・ウズ県ティジ・ウズ地区、ブイラ県、ブーメルデス県、メデア県及びティンドゥーフ県(モーリタニアとの国境地帯を除く。)
 レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)

●上記以外の地域
 レベル1:十分注意してください。(継続)

【ポイント】
●危険レベル4の退避勧告を発出している地域では、イスラム過激派組織や武器・麻薬密売業者が活動しており、治安当局による掃討作戦が行われています。どのような目的であれ渡航は止めてください。既に滞在中の方は、直ちに安全な地域に退避してください。
●危険レベル3の渡航中止勧告を発出している地域では、イスラム過激派組織等の武装勢力が潜伏しているおそれがあります。どのような目的であれ渡航は止めてください。
●その他の地域でも、市街地から離れた森林・山岳・砂漠地帯などではテロリストが潜伏・活動しているおそれがあり、治安当局による掃討作戦が実施される可能性もあります。また、欧米をはじめとする外国権益に対するテロ等の発生に十分な警戒が必要です。

1 概況
(1)アルジェリアの治安状況は、政府・治安当局による警備強化を受け、一定の改善がみられます。しかし、北東部山岳地帯にはイスラム過激派組織が潜伏しており、市街地から離れた場所では依然として治安関係者に対するテロや治安当局によるテロリスト掃討作戦が実施されるなど、引き続き警戒が必要です。

(2)2013年1月に南東部イリジ県イナメナスで発生した天然ガスプラント襲撃事件(日本人10名を含む外国人39名、アルジェリア人1名の計40名が死亡。)を受け、アルジェリア政府は国内の石油・天然ガスプラント施設や国境の警備を強化していますが、リビア及びマリ情勢の流動化に伴い、テロ組織の活動がサヘル地域一帯で活発化しています。2016年3月には、南部タマンラセット県とガルダイア県との県境地帯において、テロリストによる天然ガス生産施設へのロケット弾攻撃が発生しています。また、南部及び東部の国境地帯においても、越境するテロ組織と治安部隊との衝突や武器の押収事案が度々発生しています。

(3)アルジェリアを拠点とするイスラム過激派組織「イスラム・マグレブ諸国のアル・カーイダ」(AQIM)は、治安当局による掃討作戦により弱体化しつつありますが、南部地域のほか、北東部カビリー地方の山岳部に依然勢力を保ち、治安当局に対する襲撃を行っています。2014年には、AQIMから離脱した一部の分子が新たに「ジュンド・アル・ヒラーファ(カリフの兵士)」(JAK)を結成し、ISIL(イラク・レバントのイスラム国)への忠誠を表明しました。同年9月には、JAKによるフランス人登山家誘拐・殺害事件を受け、治安当局によるJAKの掃討作戦が行われています。また、同年11月には、ISILがアルジェリアへの州(支部)の設置を宣言しています。

(4)アルジェリアでは、過去、日本人10名が犠牲となったイナメナス事件のような日本人・日本権益へのテロ攻撃や、観光目的の外国人に対する誘拐・殺害事件等が発生しています。アルジェリアの治安状況は改善傾向にありますが、世界各地で発生している単独犯によるローンウルフ(一匹狼)型テロや一般市民が多く集まる公共交通機関等(ソフトターゲット)を標的としたテロの発生を未然に防ぐことは困難です。また、シリア等で外国人戦闘員としてISILに参加していたアルジェリア人帰還兵が、アルジェリア国内でテロ等を引き起こす潜在的な脅威にも留意する必要があります。
 このような状況を十分に認識し、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、海外安全ホームページや報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。

2 地域別情勢
(1)リビア、ニジェール、マリ及びモーリタニアとの国境地帯並びにイリジ県イナメナス地区
 レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)(継続)

