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● 犯罪発生状況、防犯対策
1 犯罪発生状況
首都アディスアベバにおいては、物価上昇による生活苦や仕事に就けない若い世代の増加を背景として、犯罪の発生件数が毎年高い数値で推移しています。特に、強盗目的の侵入、スリや車上狙い等の窃盗は、外国人や富裕層だけではなく、一般市民も被害に遭っています。また、政治的要因による暴動や爆発事件なども発生しています。
2 主な犯罪と発生場所
(1)スリ等の窃盗
アディスアベバ全域の主要道路周辺、マスカル・スクエア周辺、ピアッサ等の繁華街、マルカート等の市場およびショッピングモール等の不特定多数の人が集まる場所や、乗合タクシー(以下、ミニバス)の停留所および車内において、昼夜を問わず、スリ等の犯罪が頻繁に発生しています。
また、地方都市や世界遺産等の観光地においても、同様の窃盗被害の発生が報告されています。
(2)強盗
早朝や夜間の人目につかない路地や街外れにおいて、複数名による棍棒等を使用した襲撃や首締め強盗が発生しています。
3 一般犯罪の主な手口
(1)スリ・置引き
ア 複数の子供が近づいてきて、うち1人が商品を並べた木箱や雑誌等を被害者の体に押し付け、別の者が木箱の下や反対側の死角から、ポケットやかばんの中の財布、スマートフォンを抜き取る。
イ ミニバスに乗車中、「ドアを押さえておいてくれ」などと頼んで被害者の注意を引き、その間にかばん等から財布を抜き取る。荷物から目を離した隙に盗む(置引き)。
ウ 徒歩で移動中の被害者とすれ違いざまに、口に含んだ液体若しくは唾を衣服にかける、突然手を引っ張る、しつこく話しかけるなどの手段で気を引き、その間に他の者が近づいてきて、ポケットから財布、スマートフォンを抜き取る。
エ 車両運転中に「タイヤがパンクしている」などと虚偽の言動で車両を停止させ、降車中に車載品を窃取する。
(2)強盗(首絞め強盗等)
早朝や夜間に、人通りの少ない路地や街外れにおいて、複数名で尾行や待ち伏せを行い、隙を見て被害者の首を後ろから羽交い締めにしたり、棒で殴打するなどの危害を加えて金品を強奪する。被害者が気を失うまで過剰に暴行するケースもあり、重傷を負うことや、死亡する例もある。
(3)ホテルにおける盗難・強盗
ホテル関係者が清掃時に、衣類や化粧品のほかパソコン等の貴重品を窃取する。また、ホテル関係者ではない者が、ホテル関係者を装ってドアを開けさせ、脅して金品を奪い取る。
(4)ミニバスにおける盗難
上記(1)イのほか、ミニバスの乗客全員が犯行グループの場合があり、窃盗におよんだ後、エンジントラブル等を装い停車し、被害者1人だけが下車させられ、犯人らはそのままミニバスで逃走する。
(5)詐欺
滞在ホテルの関係者や大使館員等の現地在住日本人の知り合いを名乗り、低料金でエチオピアのコーヒーセレモニーやダンスを見せる、安くておいしい現地料理の店を紹介するなどを口実に民家やレストラン、カフェ等に案内し、食後に法外な金額を請求する。気を許してトイレなどに立った隙に金品を窃取する。
最近では、法外な金額を請求されトラブルになったところに仲介役が現れ、相場より低い金額を旅行者に払わせトラブルを解決するものの、この仲介役が「もっといい店がある」と誘い、法外な金額を請求する店に連れて行くなどの組織的な犯行もみられる。
4 日本人の被害
(1)空港・ホテル等で声を掛けて近づいてきた人物が、タクシー運転手などを装ったうえ、偽の身分証明を示すなどして信用させ、観光案内を行い、法外な案内料を請求された。また、案内中に所持品を盗まれた。
(2)早朝、車両でアディスアベバ市内から地方へ向かう幹線道路を走行していたところ、銃器を所持した強盗集団に止められ、所持品を強奪された。
(3)夜間、アディスアベバ市内を徒歩移動していたところ、首絞め強盗に遭い意識を失った。その際に、所持品が強奪された。
(4)地方都市において物売りが近づいて来たため、汚い言葉を使い追い返したところ、その物売りが鈍器を持って引き返してきて、殴打された。
(5)車両走行中に牛・羊などの群れに遭遇し徐行した際、飼い主が急に車両前方に近づいて来て、車両に接触した素振りを見せ横転した。その後、警察へ届け出ない代わりにと金銭を要求すると同時に、車外に出て対応に当たっていたエチオピア人ドライバーが周囲の取り巻きに暴行を加えられた。
(6)ミニバスに乗車中、他の乗客が嘔吐したため脇道に停車した。その後、清掃のため一旦下車するよう促されたため下車したところ、ミニバスは走り去った。その際、既にスマートフォン等の貴重品が盗難されていた。
(7)日中、アディスアベバ市内を徒歩移動していたところ、しつこく話しかけてくる男をあしらっている隙に、かばんに入れていたスマートフォンを盗まれた。
5 防犯対策
(1)歩行中に複数の物売りが近づいてきたときは、接触は避け、物売りの人々に取り囲まれないようにする。
(2)スマートフォン、財布等の貴重品の携行には十分注意し、ながら歩き(歩行中の通話やスマートフォン操作およびイヤフォンを使用しての音楽鑑賞)は控える。
(3)夜間および早朝の外出は避け、移動の際は極力信用できるタクシーを利用する。
(4)詐欺や窃盗を企む人物は、親しげに話しかけ、親切にガイド役や案内役を申し出てくるが、相手にせず、観光ガイド等の相談は正規旅行代理店を利用する。
(5)ホテル滞在中、外出中に部屋内の貴重品が盗難被害に遭う可能性があることに留意し、貴重品およびパスポートの管理には十分注意する。在室中は必ず鍵とチェーンロックを掛け、不用意にドアを開けない。
(6)万が一強盗に遭った際は、身の安全を第一に考え、抵抗せずに犯人の指示に従う。
(7)やむを得ず徒歩で移動する際は、窃盗犯に狙われている可能性があることを常に念頭に置き、用心を怠らない。
6 テロ対策
近年エチオピアの地方では武装勢力による無差別攻撃が頻発しており、2019年3月に車両襲撃事件により日本人1名を含む5名が殺害される事件が発生しました。また、2019年9月および2020年11月には、アディスアベバにおけるテロ攻撃を計画したとして、イスラム系過激派が逮捕されています。
さらに、2023年6月には、国際テロ組織アルカイダがエチオピアでの聖戦を呼びかけるとともに、ソマリアのアルカイダ系組織アル・シャバーブを支持するよう、全世界のイスラム教徒に向けた声明を発出しています。
近年では、単独犯によるテロや一般市民が多く集まる公共交通機関等(ソフトターゲット)を標的としたテロが頻発するなど、テロの発生を予測し未然に防ぐことがますます困難となっています。
このように、テロはどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロの被害に遭わないよう、テロ・誘拐情勢(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_095.html )や報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。
*在留邦人向け安全の手引き
在エチオピア日本国大使館が在留邦人向けに作成した「安全の手引き:https://www.et.emb-japan.go.jp/files/100346232.pdf 」もご参照ください。
- ○外務省 領事サービスセンター(海外安全担当)
電話:(外務省代表)03-3580-3311 (内線)2902
- ○外務省海外安全ホームページ:https://www.anzen.mofa.go.jp/
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