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● 犯罪発生状況、防犯対策

1 犯罪発生状況
 ウルグアイでは、過去1年半で窃盗、強盗、殺人が各々約5%、約25%、約1%は減少しているものの、依然として各地で日常的に発生しており、また、これらの犯罪に銃器が用いられるケースが年々増加しています。近年、ウルグアイにおける殺人の大半を占めているのは、麻薬等の薬物取引に関わる犯罪組織間の抗争や報復によるものですが、首都モンテビデオにおいて殺人が微増し、最大のリゾート地プンタ・デル・エステを擁するマルドナド県では激増しています。更に、過去に複数回発生したATM機を爆破して中の現金を奪うといった過激な事件も、今年に入って再び発生しています。
 犯罪の多発地域は、ウルグアイ全人口の約40%が集中している首都モンテビデオ県、その近郊のカネロネス県、マルドナド県、サン・ホセ県やアルゼンチンとの国境沿いに位置するパイサンドゥ県です。2024年における殺人、強盗、窃盗発生件数および発生地域上位3県は以下のとおりです。
○窃盗:107,845件(約5%減)
1位 モンテビデオ県:54,754件(約5%減)
2位 カネロネス県:12,671件(約17%減)
3位 パイサンドゥ県:4,667件(約40%減)
○強盗:17,480件(約25%減)
1位 モンテビデオ県:14,071件(約26%減)
2位 カネロネス県:1,909件(約29%減)
3位 サン・ホセ県:306件(約22%減)
○殺人:379件(約1%減)
1位 モンテビデオ県:231件(約7%減)
2位 カネロネス県:46件(約18%減)
3位 マルドナド県:23件(約28%増)
 治安当局は近年の治安状況を受け、犯罪多発地域のパトロールや防犯カメラの設置等、治安対策を強化しています。
 ウルグアイ国内において、正規の登録済銃は登録制度が始まって以来ほぼ変わらず約60万丁ですが、同等数の未登録の銃が不法に出回っていると言われているため(一つの原因としては、新たに登録される銃の他に、登録抹消の申請のある銃の中に、存在が確認できない銃が多く含まれていることも指摘されています。)、国民の3人に1人に相当する数の銃が存在している計算となります。これは「Small Arms Survey(SMS)」(スイスの独立研究プロジェクト)の2018年の報告書によれば、人口比の銃器の数としては、世界で5番目に多いとされています。
 また、従来比較的安全と言われていた地区においても、他の地域から犯罪者が流入し始めており、事件が日常的に発生していることから、地区を問わず殺人、強盗、窃盗等の犯罪被害には十分に注意が必要です。

2 日本人の被害例
(1)強盗(6つめの事例はロチャ県チュイ市、それ以外は全てモンテビデオ県。)
○ 日本人がレストランで友人と食事中、銃を所持した強盗3人組が押し入り、レジから現金を強奪した上、当該日本人を含むレストラン客から携帯電話や金品等を強奪した。
○ カーニバルを見物中の旅行者がナイフで脅され、ひと気のない路地に連れ込まれた後、現金や旅券(パスポート)が入ったリュックサックを奪われた。
○ 長期滞在者が夜間に旧市街を歩いていたところ、突然首を絞められ、気を失っている間に金品を強奪された。
○ 旅行者が休日の昼間に旧市街を歩いていたところ、若い男に襲われ、金品を奪われた。
○ 深夜、徒歩で移動中、若い2人組の男にけん銃を突きつけられ、現金を奪われた。
○ 日中、日系企業にバイクで乗り付けた男が社内に侵入し、現地社員の頭部を殴打して骨折させ、現金等を奪った。
○ 国会議事堂近くにおいて、仕事帰りの日本人女性が深夜に一人で歩いていたところ、二人組の強盗と遭遇し、携帯電話等を奪われた。
(2)窃盗(スリ、ひったくり、置き引き等)(4つめの事例はカネロネス県シウダ・デラ・コスタ市、それ以外は全てモンテビデオ県。)
○ 旅行者が物乞いの少年からお金を要求され、断って立ち去ろうとしたところ、ハンドバッグをひったくられた。
○ 長期滞在者が十数名で徒歩により移動中、うち一人がバイクの二人組に現金、旅券等の入ったハンドバッグをひったくられた。
○ バーで知り合った女に睡眠薬入りの飲み物を飲まされ、金品を奪われた。
○ 昼頃、カラスコ国際空港においてケチャップ等を衣服につけられ、汚れを落としている間に床に置いていたカバンを盗まれた(同様の事案はバスターミナルでも発生)。
○ 路上に駐車していたところ、車の窓ガラスが割られ、車内に置いていた荷物を奪われた。
○ 深夜、バスから降りた日本人女性に二人組の男女が接近し、女に話しかけられて被害者が気をとられた隙に、男にバッグを奪われた。
○ 日本人女性が一人で車を運転中、信号待ちで停車した際にバイクに乗った二人組が近付き、うち一人がカバンを置いていた助手席側のドアを開けようとした。しかし、ドアがロックされていたため開かず、また、被害者がクラクションを鳴らしたため、犯人達は慌てて逃走した。