ア リビア、ニジェール、マリ及びモーリタニアとの国境地帯
 リビア、ニジェール、マリ及びモーリタニアとの国境地帯では、AQIMや「イスラムとムスリムの支援団」(JNIM。イナメナス事件の実行犯である「覆面部隊」を率いていたモフタール・ベルモフタールが結成した「ムラービトゥーン」が、サヘル地域の他のテロ組織と統合して結成。)等のイスラム過激派組織や武器・麻薬密売業者が活動しており、治安当局による掃討作戦が行われています。国際社会によるマリ北部への軍事介入後、マリからAQIM等の武装集団がアルジェリアに逃げ込む危険性等を考慮し、2013年1月、アルジェリア政府はマリとの国境を閉鎖しました。また、2014年5月12日の在リビア・アルジェリア大使館襲撃未遂事案の発生など、リビア情勢の悪化を受けて、アルジェリア政府はリビアとの国境も閉鎖したとされています。リビア軍による掃討作戦に追われ移動してきたテロリスト多数が、リビア・アルジェリア国境地帯に潜伏しているとの情報もあります。
イ イリジ県イナメナス地区
 2013年1月16日、イリジ県イナメナスにおいて、サヘル地域を拠点として活動する武装勢力による襲撃事件が発生し、日本人10名を含む外国人多数が犠牲となりました。同事件以降、同地域ではアルジェリア軍等による厳重な警備体制がとられるようになり、武装勢力の活動は抑えられていますが、リビアの情勢が依然として不安定なこともあり、テロ等の発生の危険性が高いです。2016年1月には、アルジェリア軍がイリジ県イナメナス地区ハシ・キユート付近でリビア人テロリスト7名を逮捕し、大量の武器・弾薬等を押収する事案も発生しています。

 ついては、同地域への渡航はどのような目的であれ止めてください。既に滞在中の方は、直ちに安全な地域へ退避してください。

(2)テベッサ県、ヘンシェラ県、ベジャイア県西部(ベジャイア地区を除く同地区から西の地域)、ティジ・ウズ県(ティジ・ウズ地区を除く。)、アイン・デフラ県、イリジ県(リビア及びニジェールとの国境地帯並びにイナメナス地区を除く。)、タマンラセット県(ニジェール及びマリとの国境地帯を除く。)、エル・ウェッド県及びウアルグラ県のチュニジアとの国境地帯並びにアドラール県のザウイエット・クンタ地区及びタメクテン地区以南の地域(マリ及びモーリタニアとの国境地帯を除く。)
 レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)

ア 治安当局によるテロ掃討作戦が強化され、これらの地域でのテロ事件の発生は減少傾向にありますが、特にティジ・ウズ県を中心とするカビリー地方の山岳地帯にAQIMの分子が潜伏しているといわれており、十分な警戒が必要です。
イ イリジ県、タマンラセット県及びアドラール県南部は広大な砂漠地帯であり、リビア、ニジェール、マリ及びモーリタニアとの国境に近接していることから、武装勢力が侵入してくるおそれがあります。
ウ これらの地域で2017年〜2019年の間に発生した主なテロ事案は以下のとおりです。
(ア)2017年2月20日、ティジ・ウズ県イルラ・ウマルー地区のカフェのトイレに手製爆弾が仕掛けられました。憲兵隊が客を避難させた上で、解体しました。
(イ)2017年2月22日、テベッサ県スター・ゲンティス地区において、テロ組織が羊飼い(54歳)を殺害し、家畜270頭を奪って逃走しました。
(ウ)2018年1月下旬、アイン・デフラ県において、市民3名を乗せた車両が森林地帯を走行中、道路に仕掛けてあった手製爆弾が爆発し、車両が吹き飛ばされ全員死亡しました。
(エ)2018年4月初旬、ヘンシュラ県南部おいて、軍当局の車両走行中に道路に仕掛けられていた手製爆弾が遠隔操作で爆発しました(被害なし)。
(オ)2019年12月22日、テベッサ県において、テログループが25歳男性を銃で襲撃し、殺害しました。
  
 ついては、同地域への渡航はどのような目的であれ止めてください。

(3)バトナ県、ベジャイア県東部(ベジャイア地区を含む同地区東の地域)、ティジ・ウズ県ティジ・ウズ地区、ブイラ県、ブーメルデス県、メデア県及びティンドゥーフ県(モーリタニアとの国境地帯を除く。)
 レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)

