=-=-=-=-=-=-=-=

=-=-=-=-=-=-=-=
● 犯罪発生状況、防犯対策

1 犯罪発生状況
(1)概況
 ガーナは、西アフリカ諸国の中では、比較的治安の安定した国と言えますが、毎年多数の日本人を含む外国人が強盗や窃盗などの被害に遭っています。特に強盗の犯罪件数は、2019年にピークに達し、翌2020年には新型コロナウイルスによる外出規制の影響で一旦減少したものの、その後、再び増加の一途をたどっています。ガーナでは被害に遭っても警察へ届け出ないことも多く、また、現行犯逮捕以外での検挙も非常に少ないため、実際の発生件数は更に多いものと考えられます。

(2)強盗等
ア ガーナ警察当局は、繁華街や海岸において、夜間から早朝にかけての外国人の徒歩での移動を控えるよう注意喚起しています。銃器を使用した路上強盗、押し込み強盗、タクシー強盗等は、夕方以降に発生するケースが目立ちますが、最近では日中の人通りが多い場所での被害も報告されています。
イ ガーナにおける特徴的な犯罪である路上強盗は、徒歩での移動中に、バイクに乗った2人組の犯人が背後から近づいて、銃器やナイフ等で襲いかかり、ひるんだ隙に手荷物を奪うという手口です。
ウ 車両移動中に、進路を妨害し停車した車両を銃器で脅し、金品などを強奪する事案も報告されています。
エ 車両強盗の手口としては、道路上にスパイクベルトなどの突起物を仕掛け、タイヤをパンクさせ車両から降りてきたところを襲撃する例、親切を装い車両から煙が出ているなどと伝えた上で車を停車させ襲撃する例、フロントガラスに生卵を投げつけて正面が見えなくなったところで停車させ襲撃する例などが報告されています。
オ 首都アクラ市内の高級ホテルにおいて、深夜帯、強盗が外国人の滞在する部屋をノックし、ホテル従業員だと思い込んで扉を開けたところ、ナイフを突きつけられ現金とパスポートを奪われる事件も発生しています。

(3)窃盗(スリ、ひったくり)等
ア 場所を問わずスリや置き引きが発生しているほか、小型バス(通称「トロトロ」)や乗り合いタクシーでの被害も多く発生しています。また、最近では警備員が配置されているレストランやスーパーの駐車場における車上荒らしも増加しています。
イ 留守中や夜間就寝中に自宅またはホテルに忍び込まれて金品を盗まれる事例が報告されています。

(4)詐欺
ア 金やダイヤモンドの商取引
 ガーナでは、金やダイヤモンドの商取引を装った詐欺事件が多く発生しており、日本人を含む外国人の被害が多数報告されています。詐欺事件の多くは偽物を掴まされる手口で、中には偽造の証書を使うケースや送付前の金やダイヤモンドを空港内の保税倉庫で被害者に確認させるものまで、非常に大がかりな仕組みで詐欺行為が行われるケースもあります。また、様々な理由をつけてガーナへの訪問を求めて訪れた者に対し検討する時間がない状況で契約を結ばせる。拉致や監禁等暴力的行為に及ぶ例も報告されています。
イ 通称「419事件」(国際詐欺事件)
 日本人を含め外国人が被害者となる通称「419事件」(国際詐欺事件)が増加しています。「419事件」とは、インターネットや電子メールを利用して、アフリカ諸国の政府高官や政府関係者の名をかたり、様々な儲け話を持ちかけ、連絡を取り合ううちに「手数料」や「政府高官への賄賂」などの名目で「前渡し金」をだまし取ろうとする手口が特徴です。種類としては、マネーロンダリング型(資金洗浄型)、貿易取引型、入札型、遺産相続型、黒塗り紙幣洗浄型及び金保管型等が存在しています。相手を信用させるために見せ金をつくり、弁護士と称した人物を紹介するなど、年々手口も巧妙化しています。本件に関しての被害は詐欺だけにとどまらず、犯人グループによる拉致監禁・身代金要求といった凶悪犯罪にまで及ぶことがあります。
ウ 国際ロマンス詐欺
 インターネットや電子メールを利用した恋愛・結婚詐欺(いわゆる国際ロマンス詐欺)が増加しています。主な手口は、ガーナに滞在している外国籍の異性(被害者が男性の場合には外国籍の白人女性、被害者が女性の場合には米国籍の軍人など)を名乗り、写真を送りつけて信用させ、交際や結婚などといった話題で連絡を続け、最終的には日本への渡航費用や査証(ビザ)の取得に必要だとして数千米ドル(数十万円)の送金を要求し、送金した後は音信不通になるというものです。この場合、信用させるために日本の査証(ビザ)、航空券、パスポートなどを偽造し電子メールで送付するケースが多く、大規模な組織の犯行であると指摘されています。また、手口も多様化してきており、電子メールに限らず手紙で行われる場合もあります。相手の国籍も多様ですが、犯行グループの目的は金銭を詐取することにあり、振り込みや送金による詐取が困難と判断した場合には、被害者を現地に呼び寄せて身代金誘拐を行うといった手口の報告もあります。最近では、一度でも金銭を支払ったことのある被害者を複数回にわたって執拗に狙うという事例もあるので、十分に注意してください。
エ その他詐欺
 これら以外にも、商取引を装った詐欺が継続して発生しています。手口は様々ですが、日本にいる間に一定金額を支払わせた後、被害者をガーナへ呼び出し、高級車での送り迎えや、ガーナの役所の会議室などで打ち合わせを行うなど、巧妙な手口の犯罪が特徴です。ガーナでは、部外者が役所内の会議室を借りることも難しくはないため、役所の施設を使っているからといって安易に信用することなく、十分に注意してください。

