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● 犯罪発生状況、防犯対策
1 犯罪発生状況
2021年のポルトガルにおける犯罪認知件数は301,364件で、前年と比較して0.9%増加しました。認知件数が多かった犯罪は、家庭内暴力(23,439件)、車上狙い(20,958件)、通信関連詐欺(19,855件)、暴行(18,389件)でした。
前年と比較し減少した犯罪は、貨幣の偽造および行使(前年比37.2%減)、ピッキング等による商業・工業施設への侵入窃盗(前年比18.3%減)、自動車窃盗(前年比13.8%減)で、増加した犯罪は、無免許運転(前年比12.5%増)、その他の詐欺(前年比12.6%増)でした。
凶悪犯罪の認知件数は11,614件で、前年比で6.9%減少しました。ひったくりを除く路上強盗、住宅を狙った強盗が減少した一方で、傷害、カージャック、金融機関対象強盗が増加しました。
2 日本人の被害例
大使館に届けられる被害の大半は、スリ・置引きなどの盗難被害です。ポルトガルでは、デビットカード(ムルティバンコ(Multibanco))、またはクレジットカードによる支払いが一般的であるため、地元の人は多額の現金を持ち歩きませんが、外国人観光客は多額の現金を持ち歩いていると思われていることが多く、犯罪者のターゲットとなっています。
日本人の犯罪被害は、リスボンに集中しています。路面電車(特に28番と15番)や地下鉄等の公共交通機関の車内や駅・停留所、ベレンの塔やサン・ジョルジェ城等の観光地、バイシャ地区、アルファマ地区、バイロ・アルト地区、空港やホテルのロビー等、外国人観光客が多く集まる場所でスリや置き引きが多発しています。
3 主な犯罪の手口および対策
(1)スリ
ア 手口
○地下鉄やバスで数人組のグループに取り囲まれ、バッグから財布を抜き取られる。
○路面電車(特に28番と15番)に乗車する際、割り込んできた犯人に前後を挟まれ、前の人物が切符の検札機で時間を稼いでいる間に、後ろの人物にリュックサックから財布を抜き取られる。
○混雑している停留所で路面電車の到着を待っている際、気づかない間にバッグから貴重品を盗まれる。
○観光客を装った二人組が地図を広げて道を尋ねてきた際、対応している間にポケットから財布を盗まれる。
イ 対策
○外出時は、旅券、多額の現金・カード類等の貴重品は極力持ち歩かない。
○やむを得ず持ち歩く場合には、貴重品などは一箇所にまとめず分散させる。
○ズボンの後ろポケットやバッグの外側のポケット等、人目につくところに財布や貴重品を入れない。常にバッグの口を閉めておく。
○電車やバス等の車内、観光スポット等の混雑している場所では、バッグ等の荷物は身体の正面に抱えるように持ち、歩行中でもリュックサックは背中に背負わない。
(2)置き引き
ア 手口
○レストランで食事中、椅子にかけていたバッグを盗まれる。
○広場のベンチに座り日本人同士で話をしていたところ、横に置いていたバッグを盗まれる。
○空港、ホテル、ターミナル駅で突然話しかけてきたり、小銭や持ち物を目の前でばらまいたりして気を引いた隙に、足下や椅子に置いておいたバッグを盗まれる。
イ 対策
○空港、ホテル、レストラン等では、荷物を床や座席に放置しない。
○荷物は身体から離さないようにし、足下や座席に置く場合も、常に荷物を確認するなど注意を払う。
○レストランやカフェ等では、バッグは膝の上等の目の届く場所に置き、ビュッフェでは椅子や机の上に荷物を置いたまま席を離れない。
(3)強盗・ひったくり
ア 手口
○両替所や銀行のATMで、親切を装った犯人にナイフやけん銃を突きつけられ金品を奪われる。
○夜道を一人で歩いていたところ、暗がりから現れた男に首を絞められ現金等を強奪される。
○人気のない通りを歩行中、後方から来たバイクに乗った男に、肩から掛けていたバッグを奪われる。
イ 対策
○人気のない通りや夜道での一人歩きを避け、可能な限りタクシーを利用する(ポルトガルのタクシーは日本よりも料金が比較的安く、気軽に利用できます)。
○道を歩く時は、ショルダーバッグ等は車道と反対側に抱えて携帯する。ショルダーバッグをたすき掛けにしていても、カッターナイフ等で肩紐を切られて、強引に盗まれることもあるので注意する(ただし、強盗やひったくりに遭った際に抵抗をしたために大怪我を負うことがありますので、無理な抵抗はせず身体の安全を最優先に対応してください)。
(4)車上狙い
ア 手口
○レンタカーを駐車場に止めて観光中、後部座席に置いていたバッグを盗まれる。
○観光バスを利用して観光中、目的地に到着後、荷物を座席に置いたままバスを降りたところ、戻ってきたら荷物がなくなっていた。
イ 対策
○防犯アラームおよび盗難防止装置が付いている車両を使用する。
○車両は人通りの少ない場所や人目に付きにくい場所には駐車せず、駐車場がなければ出来るだけ建物の出入口近くに駐車する。
○短時間の駐車でも必ずドアロックをし、車内に貴重品や荷物を放置しない。
(5)暴行
ア 手口
○サッカーの試合後にファン同士のケンカに巻き込まれる。
○レストランで食事中、酒に酔った男にいきなり殴られる。
イ 対策
○サッカー観戦の際は騒ぎを起こしそうなサポーターの近くでの観戦は避け、試合終了後は速やかに退場し、競技場内外で騒いでいるグループには近づかない。
○酔っ払いには近づかない。
(6)テロ・誘拐
ポルトガルのテロ・誘拐については、テロ・誘拐情勢(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_174.html )をご確認ください。
※在留邦人向け安全の手引き
在ポルトガル日本国大使館が在留邦人向けに作成した「安全の手引き」(https://www.pt.emb-japan.go.jp/files/100291832.pdf )もご参照ください。
- ○外務省 領事サービスセンター(海外安全担当)
電話:(外務省代表)03-3580-3311 (内線)2902
- ○外務省海外安全ホームページ:https://www.anzen.mofa.go.jp/
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