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● 犯罪発生状況、防犯対策

1 犯罪発生状況
(1)銃器,刃物等を使用した殺人,強盗,車両強盗などの凶悪事件は,首都サンサルバドル市を中心に国内各地で多発しています。特に,殺人事件の大半が銃器を用いた犯行となっています。その背景には,エルサルバドルでは21歳以上であれば,法律に則した形で申請すれば,合法的に銃器の所持が出来ることや非合法な銃器も相当数が出回っている事にあります。
 さらに,犯罪事件の大半が,2015年エルサルバドル当局がテロ組織と認定した青少年凶悪犯罪集団「マラス」による犯行であり,大きな社会問題になっています。「マラス」は大きく3つの組織に分かれており,「マラ・サルバトゥルーチャ(MS13)」,「マラ18R(M18R)」及び「マラ18S」がエルサルバドルにおけるマラスの三大勢力です。これら組織間の抗争に一般市民が巻き添えになる事件や,治安当局との銃撃戦,警察官や軍隊兵士及びその家族を狙った殺人事件が毎日のように発生しています。「マラス」の構成員は,全国に存在しますが,特に各県の中心都市の旧市街(セントロ)及びその周辺での犯罪行為が多発しています。
 現政権及び国家文民警察(PNC)は,2016年3月より「対マラス特別措置(治安特別部隊によるマラスへの掃討作戦や中央刑務所内の囚人と外部との連絡の遮断措置等)」,「安全なエルサルバドル計画(治安状況が悪化している50市について,優先的に治安改善措置を行う)」等,マラス勢力を押さえ込み,犯罪を減少させるための対策を行っていますが,その反動として,マラスによる治安当局等への報復が連日行われており,治安の先行きは,まだまだ不透明な状況です。

(2)テロ関連
 これまでに,エルサルバドルにおいてテロによる日本人の被害は確認されていませんが,近年,シリア,チュニジア,バングラデシュにおいて日本人が殺害されるテロ事件が発生しています。また,テロは,日本人が数多く渡航する欧米やアジアをはじめとする世界中で発生しており,特に,近年では単独犯によるテロや,一般市民が多く集まる公共交通機関等(ソフトターゲット)を標的としたテロが頻発していることから,こうしたテロの発生を予測したり,未然に防ぐことが益々困難となっています。
 このようにテロはどこでも起こり得ること及び日本人が標的となり得ることを十分に認識し,テロの被害に遭わないよう,海外安全ホームページや報道等により最新の治安情報の入手に努め,状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。

2 犯罪被害危険地域
(1)サンサルバドル県サンサルバドル市(首都)旧市街(セントロ地区)周辺
 全国の殺人事件の約3分の1が首都サンサルバドル市で発生し,なかでも,旧市街(セントロ地区)での殺人・強盗・窃盗事件の発生件数は群を抜いています。旧市街には,古い教会、劇場等の観光名所があるため,多くの旅行者が訪れていますが,旧市街地に近い大型ショッピングセンター(メトロ・セントロ)より東及び北方面に当たる一帯(イロパンゴ市、ソヤパンゴ市、シウダ・デルガード市、メヒカーノス市)では,殺人,強盗,恐喝,暴行,性犯罪,ひったくり,麻薬売買等の犯罪が多発しています。さらに,セントロ地区に位置する中央市場は,マラス組織間のテリトリーの境界線上に位置しているため,市場販売員がマラスの抗争に巻き込まれ殺害される事件や治安部隊・警備員とマラスとの銃撃戦が頻繁に発生しております。これらの地域への立入りは可能な限り避けてください。やむを得ず立ち入る場合には,人通りの少ない路地や危険と思われる場所には近づかないようにしてください。また,旧市街付近にある公園内では,昼間でも殺人,強盗,窃盗,恐喝,暴行,性犯罪,麻薬売買が発生しているので立ち入らないでください。
 旧市街付近は安宿が集中しているためか、日本人旅行者が危険な地域と認識することなく,宿泊先を求める例が多いようです。しかし,最近日本人旅行者の事件・事故の多くがこの地域で発生していますので,旧市街付近での宿泊は避けるようお勧めします。また,やむを得ずこの地域に宿泊する場合も(それ以外の地域に滞在する場合も)入口に銃を所持するガードマンが配置された,警備が厳重なホテルに宿泊するようお勧めします。

(2)その他の犯罪多発地域
ア サンサルバドル県
 サンサルバドル市、シウダ・デルガード市、メヒカーノス市、アポパ市、ソヤパンゴ市、イロパンゴ市、サン・マルティン市、トナカテペケ市、クスカタンシンゴ市、パンチマルコ市,サント・トマス市、アユトゥクステペケ市、サンマルコス市、ネハパ市、ワサパ市

イ ラ・リベルタ県
 サンタ・テクラ市、ケサルテペケ市、コロン市、サン・フアン・オピコ市、シウダ・アルセ市、ラ・リベルタ市、サラゴサ市、アンティグオ・クスカトラン市

