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● 犯罪発生状況、防犯対策
1 犯罪発生状況
ルーマニア警察の発表によれば、2024年の犯罪件数は前年から全体で 5% 減少しました。欧州諸国の中では、概して治安は良好で、殺人や強盗などの凶悪犯罪も減少傾向にあります。スリや置き引きなどの盗難被害も前年に比べ大きく減少していますが、中には外国人観光客を狙う犯罪も確認されているので、引き続き注意が必要です。
2 日本人の被害例
2024年は、日本人観光客のぼったくりの被害が報告されています。過去には以下のような被害も報告されていますので、十分ご注意ください。
(1)窃盗
公共交通機関内でのスリ、路上でのひったくり、ホテルやレストランでの置き引き、および車上ねらい等の窃盗被害が発生しています。
(2)違法タクシー
法外な料金を請求するタクシーに関連する被害も確認されています(通常20〜30レイのところ、40〜60レイなど。1レイ=約33円(2025年5月現在))。
特に空港や駅では、無許可のいわゆる白タクの運転手が、地理に不案内な外国人旅行者に近付き、親切心を装ってタクシーに乗せた後、不当に高額な料金を請求し、さらには強盗被害に発展したケースもあります。
この他、深夜にタクシーに乗ったところ、スタンガンの様な物を首に突き付けられて脅され、ATMで多額の現金を引き出すよう強要される事件も発生しています。
(3)強盗、暴行・傷害、殺人
一般人を装う者から両替を依頼されて対応したら、偽警察官が現れて違法両替を指摘した上で所持品検査をし、現金等を奪われる事件が発生しています。また、観光目的で訪れた日本人男性が、ブカレスト市内のノルド駅に到着しホテルを探していたところ、ルーマニア人の男女から道案内をすると声をかけられ、暗がりへ誘い込まれて現金を出すよう脅され、男性がこれを拒否すると、殴る蹴るの暴行を受け貴重品および現金を強奪される事件も発生しました。
2012年には、日本からヘンリ・コアンダ国際空港に、夜遅い時間に到着した女性が、同空港において親切心を装ったルーマニア人男性に声をかけられ、一緒にタクシーに乗車したところ、その男性により暴行・殺害される事件が発生しています。
最近はこのような凶悪な事件は報告されていませんが、十分な注意が必要です。
3 犯罪多発地区(ブカレスト市および周辺地域)
ブカレスト市内においては、繁華街に限らず、犯罪が発生しています。
(1)特に注意が必要な場所としては、ヘンリ・コアンダ国際空港、鉄道駅(ノルド駅等)、夜間帯における一流ホテル周辺(路上等)、レストラン、公共交通機関内(バス、路面電車等)および観光名所等です。
(2)過去にはロマーナ広場、ウニリイ広場周辺の旧市街地区といった中心部において、若者グループが観光客等をねらって取り囲み、ネックレスなどを引きちぎり強奪していくといった事件も発生しています。
4 防犯対策
(1)タクシーや配車送迎サービス
安全確保のため、車両を利用する場合は、旅行会社の配車送迎サービスの利用をおすすめします。タクシー運転手を名乗る人物に個別に声をかけられても、絶対に乗車しないでください。空港、駅、市内等でタクシーを利用する場合には、それぞれ以下ア〜エの情報を参考とし、乗車に際しては十分注意してください。
ア ヘンリ・コアンダ国際空港には到着ロビー両脇に、登録業者のタクシーを呼び出すことができるタッチパネル式機械が設置されており、同機械を利用することで白タクへの乗車を回避できます。
イ ノルド駅では、正面メインゲートの車寄せから乗車することをおすすめします。
ウ ブカレスト市周辺のタクシーであれば、運転席と助手席のドアに1キロメートルあたりの料金が表示されているので、乗車の前に必ず確認してください(2025年5月現在、ブカレスト市内のタクシー、およびヘンリ・コアンダ国際空港からのタクシーは、1キロメートルあたり2.29〜3.5レイ)。
エ ブカレスト市内では、Star Taxi、Speed Taxi、Meridian Taxiなどのスマートフォンアプリ(氏名、電話番号、メールアドレス等を登録する必要あり)でタクシーを呼ぶこともできますが、比較的安心できるタクシー会社(MERIDIAN、LEONE、SPEED、TAXI2000等)以外への乗車はおすすめしません。また、アプリで事前予約や行き先の指定ができ、更にはクレジットカードや電子マネーでも決済できる「Black Cab」や「Uber」、「Bolt」もあります。
