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● 犯罪発生状況、防犯対策

1 最近の犯罪発生傾向
 各地で殺人、強盗、窃盗、誘拐及び強姦等各犯罪が多発しており、強盗や窃盗は日本人も度々被害に遭っています。2015年以降、各種犯罪は増加傾向にあり、2023年の総犯罪件数は約217万件で、過去最高値だった2022年を超えました。増加傾向にある犯罪は、恐喝、性犯罪、脅迫等であり、殺人件数は、2021年は29,736件、2022年は27,220件、2023年は26,098件と若干の減少傾向にはありますが、日本の約28倍の数値を記録しています。犯罪組織同士、または犯罪組織対治安当局の銃撃戦も頻繁に発生しており、一般市民が多く集まるリゾート地やショッピングモールでも発砲事件が発生するなど、治安上の脅威は非常に深刻です。

2 防犯対策(強盗・窃盗等)
 日本人は、路上、タクシーやバス等の交通機関内、レストランや空港など様々な場所において、強盗や車上狙い、スリ、置き引き等の被害に遭っています。自動車運転中に、けん銃を突きつけられるなどして所持品を奪われる、または車ごと奪われる被害も発生しています。メキシコにおいては、けん銃などの武器の携行には国防省の特別許可が必要ですが、密輸入等によって多くの犯罪に銃器が悪用されています。
 犯罪被害に遭わないためには、「自分の身は自分で守る」との心構えを持ち、最新の治安情報収集に努める、危険な場所には近づかない、多額の現金・貴重品は持ち歩かない、見知らぬ人物を安易に信用せずに警戒するなど、常に防犯を意識した行動をとることが重要です。「安全のための3原則」(「目立たない」、「用心を怠らない」、「行動を予知されない」)を日頃から遵守するとともに、特に以下の諸点に十分留意してください。

(1)全般的留意事項
○銃器使用の犯罪に巻き込まれた場合、絶対に抵抗しない。
○夜間の外出や単独行動は避ける。
○財布、カメラ、スマートフォン等の貴重品をむやみに露出させない。
○貴重品は衣服の内側に入れる等し、バッグ等も肌身離さないようにする。

(2)車両の運転時、車両での移動中の留意事項
〇走行ルートの選定や運転する時間帯を十分に考慮する(パターン化しない)。
○乗車前は付近に不審者がいないか等確認し、乗車後は必ずドアをロックする。
○カバン、携帯電話等は車外から見えない場所に置き、車から離れる際には車内に荷物を置かない。
○渋滞や信号待ち等で車を停める際には周囲に十分注意するとともに、いつでも逃げることができるよう車間距離をとるなどし、また速度を調整してなるべく停車しないように運転する。

(3)空港における留意事項
○貴重品は預け入れ荷物ではなく手荷物として機内に持ち込む。
○空港からの移動は、徒歩や公共交通機関を避け、空港タクシー等を利用し、目的地まで寄り道しない。
○警察官や空港職員に別室に連れて行かれ、金銭を要求される等の事案があるため、自らに非がなく、先方の言動が不審な場合は、「在メキシコ日本国大使館(または在レオン日本国総領事館)に連絡する」など伝え、毅然とした態度で拒否する。

(4)公共交通機関利用時の留意事項
ア タクシー
○タクシーは、無線タクシー、空港タクシー等予約制のものを利用する。
○犯罪被害に遭うリスクが高いと言われる流しのタクシー(リブレ)はできる限り利用しない。特に夜間一人での利用、見知らぬ不慣れな場所での利用は避ける。やむを得ず利用しなければならない場合も、車両に貼付の許可証を確認し、少しでも不審点がある場合は乗り込まない。特に、流しのタクシーを利用した際に、目的地以外の方向に走行した所で停止し、または赤信号停車中に、運転手と共謀した犯人が後部座席に乗りこんで来て金品を奪う等の強盗被害に遭うリスクがあるので、十分警戒する。 
○配車アプリ(UBER等)は比較的安全とされているが、強盗、強姦等の被害が過去に発生しているため、呼び出した車両ナンバー、運転手の名前や顔を確実に確認すると共に、誰を乗車させるために来たのかについても確認する。利用時間帯や乗車場所等にも留意し、運転手から提供される飲食物は受け取らない。

