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● 犯罪発生状況、防犯対策

1 一般情勢
 アンゴラの犯罪・事故発生状況は以下のとおりです。
(1)首都ルアンダ市を擁するルアンダ州は、アンゴラの中で最も人口が多い州であり、2022年国家統計局(INE)の人口予測では約900万人とされています。 この中には、内戦中または内戦終結後に流入した避難民や地方から仕事を求めて移り住んだ低所得者層が多く含まれており、これら貧困層が集まってスラム街を形成しています。このようなスラム街では、日中であっても強盗などの凶悪事件が発生していますので、決して近づかないでください。

(2)ルアンダを含む都市部においては、慢性的な渋滞が発生しています。この渋滞によって、停車や低速走行を余儀なくされている車および単独行動の歩行者等を標的とした強盗事件が多数報告されています。また、都市部では、強引な割り込み運転やスピード超過を行うドライバーが非常に多く、近年は二輪車両増加に伴い、二輪車両を利用した強盗犯罪や接触事故、すり抜け、逆走による交通事故が頻発しています。

(3)アンゴラでは、内戦中に数多くの地雷が埋設されるなどしており、現在も未撤去地雷(不発弾等)が地中に残されている可能性があります。特に地方での活動時や主要幹線道路以外の移動時等には、これら未撤去地雷等に対する注意が必要です。

2 基本的な注意事項
 アンゴラの都市部においては、現金や貴重品、スマートフォンを含む電子機器類を所持・操作しているところを強盗犯に狙われ、被害に遭う事例が多数報告されており、特に屋外での活動時には、日中・夜間問わず周囲への警戒が必要です。また、繁華街、スラム街、空港、路上、駐車場、スーパーマーケット、イベント会場等での、スリや置き引き、車上荒らし事案が多数見られます。
 アンゴラで発生する一般犯罪の特徴として、犯人側が複数、被害者側は単身(もしくは少数)であることが挙げられます。単身(もしくは少数)での行動中に犯人の標的となり、犯人から銃器・刃物等で脅迫され被害を受けるケースが目立ちます。特に徒歩で移動する際には、可能な限り複数名で行動するよう心掛けるとともに、移動には極力、車両を利用してください。
 さらに、空港や路上等で警察官等から金銭等の不当要求を受けるトラブルも発生しています。アンゴラでは、特に『強盗被害』や『金銭に絡むトラブル』に対する注意が必要です。
 また、アンゴラへ赴く際には、アンゴラの法制度、文化的背景、風俗習慣等の日本との違いに留意し、トラブルに巻き込まれないよう十分注意してください。

3 日本人の主な犯罪被害状況
(1)空港
ア 空港職員を自称する偽職員から、不当な金銭要求を受けた。
イ 受託手荷物としたスーツケースのロック部分が切断され、中身を荒らされた(アンゴラの国際空港から出発して、第三国に到着した際に発覚)。
ウ 到着した航空機内で降機待ちのため並んでいた際、背負っていたリュックサックから現金の入った封筒を盗まれた(入国審査時に発覚)。

(2)移動時
ア ルアンダ市内を徒歩で移動中、前方から接近したオートバイに乗った犯人グループから襲撃を受け負傷した。
イ ルアンダ市内を徒歩で移動中、暗い路地で突然後方から声をかけられ、所持していた荷物や携帯電話等を強奪された。
ウ ルアンダ市内の海岸沿いの遊歩道を徒歩で移動中、後方から犯人グループに押し倒され、所持していた荷物を強奪された。
エ ルアンダ市内のイベント会場周辺で人混みの中を通過する際、所持品を盗まれた。
オ 車両移動中、検問で警察官からパスポートの提示を求められたが、所持していなかったため、同警察官から罰金と称して不当な金銭要求を受けた。
カ 車両運転中、信号待ちしていた際、銃器を所持した犯人グループから襲撃され、負傷を伴う強盗被害に遭った。
キ 車両運転中、何者かに窓ガラスを破壊され、助手席に置いていた荷物を窃取された。
ク 地方都市からルアンダ市への車両移動中、駐車していた間に車内に保管していた鞄を窃取された。
ケ 空港で乗車した「白タク」に高額な料金を不当に請求された。
コ ルアンダ市内の海岸沿い有料駐車場を2時間ほど利用している間に車上荒らしにあい、グローブボックスに入れていた所持品を盗まれた。

