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● 犯罪発生状況、防犯対策

1 犯罪発生状況
 オランダ滞在中の邦人が,置き引きやひったくり被害に遭い,旅券その他持ち物を盗難されたとの大使館への報告は毎年100件を越えています。この数字は,盗難被害に旅券が含まれている場合に限っての件数であり,旅券が含まれていない盗難被害を含めれば,それ以上の方が被害に遭っているものと考えられます。

2 犯罪被害の特徴
 邦人の被害の特徴としては,盗難に遭ったバッグ等に旅券,航空券(含,eチケット),現金(10万円相当に上る多額な場合もあります),クレジットカード,パソコン,携帯電話(スマートフォンを含む),カメラ,鍵等貴重品を一緒に入れていることが挙げられます。犯人は,多額の現金を持ち歩いている日本人が特に多いことを承知した上で,犯行に及んでいることがうかがえ,日本人が繰り返しターゲットにされている可能性があります。また,犯行の手口は巧妙かつ注意をそらした一瞬の隙に行われ,犯罪者の多くがターゲットを絞った上で,複数で犯行に及んでいます。
 したがって,見知らぬ人から話しかけられた場合,その周囲の人間が自分の所持品をねらって注意をそらそうとしている可能性がありますので,隙を見せないよう注意することが大切です。また,盗難被害の過半数が置き引きによるものであり,バッグ等の携行品は瞬時も手元から離さないように心掛けることが大切です。

3  具体的被害発生状況
(1)駅(構内),列車内,トラム内,空港内
 アムステルダム中央駅,スキポール空港駅等乗降客が多い駅・駅構内,オランダとベルギー・ドイツを結ぶ国際列車内で被害が多発しています。また,アムステルダム市内のトラム内でのスリ,スキポール空港到着ロビーでも次のような被害が多発しています。
ア 列車の行き先を照会する,地図等をかざして話しかける,目の前でコインをばらまく,ホーム側から客車の窓を叩く等の行為により注意をそらされている隙に,別の者に金品を盗まれる。
イ 旅券等の入ったカバンを網棚にのせて,居眠りをしたり,景色に夢中になっている隙に盗まれる。
ウ 座席の下が後方座席と仕切られていない電車の車内で,足元に置いた荷物を後方座席の下から盗まれる。
エ プラットフォームや駅構内で,コートや上着にケチャップやアイスクリームが付いていると親切そうに話しかけられ,確認している隙に,肩から掛けていたり,手に持っていた荷物を一瞬の隙に盗まれる。
オ 電車等からの降車の際,カバンに入っている財布等を後方から盗まれる。
カ 空港到着ロビーで,ターンテーブルのスーツケースを自分が取る前に持ち去られる。
(2)ホテル,レストラン
ア 朝食会場で,食事や会話に夢中になっている隙に,足元やイスにおいた貴重品の入ったカバン等が盗まれる。
イ ビュッフェ形式の食事の際,貴重品の入ったバッグをイスやテーブルに置いたまま食事を取りに行き,その間にバック等が盗まれる。
ウ チェックインやチェックアウトの際に,スーツケースの上や荷物のカートに置いた貴重品の入ったカバンが盗まれる。
エ 従業員を装って室内の清掃や浴室の修理などと称して部屋に入り,バッグ等が持ち去される。
(3)その他
ア 観光名所での記念撮影中,足元やベンチに置いたカバンから貴重品を抜き取られたり,カバンごと持ち去さられる。
イ 私服警官を装った偽警官が「麻薬の取締り」と称する職務質問をし,旅券や財布の提示を要求等をして検査をする振りをして,巧みに紙幣数枚を抜き盗る。
ウ 睡眠薬強盗
 親切心を装った人物から英語や片言の日本語で話し掛けられ,缶ビールやビスケットを勧められ,それを飲食したところ,まもなくして意識がもうろうとし,その隙に所持金品を盗まれる。
(4)最近の被害例
ア 車上荒らし(レンタカー利用時も含む)
 車を公共駐車場に駐車したことに安心し旅券等貴重品の入ったカバンをトランクに入れたままにしたり,車内が見えにくい仕様のガラスであることに安心し貴重品を車内に残したりしたまま車を離れている隙に,窓ガラスを割られ,車内やトランクを開けられ貴重品が持ち去られる。
イ 観光地で地図を確認している最中,不用意に開けていたウェストポーチから一瞬のうちに財布,旅券等が盗まれる。
(5)警察への盗難届について
 警察へ盗難届を行う際,シェンゲン協定の規定によって盗難物品の購入証明,製造番号証明書を求められるケースがあり,所持していない場合は証明書の発給受け付けを断られます。例えば,高級腕時計(購入時にリファレンス番号等証明書の添付の有るもの)や高級宝飾品(例:腕輪,指輪)は領収書等が必要です。