2 防犯・安全対策
 犯罪被害に遭わないためには、日本より犯罪や事件に巻き込まれる可能性が高いことを意識し、「自分の身は自分で守る」との心構えを持ち、最新の治安情報収集に努める、危険な場所には近づかない、多額の現金・貴重品は持ち歩かない、見知らぬ人物を安易に信用せずに警戒するなど、常に防犯を意識した行動をとることが重要です。
(1)基本的対策
 ○多額の現金は持ち歩かない。
 ○貴重品は目立たないように肌身離さず携行する。
 ○手荷物を無造作に放置しない(基本的に体から離さない)。

(2)路上強盗等
 ○外出はできる限り車を利用する。
 ○徒歩で移動する際は、周囲の状況に細心の注意を払う。
 ○路上ではオートバイ等によるひったくりの危険があるので、バッグは必ず道路と反対側の手で持つ。
 ○万一強盗に遭遇した場合は、身の安全を最優先し、抵抗せずバッグから手を離す。
 ○ガーナでは性犯罪も多いため、特に女性の一人歩きには十分注意する。

(3)車両移動時の対策
 ○車中の見える場所に貴重品は置かない。
 ○運転中、乗車中は、窓を開けず、ドアは必ずロックする。
 ○アクラ近辺を含め、幹線道路の日没後から明け方までの運転は控える。
 ○幹線道路の走行にあたっては日中でも周囲への注意を怠らない。
 ○タクシーの相乗りはしない。

(4)ホテルや自宅における対策
 ○自宅・ホテルなどの出入り時は、周囲に気を配り不審者の有無を確認する。
 ○不在時は室内の窓・扉は必ず施錠する。
 ○ホテルの部屋に貴重品を放置しない。
 ○ホテルの部屋への来訪者には十分に注意する。
 ○外部と連絡の出来る通信機器を常時身につけておく。
 ○使用人を含む第三者に、不用意に行動を教えない。
 ○通勤・通学ルートを不定期に変更する。
 ○警備員の配置、番犬の配置、警備機器(監視カメラ)の設置、身辺警護などを検討する。

(5)詐欺対策
 ○自分の名前、住所、電話番号、家族構成、スケジュールなどは必要な相手以外には知られないよう注意する。
 ○Facebook、LINEやTikTokといったSNS上の個人情報の取り扱いに注意する。
 ○金やダイヤモンドなどの商取引は、高価値鉱物マーケティング公社(PMMC)を通じてアドバイスを得る。
 ○見知らぬ者からメールやSNS等で儲け話や恋愛・結婚話を持ちかけられた場合は、むやみに信用せず、返答しない。

3 テロ・誘拐
 外国人を対象とした誘拐が発生しています。アクラ市、クマシ市では、外交団関係者、民間人(外国人)の誘拐事件が発生しました。今後も外国人をターゲットとした誘拐事件が発生するおそれがあり、十分に注意する必要があります。
 ガーナにおけるテロ・誘拐については、テロ・誘拐情勢(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_096.html )をご確認ください。

4 ガーナにおける安全の手引き
 在ガーナ日本国大使館が在留邦人および旅行者向けに作成した「安全の手引き(https://www.gh.emb-japan.go.jp/files/000561045.pdf )」もご参照ください。


−−−−−−−−−−
トップページ
−−−−−−−−−−