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● 犯罪発生状況、防犯対策

1 犯罪発生状況
(1)概況
 アンティグア・バーブーダは、人口約9万8千人の小さな島国ですが、欧米からの直行便や大型のクルーズ客船が発着し、多くの外国人観光客が訪れる観光立国です。現地警察も観光客の安全確保や観光エリアでのパトロールに力を入れており、主要なリゾートや観光地の治安は概ね安定しています。しかし、一般的な都市と同様、タイミングや場所によっては十分な防犯意識が必要です。

(2)犯罪統計と治安の変動
 現地警察当局(Royal Police Force of Antigua and Barbuda)の統計によると、2025年(1?10月期)の総犯罪認知件数は前年同期比で約10.3%減少しているものの、殺人事件は10件発生しており、けん銃等を使用した加重強盗(Aggravated Robbery)や強盗未遂事件、性犯罪などは増加傾向にあります。
さらに2026年に入り、首都セントジョンズ近郊の一部の治安上注意を要する地域において、ギャング等の特定グループ間の対立に起因するとみられる銃器事件や武装強盗が発生しており、治安当局が警戒を強めています。また、2026年4月の総選挙直前には、与党の選挙関連イベント(集会)会場付近で発砲事件が発生しました。現地警察等は、政治的動機によるものではない旨発表していますが、不特定多数が集まる場所においても、銃器犯罪に巻き込まれるリスクがあることを示す事例として注意が必要です。外国人観光客が直接の標的となる事例は限定的ですが、不運にも事件現場に遭遇する可能性は否定できません。夜間の不要不急の外出や、治安上注意を要する地域への立ち入りは避けるとともに、人が多く集まる場所では周囲の状況に十分注意を払うなど、基本的な防犯対策を徹底してください。

(3)違法薬物と一般犯罪
 大麻の取り扱いについて、アンティグア・バーブーダでは、18歳以上の成人による15グラム以下の大麻および大麻樹脂の私的使用目的での所持、ならびに自宅での4株までの栽培について非犯罪化が実施されていますが、これは「大麻の使用や所持が完全に合法化された」という意味ではありません。公共の場所での使用は厳格に禁止されており、違反時には高額な罰金が科されます。また、上限を超える所持や無許可の販売・自家栽培は、依然として重い刑事罰の対象となります。なお、日本国籍者が海外で大麻を所持・購入することは日本の「大麻取締法(国外犯規定)」の適用対象となる可能性があるため、決して手を出さないでください。国際間での大麻製品の持ち込み・持ち出しは国際密輸犯罪として厳罰に処されます。
 観光客を狙った窃盗(置き引き、ひったくり)、空き巣(ホテルの客室荒らし)や路上強盗の報告も存在するため、ビーチや商業施設では貴重品の管理や周囲への警戒を徹底するようにしてください。特に旅行者の注意が散漫になりやすい状況は狙われやすいため、自身の安全確保を優先した行動をとるようにしてください。

2 防犯対策
(1)安全のための3原則(行動指針)
 犯罪被害に遭わないためには「自分の身は自分で守る」という心構えが何よりも重要です。日頃から最新の治安情報を収集し、危険な場所には近づかず、多額の現金や貴重品は持ち歩かないことを徹底してください。特に「目立たない」「用心を怠らない」「行動を予知されない」の原則を常に意識してください。

(2)ビーチ・屋外での防犯と貴重品管理
 ビーチや観光地では、旅行者の隙を狙ったひったくりや置き引きが相次いでいます。海辺で楽しむ際は、貴重品を砂浜に放置せず、必ず肌身離さず持ち歩いてください。車の鍵や少額の現金、身分証などを入れて持ち運べる「防水バッグ」を活用し、身につけたまま遊泳するなどの対策が有効です。また、リゾート地であっても油断せず、常に防犯意識を持って行動してください。

(3)車両・交通機関利用時の防犯
 車両での移動や駐車時にも注意が必要です。乗車前は必ず付近に不審者がいないか確認し、乗車後は速やかにドアをロックしてください。高級腕時計や宝石類、カメラ、スマートフォンなどは強盗等の標的になりやすいため、車外から見える位置に放置せず、外出時にはなるべく目立たないようにするとともに、常に周囲を警戒してください。

(4)銃器犯罪への対処
 銃器を使用した事件に遭遇した場合は、絶対に抵抗しないでください。万が一、銃声を聞いたり、銃撃事件の現場に遭遇したりした際は、直ちにその場から離れて避難し(Run)、近くの頑丈な建物や物陰に身を隠す(Hide)など、自身の安全確保を最優先としてください。決して無理に立ち向かったり、現場の様子を確認しようと近づいたりせず、安全が確認されるまでその場で待機してください。警察等への通報は、安全が確保された後に行ってください。

(5)危険地域への立ち入り制限
 首都セントジョンズ近郊のグレーズファーム(Gray's Farm)やヴィラ(Villa)などの特定地区、および日没後の海岸や人気のなくなった繁華街の裏通りについては、犯罪事案の発生や銃器トラブルのリスクが比較的高い地域として認識されています。こうした地域について、現地では「正当な理由がない限り立ち寄らない」のが防衛的行動の基本とされています。やむを得ず立ち入る必要がある場合でも、以下の点に留意してください。
・日中の時間帯に限定する:
 夜間の立ち入りは避け、明るくにぎわう時間帯に行動してください。
・用件を迅速に済ませる:
 長居はせず、目的の用件を済ませたら速やかにその場を離れるようにしてください。
・夜間、閑散時の回避:
 日没後の海岸や夜間のひと気のないビーチなどは、薬物使用者とみられる者や不審者が集まっている場合があるため、安易に近寄らず、夜間の立ち入りは絶対に避けてください。夜間外出時は、周囲の状況に応じた服装や行動を心掛け、防犯意識を持って行動してください。

3 テロ・誘拐
 テロ・誘拐については、テロ・誘拐情勢(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_286.html )をご覧ください。

4 安全の手引き
 在バルバドス日本国大使館作成の「安全の手引き」等をご参照いただき、常に最新情報の入手に努めてください。


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