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● 犯罪発生状況、防犯対策

1 犯罪発生状況
 ポーランドでは、2000年代はじめ、一時的に治安が悪化しましたが、警察による取締り強化等を受けて改善されており、現在の治安状況は概ね安定しているといえます。
 犯罪類型別にみると、窃盗、侵入盗、強盗など、金品目的の犯罪が発生件数の大部分を占めているほか、大麻、覚せい剤などの違法薬物に関する犯罪の摘発も多数確認されています。
 また、経済成長に伴い、クレジットカード犯罪やインターネットを利用した詐欺等が増加しているほか、脱税等の経済犯罪も頻繁に摘発されています。
 ポーランドの犯罪発生率は日本と比較すると高いものの、欧米主要国と比較すると著しく高い状況にはありません。

2 犯罪発生地域
 これまでは、ポーランドでは南部で比較的犯罪が多いとされてきましたが、警察等による取締り強化を受けて、南北間の犯罪発生率の差は縮小しつつあります。しかし、ワルシャワ、クラクフ、グダンスク等の大都市においては犯罪発生件数が多く、ワルシャワでは、下記の場所で外国人の犯罪被害が多数確認されています。
・中央駅を始めとする公共交通機関施設周辺および公共交通機関の車内
・飲食店が立ち並ぶ憲法広場や新世界通りの周辺(特に夜間)
・旧市街などの観光地
・大型スーパーマーケット、ショッピングモール周辺

3 犯罪被害事例
(1)盗難被害
 日本人旅行者が最も被害に遭いやすい犯罪として、スリが挙げられ、公共交通機関やその周辺施設(駅、バス停等)、観光客向け飲食店、繁華街の路上等で頻繁に発生しています。被害者の不注意によるケースもありますが、以下の被害例に見られるように、グループによる犯行や一瞬の隙を狙った犯行が確認されています。
ア 国内主要都市を結ぶ長距離列車内での集団スリ(複数の男女に囲まれ金品を奪取される)
イ 列車乗降口でのスリ(狭い出入口ですれ違いざまに財布を抜き取られる)
ウ 市バスおよび市内中央部を運行する市電車内でのスリ(ワルシャワでは市バス「175番」(ワルシャワ・ショパン空港〜ワルシャワ中央駅〜旧市街)で被害が頻発)
エ 長距離列車やホテル、飲食店での置き引き
オ 深夜の繁華街やひと気のない場所での強盗
<対策>
・支払いを終えたら、その場で財布をしまい、財布を持ったまま店の外に出るなど、お金を持っていることを周囲に知られるような行動は取らない。
・現金、クレジットカード、身分証明書などの貴重品は、頑丈なカバンや洋服の内ポケット等に分散して携行する。
・カバンは開口部を内側に向け、車道や自転車道の反対側に持つ。貴重品は外から手を差し込んで取りやすい場所には保管しない。
・ホテル等でビュッフェ形式の食事をする際は、カバンを椅子やテーブルに置いたまま食べ物を取りに行かない。グループで食事をする際は、一斉に食事を取りに行かず、誰かが席に残るようにする。
・電車やバス等に乗る際は、網棚や荷物置き場など死角となる場所に貴重品の入ったバッグ等を置かない。
・犯罪被害に遭った場合に備え、旅券(パスポート)のコピー、クレジットカード番号、ホテルや友人宅、日本大使館などの連絡先、海外旅行保険の契約番号など、必要と思われる事項を控えておく。

(2)法外な料金を要求するタクシー
 空港の到着ロビーなどで、旅行者に直接声を掛けて法外な料金を請求する個人営業のタクシー運転手(無許可営業を含む)がいます。また、街中の流しのタクシーを利用した際にも、同様の被害にあったとする報告があります。
 なお、タクシー料金の支払いは商業契約とみなされるため、利用者の目に付く所に価格表が提示される限り、価格設定は事業者の判断に委ねられています。また、当地警察も、タクシー料金に関するトラブルに関しては、原則、民事不介入としています。
<対策>
・非正規や流しのタクシーの利用は避ける。正規のタクシーは、電話(英語可)やスマートフォンのアプリケーション(英語対応)で呼ぶことができるほか、空港やレストラン、ホテルで手配してもらうことも可能。
・タクシー乗車前に運転手に料金等を確認する。ぼったくりタクシーは、車体への社名や電話番号の表示を避ける傾向があるとされているので、少しでも不審に感じたタクシーは利用しない等の自己防衛に努める。

