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● 犯罪発生状況、防犯対策

1 犯罪発生状況
(1)ルクセンブルクは、近隣諸国に比べ治安は良いと言われていますが、近隣諸国との行き来が容易であり、近隣諸国から窃盗団、麻薬密売集団等が入国して犯罪を行っている例も見られます。

(2)警察当局によると2022年の犯罪件数は54,552件(前年比27パーセント増)となっています。全ての犯罪の4分の1以上(16,452件)は、スリや置き引きなどの窃盗ですが、空き巣は、2021年から2022年にかけて2,259件から2,958件に増加しています。また、強盗は、505件から591件に増加していますが、特徴として、凶器を使用した強盗は減少しており、また、25歳以下の若者が強盗犯人の大きな比率を占めています。このほかの犯罪として、詐欺は、オンライン詐欺の増加に起因して2,299件から4,689件に増加し、傷害事件は、2,967件から3,339件に増加しています。殺人事件は、2021年の3件に対し、2022年は9件発生しています。麻薬関連の犯罪も、2021年より減少しているものの、3,500件以上の犯罪が発生しています。

(3)2022年の人口1,000人当たりの犯罪件数を単純に比較すると、ルクセンブルクは日本の約17倍の犯罪が発生しています。

(4)ルクセンブルク中央駅周辺では治安悪化に対するデモが発生するなどしており、在留邦人の方からも十数年前に比べて体感治安は確実に悪くなったという不安の声が聞こえています。

2 日本人の被害事例
 近年、日本人が巻き込まれる犯罪としては、次のような被害が発生しています。
〇ルクセンブルク市内において、邦人旅行客が、夜行バスに乗車するため、深夜、ブイヨン駐車場(P+R Bouillon)というバス停付近を歩いていたところ、見知らぬ男性に「スマートフォンを貸してほしい。」などと声を掛けられた後、殴る蹴るの暴行を受けて、さらに、パスポート・クレジットカード・現金等の入ったショルダーバッグやスマートフォンを盗まれる強盗の被害に遭った(2023年)。
〇ルクセンブルク市街地近くの観光地において邦人旅行客が歩いていたところ、背負っていたリュックから貴重品を盗まれるスリの被害に遭った(2023年)
〇ルクセンブルク市内のアパート上層階に住む在留邦人が数時間の外出中に空き巣の被害に遭った(2023年)
〇外出から戻ってきたところ、ルクセンブルク市内自宅の木製玄関ドアが錠前ごとこじ開けられており、旅券等を盗まれた(2022年)。
〇ルクセンブルク市内中心部でカバンを肩に提げて歩いていた時にカバンに入れていた携帯電話が盗まれた(2022年)。

3 犯罪発生場所等
(1)スリ、ひったくり等の盗難事件が最も多く発生しているのは、ルクセンブルク中央駅からルクセンブルク市中心にかけての地域です。特にひったくり事件は、同地域に点在する樹木で囲まれた公園内で発生する傾向にあります。

(2)ルクセンブルク中央駅周辺には、観光客以外にも国外からの流入者も多く、麻薬密売や売春行為が社会問題化しているほか、飲食後に法外な代金を請求する飲食店(いわゆる「ぼったくりバー」の類)も存在します。また、特に夜間は、凶器を用いた強盗も散発しています。

(3)ATMコーナーが比較的人通りの多い場所に設置されていることから、暗証番号を盗み見され、カードの盗難被害に遭ったうえ、現金を引き出されるケースがあります。

4 主な防犯対策
 犯罪被害に遭わないためには「自分の身は自分で守る」との心構えを持ち、最新の治安情報収集に努める、危険な場所には近づかない、多額の現金・貴重品は持ち歩かない、見知らぬ人物を安易に信用せずに警戒するなど、常に防犯を意識した行動をとることが重要です。特に外国人旅行者は、強盗、置き引きやひったくり、住居侵入(ホテルの客室荒らし)などの被害に遭いやすいので、以下の基本的な防犯対策が必要です。
○人通りの少ない路地や人込みへは立入らない。
○歩道を通行する際は、車道から離れたところを歩き、所持品は車道の反対側に持つ。
○外出時には、旅券(パスポート)や現金などの貴重品は、ボタン付きの内ポケット等に分散する。また、現金の携行は最小限に止め、人前で安易に現金を見せないようにする。
○バッグ類は、極力小型で収納口の開閉が容易でないもの(例えば、ホック式のものよりファスナー式のものにするなど)を使用し、ショルダーバッグの携行時には、たすき掛けにする。
○見知らぬ人から話し掛けられても、相手を安易に信用しない。
○ATMでキャッシュカード等を利用する際には、暗証番号入力の際に他人から盗み見されないよう、十分な注意を払う。
○駐車する場合は、できるだけ管理者のいる駐車場を使用する。荷物は可能な限り携行し、やむを得ず車内に残す場合には車外から見える場所に放置しない。

5 テロ・誘拐
 ルクセンブルクのテロ・誘拐については、テロ・誘拐情勢(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_176.html )をご確認ください。

※在留邦人向け安全の手引き
 在ルクセンブルク日本国大使館が在留邦人向けに作成した「安全の手引き」(https://www.lu.emb-japan.go.jp/files/100529489.pdf )もご参照ください。


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