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● 犯罪発生状況、防犯対策

1  犯罪発生状況
(1)犯罪発生件数・傾向
 ハンガリーの治安情勢は全般的に良好で、2010年以降犯罪認知件数も減少傾向にあり、2022年は約17万件となっています。
 しかし、人口比で見ると、ハンガリーの犯罪発生率は日本よりも高いので油断は禁物です。
 全体としては、財産犯が多くを占め、その中でも窃盗犯(侵入盗、スリ、置引き等)が多く、日本人から在ハンガリー日本国大使館に寄せられる被害連絡のほとんどが窃盗被害です。

【主な犯罪認知件数(2022年)】
 ハンガリー国内の犯罪認知件数は167,774件です。そのうち、主な犯罪認知件数は以下のとおりです。
 ◆ 殺人・・・ 238件
 ◆ 強盗・・・ 534件
 ◆ 窃盗・・・46,833件
 ◆ 傷害・・・ 6,901件
 ◆ 詐欺・・・16,747件

(2)地域別犯罪情勢
ア ブダペスト市
 ブダペスト市では、2022年に39,991件の犯罪が発生しており、ハンガリー国内犯罪件数全体の約4分の1を占めています。
 在留邦人・日本人旅行者の行動範囲はブダペスト市内に集中しているため、日本人の犯罪被害のほとんどが同市内において発生しており、特に観光スポット、繁華街、公共交通機関における被害が目立ちます。
 ブダペスト市内23区のうち、ペスト側川沿い繁華街である5・6・7・8区を中心にスリ、置引き等の窃盗や詐欺が多く発生していますので、注意が必要です。
 また、国際列車の発着により多くの外国人旅行客で賑わうブダペスト東駅のプラットホーム上や発車待ちの列車内での置引き被害が目立っています。

イ その他の県
 ワインの産地として有名なエゲル市のあるヘベシュ県、ハンガリー北東部の工業都市ミシュコルツ市や貴腐ワインで有名なトカイ村のあるボルショド・アバウーイ・ゼムプレーン県では、ブダペスト市に次いで人口比による犯罪発生率が高くなっています。地方の犯罪も財産犯罪が多くを占めます。




2 日本人の犯罪被害例と防犯対策
(1)列車内における置引き
 被害は主にウィーン・ブダペスト間の国際列車内において発生しています。

[犯行手口]
○列車走行中、うたた寝をしていたところ、目が覚めると座席上の棚に置いた荷物がなくなっていた。
[防犯対策]
○列車内で居眠りをしない。
○自分の荷物には絶えず注意を払い、肌身話さず持つ。

(2)トラム(路面電車)、バス、地下鉄車内でのスリ
 スリは混雑した公共交通機関での発生が多くみられますが、このほか、著名な観光地・休日の繁華街等の混雑している場所で多発しています。

[犯行手口]
 混雑した公共交通機関の車内において、前後から人に挟まれ身動きできない状態となり、停留所で周囲の乗客が降車した後、背負っていたリュックを確認したところ、貴重品が盗まれていた。
[防犯対策]
○バッグ等は、留め具、ファスナーをしっかり閉じて、自分の前に抱えるように持つ。
○財布など貴重品は、ズボンの後ろポケットなど他人から容易に盗られるところに入れない。
○複数犯による犯行も多いので、不自然に自分に寄ってくる人の動向に注意を払う。

(3)空港における犯罪被害
 出発・到着ロビーにおける置引きやスリ等のほか、チェックイン時に預けた荷物の中から金品を盗まれる被害が発生しています。

[犯行手口]
○空港到着後、両替所で両替手続中、ビンが割れるような大きな音がしたので、そちらに注意を向けている間に、傍らに置いていた荷物が盗まれていた。
○チェックイン・カウンターでスーツケースを預け、ブダペスト発ロンドン行きのフライトに搭乗した。ロンドンに到着してスーツケースを受け取った際、鍵が開いていたので中身を確認したところ、お土産用に購入した高級ライターが盗まれていた。
[防犯対策]
○日本から遠路到着した時などは気が緩みがちになるが、荷物は体から離さないなど、常に注意を払う。
○預け荷物の中に貴重品を入れない。

(4)ホテルにおける窃盗被害
 ホテル内でのスリや置引き、部屋への侵入窃盗など、ホテルロビー等の様々な場所で窃盗被害が多く発生しています。

[犯行手口]
○1階の部屋に宿泊したところ、就寝中、道路に面した窓から何者かが侵入し、荷物を物色して立ち去った。侵入者に気付いたものの、恐怖のあまり声を出すことができなかった。
○高級ホテルのビュッフェ式朝食会場で、自分の席に貴重品の入ったハンドバッグを置いたまま料理を取りに行き、数分後に戻ったところ、バッグがなくなっていた。
[防犯対策]
○道路に面した部屋を割当てられた場合、フロントと交渉して2階以上の部屋に替えてもらう。
○ドア、窓の戸締まりは確実に行う。ドア、窓に鍵が複数ある場合、全ての鍵を施錠する。
○就寝中や部屋に戻った際に侵入者と鉢合わせた場合、むやみに抵抗しない。
○貴重品は肌身離さず、高級ホテルであっても決して油断しない。


(5)車上ねらい
 駐車場や家の前に駐車していた場合、また、ガソリンスタンドで短時間でも車から離れる場合など、ちょっとした隙を突かれて被害に遭うことが多い犯罪です。

[犯行手口]
 昼食時、飲食店近くの路上駐車スペースに車を駐車して1時間程食事していた間に、車の窓ガラスを割られ、車内に置いていた物品を盗まれた。
[防犯対策]
○自宅に屋内駐車場がある場合には労をいとわず必ず屋内駐車場に駐車し、夜間の路上駐車はしない。
○外出時、なるべく路上駐車は避け、管理された有料駐車場を利用する。または、可能な限りタクシー等公共交通機関を利用する。
○車内に貴重品等を残さないことが原則であるが、どうしても荷物や貴重品を残して車を離れなければならない場合、外から見える場所には置かない。
○アラーム装置のほか、ハンドルロック、シフトロックなどで補強する。これらを目立つように設置して、犯人に盗難し難い車であることをアピールする。
○外出時、短時間車を離れる場合も含め、常にドアの確実な施錠を確認する(妨害電波を発信して、リモコンキーからの施錠電波を阻止する手口も存在するので注意が必要)。 

(6)SNSサイトを使ったアパート契約詐欺
 件数自体は少ないものの、SNSサイトを利用したアパート契約詐欺に遭ったという被害が報告されています。

[犯行手口]
 SNSサイトに掲載された写真付きの中古品や物件(アパート)を見て、オーナーや実際の物件を確認することなく契約のためお金を振り込んだところ、以後、連絡がつかなくなってしまった。
[防犯対策]
○契約前に、必ずオーナーと接触して物件を確認し、信頼に足る相手方であるかを再確認する、実物を確認してから振り込みを行う等、十分に注意する。

3 その他
 近年、政府に対する大規模な抗議集会・デモが多く実施される傾向にあります。それらの多くは平和裡に実施されていますが、一部の過激な者により騒じょう行為に発展する可能性も排除されません。抗議集会やデモ等を見かけた場合には、速やかにその場を離れるなど、安全確保に努めてください。

4 テロ・誘拐
 ハンガリーのテロ・誘拐については、テロ・誘拐情勢(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_168.html )をご確認ください。

※在留邦人向け安全の手引き
 在ハンガリー日本国大使館が在留邦人向けに作成した「安全の手引き」(https://www.hu.emb-japan.go.jp/files/000570056.pdf )もご参照ください。


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