ウ サンタアナ県
 サンタアナ市、チャルチュアパ市、エル・コンゴ市、コアテペケ市、メタパン市

エ ソンソナテ県
 ソンソナテ市、アカフトラ市、イサルコ市、ナウイサルコ市、カルコ市、アルメニア市

オ サンミゲル県
 サンミゲル市、チナメカ市、エル・トランシット市

カ カバーニャス県
 イロバスコ市、センスンテペケ市

キ ラ・ウニオン県
 ラ・ウニオン市、コンチャグア市、サンタ・ロサ・デ・リマ市

ク ラ・パス県
 サカテコルカ市、サンチアゴ・ノヌアルコ市、オロクイルタ市、サン・ルイス・タルパ市、サンペドロ・マサワット市

ケ アウアチャパン県
 アウアチャパン市、アティキサヤ市、サン・フランシスコ・メネンデス市

コ ウスルタン県
 ウスルタン市、ヒキリスコ市、サンティアゴ・デ・マリア市

サ クスカトラン県
 コフテペケ市、サン・ペドロ・ペルラパン市、サンタ・クルス・ミチャパ市、スチトト市、サン・ラファエル・セドロス市、エル・カルメン市

シ サンビセンテ県
 サンビセンテ市、テコルカ市

ス チャラテナンゴ県
 チャラテナンゴ市、ヌエバ・コンセプシオン市

セ モラサン県
 サン・フランシスコ・ゴテラ市

3 日本人の被害例(過去10年)
○警備員が常駐している駐車場へ車両を駐車し,貴重品の入ったバッグを車内に置いたまま,数分程度,車両を離れた際に,車両の扉をこじ開けられ,貴重品の入ったバッグを窃取された。
○夜間,レストラン街を徒歩で移動中,数人の強盗犯に刃物で襲撃され,パスポートや財布が入ったバッグを強奪された。その際,刃物で腹部を刺され負傷した。
○郊外のハイウェイを自転車旅行者が走行中,10人以上の武装集団にけん銃等で襲撃され,パスポートを含む所持品(総額40万円以上)を強奪された。その際,けん銃で殴られる等したほか,靴までも強奪された。
○外出中に,宿泊先のホテルの自室から,寝袋,現金等,航空券を盗まれた。
○車にて出勤途中に強盗に遭い,所持品全てを強奪された。
○銀行で現金を引き出し,車にて帰宅する途中で2台のバイクに分乗した4人組の男にけん銃で脅され,現金,腕時計等を奪われた。
○宿の客引きと口論になり,周辺にいた男2人から投石を受け,顔面を数針縫う怪我を負った。
○市内レストランにおいて食事中,隣の席に鞄(現金及びクレジットカードの入った財布)を置いていたところ,少し目を離した隙に置き引き被害に遭った
○夕方,旧市街(セントロ地区)を散策中に,首に掛けていたカメラを強奪された。

4 防犯対策
○強盗・恐喝事件では,人通りの少ない場所を歩いている間に被害に遭う傾向にあります。被害に遭った場合は身の安全を第一に行動し,絶対に抵抗せず,相手を刺激するような行為や不用意に懐やポケットに手を入れる行為(武器を取り出そうとしているものと誤解される恐れがある)は避ける。
○殺人,強盗及び恐喝事件は,昼夜問わず発生しているので,無用の外出は極力避ける。
○外出する際は,徒歩及び路線バスでの移動を極力避け,自家用車並びにラジオタクシーを利用する。
○犯罪が多発している地域に近づかない。
○宿泊先は,警備のしっかりしたホテルを選ぶ。
○貴重品は,宿泊先のセーフティーボックスなど安全と思われる場所に保管する。
○多額の現金,高価な貴金属は身に着けず,現金は分散して所持し,出し入れは人目に付かないよう注意する。
○銀行等で現金を引き出す際は,周囲に不審者がいないかどうか警戒し,その後の移動時には特に警戒する(尾行された後に強盗被害に遭うケースが頻発)。
○常に周囲の状況や人の動きに気を配る。
○自分の持ち物から目を離さない。
○観光地等の訪問先へは,その開館時間,ルート,交通手段を十分確認し,可能な限り日中に行動し,日没前には宿泊先に戻るような計画を立てる。
○「周辺を案内する」との現地人からの誘いに乗り,人気のない所へ連れて行かれ所持品を全て奪われる事件が発生しているので,声を掛けられても,安易に信用しない。
○通勤,通学途中及び帰宅の時間帯に,車両通行量の少ない路上での誘拐事件が発生する可能性があるため,日頃からパターン化された行動をせず,不審な電話,人や車の尾行など,兆候をいち早く察知する等用心を怠らない。

○外務省 領事サービスセンター(海外安全担当)
電話:(外務省代表)03-3580-3311 (内線)2902
○外務省海外安全ホームページ:https://www.anzen.mofa.go.jp/

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