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● 犯罪発生状況、防犯対策

1 犯罪発生状況
(1)一般的にドイツは,ヨーロッパの中では比較的安全な国とのイメージを持たれています。しかしながら,ドイツ連邦警察の発表によれば,2017年(暦年)のドイツ国内全体の犯罪発生件数は約576万件であり,これは日本の約6倍に上ります(ドイツの人口は約8300万人)。日本の生活感覚のままでは思わぬ犯罪被害につながりかねません。

(2)犯罪種別は,スリやひったくりなどの窃盗,強盗や詐欺などといった財産に関わる犯罪がほとんどですが,傷害や暴行(婦女暴行を含む)といった身体の安全に関わる犯罪も発生しています。特に,観光客が多く訪れる大都市や観光地は,外国人犯罪グループの流入,麻薬の蔓延など様々な要因から犯罪発生率も高くなっています。

(3)一定規模以上の都市には,特定の国・地域出身の外国人が多く定住するエリアがあります。こうしたエリアはその国・地域の文化が根付いており,日中は活気がある反面,夜間の治安は一般的にあまりよくありません。この他にも都市によっては,麻薬や犯罪の巣窟となっているとされる危険地域(No-Go-Areas)が存在します。これらの地域には絶対に近づかないでください。

(4)ドイツは難民受け入れに積極的な政策をとっており,2015年以降これまでに150万人以上の難民がシリアやイラクなどからドイツに入ってきています。こうした中,反移民・難民を標榜するデモが大都市を中心にドイツ国内で断続的に発生し,一部が暴徒化するケースも見られます。

2 テロ
(1)近年,欧州各国で不特定多数を標的とするテロや襲撃事件が頻発しており,ドイツにおいては2016年12月にベルリンのクリスマス・マーケットに大型トラックが突入するテロ事件が発生しました(12名死亡,53名重軽傷)。これ以降,同様の大規模なテロ事件は発生しておりませんが,ドイツ国内各地でナイフなどの凶器を使用した襲撃事件が散発的に発生しているほか,最近もテロを計画した容疑者やイスラム過激派が治安当局に相次いで摘発・逮捕されるなどしており,ドイツ国内は依然としてテロの脅威にさらされています。

(2)これまでに,ドイツにおいてテロによる日本人の被害は確認されていませんが,近年,シリア,チュニジア,バングラデシュにおいて日本人が殺害されるテロ事件が発生しています。また,テロは,日本人が数多く渡航する欧米やアジアをはじめとする世界中で発生しており,特に,近年では単独犯によるテロや,一般市民が多く集まる公共交通機関等(ソフトターゲット)を標的としたテロが頻発していることから,こうしたテロの発生を予測したり,未然に防ぐことが益々困難となっています。
 このようにテロはどこでも起こり得ること及び日本人が標的となり得ることを十分に認識し,テロの被害に遭わないよう,海外安全ホームページや報道等により最新の治安情報の入手に努め,状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。

3 都市別犯罪状況
(1)ベルリン
 近年ベルリンの犯罪発生総数は減少傾向にあるものの(2017年の犯罪発生件数は約52万件,対前年度比8.5%減),依然としてスリ,ひったくりなどの窃盗事件や強盗事件が多発しており,日本人も多数被害に遭っています。

ア 電車やバス,デパートやマーケット,イベント会場など人混みの中でのスリのほか,路上で子供に囲まれる,見知らぬ人に声をかけられる,見知らぬ人に親しげに抱きつかれる,署名運動への協力を求められる,歩行中にぶつかられるなどして,そちらに気を取られている隙に,財布を抜き取られる,置き引きされるなどの被害が後を絶ちません。特に注意すべき地域や場所は,以下のとおりです。
○主要玄関口であるテーゲル空港やシェーネフェルト空港,動物園駅や中央駅等の各主要ターミナル構内やその周辺
○東はウンター・デン・リンデン通りからアレキサンダー広場にかけて(フリードリヒ・シュトラーセ駅やハッケッシャーマルクト駅周辺を含むミッテ地区),西はヴィッテンベルク広場(デパートKaDeWe前)からブライトシャイド広場(カイザー・ヴィルヘルム記念教会前)及びクアフュルステンダム通り(通称クーダム)にかけての繁華街
○ブランデンブルク門,博物館島周辺などの観光名所や見本市(メッセ)会場周辺
○公共交通機関(バス,地下鉄やトラムのほか,主要ターミナル駅を出発するICE等の特急列車)
○その他,ホテル内ロビーや朝食会場,レストラン

