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● 犯罪発生状況、防犯対策

1 犯罪発生状況(全般)
 ブラジルでは、一般犯罪や薬物に絡む組織的な犯罪が頻発しています。これらの犯罪の手口は凶悪で、多くの犯行にけん銃等が使用され、抵抗すると殺害されることもあり、観光地においても同様に油断できません。また、「ファベーラ」と呼ばれるスラム街は犯罪の温床となっており、立ち入った者が殺害されることもあります。
 ブラジルシンクタンク「フォーラム・セグランサ・プブリカ」の犯罪統計によると、2024年中、ブラジル全土における故意殺人事件の発生は35,010件、強盗殺人事件の発生は944件、乗り物強盗事件の発生は126,675件、不同意性交事件の発生は87,545件となっています。
 ブラジルの犯罪発生数を人口10万人当たりの数値でみると、故意殺人事件は16.5件、強盗殺人事件が0.4件、乗り物強盗事件は102.2件、不同意性交事件は41.2件になります。これを2023年日本の10万人当たりの数値と比較すると、殺人事件0.74件、強盗殺人事件0.018件、自動車強盗0.027件、不同意性交事件2.19件と日本ブラジルの人口差を考慮してもブラジルにおける犯罪発生率が格段に高いことがわかります(※ブラジルにおける乗り物強盗は自動車以外も含むが、日本の自動車強盗は四輪自動車対象のみ)。
(注)ブラジル(国家公安局)と日本(警察庁統計)では罪種の類型や犯罪件数の計上基準等が同一でないため、あくまで参考値です。

2 当地で発生する各種犯罪
(1)強盗・窃盗
 けん銃等を使用した強盗には日本人も多数被害に遭っており、抵抗すると殺害されることもあります。ATMで現金を引き出した後およびショッピングセンターなどから出た後が狙われやすくなっています。
 また、徒歩にて街中を移動中に突然狙われるひったくり被害が非常に多く発生しており、身の回りの所持品や手に持っていたスマートフォンを盗まれ、その拍子にけがをするケースも少なくありません。

(2)短時間誘拐
 拳銃等を使って被害者を一時的に脅迫・拘束し、金品や車両を強奪する、短時間誘拐(電撃誘拐)と呼ばれる犯罪が頻発しています。拘束後は、ATMで現金を引き出させ、金品等の貴重品や携帯電話、車両を奪った後に、連絡手段のない市街から離れた場所で解放するのが特徴です。車の乗り降り時および停車時に狙われやすいので、常に周囲の状況を確認し、不審な者がいないか十分に注意してください。

(3)スキミング被害
 クレジットカードのスキミング被害が頻発しており、一流ホテルでも多くの日本人が被害に遭っています。クレジットカードを店員に預けず、自分の目の前で決済させる等の注意が必要ですが、スキミング行為は瞬時に行われ防ぎきれない面もありますので、利用明細書等を小まめに確認してください。

2 テロ・誘拐
 ブラジルにおけるテロ・誘拐については、「テロ・誘拐情勢( https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_259.html )」をご確認ください。
 
3 都市別の治安
(1)ブラジルに所在する日本国大使館や総領事館では、在留邦人や短期渡航者の皆様が被害に遭われないよう安全対策情報・安全の手引きを発信していますので、安全対策の一助としてください。 在ブラジル日本大使館(連邦直轄区、トカンチンス州、ゴイアス州)
  安全対策情報
  https://www.br.emb-japan.go.jp/itpr_ja/kaigai_anzen_taisaku.html
  安全の手引き
  https://www.br.emb-japan.go.jp/files/100307244.pdf

(2) 在サンパウロ日本国総領事館(サンパウロ州、マットグロッソ州、マットグロッソドスル州、ミナスジェライス州の一部)
  安全対策情報
  https://www.sp.br.emb-japan.go.jp/itpr_ja/seguranca.html
  安全の手引き
  https://www.sp.br.emb-japan.go.jp/itpr_ja/SegSP_jp.html

(3)在リオデジャネイロ日本国総領事館(リオデジャネイロ州、エスピリトサン州、ミナスジェライス州(一部を除く
  リオの治安情報
  https://www.rio.br.emb-japan.go.jp/itpr_ja/chian2019.html
  安全の手引き
  https://www.rio.br.emb-japan.go.jp/files/100800716.pdf

(4) 在レシフェ日本国総領事館(バイア州、セルジッペ州、アラゴアス州、ペルナンブッコ州、パライーバ州、リオグランデドノルチ州、セアラ州)
  安全対策情報
  https://www.recife.br.emb-japan.go.jp/itpr_ja/anzen.html
  安全の手引き
  https://www.recife.br.embjapan.go.jp/itpr_ja/200211_anzennotebiki.html

(5) 在クリチバ日本国総領事館(パラナ州、サンタカタリナ州)
  安全対策情報
  https://www.curitiba.br.emb-japan.go.jp/itpr_ja/00_000034.html
  安全の手引き
  https://www.curitiba.br.emb-japan.go.jp/files/100637912.pdf

(6) 在ポルトアレグレ領事事務所(リオグランデドスル州)
  安全対策情報
  https://www.curitiba.br.emb-japan.go.jp/itpr_ja/00_000034.html
  安全の手引き
  https://www.curitiba.br.emb-japan.go.jp/files/100637912.pdf

(7) 在ベレン領事事務所(パラー州、ピアウイ州、マラニョン州、パラー州)
  安全対策情報
  https://www.belem.br.emb-japan.go.jp/itpr_ja/anzen.html
  安全の手引き
  https://www.belem.br.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_00427.html

