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● 犯罪発生状況、防犯対策

1 犯罪発生状況
(1) 凶悪犯罪発生件数
 ガイアナでは、殺人や強盗、性犯罪といった凶悪犯罪の発生率は依然として高い水準で推移しています。2022年は殺人事件が131件、強盗事件が3,127件発生するなど、人口約81万人の国としては多くの凶悪犯罪が発生しており(人口10万人あたりの殺人発生件数は日本の24倍)、危険な治安状況と言えます。
 2016年以降、日本人が強盗被害に遭う事件が8件(在留日本人4件、短期渡航者4件)発生していますが、現在の在留日本人数が十名以下であり、他国に比べて日本人渡航者も少ないことを考えれば、この被害件数は非常に多いと言えます。

(2) 銃器等を使用した犯罪
 銃器等のまん延により、殺人・強盗などで銃器が用いられる事件が増加しています。集団強盗も珍しくなく、過去には警察署やテレビ局が強盗団に襲撃されるといった大きな事件も発生しています。首都ジョージタウンにおいても、ひったくりや強盗などの路上犯罪が頻発していますので、徒歩移動や単独行動を自粛するとともに、貴重品の管理を徹底してください。また、レストランや商店など、現金を取り扱う場所において強盗などに襲われるケースが増えていますので、夜間には利用を控えるなど特別な注意が必要です。

(3) 薬物犯罪
 隣国(スリナム、ベネズエラ、ブラジル)と陸続きであり、内陸部は当局の管理が行き届いていない地域も多いことから、薬物密輸ルートが多く存在すると言われています。国境付近では強盗集団や薬物の密輸団などが暗躍している地域もあります。
 内陸部(特に国境地帯などの奥地)に入る必要がある場合は、必ず現地の事情に精通した、信用できる案内人を手配してください。

(4) その他(騒擾事件等)
 上記以外にも、警察官殺害事件(2015年9月および2016年3月)、刑務所での暴動(2016年3月)、脱獄事件(2017年7月、2件)、過激な抗議活動(2020年3月および9月、2022年6月)などの事件も頻発しています。また、2010年1月には、ジョージタウンのスターブロック・マーケットで手榴弾が暴発し、多くの死傷者を出したほか、2016年6月にはジョージタウンにある新聞社職員の車両脇に手榴弾が置かれていた事件が発生しています(警察が迅速に対応し、被害は発生していません)。

2 日本人の被害例
 日本人の犯罪被害は路上強盗が多く、2016年以降で8件の被害が報告されており、中には刃物で切りつけられるなどの傷害事件も発生しています。日本人の被害事例は、次のとおりです。
○昼間にジョージタウンの街中を歩いていたところ、後方から来た数名の男にリュックサックを奪い取られ、転倒して負傷した。
○夕方、数名で海岸沿いに車を停めて周辺を散策していたところ、けん銃を所持した数名の男に襲われて所持品を奪い取られた。
○目的地にて車を降りたところ、待ち伏せていた男にけん銃を突きつけられて所持品を奪い取られた。
○午前10時頃にホテルから表通りに出たところ、近付いてきた男にパスポート等の入ったカバンを奪い取られ、転倒して負傷した。
○夕方にホテル周辺道路を一人で歩いていたところ、自転車乗車の強盗2人に襲われ、刃物で腕を切りつけられて負傷し、携帯電話等を奪われた。

3 犯罪被害危険地域
 ジョージタウンのタイガーベイやアルボーイズ・タウン等治安の悪い地域には近づかないでください。また、中心街で多くの人が訪れるスターブロック・マーケットやブルダ・マーケット、リージェント・ストリート、ウォーター・ストリート周辺も危険な地域に近いことから十分注意する必要があります。さらに、高級ホテルのある地域でも、日本人が路上強盗被害に遭っていることから、いずれの地域においても注意が必要と言えます。

4 防犯対策
 犯罪被害に遭わないためには「自分の身は自分で守る」との心構えを持ち、最新の治安情報収集に努める、危険な場所には近づかない、多額の現金・貴重品は持ち歩かない、見知らぬ人物を安易に信用せずに警戒するなど、常に防犯を意識した行動をとることが重要です。
(1)移動時の注意事項
○夜間の外出や単独での移動は極力避け、必ず車で移動するようにする。
○昼間であっても常に周囲に目を配るとともに、複数人で行動をする。
○単独や女性だけのグループの場合は、車を利用する場合であっても、人通りの少ない場所への立入りを避ける。
○信頼できる現地の人達と行動を共にする。

(2)自宅、ホテルでの滞在時の注意事項
○外出や帰宅の際や車の乗降時には、付近に不審者がいないか確認した上で出入りする。
○ホテルに宿泊する場合も、部屋の出入りの際は、周辺に不審者がいないか確認する。
○在室中も必ず施錠の上、補助錠(チェーン錠)を掛け、訪問者を確認するまではドアを開けない。
○盗難などの被害を避けるためにも、ホテルは料金よりもセキュリティーを重視して選択する。

(3)外出時の注意事項
○外出時には持ち歩く貴重品を減らし、また、車内であっても助手席等に荷物等を置かない。
○目立つ行動は避ける。装飾品や高価な腕時計などは、身に着けず、カメラ等も目立たない持ち方をする。
○店での支払いや、ATMで現金を引き出す際には、周囲に十分注意する。
○歩きながらのスマートフォンの操作をしない。
※ 窃盗や強盗事件の約8割でスマートフォンが強奪される被害に遭っています。

(4)詐欺等への対応
 詐欺、カードスキミングなどの犯罪も発生しています。常に周囲を警戒し、何か違和感または不安を覚えた時は、落ち着いてその状況を判断し、相手の申し出を断る、その場から離れる等といった冷静な対処で被害を未然に防ぐように行動してください。

(5) 犯罪に遭遇した場合の対応
 強盗犯は、けん銃や刃物などの凶器を携帯して犯行に及ぶので、万一このような被害に遭遇した場合は、抵抗はせず、生命の安全を第一に考え、落ち着いて対応してください。慌ててポケットやかばんに手を入れたりすると反撃されると誤解され、犯人を刺激することとなり、生命に関わる重大な被害を受けることもあります。

5 テロ・誘拐
 ガイアナのテロ・誘拐については、テロ・誘拐情勢(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_294.html )をご覧ください。


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