イ また,昼間は活気があっても,夜になると外国人犯罪グループや薬物乱用者などが集まる危険な地域もあり,強盗や暴行・傷害事件に巻き込まれる危険性にも留意する必要があります。
○コットブッサートア駅(クロイツベルク地区),ヘルマンプラッツ駅(ノイケルン地区),オスロアーシュトラーセ駅(ウェディング地区)の構内やその周辺,及び地下鉄7号線や8号線(U7,U8)の車内
○日没後のティアガルテン公園(ティアガルテン地区),ゲルリッツァー公園(クロイツベルク地区)及びマウアーパーク(ミッテ地区)等
○その他,閑散とした駐車場(係員・警備員のいない公共駐車場など)

ウ サッカーやマラソンなどのスポーツイベント,クリスマス・マーケットなど多くの人が集まるイベントはテロのターゲットとなり得ますので,十分な警戒が必要です。

エ その他,例年5月1日のメーデーの時期にはクロイツベルク地区等を中心に一部参加者が暴徒化し負傷者や逮捕者が出ているほか,ベルリンに限ったことではありませんが,大晦日から新年にかけての花火や爆竹で毎年多くの負傷者が発生しています。さらに2018年には,ベルリンのほかドイツ東部の各都市で大規模なデモや集会が多数行われ,一部の参加者が暴徒化する騒擾事件も発生しました。事件や事故に遭わないために,これらの危険とされる地域,場所には,むやみに近づかないでください。具体的な安全対策については,以下の「3 防犯対策」をご覧ください。

(2)ハンブルク
 ハンブルクにおいて日本人が巻き込まれる犯罪の多くは,スリ,置き引き等の窃盗犯罪で,飲食店や駅,空港等の不特定多数の人が集まる場所で被害に遭うケースが多く見られます。また,住宅地では,一軒家,集合住宅を問わず,空き巣が発生しており,日本人も被害に遭っています。
 ハンブルク中央駅東側のザンクト・ゲオルグ地区や,レーパーバーンを中心とするザンクト・パウリ地区では,特に犯罪が多発しており,スリ,置き引き等の窃盗犯罪だけでなく,強盗等の凶悪犯罪や薬物関連犯罪も発生していますので,十分な注意が必要です。

(3)デュッセルドルフ
 デュッセルドルフでは,多くの日本人が犯罪被害に巻き込まれています。そのほとんどは盗難被害で,スリの場合は電車内や駅構内など混雑した場所でバッグやリュックサックが開けられて被害に遭っており,置き引きの場合は,ホテルやレストランの座席,足下や電車の網棚等に置いておいたものが盗まれています。特に見本市(メッセ)開催時期には,欧州内外から窃盗団が流入してくるため,出張や旅行中の日本人の被害が増加します。この他にも,空き巣被害,グループによる巧妙な手口(警察官のフリをした接近,道案内のフリをした接近等)でのスリ被害も散見されます。
 主な発生場所は,デュッセルドルフ中央駅,空港,レストラン(特に旧市街),ホテル,メッセ会場等不特定多数の人が出入りしている場所です。
また,中央駅付近には違法薬物を売買する者や薬物中毒者の徘徊も見られるので注意が必要です。

(4)ケルン
 多くの日本人旅行者がケルン中央駅やケルン大聖堂付近で盗難被害に遭っています。そのほとんどは置き引きやスリで,市内中心部のホテルの朝食会場など誰でも出入りできる場所も危険です。また,メッセ開催時期やクリスマス・マーケットの時期には窃盗団が流入してくるため,被害件数が増加します。また,ケルン周辺には中東や北アフリカから移住した者も多く,2015年大晦日にはケルン中央駅前の広場で女性に対する集団暴行事件が発生しているほか,中にはイスラム過激派の思想に感化されテロ等を企てている者もいるところ,2018年だけでテロと思われる事件が2件(未遂も含む)発生しています。

(5)フランクフルト
 フランクフルトにおける日本人の犯罪被害の多くは,スリ,置き引きで,最近ではフランクフルト中央駅及びICE等の電車内で特に多く発生しています。特に,電車内での事例では,乗車直後の隙を狙って,網棚や足下に置いた荷物が盗まれています。一般的にドイツの鉄道駅には改札口が設置されておらず,誰でもプラットホームや電車内に侵入することが可能な構造となっているため,電車内であっても荷物から目を離さない,貴重品は肌身離さず持つなどの注意が必要です。
 加えて,ホテルでのチェックイン時や朝食会場での被害が目立つほか,レストランでは,足下や隣席の上に置いておいたカバンが盗まれる事件が多発しています。
 犯罪多発地域としては,フランクフルト中央駅北東側の風俗地区(モーゼル,エルベ,ヴェサー,ニッダの各通り)が挙げられます。ここでは,薬物中毒者が路上を徘徊しているほか,強盗・窃盗被害やぼったくりバーによる詐欺被害等も発生していますので,これらの地区にはできるだけ立ち入らないなど,被害の未然防止に努めてください。