(8) 在マナウス日本国総領事館(アマゾナス州、アクレ州、ロンドニア州、ロ
ライマ州)
  安全対策情報
  https://www.manaus.br.emb-japan.go.jp/itpr_ja/00_000024.html
  安全の手引き
  https://www.manaus.br.emb-japan.go.jp/files/100782930.pdf

4 防犯対策
(1)基本的な心構え・防犯対策
 犯罪被害に遭わないためには「自分の身は自分で守る」との心構えを持ち、最新の治安情報の収集に努める、危険な場所には近づかない、多額の現金・貴重品は持ち歩かない、見知らぬ人物を安易に信用せずに警戒するなど、常に防犯を意識した行動をとることが重要です。以下の防犯対策を参考にしてください。
○ 夜間、休日など、人通りの少ない時間帯の外出を避ける。
○ 複数人で行動する。
○ 時計、貴金属ははずし、華美な服装を避ける。
○ 携帯電話やカメラの取り出しは、必要最小限にとどめる。
○ 必要な現金を小分けにする。

(2)公共交通機関利用時の留意点
ア タクシー、配車サービス
 流しのタクシーや空港、その他の観光地周辺で客待ちをしているタクシーの利用は避けることをおすすめします。外国人と見るとメーターを稼働させずに法外な料金を請求したり、受け取った紙幣をすばやく小額紙幣にすり替え、不足している等と言いがかりをつけ再度要求してきたり、故意に遠回りをし、相場以上の運賃を要求する悪質な場合があります。タクシーは料金前払い制の無線タクシーおよびタクシー乗り場に待機中のタクシーの利用をおすすめします。
 また、乗車後はメーターが作動していることを確認してください。支払いは必ず車内で済ませ、釣り銭や財布を手に持ったまま降りないよう注意してください。タクシーを乗降車する際に襲われる強盗事件が頻発していますので、乗降車の際は路上ではなく、できるだけガレージ等に入れる、レストランやホテルの玄関前で降りるようにしてください。
 配車サービスアプリは、都市部を中心に発達しており、位置情報の共有が出来る、現金での支払いが不要等の点から、便利で安全性も高いとされています。配車依頼した時点で料金も決まっていますので、(基本的には)不当に遠回りされたり、支払いの際に追加料金を請求される心配はありません。利便性が高いので、可能であれば、配車サービスの利用をおすすめします。ただし、飲食店の外や路上で配車サービスアプリを操作している時に、スマートフォンをひったくられる事件が頻発しているので、屋内等安全な場所で操作するようにしてください。
イ バス
 市内、長距離を問わず強盗事件が頻発しているので利用は避けてください。リオデジャネイロ市中心部においては、バス車内で少年グループに取り囲まれ、暴行を受けた後に強奪される事件が多く発生しています。また、リオデジャネイロ市北部地区等においては、路線バス内での強盗・窃盗事件のほか、ファベーラへの警察の作戦活動に対抗したバス放火事件などの発生や多数の死傷者を伴う交通事故も多く発生しています。クリチバ市においては、バス専用道路とチューブ型バス停で名物となっている市営バス(オレンジ色の3両連結)は、鉄道感覚で利用しやすいものとなっています。しかし、朝夕のラッシュ時など時間帯によっては乗客の混雑が激しく、車内やバス停留所内でのスリやチューブ型停留所で集金したバス料金をねらった強盗が発生しており日本人の被害も増加しています。
ウ 地下鉄(リオデジャネイロ、ブラジリア、サンパウロ)
 混雑時のスリ、乗車口付近での発車間際の携行品のひったくり等に注意してください。駅の出入口付近では、強盗事件が頻発しており、十分な注意が必要です。特に大きなターミナル駅では、薬物の売人等が多く、強盗事件が頻発していますので、付近を徒歩で移動することは避けてください。

(3)短時間誘拐
 短時間誘拐については、主として夜間に乗用車が信号待ちで停車したところや、人通りが少なく照明のない駐車場で、拳銃等の銃器で脅迫されるケースが多いとされていますので、車両で移動する際には、常に窓を閉めてドアをロックし、駐車する際は照明付近かつ人通りのある場所をおすすめします。なお、危険を避けるために、深夜は赤信号であっても止まらず徐行して通行することが必要な場合があります。まずは行動を予測されないよう、パターン化した行動や移動経路は避け、行動予定を第三者に知られないように努めてください。また、キャッシュカードやクレジットカードを必要時以外持ち歩かないこと、万一拘束されたら犯人の指示に従い、抵抗しないことが重要です。
 誘拐対策の詳細につきましては、以下の海外安全ホームページを御参照ください。
https://www.anzen.mofa.go.jp/riskmap/
https://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pamph_04.html

(4)カーニバル開催期間の留意点
 ブラジルにおけるカーニバルは、毎年2月ごろ各地で開催されます。世界的に有名なリオデジャネイロ、サルバドール、レシフェ・オリンダ等を始め、各開催地は国内外からの多くの旅行者で賑わいますが、この時期には殺人、強盗事件等の一般犯罪の発生件数も増加します。カーニバル期間中の犯罪の特徴として、飲酒、薬物等によって興奮した者達による乱闘騒ぎや、銃の乱射等が挙げられます。このことから、現地に渡航・滞在する方は、以下の注意事項を参考にして、十分注意してください。
○空港・市内間の移動、観光名所訪問等の外出時には、可能な限り旅行会社等の手配したハイヤーや無線タクシー(料金前払い)を利用する。路線バスは利用しない。
○危険な場所を把握している地元ガイドを利用し、単独での行動は避ける。
○日没から夜明けまでは外出を控える。
○サンバチームのパレードは、正式なパレード会場の中で観戦する。
○知らぬ人物と安易に出かけない。
○宿泊先は、安全面優先で選び、3つ星未満のホテルの利用を避ける。


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