イ メトロブス、市営バス等
○比較的安全であるが、スリ及び置き引き等の被害が多いため、所持品は体の前で抱える等、常に周囲に気を配る。

ウ 長距離バス
○長距離バスを利用するのであれば、昼間の一等バスで目的地に直行するものを利用する。
○深夜の山間地で銃器利用の強盗犯にバスを強制的に停車させられて乗客が強盗に遭う、座席の足下に置いていた荷物を盗まれる等の被害が発生しているので、注意する。

エ 小型乗合バス(ペセロ、ミクロ等)
○小型の乗合バスの利用は避ける。このような車両前後の出入口ドアが常に開放状態となっている交通機関は、強盗犯が容易に車内に入り込めるため、強盗被害が多く発生している。

オ 地下鉄
○スリが多発していることから利用時は十分に注意する。ラッシュ時や夜間の利用は避ける。

※ 在留邦人向け安全の手引き
 現地の在外公館(日本大使館・総領事館)が在留邦人向けに作成した「安全の手引き」(https://www.anzen.mofa.go.jp/manual/mexico_manual.html )も御参照ください。

3 テロ・誘拐情勢
(1)メキシコにおけるテロ・誘拐の一般的情勢については、テロ・誘拐情勢(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_264.html )をご確認ください。

(2)誘拐
ア 誘拐発生状況
 メキシコ全土では、身代金を目的とした誘拐が横行し、犯罪組織のビジネスの1つとして定着しています。メキシコにおける2023年の誘拐発生件数は、治安当局による発表では497件で年々減少傾向となっていますが、誘拐被害者の多くが報復を恐れ、通報しない等の理由から、実際の発生件数はさらに多いと推測されます。
 誘拐被害の大部分はメキシコ人ですが、中には外国人を狙ったものもあり、「裕福」と認識されやすい日本人も標的となる可能性はあります。
長期間被害者を拘束する一般的な身代金目的誘拐のほか、短時間身柄を拘束し、所持しているキャッシュカードやクレジットカードでATMから現金を引き出させるといった、いわゆる「短時間誘拐(特急誘拐)」が発生しており、日本人が被害に遭う可能性があります。標的になりやすいのは、目立つ格好(高級車を所有している、高価な貴金属等を身に着けている)の人、行動がパターン化している人です。また、流しのタクシー等に乗車してしまい、あるいは自身で予約したタクシー等の車両と異なる車両に乗車してしまい誘拐されるケースもあります。
 更に、実際に誘拐はせず、誘拐しているかのように装い、家族や会社へ金銭を要求し、銀行等へ振り込ませる、いわゆる「偽装誘拐(バーチャル誘拐)」と呼ばれる手口も発生しています。

イ 安全対策
 誘拐犯の標的とならないために、日頃から「安全のための3原則」(「目立たない」、「用心を怠らない」、「行動を予知されない」)を遵守するとともに、特に以下の点に留意してください。
○日々の行動パターンを設けず、複数の経路、時間帯を用意し、適宜変更する。
○自宅及び通勤・通学先の付近で、不審な人物や車両の有無を確認する習慣をつける。
○個人情報の取り扱いに注意する。特にSNS等で行動予定等を安易に発信しない。
○流しのタクシーや無許可タクシーを利用せず、予約制のタクシーや配車アプリを利用する。乗車前に、ナンバーや運転手を確認し、自分が呼んだ車両に乗る。
○偽装誘拐による被害防止のため、誘拐被害に遭っているか否かを確認するための複数の連絡手段を決めておく。また、不審な電話には出ない、不審な会話は直ぐに切る。

 なお、誘拐対策の詳細については、外務省海外安全パンフレット「海外における脅迫・誘拐対策Q&A」( https://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pdf/pamph_04.pdf )をご参照ください。また、不明な点等がございましたら在メキシコ日本国大使館あるいは在レオン日本国総領事館にご相談ください。


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