(6)ミュンヘン
 ミュンヘンは,犯罪統計上,ドイツの人口20万人以上の大都市の中で,最も安全な地域であると言われていますが,2017年中の人口10万人当りの犯罪発生件数は6,201件で,東京都と比較すると,全犯罪で5倍以上,強盗,スリ・ひったくりで約10倍以上の犯罪が発生しています。
 レストラン,メッセ会場,駅,電車等における置き引き,スリ被害等が継続的に発生しているほか,2016年以降,ショッピングモール,駅,広場においてけん銃やナイフを使用した無差別襲撃事件が散発的に発生しています。毎年秋に開催される世界最大規模のビールの祭典「オクトーバーフェスト」はもちろんのこと,観光スポット,イベント会場,競技場,ショッピングモール,公共交通機関等不特定多数が集まる場所を訪問する場合には,安全対策にご留意ください。

4 防犯対策
(1)基本的な防犯対策
 犯罪被害に遭わないためには,「自分の身は自分で守る」との心構えを持ち,最新の治安情報収集に努め,危険な場所には近づかない,多額の現金・貴重品は持ち歩かない,見知らぬ人を安易に信用せず警戒するなど,常に防犯を意識した行動をとることが大切です。
 具体的な対策のポイントは,「目立たない」,「行動を予知されない」,「用心を怠らない」です。犯人側は予めターゲットを絞った上で犯行に及んでいることを意識し,以下の点に留意し,犯罪被害に遭わないよう注意してください。

ア 目立たない
○人目を引くような華美な服装・装飾品を身につけず,なるべく周囲の環境に溶け込む。
○周囲を刺激するような乱暴な言動,目立つ行動をとらない。

イ 行動を予知されない
○毎朝のジョギング等,外出時に同じ日課を繰り返すなど,習慣的な行動は避ける(行動をパターン化しない)。
○通勤や通学等での移動時間帯やルートを変える。
○個人情報(名前,所属,住所,電話番号,行動予定等)を不用意にSNS等で流布せず,不特定多数に知られないようにする。

ウ 用心を怠らない
○公共交通機関内や人混みの中などでは,所持品は身体の前で抱えるなど,目を離さない。
○多額の現金・貴重品を持ち歩かない(現金は分散して持つ)。
○見知らぬ人から話しかけられても,むやみに信用しない。特に道を尋ねられたり,署名運動への署名を求められたりした場合は警戒する。
○単独での外出や,夜間の外出,人通りの少ない道はなるべく避ける。また,夜間の移動はなるべくタクシーを利用する(「mytaxi」などのタクシー配車アプリが便利です)。
○周囲に不審な者や車両がいないか常に気を配り,尾行や監視をされていないか警戒する(下を向いて歩かず,前後左右の人の動きに注意を払う。歩きスマホなど「ながら歩き」をしない)。
○デモやストライキ等に遭遇した場合は,速やかにその場を立ち去る。
○自動車での移動中は常にドアをロックするとともに,窓も必要以上に開けない。
○公共料金等の請求書や領収書など個人情報が記載されている書類は,細断または焼却してから捨てる。

(2)犯罪種別毎の具体的な防犯対策
ア スリ,置き引き
 空港,主要駅,バスや電車内,繁華街,観光地,ホテルのロビー,レストラン等不特定多数の人が集まる場所で被害に遭っています。また,言葉巧みに近づき,注意を逸らしながら携行品を盗み取るスリグループが徘徊しており,常に日本人を狙っています。外出時の携行品は可能な限り必要最小限にし,現金,貴重品は分散して持つとともに他人にむやみに見せないようにしてください。携行品は常に体から離さず,安易に足下に置いたり,椅子の背もたれなどにかけないよう注意してください。

イ ひったくり
 人通りの少ない路上や駐車場,銀行やATMからの帰り道などに被害に遭う危険性が高まります。ほとんどの場合,車やオートバイを使用し追い抜きざまに犯行に及んでおり,転倒などして負傷するケースもあり大変危険です。
 歩行の際はバッグ等を車道側には持たず,努めて明るい道や人通りの多い道を選ぶとともに,特に銀行等からの帰り道には常に周囲を警戒してください。また,スマートフォンを操作しながら下を向いて歩いたり,ヘッドフォンで音楽を聴きながら歩くと,犯人に隙を与えることとなりますので注意してください。なお,万が一ひったくり被害に遭った場合には,車両等に引きずられ負傷する危険がありますので,無理な抵抗は避けてください。

