=-=-=-=-=-=-=-=

=-=-=-=-=-=-=-=
● 犯罪発生状況、防犯対策

1 犯罪発生状況
(1)概況
 デンマークは、ヨーロッパ諸国の中でも比較的安全な国というイメージをもたれていますが、強盗、窃盗、詐欺等の犯罪が多数発生しています。2022年中のデンマーク国内における刑法犯認知件数は33万8,192件であり、2021年から約4万9千件(+16.8%)増加しました。
(2)地域別情勢
 コペンハーゲン市内の繁華街、飲食店、観光地のほか、空港、駅等で旅行者が盗難の被害に遭うケースが発生しています。
 また、コペンハーゲン市内のクリスチャニア(Christiania)地区や市内のクラブ、街頭等で大麻等の違法薬物の密売が行われている場所もあり、警察による取締りに対して武装した売人が銃を発砲した事例もあります。

2 デンマーク治安情勢
 2019年8月にはコペンハーゲン市内の国税庁舎が爆破される事件が発生したほか、2022年7月にはコペンハーゲン市郊外のショッピングセンター店内において、男が銃を乱射し、多数の死傷者が発生する銃撃事件が発生しています。
 この他、コペンハーゲン市内のノアブロ(N?rrebro)地区、クリスチャニア地区等では、ギャング団の抗争と見られる発砲事件や刺傷事件が発生しています。

3 過去の日本人の主な被害事例
 空港、空港・市街地間を結ぶ電車内、ホテル、レストラン、観光地において、スリや置き引きなどの盗難被害が発生しています。特にアジア系の観光客は多額の現金を持っているとして、ターゲットになりやすい傾向がありますので注意してください。
(1)空港や公共交通機関内での被害
○空港に到着した際、ターミナルから駐車場に向かう間、背中側に鞄を掛けていたところ、気がついたらファスナーが開けられ、在中の旅券等を盗まれた。
○空港で両替中、カートに乗せていた荷物が盗まれた。
○空港から電車に乗り込もうとした際、見知らぬ男が荷物の載せ込みを手伝ってくれたが、荷物の一つが盗まれていた。
○空港から出発した列車内において、荷物を網棚へ載せる作業を相席の男に手伝ってもらったが、その男が下車した後に網棚を見たら荷物がなくなっていた。
○地下鉄駅のホームで電車待ちをしていたところ、複数の男に囲まれ、気がついたら財布を盗まれていた。 
○電車内で親切にしてくれた男が小銭を床にばらまき、その男から拾ってくれるよう頼まれたため手伝っていたところ、網棚に置いていた鞄が盗まれた。
○急行列車の車内において、網棚に置いていたバッグや座席の横に置いていたスーツケースが盗まれていた。
○ペンキやケチャップが服に付いているとして呼び止められ、服に気を取られている間にカバンを盗まれた。

(2)ホテルや飲食店での被害
○ホテルの朝食会場で、席にバッグを置いて料理を取りに行き、席に戻るとバッグが盗まれていた。
○比較的有名なホテルに宿泊し、部屋に備え付けられているセーフティ・ボックスに旅券・現金等の貴重品を入れて夕食に出たが、部屋に戻るとセーフティ・ボックスごと盗まれていた。
○ホテルのチェックインやチェックアウトの際に、わずか数十センチしか離れていないカウンターや床に置いていた荷物を盗まれた。
○飲食店のカウンターで、バッグを脇に置いてビールを飲んでいたところ、店外で大声がしたので2〜3秒そちらを向いた間にバッグがなくなり、横に座っていた男もいなくなっていた。
○レストランで鞄をイスの背もたれに掛けていたところ、気づいたら盗まれていた。

(3)観光中や買い物中の被害
○観光ボート乗り場周辺を散策していたところ、気づいたら財布が盗まれていた。
○繁華街や観光地で買い物をしていたところ、ハンドバッグに入れていたポーチ(旅券等在中)を盗まれた。
○買い物を終え、店外に出ようとした際、前にいた人が突然屈んで靴ひもを直し始めたため、立ち往生していたところ、背負っていたリュックのファスナーが開けられ、財布が盗まれた。
○繁華街で警察官を名乗る者から職務質問を受けて所持品検査に応じたところ、財布から現金が抜かれていた。(類似事案:同様の手口で巧みにクレジットカードの暗証番号を聞き出され、多額の現金を引き出された)
○観光地のトイレのドアの前で、前に並んでいた人物(共犯者と思われる)がドアにカバンの紐がひっかかってしまい、ドアが開かなくなったふりをし、立ち往生をしている間に後ろにいた人物が被害者のカバンを開けて中身をすり取ろうとした。(カバンのファスナーを開けられて物色された後があったが、貴重品を入れておらず未遂に終わった。)

3 防犯対策
 犯人は一瞬の隙を狙っていることを常に念頭に置き、以下を参考にしつつ「隙を見せない」よう心掛けてください。
(1)到着時の空港におけるターンテーブルからの荷物引き取り時、両替時、トイレ利用時などにも、手荷物を身体から離して放置せずに必ず手を添えておく(目の届かない足下等に置くと、置き引きに遭う可能性が高くなる)。
 ホテルにおけるチェックインおよびチェックアウト時、両替時、さらには買い物時などでも、同様の注意が必要。

(2)多額の現金を持ち歩かない、貴重品は分散して持つ、携帯品は不用意に身体から離さない、宝石等の貴金属類は極力身につけないといった基本的な防犯対策に心掛ける。(デンマークでは少額であってもクレジットカード等による支払いが一般的であり、多額の現金を持ち歩く必要はない。)

(3)ホテルでの朝食等ビュッフェ形式の食事の際には、置き引き被害が頻発しているので、料理を取りに席を離れる場合には、テーブルや椅子の上に手荷物を放置しない。

(4)犯罪者は現金所持者を物色しているので、人前で現金を安易に見せないことはもとより、商店での支払い時などでも、財布内を他人から見られないよう周囲の状況に注意を払う。また、財布を保管する場所を見られないよう気をつける。

(5)旅行者の衣服にジュースやケチャップを付けたり、旅行者の近くで小銭を落となどにより注意を引き、その隙に仲間(あるいは本人)が、置き引きやスリを働く手口があるので、自分の周りで何があっても、常に自分の手荷物に注意を払う。 

(6)麻薬に関連する犯罪の巻き添えにならないためにも、興味本位で見知らぬ人物に接触することは避ける。また、不審な人物からの声掛けには応じない。

4 テロ・誘拐
 テロ・誘拐については、テロ・誘拐情勢(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_164.html )をご確認ください。

※ 在留邦人向け安全の手引き
 在デンマーク日本国大使館が在留邦人向けに作成した「安全の手引き」(https://www.dk.emb-japan.go.jp/_taizai/anzen.pdf )もご参照ください。


−−−−−−−−−−
トップページ
−−−−−−−−−−