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● 犯罪発生状況、防犯対策

1 犯罪発生状況
(1)トンガは南太平洋島嶼国の中でも比較的治安の良い国と言われていますが、首都ヌクアロファ市(Nuku'alofa)および周辺地域を中心に、近年の欧米文化流入等に刺激された若年層による暴行、傷害、窃盗および外国人を狙った住居侵入事件等の一般犯罪をはじめ、銃器を用いた凶悪犯罪や違法薬物に関する事件も複数報告されています。また、2020年に入ってからは、トンガ人等による家庭内暴力も増加傾向にあると言われています。

(2)日本人が遭遇する被害の多くは、暴行、窃盗、置き引き、住居侵入です。また、トンガでは2000年初頭から中国人移民が急増し、一部のトンガ人はビジネスで成功している中国人移民に反感を抱いているともいわれています。そのため、中国人が経営する商店への強盗や窃盗事件等が発生したほか、2006年10月には、中国人が経営する多くの商店に対し、トンガ人が破壊や焼き討ちを行う事件が発生しました。過去には、中国人移民への反感が影響した可能性のある日本人被害の暴行事件が白昼に発生したことも確認されていますので、状況によっては、みずからが日本人であることをはっきり伝え、犯罪やトラブルに巻き込まれないよう十分注意してください。

(3)近年、違法薬物の不法栽培・所持および密輸出・輸入の犯罪が増加しており、トンガ警察の重要課題の一つとされています。警察当局は2018年4月に特別タスクフォースを立ち上げ、自警団等との連携の下、取締りを強化しており、目下一定の成果を上げている模様です。過去、路上やクラブ等で違法薬物らしき物を売りつけた後、捜査協力の奨励金目当てに警察に密告するような事件も起きていますので、街中で見知らぬ人物からこのような話を持ちかけられても絶対に相手にしないなど十分注意してください。

(4)また、若者らによる転売目的とみられるスリ、住居侵入による盗難被害が発生しています。日頃から鍵の施錠を確実に行ったり、屋外から見える位置に貴重品を置かない等の注意が必要です。

(5)警察当局は、治安維持に努めていますが、凶悪犯罪の受刑者がトンガタプ島内の刑務所から脱獄する事件も1年に数件発生しています。

(6)トンガ滞在中には、旅行者、長期滞在者ともに、隙を見せないよう注意し、日頃から治安状況について、トンガ政府のホームページやFacebook、ラジオ、新聞、地元の人々、ホテル従業員、旅行代理店、在トンガ日本国大使館等から情報収集することをお勧めします。
  ◎トンガ政府ホームページ: http://www.gov.to/
  ◎トンガ政府Facebook: https://www.facebook.com/TongaGovPortal

2 トンガにおける主な犯罪事例(日本人の被害を含む)
(1)殺人・強盗・傷害
 ア 午後10時頃、コロモトゥア(Kolomotu’a)地区にある中国人が経営する商店にトンガ人の男が侵入し、従業員に向けて銃を発砲した。
 イ 深夜、ヌクアロファ市内のガソリンスタンド2軒に金銭目的で銃器を持った複数の人間が押し入り、従業員や警備員に向けて発砲した。
 ウ パフ(Pahu)地区にある中国人が経営する商店で、経営者がトンガ人の男と口論になり殴打され、頭部に重傷を負った。
 エ 早朝、ソプ(Sopu)地区の海岸沿いにある遊歩道でランニングをしていた女性が、トンガ人の男2人に背後から襲われ、顔面を殴打された(重傷のため、被害者は国外に緊急搬送された)。
 オ マタフォヌア(Matafonua)地区にある農園で、農業を営む50代の中国人夫婦が、10代のトンガ人2人に鋭利な刃物等で刺され、殺害された。

