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● 犯罪発生状況、防犯対策
1 犯罪発生状況
(1)犯罪認知件数等
2022年中の犯罪認知件数は、146,152件(前年比+3.9%)でした。犯罪別の発生件数をみると、殺人が453件(前年比±0%)、強盗が5,965件(前年比−13.5%)、不同意性交が1,267件(前年比+8.4%)となっています。ニカラグアでは強盗事件が多く発生しており、特に都市部でのオートバイ二人乗りによる路上強盗は、昼夜を問わず多発しています。主な手口は、オートバイ等に乗った犯人が歩行中の被害者に近づき拳銃やナイフ等の凶器で脅迫した上で、かばん、財布、携帯電話等を奪うというものです。被害者が抵抗したことにより、犯人が逆上して、所持していた拳銃を発砲し、被害者が死亡または重傷を負う事件も発生しています。
(2)一般的情勢
ア デモ・集会
2018年4月の社会保険改革を契機に、反対派の企業団体、農民団体、学生等によるデモ行進、大学立てこもり、主要幹線道路封鎖などの抗議活動が全国各地で行われました。一連の治安当局による取り締まり、反政府派の抵抗により米州人権委員会によれば市民や学生の300名以上の死者、2,000名以上の負傷者が発生したとされています。また政府側は、この事件により警察官数十人が死亡したと発表しています。
この社会騒乱以降、大きなデモ・集会等の抗議運動は発生していませんが、今後、突発的に当局の許可無く抗議運動が発生する可能性は否定できません。
イ 失業者の増加による治安悪化
2018年の社会騒乱、2020年のハリケーン被害、新型コロナウイルス感染症の影響等により、一部産業では経済苦境が続いており、失業者の増加に伴い、治安情勢は悪化しています。
(3)地域別情勢
首都マナグア市および主要都市では、凶器を用いた路上強盗、ひったくり、コンビニエンスストアを狙った強盗事件が発生しています。また、都市部においては、パンディージャスと呼ばれる少年グループによる犯罪が多く、特にグループ間の抗争が度々発生しています。
ホンジュラスとの国境沿いの北部山岳地帯および北カリブ沿岸自治区シウナ、ボナンサ、ロシータ各市を結ぶ鉱山三角地帯(トリアングロ・ミネロ)では、麻薬密売等の武装集団と治安当局との銃撃戦により死傷者が出ているほか、カリブ海側の地域では、先住民族の土地所有権問題が絡んだ殺人、傷害事件が発生しています。
(4)テロ・誘拐
ニカラグアのテロ・誘拐については、テロ・誘拐情勢(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_254.html )をご確認ください。
※在留邦人向け「安全の手引き」
在ニカラグア日本国大使館が在留邦人向けに作成した「安全の手引き」(https://www.ni.emb-japan.go.jp/files/100461006.pdf )もご参照ください。
2 日本人の被害例
(1) 強盗
ア 午前1時頃、マナグア市ロス・ロブレス地区から北方向に一人で徒歩にて帰宅中、オートバイ二人乗りの犯人から金品を要求されたため抵抗したところ、素手で顔面を殴られ、現金と携帯電話を窃取された。
イ 午後6時頃、マナグア市内のショッピングセンター「ガレリア・サント・ドミンゴ」の近くを二人で歩行中、若い男ら5、6名からナイフを突きつけられたため、所持していたかばんを差し出したところ、男らは危害を加えることなく、かばんを奪って逃走した。
ウ 午後2時半頃、マナグア市ビジャ・サンタフェ地区の路上を歩行中、オートバイ二人乗りの犯人から拳銃を突きつけられたため、所持していたかばんを差し出したところ、男らは危害を加えることなく、かばんを奪ってオートバイで逃走した。
(2)窃盗(空き巣)
マナグア市メトロセントロ付近のアパートにおいて、被害者が外出した際、何者かに侵入され、スーツケースに入れていた現金を窃取された。
3 公共交通機関における犯罪
