=-=-=-=-=-=-=-=

=-=-=-=-=-=-=-=
● 犯罪発生状況、防犯対策

1 犯罪発生状況
 スウェーデンにおける2022年の犯罪統計によると、警察等への通報件数は 約148万件(1,477,470 件(刑法犯1,170,761件、特別法犯276,709件)、人口 10 万人当たり 13,803件)となっています。計上方法の違いから日本との単純比較は困難ですが、例えば、国連薬物犯罪事務所(UNODC)の統計によれば、故意の殺人の人口 10 万人当たりの被害者数は、2021年の数値で日本が 0.23 人、スウェーデンが 1.08 人にのぼります。
 2021年の犯罪統計と比較すると、警察等への通報件数は33,087件減少していますが、主にギャング間の抗争による発砲事件(2022年:391件、2023年:363件)や爆発物関係の事件(2022年:191件、2023年:351件)は依然として高い水準で推移しています。
 こうしたことから、一般に「治安が良い」と認識されているスウェーデンですが、犯罪に対しては油断することなく、十分に警戒することが必要です。

2 日本人の犯罪被害例
 日本人の被害例は以下のとおりです。
(1)ホテルでビュッフェ形式の朝食の最中、友人が同じテーブルに座っていたため安心してバッグをイスに残したまま食事を取りに行き、座席に戻ったときにはバッグがなくなっていた。

(2)ツアーバスに貴重品入りの鞄を置いたまま観光に出て、見学が終わってバスに戻ったところ、座席に置いてあった鞄がなくなっていた。

(3)旧市街(ガムラスタン)の混雑する店内でお土産を選んでいたところ、会計時、閉まっていたはずのリュックサックのチャックが開いており、中に入っていた財布がなくなっていた。

(4)市街地を散策中、男とすれちがいざまに鞄をひったくられた。男は路上に待機していた仲間の車両に乗り込み逃走した。

3 犯罪被害場所
 日本人から犯罪被害が特に多く報告されている主な場所は以下のとおりです。
(1)空港、ストックホルム中央駅、地下鉄駅構内、列車、フェリーなどの交通機関

(2)旧市街(ガムラスタン)、ヴァーサ号博物館などの観光スポット

(3)ホテルのロビー、レストラン、デパート等

(4)バー、クラブ等の酒類を提供する飲食店が多数ある繁華街

4 防犯対策
 防犯対策として、次を参考に適切な措置を講じ、犯罪者のターゲットにならないよう落ち着いて行動してください。
(1)不必要な貴重品は持ち歩かない。もし携行する場合は、肌身離さないようにする。レストランなどで席を外す際には、貴重品が入ったバッグは自分で携行し、席には放置しない。たとえ知人と行動を共にしている場合であっても、自分の荷物は自分で管理する。

(2)ズボンの後ろポケットやバッグの外ポケットなど、抜き取られやすい場所に貴重品を入れない。バッグは上部がファスナーなどでしっかり閉まるタイプのものを使用する。貴重品は1か所にまとめることなく、ポケットやポーチなどに分散して携行する。

(3)夜間の一人歩きや、ひと気のない道路の通行は避ける。後ろから誰かが近づく気配を感じたら、振り返って相手をけん制したり、明かりやひと気のある方向に進路を変えたりして歩く。必要ならば、一度商業施設等に入店してやり過ごす。

(4)道を尋ねられるなど、見知らぬ人に声をかけられたら、手荷物や貴重品はしっかり手放さないようにして管理する。

(5)犯罪者はターゲットの行動パターンを把握した後に計画的に犯行に及ぶことがあるため、自分の行動パターンを把握されないことが重要。身の回りで不審に思う点があれば、時間をずらしたり、普段とは別のルートで移動したりできるよう、余裕をもって行動する。

 在スウェーデン日本国大使館が在留邦人向けに作成した「安全の手引き」(https://www.se.emb-japan.go.jp/nihongo/anzennotebiki.pdf )も併せてご参照ください。

5 テロ・誘拐 
(1)テロ・誘拐については、テロ・誘拐情勢(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_160.html )をご確認ください。

(2)2023年8月、スウェーデン政府はスウェーデンにおけるテロ脅威レベルを5段階中の3段階目(増大した)から4段階目(高い)に引き上げました。
テロ事件や不測の事態に巻き込まれることのないよう、最新の治安情報の収集に努めてください。また、テロの標的となりやすい場所(※)を訪れる際には、周囲の状況に注意を払い、不審な状況を察知した場合は速やかにその場を離れるなど、安全の確保に一層努めてください。
※ 観光施設やその周辺、イベント会場、レストラン、ホテル、ショッピングモール、スーパーマーケット、ナイトクラブ、映画館、公共交通機関等人が多く集まる施設、教会、モスク、シナゴーグ等の宗教関係施設、政府関連施設(特に軍、警察、治安関係施設)

(3)万が一不測の事態に巻き込まれた場合の対応として、次の点を参考にしてください。
ア 爆発、銃撃の音を聞いたら、その場に伏せるなど直ちに低い姿勢をとり、頑丈なものの陰に隠れる。
イ 周囲を確認し、可能であれば、銃撃音等から離れるよう、速やかに、低い姿勢を保ちつつ安全なところに退避する。閉鎖空間の場合、出入口に殺到すると将棋倒しなどの二次的な被害に遭うこともあり、注意が必要。
ウ 爆発は複数回発生する可能性があるため、爆発後に様子を見に行かない。
エ 刃物や鈍器を用いたテロの場合、犯人との距離を取る。周囲にある物を使って攻撃から身を守る。
オ 普段と異なる不審な状況を察知したら、安全を確保のうえ、警察に通報する(112番)。

6 ギャングによる抗争
 近年、違法薬物取引を巡るギャング間の抗争や内部抗争に起因して、ストックホルム県、ヴェストラ・ヨータランド県(ヨーテボリ所在)、スコーネ県(マルメ所在)の都市部近郊の一部地域等を中心に、爆破事件や銃の発砲事件が頻発しています。一般市民を直接の標的としたものではありませんが、誤って銃撃されたり、標的の近隣住民が爆発に巻き込まれたり等、実際に被害が及んでいる事例がありますので、併せご留意ください。


−−−−−−−−−−
トップページ
−−−−−−−−−−