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● 犯罪発生状況、防犯対策

1 犯罪発生状況
 在留邦人や旅行者に対するスリや置き引きの犯罪は常時一定程度発生しており、強盗の被害に遭うケースも報告されています。

2 犯罪被害危険地域
 在ベルギー日本国大使館に届出があった被害事例からは、首都ブリュッセルでの被害が最も多く、特にブリュッセル南駅(Gare de Bruxelles-Midi/Station Brussel-Zuid)や北駅(Gare de Nord/Station Brussels Noord)、電車・バス・メトロ等の公共交通機関内、グランプラス(Grand Place/Grote Markt)周辺ホテルやレストランにおいて犯罪被害に遭う傾向が見られます。
 観光地やターミナル駅において被害が集中していますが、強盗、ひったくり等の犯罪は、買い物途中や路上など、場所や時間帯を問わず、一瞬の隙をついて行われますので、外出中は、常に周囲に気を配る必要があります。
 また、2023年9月ころから、ブリュッセルでは、特に夜間、深夜、早朝の時間帯に銃撃事件が発生しており、通行人が巻き込まれる事例も発生しています。

3 日本人の被害事例(主な犯行の手口)
(1)公共交通機関・観光地
 駅構内、電車内、路上等において、気をそらした一瞬の隙を突かれて貴重品を盗られています。犯罪の多くは、複数人からなるグループによる犯行です。気をそらす手口は以下のとおりです。
ア 背中に故意にアイスクリームなどを付けた後、親切を装って被害者の   上着の汚れを拭うのを手伝う。
イ トランクなどの荷物を電車に乗せたり、下ろしたりするのを手伝う。
ウ 日本語で話しかける。
エ 目の前で複数の小銭をバラ撒き、拾ってあげようとする親切心につけ込む。
オ プラットホームから電車内に向かって窓越しに何事か話しかける。
カ 両替をしてほしいと財布の中を見ようとする。
キ 電車内の扉付近でスマートフォンを操作していたところ、扉が閉まる瞬間にホーム側から手を伸ばしスマートフォンをひったくる。

(2)ホテル・レストラン
ア ホテルの朝食ビュッフェで場所取りのために置いたハンドバッグを持ち去る。
イ ホテルのフロントがチェックアウトで混雑している時や、団体観光でのバスの発着時に、荷物から目を離した隙に貴重品を持ち去る。
ウ レストランにおいて、スマートフォンを操作する等鞄から目を離した隙に足下に置いた鞄を持ち去る。

(3)自動車の運転時等
ア 車を運転中、信号待ちしている間、ロックしていないドアを突然開けたり、窓ガラスを割ったりして、助手席や後部座席に置いたバッグを持ち去る。
イ 駐車中の車の窓ガラスを割り、車内に放置したカバン等を持ち去る。
ウ 路上駐車や駐車場で、見えない場所に貴重品を隠しているのを犯人に見られ、車から離れた隙にトランクをこじ開けたり、ガラスを割って貴重品を持ち去る。
エ 車を運転中、または、駐車中にタイヤがパンクしていると話しかけ、親切にタイヤ交換を手伝う振りをしつつ、その間に共犯者が車内のカバンを持ち去る。
オ 持ち主が車を整備中、無施錠であることを確認し、車内から貴重品を持ち去る。

(4)路上等
ア 時間を尋ねた後、腕時計をいきなりひったくる。
イ 私服警察を名乗る者が荷物検査をし、クレジットカードの暗証番号を聞き出した上で、クレジットカードを盗んだり、後で返却するなどと言いつつ、クレジットカードで立て替え払いを頼み、多額の現金を引き出させる。
ウ Wi-Fiを貸して欲しいと話しかけ、使用後に感謝を示すために、ハグをすると見せかけ、貴重品をひったくる。

4 防犯対策
(1)基本的な心得
 犯罪被害に遭わないためには「自分の身は自分で守る」との心構えを持ち、最新の治安情報収集に努める、危険な場所には近づかない、多額の現金・貴重品は持ち歩かない、見知らぬ人物を安易に信用せずに警戒するなど、常に防犯を意識した行動をとることが重要です。
 この他、以下の対策をとるよう心掛けてください。
ア 旅券の盗難・紛失等により、盗難届の取得手続きや旅券発給手続きを行う場合に備えて、あらかじめ戸籍謄本原本の入手やマイナポータルにて戸籍電子証明書提供用識別符号を入手しておく。少なくとも旅券のコピーを取っておく。
イ 盗難等の被害を最小限に留めるため、旅券、現金やクレジットカード等の貴重品を一か所にまとめず、極力分散して持つ。
ウ 貴重品、バッグ等の所持品には、常に注意を払いながら携行し、歩きスマホを行わない等、隙を作らない。
エ 治安情報の収集に努め、特に夜間、深夜、早朝に外出する場合には、目的地までの経路、目的地の治安状況をよく確認し、できるだけ自家用車やタクシーを利用する。

(2)具体的な対策
ア 開口部をファスナーで開け閉めするタイプで、フラップ付きのカバンがスリにねらわれにくい。また開口部を上着等で隠しておくと防犯効果が高まる。
イ 住居を長期間不在にする場合には、カーテンを閉め、外から部屋の中が見えないよう工夫するとともに、夜間はタイマーで室内灯を点灯させるなどの自衛手段を講じる。
ウ 路上や駅構内、電車内等で、見知らぬ人から何かを尋ねられたり、声をかけられても相手にしない。また、貴重品やカバンを携行している時は、気を緩めず、かつ、手から放さないよう心掛ける(数人がグループになって役割分担し、注意をそらせ、その間に置き引きする手口がある)。
エ 路上や駅構内、電車内等の人目に触れる場所で、スマートフォンやタブレット端末等の電子機器を極力扱わない。
オ ブリュッセル南駅(Gare de Bruxelles-Midi/Station Brussel-Zuid)やブリュッセル北駅(Gare de Nord/Station Brussels Noord)のように治安の特に悪い駅で下車する場合は、暗くなる前に到着する等、時間を早めに設定し、駅構内では周囲を警戒する。また、特に駅建物から市内中心等へ向かう場合は、極力徒歩を避け、タクシーか地下鉄等の公共交通機関を利用する。
カ 電車内の網棚に載せたカバン等は、一瞬の隙に持ち去られることがあるので、網棚には貴重品を載せない。
キ 私服警察を名乗る者から持ち物検査等を求められたら、身分証の提示を求め、不審に思ったら警察(電話101)に連絡するか、周りに助けを求める。
ク 人通りの少ない通りは、暗くなってからの通行は避け、また、日中でも不用意に路地等に入り込まないよう心掛ける。
ケ 両替をしてほしいと執拗に迫られ、安易に財布を見せると、紙幣をスリ盗られることがあるので、相手にしない。
コ 駐車した車から離れるときは、座席等の外から見える場所に物を放置しない(窓ガラスを割られ、中の物を盗まれることがある)。
サ 車を運転するときは、乗車後、直ぐにドアをロックする(助手席に置いたバッグ等を持ち逃げされることがある)。
シ パンク等の車両故障の場合、修理を手伝うと申し出た者の親切心を鵜呑みにせず、車両保険会社を利用するか、手伝ってもらう場合にも車内に所持品を放置しないよう心掛ける。

5 テロ・誘拐
 ベルギーのテロ・誘拐については、テロ・誘拐情勢(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_172.html )をご確認ください。

※ 在留邦人向け安全の手引き
 在ベルギー日本国大使館が在留邦人向けに作成した「安全の手引き」(https://www.be.emb-japan.go.jp/files/100783817.pdf )もご参照ください。


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