ア 治安当局によるテロ掃討作戦が強化され、これらの地域でのテロ事件の発生は減少傾向にありますが、市街地から離れた森林・山岳・砂漠地帯などではテロリストが活動しているおそれがあり、また、治安当局による掃討作戦が実施される可能性があります。過去には、森林地帯でテロ組織が仕掛けた地雷により負傷者が発生する事案も発生しています。その他の地域についても、欧米をはじめとする外国権益に対するテロ等の発生に十分な警戒が必要です。
イ これらの地域で2017年〜2019年の間に発生した主なテロ事案は以下のとおりです。 
(ア)2017年12月21日、ブイラ県カディリア地区において、森林で蜂蜜採取をしていた男性1名が仕掛けられていた対人地雷を踏み、爆死しました。
(イ)2019年11月6日、ベジャイア県ベジャイア地区の学校近くで手製爆弾が仕掛けられていたのを市民が発見し、治安当局が解体しました。

 ついては、同地域への不要不急の渡航は止めてください。やむを得ず渡航する場合には、現地の最新の情報の入手に努めるとともに、周囲の状況に十分な注意を払い夜間の外出は控えるなど、万全の安全対策をとってください。

(4)上記以外の地域
 レベル1:十分注意してください。(継続)

ア 治安当局によるテロ掃討作戦が強化され、これらの地域でのテロ事件の発生は減少傾向にありますが、市街地から離れた森林・山岳・砂漠地帯などではテロリストが潜伏しているおそれがあり、また、治安当局による掃討作戦が実施される可能性があります。
イ 欧米をはじめとする外国権益が多数所在しているアルジェ県、オラン県及びコンスタンティーヌ県においては、イスラム武装勢力がそれら権益をテロの標的とする可能性も排除されないため、注意が必要です。また、ガルダイア県ガルダイア地区では、過去に部族間の抗争に起因する暴動が発生したことがあり、同様の事案が再発する可能性があります。
ウ これらの地域で2017年〜2019年の間に発生した主なテロ事案は以下のとおりです。
(ア)2017年2月26日、コンスタンティーヌ県の警察署前で自爆テロ未遂が発生し、警察官3名が負傷、自爆テロリスト1名が死亡しました。
(イ)2017年5月31日、ブリダ県でテロ組織が憲兵隊を襲撃し、憲兵隊4名が軽傷を負いました。同事件については、ISILが犯行声明を出しています。
(ウ)2017年9月7日、オラン県内の警察署にテロリストが襲撃を試みましたが、警察官がこれを阻止しました。
(エ)2017年12月29日、シディ・ベラベス県の森林で蜂蜜採取をしていた市民5名をテロリストが襲撃し、2名を殺害しました。
(オ)2018年1月初旬、ルリザンヌ県の兵営で、軍人1名が銃弾を受け死亡しました。

 ついては、同地域への渡航を予定されている方は、治安情勢に関する最新情報の入手に努め、目立つ行動は避けるとともに、周囲に警戒を払う等、危険を避けるために十分注意してください。

3 滞在に当たっての注意
 アルジェリア滞在に当たっては、不測の事態に巻き込まれないよう、下記(2)〜(4)の注意事項に十分留意して行動し、危険を避けるようにしてください。また、日本国外務省、在アルジェリア日本国大使館及び現地関係機関等から最新の情報を入手するよう努めてください。

(1)在留届・「たびレジ」登録
 渡航にあたっては万一に備え、家族や友人、職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。
 アルジェリアに3か月以上滞在する方は、在アルジェリア日本国大使館が緊急時の連絡先を確認できるよう、必ず在留届を提出してください。
 3か月未満の旅行や出張などの際には、渡航先の最新安全情報や、緊急時に在アルジェリア日本国大使館からの連絡を受け取ることができるよう、外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録してください。(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/index.html ) 