(2)強盗、窃盗等の財産犯罪
ア 強盗等に遭った場合には、生命・身体の安全を第一に考え、犯人の要求に抵抗しない態度を示すことが必要です。
イ 親切心を装って近づいてくる犯罪者がいます。空港や路上あるいはレストラン等で見知らぬ人から片言の日本語または英語で親しげに話しかけられた場合などは要注意です。しつこく話しかけられても相手にせず、「急いでいる」等と答えてその場を立ち去り、決して立ち話を始めたり、同席したりしないでください。
ウ スリやひったくり等の被害に遭わない、また、遭っても被害を最小限にするためには、バッグはたすき掛けにする、バッグの留め具やファスナーはかならず閉める、バッグを背中側に回さない、バッグ内には必要最小限のものしか入れない、貴重品は入れない、金品は分散して持つ、混雑している場所では前へ抱え込むようにして持つなどの工夫をしてください。
エ 用件を済ませて建物から出てきた時(特に両替後)は、ひったくり等に十分注意してください。
オ 混雑した乗り物(トラムバス・バス等)への乗車時には、スリなどの危険があるので、十分注意してください。
カ 複数人に囲まれるような状況は危険です。速やかにその場を離れてください。
キ スリやひったくりの犯人は、事前に犯行のねらいを定めてチャンスをうかがっている場合がほとんどです。特に夜間は、時折後ろを振り返り、尾行や不自然な動きをする者がいないか確認することをおすすめします。尾行の気配に気づいた際は、近くの商店等に入って様子をうかがったり、携帯電話から警察に通報するふりをしたりすることも防犯対策のひとつです。
ク 車両を利用する際は、車外から見える位置に物を置かないようにしてください。
5 犯罪被害に遭った際の措置
(1)管轄の警察署に届けるとともに、在ルーマニア日本国大使館(電話:(市外局番021)319-1890〜1)にもご連絡ください。
警察署へ届け出る際、ルーマニア語通訳が必要になりますが、ルーマニア語を話す知人が居ない場合や警察から供述調書の作成のためルーマニア法務省公認の通訳者を求められた場合、在ルーマニア日本国大使館で通訳者の情報を提供することが可能です(通訳はご自身で契約することとなり、有料です)。
(2)犯人の人相や服装、車両の形式やナンバープレート等の特徴の記録は重要です。忘れないうちに、メモを取るようにしてください。その際、時間の記録も必要です。
ただし、身の安全が第一ですので、覚えることに気を取られて被害が拡大することがないよう、安全確保を最優先にしてください。
(3)被害品にクレジットカードや携帯電話がある場合には、関係先(クレジットカード会社等)に速やかに通報してください。また、被害品にパスポートや身分証明書がある場合は、再発給の手続が必要ですので、在ルーマニア日本国大使館にご連絡ください。
(4)警察に届け出た際、犯罪による被害と認定されれば証明書が発給されます。この証明書は、パスポートやクレジットカード等の再発行手続や海外旅行保険の請求等に必要となります。ただし、警察での証明書発給には、事情聴取等の作業で発行に長時間を要しますのでご留意ください。
6 テロ・誘拐
テロ・誘拐については、テロ・誘拐情勢(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_177.html )をご確認ください。
※在留邦人向け安全の手引き
在ルーマニア日本国大使館が在留邦人向けに作成した「安全の手引き」(https://www.ro.emb-japan.go.jp/files/100597610.pdf )もご参照ください。
- ○外務省 領事サービスセンター(海外安全担当)
電話:(外務省代表)03-3580-3311 (内線)2902
- ○外務省海外安全ホームページ:https://www.anzen.mofa.go.jp/
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