ウ ニセ警察官による強盗・窃盗
 私服の薬物捜査官を称する者や偽の制服を着たニセ警察官が,観光中の日本人を呼び止め,所持していたバッグや財布の中を調べるふりをして金品やクレジットカードを抜き取る事件も発生しています。そもそも警察官が路上等で財布の中身(所持金)を調べたりすることはありません。警察官が職務質問する場合には,制服・私服警察官に限らず,最初に警察官の身分証明書(警察官の職種によって赤,緑,銀,黄,白と異なっているが,いずれも銀行のキャッシュカードと同様の大きさで,左側には当該警察官の顔写真,右下にはベルリン州警察であれば,ベルリンの熊のマークが貼付されています。)を提示することになっています。不審に思った場合は,相手にせず直ぐにその場を立ち去るか,携帯電話等から警察(110番)に連絡してください。

エ 暴行・傷害
 駅やその周辺,繁華街などでの発生が目立ちます。特に夜間には犯罪グループや薬物使用者,凶器所持者,外国人排斥を標ぼうするグループ等が出没し,思わぬ状況で被害に遭う危険があります。夜間の外出は必要最小限にし,単独行動はなるべく避けるとともに,周囲の雰囲気や人物の言動などに気を配り,危険と思われる兆候を感じ取ったら速やかにその場を離れるなど,自ら危険を回避するよう努めてください。
 万が一トラブル等に巻き込まれた場合には,可能な限り現場から離れるなどの自己防衛は必要ですが,自力のみで対処しようとせず,付近の人に助けを求める,警察への通報を依頼するなどの救助を求めることが賢明です。なお,犯人らが凶器を所持している可能性もあるので,状況を冷静に観察し,相手をいたずらに挑発するような言動・行動を取らないようにしてください。

オ ホテルでの空き巣・忍び込み
 部屋の鍵はオートロックとは限りませんので,外出時はもちろんのこと,在室中でもドアを施錠してください(ドアチェーンも併用)。また,窓も開けっ放しにしないよう注意してください。
 心当たりのない人物の訪問がある場合は,不用意にドアを開けずに,必ずドアスコープで相手を確認し,不審に思う場合はフロントに連絡し,対応を依頼してください。
 部屋の中でも,スーツケースには常に鍵をかけてください。
 部屋を離れる時には貴重品は部屋に残さず,フロントのセーフティーボックスを利用するか,必ず携行してください(客室内のセーフティーボックスを過信しない)。
 なお,外出する際は,ホテルの住所や電話番号が明記された「ホテル・カード」を携帯してください。ただし,「ホテル・カード」と部屋の鍵(カードキー)は別々に携行してください(一緒に持ち歩かない)。

カ 車両盗難・車上狙い
 路上駐車中の車両は,いずれも被害対象となり得ます。人通りのない暗い場所への駐車を避け,施錠は確実に施し,車内に貴重品等を放置しないよう注意してください。

(3)被害の申告等
 被害に遭った場合は,警察に届け出て,被害届の受理についてのレポート(ポリス・レポート)を受け取ります。これは,パスポートの再発給や盗難保険の請求等に必要です。また,後日,被害品が発見された場合に日本国大使館や総領事館に連絡がある場合もあるので,日本国大使館や最寄りの総領事館にも連絡をしておくことが賢明です。
 パスポートの再発給に備え,パスポートのコピーと予備の証明写真を用意しておくとよいでしょう(注:ただし,再発給手続きには戸籍謄本が必要となります)。また,運転免許証のコピーを作成しておけば迅速な身元確認・身分証明につながり,クレジットカード等の番号・有効期限を控えておけば利用停止や再発行手続きを迅速に進めることができます。
 なお,紛失(または盗難)として一度現地警察に届け出た日本国パスポートは,その後無事見つかったとしても使用できませんので十分注意してください(紛失届が受理された時点で,紛失・盗難パスポートとしてシェンゲン協定加盟国に通知されます)。

(4)デモ・集会等
 ドイツ国内では,デモ・集会が頻繁に行われています。週末を中心に,様々な主義主張による大規模なデモや集会が多数行われており,主義主張が対立するグループが衝突し騒擾事件に発展するケースも発生しています。常に最新情報の入手に努めるとともに,不用意にデモ集団に近づかないように注意を払い,不測の事態や無用のトラブルに巻き込まれないよう,十分注意してください。

○外務省 領事サービスセンター(海外安全担当)
電話:(外務省代表)03-3580-3311 (内線)2902
○外務省海外安全ホームページ:https://www.anzen.mofa.go.jp/

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