3 犯罪被害危険地域
(1)モンテビデオ県
ア セロ地区、セロ・ノルテ地区
 昼夜を問わず殺人や強盗が多発しており、非常に危険です。モンテビデオを一望できる観光地として有名な「セロの丘」周辺は、犯罪多発エリア(ラ・テハ地区、ラ・パロマ地区を含む)であり、「セロの丘」に行くには、これら危険地域を通過する必要があることから、同地区への観光は控えてください。
イ 旧市街(シウダ・ビエハ地区)
 歴史的建築物、ライブハウスやアサード(薪で焼き上げた肉料理)店が建ち並び、観光地の一つにもなっていますが、観光客を狙ったひったくりやスリが多発しています。特に夜間は人通りがほとんどなくなり、街灯が少なく暗い通りも多いため、ひとり歩きは避けてください。また、複数人で歩いていてもひったくり被害等の犯罪に遭った事例が報告されていますので、十分注意してください。
ウ その他の主な危険地区
 ラス・アカシアス地区(マルコーニ地区、コッポラ地区等)、ビジャ・エスパニョーラ地区、マローニャス地区、ピエドラス・ブランカス地区、レシカ地区、コロン地区、ウニオン地区、カサバジェ地区、ペニャロール地区、カサボ地区、ハルディネス・デ・イポドロモ地区、マルビン・ノルテ地区、カラスコ・ノルテ地区(モンテビデオを東西に走る、イタリア通りの北側に位置する各地域。)には、不法居住地域(スラム街)が多く、麻薬犯罪組織による抗争、強盗事件や殺人事件が多発していますので、立ち入らないでください。
(2)マルドナド県プンタ・デル・エステ市
 外国人観光客で賑わうリゾート地ですが、夏季シーズンになると旅行者を狙うグループによる強盗事件等が多発します。

4 交通手段の安全性
(1)バス
 一般の路線バスは前払い制で、運賃は現金払いの場合は61ペソ、バスカード(Tarjetas STM)での支払いでは50ペソ(2025年9月現在)です(バスカードは、市内各所にある多目的支払代行店「Abitab」にて、パスポートを提示すれば購入とチャージが可能。)。なお、現金での支払時は人前で財布を出し入れしなくて済むよう、乗車前に運賃を準備しておいてください。また、バスに乗車中はカバンを体の前に持つ等の工夫をし、スリに注意してください。バスの窓の外側から手を伸ばして所持品を強奪しようとするケースもあります。イタリア通りを挟んだモンテビデオ北部の各地区では、路線バスの売上金を狙った強盗事件が多発しており、乗客が巻き込まれることもありますので注意してください。
(2)タクシー
 比較的安全な交通手段です。料金精算の際には、メーターに表示された数字に応じて運転手が料金表を示すことになっていますので、提示された料金表を確認してください。料金表は、多くの場合後部座席に備え付けられています。
(3)レミース(ハイヤー)
 料金はタクシーより少し割高ですが、安心して利用できます(要予約)。
(4)UBER
 現在、モンテビデオ県、マルドナド県、カネロネス県内で合法であり、一般的に利用されています。他のユーザーの評価も事前に確認できることから、場合によってはタクシーよりも清潔で安全です。ただし、最近では従来のタクシーもUBERに参入してきており、UBERを呼んだはずが、タクシーが現れるようなケースも発生しています。

5 防犯対策
 犯罪被害に遭わないためには「自分の身は自分で守る」との心構えをもち、最新の治安情報収集に努める、危険な場所には近づかない、見知らぬ人物を安易に信用しないなど、常に防犯を意識した行動を取ることが重要です。次の点に留意して犯罪被害に遭わないように注意してください。
(1)あらかじめ情報収集し、危険地区には立ち入らない。
(2)多額の現金や貴重品は持ち歩かない。
(3)銀行、ATM、両替所等から出る時は、周囲や背後に注意する。
(4)ノーヘルメットの2人乗りバイクに注意する。(ひったくりのおそれ)
(5)人通りの少ない道や夜間に街灯のない暗い道の通行は避ける。
(6)バッグ等は袈裟掛けにして建物側に持ち、できるだけ建物寄りを歩く。また、その他の荷物等も道路側の手で持たない。
(7)ズボンの後ろポケットなど、目立つ場所に財布等を入れない。
(8)携帯電話やカメラ等は、使用時以外はバッグなどにしまっておく。
(9)一見して観光客と分かるような服装や言動は避ける。
(10)万が一犯罪被害に遭った場合は、身の安全を優先し、抵抗せず相手の要求に応じる。また、絶対に犯人の顔を直視しない。
(11)強盗などに備え、すぐに渡せるように紙幣を財布とは別に準備しておく。また、取り出す際にはポケット等を指さして、ゆっくりと取り出す。おもむろにポケットや鞄に手を突っ込むと、拳銃を取り出そうとしていると間違われて攻撃を受ける可能性があるので注意。
(12)現金やクレジットカード、身分証明書等は分けてしまっておく。現金は分散させ、必要な分のみ所持する。
(13)ひったくり犯に狙われやすい携帯電話は、路上で使用しない。
(14)スリから狙われやすいため、体が密接するような人混みは避ける。
(15)薬物が混入されている危険があることから、知らない人から渡された飲み物や食べ物には、口をつけない。
(16)体や荷物に汚れが付着していることを指摘されたとしても、その場では拭わず、安全な場所へ一旦待避する。
(17)アジア人は、時にからかいや侮辱の対象となることがあるが、取り合わず無視する。
(18)車を利用する際の注意事項
ア 車内には外から見えるところに荷物を置かない。また、車内に荷物を置いて車を離れない。
イ 見知らぬ人を同乗させない。見知らぬ人の車に乗らない。
ウ 助手席に座る場合は、膝の上にバッグを置かない。
エ 運転時、および車から離れる時はドアを必ずロックし、窓も完全に閉める。
オ 車の乗降時には、周囲に怪しい者や車がいないか等、安全状況をよく確認する。
カ 路上駐車は避け、係員のいる駐車場を利用する。

6 テロ・誘拐
 テロ・誘拐については、テロ・誘拐情勢 (https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_242.html )をご確認ください。

7  在留邦人向け安全の手引き
 在ウルグアイ日本国大使館が在留邦人向けに作成した「安全の手引き」(https://www.uy.emb-japan.go.jp/files/100365357.pdf )もご参照ください。


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