(2)渡航者全般向けの注意事項
ア 2015年、シリアにおいて日本人2名を殺害したISILは、今後も日本人をテロの標的にする旨の声明を出しています。アルジェリアではISILに忠誠を誓ったテロリストの存在が確認されており、ISILは同国に「州」(支部)を設置した旨の声明を出しています。また、シリア等で外国人戦闘員としてISILに参加していたアルジェリア人帰還兵がアルジェリア国内でテロ等を引き起こす潜在的な脅威も存在していますので、テロ・誘拐に巻き込まれることがないよう、最新の関連情報の入手に努めるとともに、安全の確保に細心の注意を払うようにしてください。
イ 2019年2月から始まった、金曜日の民衆デモや火曜日の学生デモについては、アルジェリア政府が新型コロナウイルス感染症防止対策の1つとしてすべての集会及び更新を禁止した昨年(2020年)3月17日以降、カビリー地方を除いて大規模なものは行われていませんが、不測の事態に巻き込まれないよう、デモ等の抗議行動が予定されている地域には近付かないようにしてください。
ウ 単独行動や夜間の外出は極力控えてください。
エ アルジェリア国内の移動に際しては、可能な限り空路を利用してください。陸路で移動する場合は、幹線道路を利用するようにしてください。また、現地事情に詳しいガイドを同行させ、必要に応じて安全対策の専門家の同行を求めるなど、十分な安全対策を講じてください。また、移動経路における周囲の状況の変化等にも十分注意してください。なお、砂漠地帯に渡航・滞在する場合には、政府公認ガイドの同行が義務付けられています。
オ ホテルを利用する場合は、安全対策が十分施されたホテルを選択してください。
カ 森林・山岳地帯では治安当局によるテロリスト掃討作戦に巻き込まれる可能性がありますので、立ち入らないようにしてください。
キ テロの多くは治安関係者や政府関係者を狙ったものですので、不必要に検問や治安機関(軍、憲兵隊、警察等)、政府関連施設に近付かないようにしてください。デモが予想される場合は、可能な限り外出は控え、安全な場所に待避してください。もし外出する場合は、不測の事態に巻き込まれないよう、主要欧米関連施設、政府・軍関係施設及び外国人が多数集まるような場所への出入りを最小限にするなど、安全確保に十分留意してください。
ク 市街地から遠く離れた場所に滞在する場合は、テロ・誘拐事件に巻き込まれる可能性を常に念頭に置き、リスク軽減のためにできる限り滞在期間を短くするなどの対策をとってください。また、テロリスト側に滞在情報が漏れることがないよう、情報管理を徹底してください。

(3)短期滞在者向けの追加注意事項  
ア 観光地においては種々のトラブルが発生する可能性がありますので、単独行動はできるだけ避け、信頼できる現地旅行会社やエスコートを利用することをお勧めします。
イ 繁華街等においては、盗難や麻薬犯罪、強盗・傷害事件が発生していますので、これらの犯罪に十分注意してください。
ウ アルジェを含む各主要都市では、政治や社会への不満による一般市民のデモ、道路封鎖、役所等公的機関への抗議行動が発生しています。また、サッカー競技場周辺では、暴徒化したサポーターが銀行や商店、通行車両を襲撃する事件も発生しています。現地では可能な限り最新の治安情報の入手に努め、人だかりやデモ等抗議行動の現場に遭遇した場合は速やかに現場から離れるなど、状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。
エ 砂漠地帯を訪問する場合は、できるだけ空路で移動し、現地への直行便又は短時間の乗り継ぎ便を利用するなど、安全確保に努めてください。

(4)長期渡航者向けの追加注意事項
ア 特に地方に渡航する方は、現地の状況を把握した上で事前に十分な安全対策をとること、緊急移送サービス等が付された海外旅行保険に加入することをお勧めします。
イ 当国に所在する外国企業の外国人関係者(家族を含む)は、企業所在県外に移動する場合(私用を含む)、企業所在県庁の警備部局に通報することが義務付けられていますので、注意してください。

4 隣国(地域)のチュニジア、リビア、ニジェール、マリ、モーリタニア及び西サハラ地域にもそれぞれ危険情報が発出されていますので、併せて留意してください。

(問い合わせ窓口)
 ○外務省領事サービスセンター
  住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
  電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902、2903

(外務省内関係課室連絡先)
 ○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く。)(内線)4567
 ○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)(内線)3047
 ○海外安全ホームページ
  https://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版・スマートフォン版)
  http://www.anzen.mofa.go.jp/m/mbtop.html (モバイル版)

(現地大使館連絡先)
○在アルジェリア日本国大使館(金、土は休館、緊急時は連絡可能)
 住所:1, Chemin Al Bakri, Ben-Aknoun, Alger, Algerie
 電話:(市外局番021)912004
国外からは(国番号213)21-912004
 FAX:(市外局番021)912046
国外からは(国番号213)912046
ホームページ:https://www.dz.emb-japan.go.jp/jp/index.html



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