(2)窃盗、置き引き、スリ、ひったくり、住居侵入
 ア ヌクアロファ市内の海岸で日本人がイヤホンをつけ音楽を聞いていたところ、所持していたスマートフォンを奪われた。犯人は住宅街に逃げ込んだが、住民の協力により、取り押さえられ、警察へ引き渡された。盗まれたスマートフォンは、男が逃走中に投げ捨てたと供述した場所から発見された。
 イ ヌクアロファ市内のバーで、日本人が店員からその場に居合わせた泥酔者の介抱を任されたため、自席を離れて介抱をしていた隙に、自席に置いてあった貴重品を盗まれた。
 ウ ヌクアロファ市内の日本人宅で、留守中に玄関ドアの鍵をこじ開けられ、家中の全ての部屋が物色された上、貴重品を盗まれた。
 エ 夕方、ブナロード沿いに路上駐車し、車から離れている隙に窓ガラスが割られ、車内を物色された。
 オ 早朝、ヌクアロファ市内の日本人宅で、就寝中に何者かに窓が壊され、現金が盗まれた。
 カ 自宅裏庭に面した窓際に置いていた腕時計複数が無くなっていることに気づいた。窓を確認すると、窓枠部分の下部にバールの様な工具でこじ開けたような跡が見られたことから外側から窓をこじ開け犯行に及んだとみられる。

(3)詐欺など
 ア ホエールスイミングのためトンガを訪れた日本人旅行者が、ツアー業者に料金を支払ったものの、ツアーは催行されず、料金も返金されなかった。この業者は、トンガ政府が定めた「ホエールウォッチングおよびホエールスイミング規定2013」に基づくライセンスを有していなかった。
 イ ヌクアロファ市内にある銀行で不正機器が取り付けられたATMを利用した際に、銀行カードの磁気情報と暗証番号を盗み取られ、後日、銀行口座から現金を引き出されるスキミング被害に遭った。

3 犯罪被害多発地域
 犯罪の多くは、首都ヌクアロファ市およびその周辺で発生しており、特にソプ(Sopu)地区、アナナ(Anana)地区、ウムシ(Umusi)地区、マウファンガ(Ma'ufanga)地区、コロフォウ(Kolofo'u)地区、トフォア(Tofoa)地区、パフ(Pahu)地区等の外国人が居住する新興住宅地における犯罪件数が増加しています。これらの地域には街灯がない場所もあるため、夜間の外出、特に女性の一人歩きは避けてください。

4 防犯対策
(1)日中散策する場合は、人通りの少ない場所は避けてください。盗難については、他のことに注意が奪われている隙に被害にあう事例が多い傾向にあります。路上、マーケット、空港、観光船、レストラン、カフェ、バー、ナイトクラブ、ホテルの敷地内等では引ったくり、スリ、置き引きに逢わないよう、所持品からは目を離さないようにし、定期的に周囲を見渡すなど、注意してください。

(2)ヌクアロファ市および周辺地域では日本人および外国人が被害者となる侵入強盗事件が発生しています。ホテルによっては、バルコニー側ガラス戸の鍵が未設置であったり、損壊して施錠不能になっていたりする場合がありますので、滞在される際は部屋の鍵の設置状況を確認するようお勧めします。

(3)普段は温厚な性格のトンガ人ですが、喧嘩になった場合には暴力に訴えることもあります。そのような場合は、暴行被害に遭わないようにするためにも、落ち着いて行動し、その場を離れるようにしてください。

(4)夜間は街灯が少ない場所も多いので、外出は極力控えてください。昼間は比較的治安が安定していますが、夜間、特にバーやクラブ等では飲酒に端を発する喧嘩やトラブルが発生しており、2019年にはバーでトンガ人同士の撲殺事件も発生しています。このような場所およびその周辺では、酔っ払いに絡まれたり、喧嘩やトラブルに巻き込まれたりしないよう十分ご注意ください。

(5)住宅街や海沿い等で夕方や夜間に若年層がたむろしている場所では、暴行事件や窃盗事件が発生していますので、そのような場面に遭遇した場合には、道を変更する等近づかないようにしてください。

5 テロ・誘拐
 テロ・誘拐については、テロ・誘拐情勢(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_273.html )をご確認ください。

※ 在留邦人向け安全の手引き
 在トンガ日本国大使館が在留邦人向けに作成した「安全の手引き」(https://www.ton.emb-japan.go.jp/files/100623886.pdf )もご参照ください。


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