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● 犯罪発生状況、防犯対策

1 犯罪発生状況
(1)殺人事件
 ホンジュラスにおける人口10万人あたりの殺人による死者数は、2011年には86.5人に達し世界最悪と言われましたが、2012年からは減少に転じ、2023年は31.14人と、ピーク時の半数以下にまで減少しました(出典によって、数値は若干異なります)。
 しかし、この数値は世界的に見ても非常に高く、国家警察の発表によれば、2023年の殺人死者数は3,035人であり、1日あたり8〜9人が殺害されている計算となります。
 また、一度に3人以上が殺害されたケースは、2023年に44件発生しており、計208名が犠牲となっていることから、ホンジュラスの治安は未だに危険なレベルであることに変わりはありません。

(2)犯罪組織による凶悪犯罪
 凶悪犯罪の多くは、「マラス・パンディージャス」と呼ばれる青年ギャング団を中心とした犯罪組織によって行われており、一般市民を執拗に恐喝することで、みかじめ料を徴収しており、拒否する者を容赦なく殺害しています。
 代表的なマラス・パンディージャスとして、「マラ・サルバトゥルチャ(MS-13)」と「パンディージャ18」があり、縄張りや銃器・薬物密売を巡って、組織間抗争による殺人事件も頻発しています。流れ弾によって、無関係の一般市民が死亡するケースも発生していることから、注意が必要です。

(3)ホンジュラス政府の治安対策
 こうしたマラス・パンディージャスによる凶悪犯罪の発生を食い止めるため、ホンジュラス政府は2024年2月現在、首都テグシガルパ市を含む国内全県185自治体において、憲法で保障された自由を一部停止する治安維持強化措置を執っています。

(4)薬物犯罪
 ホンジュラス東部から北部にかけてのカリブ海沿岸地域およびグアテマラ、エルサルバドル、ニカラグア国境地域では薬物犯罪組織の活動が活発で、治安悪化の大きな要因となっています。

2 過去の被害例
 日本人が受けた被害としては、2020年10月の強盗事件があり、フランシスコモラサン県内のホテルに滞在中であった日本人男性の部屋に、複数の人間が拳銃のようなもの持って押し入り、金品が強奪されています。
この他、ホンジュラスにおける一般的な犯罪被害例は以下のとおりです。

・訪問者をよく確認せずに玄関の扉を開けたところ、強盗に押し入られた。
・駐車場に車を停めていたところ、窓ガラスを割られ、座席に置いていた貴重品を盗まれた。
・職場付近を一人で歩いていたところ、銃で脅され金品を奪われた。
・自宅を短時間留守にした際、空き巣に入られた。
・ショッピングセンター内のフードコート等で、会話に気をとられていた隙に、そばに置いていたバッグを盗まれた。
・外食していたところ、客を装った男に羽交い締めにされ、携帯電話を奪われた。
・路線バスに乗っていたところ、乗客を装った強盗に銃で脅され、金品を奪われた。
・車で走行中、強盗団の乗った車両に前方を塞がれ、逃げられず所持品を奪われた。
・スーパーマーケットで買い物中、バッグから現金等の入った財布を盗まれた。
・乗り合いタクシーに乗車中、乗客を装った人間が突如強盗と化し、金品を奪われた。
・比較的人通りの多いショッピングモール前でバスを待っていたところ、拳銃を突きつけられ、金品を奪われた。

3 防犯対策
 犯罪被害に遭わないためには「自分の身は自分で守る」との心構えを持ち、最新の治安情報収集に努める、危険な場所には近づかない、多額の現金・貴重品は持ち歩かない、見知らぬ人物を安易に信用せずに警戒するなど、常に防犯を意識した行動をとることが重要です。海外と日本とでは治安情勢が大きく異なります。日本のように安全な国は世界でもあまり例を見ません。この違いを認識することが防犯の第一歩です。この点を踏まえ、以下を基本的な心構えとしてください。

(1)目立たない
 「日本人は金持ちである」というイメージが定着していますので、反感を買うような言動や他人が羨ましがるような派手な行動は極力慎むように心掛けてください。

(2)行動のパターン化を避ける
 特に、誘拐や車両強盗を予防する見地から、行動を予知されないよう、通勤・買い物・外食・娯楽などの行動がパターン化するのを避け、時間や曜日、経路等を意識的に変えてください。

(3)犯罪を誘発する環境を作らない
 買い物での支払いの際、財布の中身が見えないように工夫するとともに、カメラや携帯電話、貴重品などの携行にあたっても人目につかないよう気をつけ、必要な時以外はなるべく持ち歩かないように注意してください。時計、ネックレス、イヤリング等も狙われやすいので、質素な服装で外出することをおすすめします。

(4)常に用心を怠らない
 常に用心を怠らず、「危険な場所には近寄らない」、「夜間の外出は控える」、「貴重品を持ち歩かない」、「近距離でも車両での移動を心掛ける」など、慎重な行動を心掛けてください。

(5)安易に他人を信用しない
 警察官等、治安関係者の制服を着用した強盗や殺人事件が頻発しています。自宅やホテル等の滞在先に見知らぬ人が訪ねてきたら、たとえ制服のようなものを着用していたとしても、強盗等の可能性があるため、絶対にドアを開けないようにしてください。

 詳細については、在ホンジュラス日本国大使館ホームページ「安全の手引き第2章」をご参照ください。
(安全の手引き)https://www.hn.emb-japan.go.jp/files/100464448.pdf

4 テロ・誘拐
 ホンジュラスのテロ・誘拐については、テロ・誘拐情勢をご確認ください。
(テロ・誘拐情勢)https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_263.html


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