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● 犯罪発生状況、防犯対策
1 犯罪発生状況
チェコの社会・治安情勢は、総じて安定的ですが、2023年の犯罪発生件数は約18万件であり、人口当たりの犯罪発生率は、日本の約3倍となっています。
チェコにおける主な犯罪の内訳は次のとおりです。
○殺人・・・159件
○暴行・傷害・・・13,115件
○単純窃盗・・・35,075件
○侵入窃盗・・・30,986件
○性犯罪(迷惑行為など含む)・・・3,201件
2 日本人の被害例、被害発生場所、防犯対策
日本人に対する犯罪で最も多いのがスリと置き引きです。外見から犯人を識別することは困難ですが、犯人は隙がある人物をターゲットとして犯行に及びますので、隙を見せない防犯対策が重要です。
(1)スリ
最も多い被害例は、観光地の路上や施設、土産物店、地下鉄、トラム(路面電車)、バス等において、気付かないうちにバックパック等のチャックを開けられ貴重品を奪われるものです。
犯行の手口は、スリ集団の一人が親切な素振りで話しかけたり、携帯電話を見せたりして注意をそらし、仲間の犯人が犯行に及ぶというものです。また、地下鉄、トラム、バスでは、スリ集団が乗車時に背後から押し込んだり、車内で取り囲んだり、降車時に扉を開けなかったりと、意図的に混雑や混乱した状況を作り出した上で犯行に及んでいます。
<対策>
○バックパック等の中には貴重品は入れない。
〇貴重品は衣服の外側ではなく内側ポケットに入れる。
〇特に観光地の路上等では周囲に不審者(景色等を見ずに観光客を注視している人物等)がいないか注意する。
(2)置き引き
最も多い被害例は、長距離列車またはバス内での置き引きです。網棚等の目が届かない場所に荷物を置いている間に荷物を持ち去られたり、貴重品だけを抜き取られたりしています。
また、飲食店等で椅子の背もたれに掛けていたカバンや、座席の上や足下に置いていた荷物を持ち去られる事案も発生しています。
<対策>
○長距離列車やバス内では、貴重品が入っている荷物を網棚に置かない。「荷物を網棚にのせてあげる」などと親切に話しかけてくる外国人に警戒する。
○カバンは、常に手元や体から離さないようにして、飲食店内でも足下に置かない。特に、見知らぬ人物が近づいて声をかけてきた際には注意する。
(3)ホテル内侵入窃盗
ホテルの客室内における窃盗事件は減少傾向にありますが、過去には、隣家の屋根を伝って部屋の窓を破り侵入された事例や、部屋の扉のオートロックを解除して侵入された事例も発生しています。
<対策>
○貴重品を部屋に置く場合はセーフティボックス内に収納する。
○宿泊する部屋が地上階ではなくとも、窓の状況を確認し、外部から容易に侵入可能な状況が認められる場合には、部屋を替えてもらうなどの対策をとる。
(4)ワンクリック詐欺
大手通販業者や宅配業者を装ったSMSや電子メール、特定サイトに記載のURLをクリックすると、商品代金や契約料金の支払いを求められる「ワンクリック詐欺」被害が発生しています。
<対策>
○SMSや電子メールに記載されているURLを不用意にクリックしない。
○チェコ語で記載されているSMS等は、翻訳アプリ等を活用して内容を必ず確認する。
(5)強盗、暴行・傷害、変質者等
近年、日本人が被害者となる強盗事件は発生していません。一方、コロナ禍中はアジア人差別に起因すると思われる暴行事件が数件発生しました。また、不審者・変質者による日本人女性に対する声かけ・つきまとい事案や痴漢行為も発生しています。
<対策>
○人通りの少ない場所や早朝、夜間の独り歩きは避ける。
○外出時は常に周囲に警戒するとともに、身の危険を感じた場合、逃げられる状況にあればその場から速やかに立ち去り、周りの人に助けを求める。
○暴行を受けそうな状況になり、逃げられる状況にない場合は、生命の安全を第一に考え、犯人に抵抗しない態度を示す。
○見知らぬ人物に用心するよう子供に言い聞かせ、子供だけでの外出は控える。
○被害に遭った場合は、警察に通報する。
(6)自動車盗難・車上ねらい
自動車盗難や車上ねらいは、チェコ全域で発生しています。
<対策>
○管理人や警備員のいる駐車場、防犯シャッターや防犯カメラのある駐車場を使用する。日中の短時間の駐車であっても、見通しの悪い場所、交通量や人通りの少ない場所での駐車は避ける。
○防犯アラームやギアシフト・ロック、イモビライザー(不正始動防止装置)などの盗難防止装置を設置する。ただし、特殊な電気工具を用いてドアを解錠し、盗難防止装置の機能をブロックした上で犯行に及ぶケースもみられるため、盗難防止装置は過信しない。
○貴重品やカバンを車内に放置しない。
○カーステレオは、一定の盗難防止効果がある取り外しのできない組み込み式にする。
(7)住居侵入
近年、日本人の被害は発生していませんが、下記の防犯対策をとってください。なお、一般的には、独立家屋よりも集合住宅の2階以上の部屋の方が防犯上優れていると言われています。
<対策>
○住居を選定する際には、防犯システムや設備の有無を確認するとともに、共用部に監視カメラ等の防犯設備があり、管理人や警備員が常駐している住居を選定する。
○窓やドアを破壊したり、こじ開けたりする方法が主な侵入手口であるため、ドアにセキュリティ・ロック(防犯上優れた施錠設備)や防犯アラームを設置したり、窓に侵入防止フェンスを設置する(チェコ当局推奨)。
○住居を長期間不在にする際は、不在であることが分からないよう、例えば、タイマー付きコンセントを用いて室内ライトを一定の時間点灯したり、大家に住居の見回りをお願いするなど、効果的な対策をとる。
3 テロ・誘拐
チェコのテロ・誘拐については、テロ・誘拐情勢(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_163.html )をご確認ください。
※在留邦人向け安全の手引き
在チェコ日本国大使館が在留邦人向けに作成した「安全の手引き」(https://www.cz.emb-japan.go.jp/documents/anzentebiki.pdf )もご参照ください。
- ○外務省 領事サービスセンター(海外安全担当)
電話:(外務省代表)03-3580-3311 (内線)2902
- ○外務省海外安全ホームページ:https://www.anzen.mofa.go.jp/
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