4 防犯対策
 上記3の犯罪発生状況を踏まえながら,以下の防犯対策を参考に,自らの安全対策に万全を期すように心がけてください。万が一,被害に遭った際には,直ちに最寄りの警察に被害届を出してください。被害届に基づいて警察で発行される紛失証明・報告書は,保険会社への請求時に役立つ場合があります。また,旅券の盗難に遭った場合には,在オランダ日本国大使館に連絡してください。
(1)外出時に貴重品の入ったバッグ等所持品を持ち歩く場合には,必要最小限とし,荷物から目を離さず,また,常に身体から離さない。
(2)現金は必要最小限の額(取られても惜しくない程度)しか持ち歩かず,分散して持つ。また,クレジットカードや銀行カードとは別々に分けて持つ。
(3)万が一,カードの盗難に遭った場合に直ちにカード会社に連絡できるよう,カード番号,カード会社の連絡先を控えておく。
(4)突然,見知らぬ人が話し掛けてきたり,電車の窓ガラスをノックしてきた場合,注意をそらすことを目的としている可能性があるので注意する。
(5)ATM(現金自動預払機)を利用する場合には,暗証番号を盗み読みされないように背後に気を付ける。また,最近は暗証番号を入力する場所の上部に,背後から手元を確認できるよう鏡が据え付けられていたケースも報告されているので,暗証番号入力時には入力キーを隠しながら入力する。
(6)飲食物を勧められても,安易に口にしない。
(7)公共交通機関(列車,バス,トラム)の乗降口付近や連結部の人混みは,ひったくり,スリにねらわれやすい場所であることに注意し,貴重品等を入れたバッグは身体の前で抱えるなど,隙を作らない。
(8)ホテルにチェックインの際は,アタッシュケース等は足で挟んでいるつもりでも持ち去られる被害があるので,足下に置かずに,身体の前で抱えるか,アタッシュケースの上で宿泊カードの記入をする。
(9)ユースホステル,ボートハウスなど安価な宿泊施設は,防犯対策が不十分なことから,利用の際は十分な注意を心がける。
(10)ホテルのレストランやカフェ等では,ショルダーバッグ等の所持品を椅子の背もたれに掛けたまま,あるいは,椅子やテーブルの上に置いたまま席を離れない。
(11)駐車した車から短時間でも離れる場合には,カバン,貴重品は車内(トランクを含む)に置いたままにしない。
(12)万が一,強盗,ひったくりの被害に遭いそうになった場合は,抵抗しない。

5 犯罪多発地域
 主な犯罪の多発地域は以下のとおりです。
(1)アムステルダム中央駅及びその周辺,ダム広場周辺
 アムステルダム駅構内及び「Damrak通り」(同駅からダム広場の間),ダム広場東側の「飾り窓」地域は,観光スポットではありますが,麻薬の売人や浮浪者らがたむろしており,治安状況はは良くありません。特に夜間のひとり歩きは危険を伴いますので,近寄らない方が安全です。また,この地域での写真やビデオでの撮影は,トラブルに巻き込まれるおそれがあるので厳に慎んでください。
(2)スキポール空港(出発・到着ロビー,両替所付近,タクシー乗り場及び駐車場付近)
 空港到着直後の旅行者をねらった置き引き等の被害が散見されています。特に,カートの上に乗せているハンドバッグやアタッシュケースを盗まれるケースが多いので,常に身体から離さないよう心掛けるか,中に現金や旅券等の貴重品を入れないことをお勧めします。
(3)アムステルダム中央駅からダム広場付近,国立美術館,ゴッホ美術館付近のフォンデルパーク等の観光名所やアウトレットモール等の大型ショッピング施設
 旅行者や買い物客が多数集まる場所では,スリ,置き引きに加え,睡眠薬強盗も発生していますので,気を緩めないよう心掛けてください。

6 テロ
(1)現在まで,オランダ国内では大規模なテロ事件の発生はありませんが,イスラム過激派による国際テロの脅威は引き続き存在しており,オランダ政府は,国内でテロ攻撃が準備されている明確な兆候は見られないとしつつも,国内のテロ脅威度を5段階のうち上から2番目である「substantial(相当程度)」を維持しています。(2)これまでに,オランダにおいてテロによる日本人の被害は確認されていませんが,近年,シリア,チュニジア,バングラデシュにおいて日本人が殺害されるテロ事件が発生しています。また,テロは,日本人が数多く渡航する欧米やアジアをはじめとする世界中で発生しており,特に,近年では単独犯によるテロや,一般市民が多く集まる公共交通機関等(ソフトターゲット)を標的としたテロが頻発していることから,こうしたテロの発生を予測したり未然に防ぐことが益々困難となっています。
 このようにテロはどこでも起こり得ること及び日本人が標的となり得ることを十分に認識し,テロの被害に遭わないよう,海外安全ホームページや報道等により最新の治安情報の入手に努め,状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。(3)被害を最小限に食い止めるための予防措置として,レストランや大型店舗等の商業施設に出入りする際,あらかじめ非常口への避難経路や身を隠す場所の確認を習慣づける,また,不審者や不審物を見かけたら速やかにその場を離れるようにしてください。
(4)爆発音や銃撃音が聞こえた場合,その場に伏せるなど直ちに低い姿勢をとり,頑丈なものの陰に隠れ,周囲を確認して可能であれば,銃撃音等から離れるように低い姿勢を保ちつつ,速やかに安全な場所に退避してください。

○外務省 領事サービスセンター(海外安全担当)
電話:(外務省代表)03-3580-3311 (内線)2902
○外務省海外安全ホームページ:https://www.anzen.mofa.go.jp/

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