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● 犯罪発生状況、防犯対策
1 犯罪発生状況
(1)犯罪発生件数・傾向
ハンガリーの治安情勢は全般的に良好で、2010年以降犯罪認知件数も減少傾向にあります。
しかし、人口比で見ると、ハンガリーの犯罪発生率は日本よりも高いので油断は禁物です。
全体としては、財産犯が多くを占め、その中でも窃盗犯(侵入盗、スリ、置引き等)が多く、日本人から在ハンガリー日本国大使館に寄せられる犯罪被害連絡のほとんどが窃盗被害です。
【主な犯罪認知件数(2024年)】
ハンガリー国内の犯罪認知件数は233,470件です。
◆ 殺人・・・335件
◆ 強盗・・・669件
◆ 窃盗・・・58,419件
◆ 傷害・・・7,594件
◆ 詐欺・・・26,565件
(2)地域別犯罪情勢
ア ブダペスト市
ブダペスト市では、2024年に54,949件の犯罪が発生しており、ハンガリー国内犯罪件数全体の約23%を占めています。
在留邦人・日本人旅行者の行動範囲はブダペスト市内に集中しているため、日本人の犯罪被害のほとんどが同市内において発生しており、特に観光スポット、繁華街、公共交通機関における被害が目立ちます。
ブダペスト市内23区のうち、ペスト側川沿い繁華街である5・6・7・8区を中心にスリや置引き等の窃盗に続き、詐欺の発生の割合が多く、これらの犯罪に注意が必要です。
また、国際列車の発着により多くの外国人旅行客で賑わうブダペスト東駅のプラットホームでの発車待ち時や列車乗車中の置引き被害が目立っています。
イ その他の県
ワインの産地として有名なエゲル市のあるヘベシュ県、ハンガリー北東部の工業都市ミシュコルツ市や貴腐ワインで有名なトカイ村のあるボルショド・アバウーイ・ゼムプレーン県では、ブダペスト市に次いで人口比による犯罪発生率が高くなっています。地方の犯罪も財産犯罪が多くを占めています。
2 日本人の犯罪被害例と防犯対策
(1)列車内における置引き
置引き被害は、ブダペストと周辺国(特にオーストリア、チェコ)を結ぶ国際列車内において発生しています。
[犯行手口]
○乗車中、眠ってしまい起きたら座席棚等の肌身から離した場所に置いた荷物が無くなっていた。
[防犯対策]
○乗車中は居眠りをしない。
○自分の荷物には絶えず注意を払い、肌身から離さない。
(2)トラム(路面電車)、バス、地下鉄車内でのスリ
スリは混雑した公共交通機関での発生が多くみられますが、著名な観光地や休日の繁華街等の混雑している場所でも多発しています。
[犯行手口]
混雑した公共交通機関の車内において、前後から人に挟まれ身動きできない状態となり、停留所で周囲の乗客が降車した後、背負っていたリュックを確認したところ、貴重品が盗まれていた。
[防犯対策]
○バッグ等は、留め具、ファスナーをしっかり閉じて、自分の前に抱えるように持つ。
○財布など貴重品は、ズボンの後ろポケットなど他人から容易に盗られるところに入れない。
○複数犯による犯行も多いので、わざと自分に寄ってくる人の動向に注意を払う。
(3)空港における犯罪被害
出発・到着ロビーにおいて置引きやスリ等の他、チェックイン時に預けた荷物の中から金品を盗まれる被害が発生しています。
[犯行手口]
○空港到着後、両替所で両替手続中のため傍らに置いていた荷物から目を離した隙に荷物が盗まれていた。
○目的地到着後、チェックイン・カウンターで預けたスーツケースの中身を確認したら、スーツケースに入れていた貴重品が盗まれていた。
[防犯対策]
○日本から遠路到着した時などは気が緩みがちになるが、荷物は体から離さないなど、常に注意を払う。
○預け荷物の中に貴重品を入れない。
(4)ホテルにおける窃盗被害
ホテル内でのスリや置引き、部屋への侵入窃盗など、ホテルロビー等の様々な場所で窃盗被害が多く発生しています。
[犯行手口]
○1階の部屋に宿泊したところ、就寝中、道路に面した窓から何者かが侵入し、荷物を物色して立ち去った。侵入者に気付いたものの、恐怖の余り声を出すことができなかった。
○高級ホテルのビュッフェ式朝食会場で、自分の席に貴重品の入ったハンドバッグを置いたまま料理を取りに行き、数分後に戻ったところ、バッグが無くなっていた。
[防犯対策]
○道路に面した部屋を割当てられた場合、フロントと交渉して2階以上の部屋に変えてもらう。
○ドア、窓の戸締まりは確実に行う。ドア、窓に鍵が複数ある場合、全ての鍵を施錠する。
○就寝中や部屋に戻った際に侵入者と鉢合わせた場合、むやみに抵抗しない。
○貴重品は肌身離さず、高級ホテルであっても決して油断しない。
(5)車上ねらい
駐車場や家の前の路上駐車、、車に鍵をかけずに短時間離れる場合など、ちょっとした隙を突かれて被害に遭うことが多い犯罪です。
[犯行手口]
昼食時、飲食店近くの路上駐車スペースに車を駐車して1時間程食事していた間に、車の窓ガラスを割られ、車内に置いていた物品が盗まれた。
[防犯対策]
○自宅に屋内駐車場がある場合には労をいとわず必ず屋内駐車場に駐車し、夜間の路上駐車はしない。
○外出時、なるべく路上駐車は避け、管理された有料駐車場を利用する。または、可能な限り配車アプリ等に登録されたタクシー等公共交通機関を利用する。
○車内に貴重品等を残さないことが原則であるが、どうしても荷物や貴重品を残して車を離れなければならない場合、外から見える場所には置かない。
○アラーム装置のほか、ハンドルロック、シフトロックなどで補強する。これらを目立つように設置して、犯人に盗難し難い車であることをアピールする。
○外出時、短時間車を離れる場合も含め、常にドアの確実な施錠を確認する(妨害電波を発信して、リモコンキーからの施錠電波を阻止する手口も存在するので注意が必要)。
(6)SNSサイトを使ったアパート契約詐欺
SNSサイトを利用したアパート契約詐欺に遭ったという被害が報告されています。
[犯行手口]
SNSサイトに掲載された写真付きの物件(アパート)を見て、オーナーや実際の物件を確認することなく契約のためお金を振り込んだところ、以後、連絡がつかなくなってしまった。
[防犯対策]
○契約前に、オーナーと接触してから物件を確認するなど信頼に足る相手方であるか、物件を確認してから支払いを行う等、十分に注意する。
3 その他
近年、政府に対する大規模な抗議集会・デモが多く実施されています。それらの多くは平和裡に実施されていますが、一部の過激な者により騒じょう行為に発展する可能性も排除されません。抗議集会やデモ等を見かけた場合には、速やかにその場を離れるなど、安全確保に努めてください。
4 ハンガリーのテロ・誘拐については、テロ・誘拐情勢(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_168.html )をご確認ください。
※在留邦人向け安全の手引き
在ハンガリー日本国大使館が在留邦人向けに作成した「安全の手引き」(https://www.hu.emb-japan.go.jp/files/100827619.pdf )もご参照ください。
- ○外務省 領事サービスセンター(海外安全担当)
電話:(外務省代表)03-3580-3311 (内線)2902
- ○外務省海外安全ホームページ:https://www.anzen.mofa.go.jp/
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