(3)ニセ警官被害
 クラクフやワルシャワなど主要都市の中央駅周辺等においては、ニセ警官による犯罪被害が報告されています。手口は、警察官を自称する者が警察の身分証らしきものを提示し、被害者が所持しているバッグや財布の中を調べるふりをして金品やクレジットカードを抜き取るというものです。
<対策>
・警察官を名乗る者が執拗に対応を求めてくる場合は、周囲の人に助けを求めるか、警察直通電話(112または997)に連絡する。
・ポーランドでは、私服でパトロール等に従事している警察官も多いため、私服警官による職務質問に遭遇する可能性が高い点に留意する。ただしこの場合でも、警察官が路上等で財布の中身(所持金)を調べたり、クレジットカードの暗証番号を尋ねたりはしない。職務質問を受けた際は、相手が警察官の制服らしきものを着用していたとしても、身分証等の提示を求め、本物の警察官か確認する。

(4)クレジットカード情報の不正使用
 紛失、盗難に遭ったクレジットカードによる不正な買い物や、クレジットカード情報のスキミング(データを読み取られ、不正使用の恐れ)等の被害が見受けられます。
<対策>
・クレジットカードやキャッシュカード等を紛失、または盗難に遭った場合には、速やかにカード会社や銀行に連絡し、使用停止手続きを行う。
・暗証番号を入力する際は、周囲から盗み見されないよう、ボタンを手で覆うなどの防衛策を講じる。
・現金自動預払機(ATM)や切符券売機を利用する際は、カード挿入口等に不審な機器が取り付けられていないか確認する。
・レストラン等で支払いを行う際は、自分でカード決済端末の傍まで行くか、店員にカード決済端末を手元に持って来させるなどして、決済が自分の目の届くところで行われるようにする。

(5)法外な料金を請求するバー(ぼったくりバー)
 国内主要都市のナイトクラブにおける詐欺被害の報告が増えており、注意が必要です。ポーランドには風俗営業区のような歓楽街はありませんが、一部の店舗はストリップ・ショー等を提供しており、これらを目当てに来店した外国人観光客が被害に遭いやすい傾向にあります。詐欺の手口は、ストリップ・ショーやシャンパンを提供し高額な請求を行うものや、泥酔状態に陥らせた上で法外なカード決済を行わせるもの、ポーランド語が読めない外国人客に、クレジット決済ができなかったことを装って複数回カード決済を行わせるものなど様々です。
<対策>
・ナイトクラブやバー等を利用する際には、提供されるサービスの金額を十分に確認する。
・繁華街などでは客引きの勧誘を断る、無視するなどして、誘われた飲食店への入店を避ける。仮に入店してしまった場合でも、少しでも怪しいと感じたら注文前に店から出る。
・泥酔状態に陥る前に飲酒を止めるなど、自己管理に特に注意する。
・カード決済を行う場合には、提示された請求金額をよく確認した上で支払に応じるようにし、「法外な請求をされる可能性がある」という認識を持ち、常に危機意識を持って行動する。

(6)違法薬物問題
 ポーランドでは、若者を中心に大麻、覚せい剤、デザイナー・ドラッグ等の違法薬物の使用が社会問題となっており、治安機関はこれら違法薬物に対して厳しい取締りを実施しています。外国人旅行者などが興味本位で関わると、厳しい罰則を受けることになりますので、違法薬物を勧められることがあっても決して手を出さないでください。

4 テロ・誘拐
 テロ・誘拐については、テロ・誘拐情勢(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_173.html )をご確認ください。

※在留邦人向け安全の手引き
 在ポーランド日本国大使館が在留邦人向けに作成した「安全の手引き」(https://www.pl.emb-japan.go.jp/konsulat/anzen_tebiki22.pdf )もご参照ください。


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