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● 犯罪発生状況、防犯対策
1 概況
キルギス共和国全国統計委員会公表データによれば、キルギス国内における2022年の犯罪件数は、45,096件とされており、人口10万人当たりの件数は日本と比較して、総数は約1.5倍、殺人は約4.6倍、強盗は約2.7倍、不同意性交は約0.7倍※となっています。未届の事件も多いことから、実際の犯罪件数は更に多いものと考えられます。
また、外国人が犯罪被害者となるケースも散見されます。特に公共交通機関やバザールでのスリ、路上での強盗や置き引き、官憲による賄賂の要求、さらに過去には、身代金目的等による誘拐も発生しており、金品を目的とした犯罪(凶悪犯罪を含む)に日本人が巻き込まれる可能性もあることから、十分に注意する必要があります。
※キルギス共和国全国統計委員会公表データ「2022年犯罪登録数」および警察庁犯罪統計資料(令和4年1〜12月【確定値】)より人口10万人あたりの件数を算出。
2 主な犯罪事例
日本人の過去の主な犯罪被害事例は次のとおりです。
(1)強盗
○深夜、宿泊所前の路上において、後ろから追いかけてきた3人組の男に拳銃のようなものを突きつけられ、現金やデジタルカメラを強奪された。
○夕刻、宿泊所前の路上において後方から3〜4人組の男に鈍器で殴打され、現金、パスポート、電子機器等を強奪された。
○深夜、自宅アパート前において、男女3人組から声をかけられ、肩に掛けていたカバンの強奪未遂に遭った。
○正午、イシク・クル州山中において、自転車旅行者が石を投げられ首を絞められる暴行を受け、携帯電話を強奪された。
(2)窃盗
○夕方、首都ビシュケク市内のオシュバザールを散策中、ショルダーバッグを開けられ、携帯電話を盗まれた。
○夕方、ビシュケク市内のオシュバザールで買い物中、人混みの中で3〜4名の男がぶつかってきて、肩からかけていたポーチを開けられ、財布を盗まれた。(類似事案連続5件発生。)
○日中、ビシュケク市内のオルトサイバザール付近で開かれていた蚤の市で商品を物色中、何者かに後ろポケットに収納していたスマートフォンを盗まれた。
○午前中、ビシュケク市内中心部の公園で飲食していた際、ポケット内に入れてあった財布と旅券をひったくられた。
○夕方、バスで移動中に背負っていたバックパックのファスナーを開けられ、現金やクレジットカードを盗まれた。
(3)その他
○出国ビザの申請のため、訪れた警察署において手続きに必要であるとして担当職員から現金を要求され、それを断ったところ、旅券に嫌がらせのスタンプを押印された。
○宿泊施設において宿泊中、深夜に鍵の破損したベランダから泥酔者に侵入された。
○タクシーで市内バスターミナルから市街地に移動中、運転手から多額の運賃を請求され、それを断ると運転手が激高し急停車の上、被害者を引きずり出し、預け荷物1つをトランクに乗せたままいずれかへ立ち去った。
3 防犯対策
キルギスでは、犯罪等の被害に遭わないために次のことに注意してください。
(1)一般的防犯対策(安全対策3原則)
ア 目立たない
・服装、所持品、アクセサリー等、必要以上に華美なものを避ける。
・女性は、夏場の服装に注意する(過度に肌を露出させない)。
・銀行や両替所の周辺路上において、むやみに財布や現金を取り出さない。一度に高額を両替しない。バザールやバスターミナル等で高額紙幣を使用しない。
イ 用心を怠らない
・できる限り単独行動を避け、キルギス語、またはロシア語を理解し、信頼の置ける人と行動を共にする。見知らぬ人物には、絶対について行かない。
・デモや集会が行われている場所には絶対に近付かない。デモ隊と遭遇した場合、直ちにその場から離れる。
・夜間、いかがわしい場所、暗がりや人通りの少ない場所等、一般的に危険とされる場所や少しでも危険と感じる場所には近付かない。24時間営業の飲食店への深夜の入店を避ける。(深夜は凶悪犯罪の発生率が格段に上がる。)
・ホテル、自宅、車両等の施錠を必ず確認する。来訪者がある場合、相手を必ず確認する。
・バスや乗り合いタクシー(マルシュルートカ)の中、バザール、バスターミナル等の人混みでは、スリ被害に遭わないよう、手荷物を常に確認できる位置(体の前面)に持つなど気を配る。特にスマートフォンの窃盗(スリ)被害が多発しているため、人混みや公共交通機関内では不用意に取り出さないなど、その取扱いには一層注意する。(特にiPhone、Galaxyなどの高性能スマートフォンは人気が高く、高額にて取引されており狙われやすいため注意。)
ウ 行動を予知されない
・通勤・通学、買い物等に当たっては、道順や時間帯を適宜変更するなど、できる限り行動パターンを固定しないように注意する。
(2)外出・帰宅時の防犯対策
外出する際は、玄関ドアの覗き窓(ドアスコープ)から外の状況を十分に確かめる。
また、帰宅時は、自分の後を付けてくる者がいないか、階段やエレベーター付近に潜んでいる者がいないかなどを確認する。
4 官憲等(偽の警察官を含む)による賄賂要求、窃盗事案
(1)事案概要
キルギスでは、官憲等(偽の警察官を含む)による現金抜き取りや賄賂要求といったトラブルが多く、特に、バザール、バスターミナル等の人が多く集まる場所において、旅券の確認を口実に職務質問を行い、所持品検査時に財布等から現金を抜き取る事案が確認されています。キルギスでは法令により、警察官等が所持品検査を行う際には、複数人で行うことが義務付けられていますので、単独行動をしている警察官に所持品検査を求められた場合には注意してください。
また、私服警察官から職務質問を受けることがありますので、このような場合には、必ず相手方に身分証の提示を求め、記載内容を確認してください。過去に身分証の提示を求め、その提示を受けたにもかかわらず、偽警察官だと思い込みその場から立ち去ろうとした結果、取り押さえられ、警察署に連行されたケースがありますので、相手方が真に警察官だと判明すれば、その指示には素直に従うようにしてください。
(2)トラブル防止対策
官憲等とのトラブルを防止するため、次のことに注意してください。
ア カメラを首から下げるなど、一見して外国人旅行者と分かる格好は避ける。またバザール、バスターミナル等、多数の人が集まる場所には不用意に近づかない。
イ 滞在中は必ず旅券を携帯する(コピーは原則不可)。査証取得等のため、他国の大使館に預ける場合は、必ず預かり証の交付を受け、それを携帯する。
ウ 警察官らしき人物から声をかけられたときは、まず、相手方に身分証明書の提示を求め、本物の警察官か否かを確認する。
エ 相手方の要求等が不当であると感じた場合は、安易にこれを受け入れない。この場合、いたずらに相手方を刺激することなく、必要に応じて在キルギス日本国大使館への連絡を要請する。
5 テロ・誘拐
テロ・誘拐については、テロ・誘拐情勢(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_265.html )をご確認ください。
※ 在留邦人向け安全の手引き
在キルギス日本国大使館が在留邦人向けに作成した「安全の手引き」(https://www.kg.emb-japan.go.jp/itpr_ja/consul-new.html )もご参照ください。
- ○外務省 領事サービスセンター(海外安全担当)
電話:(外務省代表)03-3580-3311 (内線)2902
- ○外務省海外安全ホームページ:https://www.anzen.mofa.go.jp/
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