(1)市内路線バス
市内路線バスは、ルートや時間帯(午前6時頃から午前8時頃、午後5時頃から午後7時頃)によっては満員状態となり、車内ではスリや置き引きが頻発しています。また、早朝の出勤時間帯に、マナグア市内のバス停において、バスの運転手や乗客を狙った、拳銃使用の強盗事件も発生しています。2021年にはバス内での喧嘩から、拳銃を用いた殺人事件に発展した事案も発生しました。
(2)タクシー
タクシーには、流しのタクシー、携帯アプリと提携したタクシーなどがあります。流しのタクシーは乗合制で、タクシー運転手と乗客が共謀して、他の乗客に対し強盗、恐喝等を行うケースがあります。タクシーを利用する際は、流しのタクシーは避け、事務所を構え比較的安全な、携帯アプリと提携したタクシーを利用してください。
(3)長距離国際バス
中米を縦断する国際バス会社が数社あり、マナグア市を経由してホンジュラス、コスタリカ等へ運行しています。各社とも便ごとにビジネスクラス、エコノミークラスといったようにランク分けをしています。
エコノミークラス等の安価なクラスは、早朝に運行することが多く、強盗被害のほか、仮眠中に荷物から貴重品が盗まれたり、荷物室に預けた荷物から現金や貴重品を抜き取られたりする窃盗被害が発生しています。
(4)長距離国内バス
マナグア市内の各バスターミナルを起点として、地方都市行きの長距離国内バス(マイクロバス等)が運行されています。過去には、中央部から北部にかけての山岳地帯を通過する長距離国内バスを標的にした山賊グループによる強盗事件が発生していますので、夜間に県や市をまたぐ移動はおすすめできません。
また、使用されているバスは、老朽化に加えて整備不良の車両が散見され、故障による長時間の足止めや、交通事故も頻発しています。
4 防犯対策
犯罪被害に遭わないためには「自分の身は自分で守る」との心構えを持ち、最新の治安情報収集に努める、危険な場所には近づかない、多額の現金・貴重品は持ち歩かない、見知らぬ人物を安易に信用せずに警戒するなど、常に防犯を意識した行動をとることが重要です。 犯罪被害に遭わないよう、 次のような防犯対策が必要です。
(1)拳銃、ナイフ等の凶器を使用したオートバイ二人乗りによる路上強盗被害に遭った場合は、身の安全を第一に考え、抵抗したり、時間稼ぎをしたりするなど相手を逆上させるような行為は決してしないでください。
(2)強盗被害は昼夜を問わず発生していますので、徒歩での外出は可能な限り控えてください。また、バリオと呼ばれる貧民街、暗く人通りの少ない通りへの立ち入りは避けるようにしてください。
(3)大衆市場(メルカド)など人混みが予想される場所へ立ち入る場合は、犯罪者に目をつけられないよう、目立たない服装や行動を心がけるなど、安全対策には十分に配慮してください。
(4)公共交通機関での強盗、窃盗被害が頻発しています。移動の手段としては、可能な限り、携帯アプリと連携したタクシーを利用してください。
(5)タクシーに乗車する際は、窓を大きく開放することなく、ドアはロックをしてください。信号待ち等で停車中、開いている窓から手を入れて座席に置いてあるバック等を盗む事案が発生しています。
(6)マナグア市内やリゾート地にはユースホステル等の宿泊施設がありますが、相部屋であったり、ドアに施錠設備がなかったりなど防犯対策が不十分な安宿もあり、空き巣、置引き等の窃盗被害が発生しています。宿泊先を予約する際は、値段の安さを優先することなく、たとえ、旅行ガイドブック等が推奨していても、警備上の問題がある安宿は避け、防犯設備の整った宿を選定してください。
- ○外務省 領事サービスセンター(海外安全担当)
電話:(外務省代表)03-3580-3311 (内線)2902
- ○外務省海外安全ホームページ:https://www.anzen.mofa.go.jp/
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