(3)滞在時
ア ルアンダ市内の銀行で現金を引き出した後、徒歩で移動していたところ、ナイフと銃器を所持した犯人グループに襲撃され、負傷を伴う強盗被害に遭った(犯人グループはバイクで逃走)。
イ ルアンダ市内のレストラン駐車場で、財布を盗まれた。
ウ 住居で就寝中、侵入した強盗に現金および携帯電話、貴金属類を強奪された。なお、当該住居には警備員も配置されていたが、犯行を防ぐことは出来なかった。
エ 地方に所在する事務所兼住居に武装した強盗グループが侵入し、負傷を伴う強盗被害に遭った。
オ ルアンダ市内の海岸線の写真撮影をしていたところ、警察官に港湾施設を撮影しているとの嫌疑をかけられ、金銭の要求を受けるとともに、一時的に拘束された。
カ ルアンダ市内の宿舎ホテルを写真撮影していたところ、警察官に中央官庁を撮影しているとの嫌疑をかけられ、金銭の要求を受けるとともに、一時的に拘束された。
キ 空港周辺において、写真撮影をしていたところ、警察官に撮影禁止施設を撮影しているとの嫌疑をかけられ、一時的に拘束された。

4 トラブルに巻き込まれないための心構えと準備
(1)貴重品の分散所持
 華美な服装や目立つ所持品の携行は控え、貴重品(パスポート(原本)・現金・携帯電話等)は、分散して携行する等、被害発生時のリスク軽減を考慮した措置を予め講じておくことをおすすめします。また、万一の被害発生時における被害届の提出や保険請求等に備えて、予め貴重品リスト(クレジットカード番号等を含む)を作成しておくことも重要です。
 外出する際は、現地事情に詳しい人物と行動するなどして、可能な限り、単独行動を控えてください。また、常に周囲の状況には気を配り、警戒を緩めないようにしてください。

(2)外出時の移動手段等
 アンゴラにおいては、強盗事件が日常的に発生しており、犯行は夜間のみならず、日中の人通りがある場所においても発生するため、外出の際は徒歩による移動は極力避け、近距離でも可能な限り車両による移動を心掛けてください。また、単独での移動は控え、可能な限り現地治安事情に通じた知人等と複数名で行動するとともに、常に周囲の状況には気を配り、警戒を緩めないようにしてください。

(3)アンゴラ国内各州(地方部)への移動
 アンゴラ国内各州への移動については、犯罪の被害を回避するためにも空路の利用をおすすめします。やむを得ず陸路で移動する場合は、現地事情に通じたスタッフやガイド等に同行してもらうなどの安全対策を講じてください。また、劣悪な道路状況や交通規則を守らないドライバーによる事故や車両故障等のリスクが常に存在することを認識し、可能な限り複数の車両で移動してください。

(4)手荷物等の管理
 手荷物や保管荷物に対する強盗の標的とならないよう、「目立たない」行動をとることが極めて重要です。やむを得ず徒歩移動でリュックサック等を携行する場合は、背負わずに前に抱きかかえるようにしてください。レストラン等では、敷地外に直接面している屋外スペースを避けることや店舗の出入口から離れた個室を選ぶことによって、ひったくりや置き引きに対する一定の防犯効果が期待できます。
 手荷物(リュックサックや鞄類)は、安易に隣の椅子の上に置いたり、背もたれにかけたりせず、常に自分の視界に入る場所に置くように心掛けてください。財布や携帯電話等の貴重品は常に身につけておくことが肝要です。また、椅子の背もたれに上着をかける場合は、ポケットに貴重品を入れたままにしないよう注意してください。

(5)タクシー利用時の注意事項
 空港周辺や都市部の一部路上等において、無許可営業を行っているタクシー(いわゆる白タク)がありますが、これら車両の利用は無用なトラブルの原因となりますので、利用しないでください。正式な営業許可を得ているタクシー会社の車両を利用する場合においても事前に料金交渉を行い、トラブルの発生防止に努めてください。
 また、最近ではタクシーサービスを提供するアプリ(「HEETCH」など)もあります。一般的なタクシーと比較して安全性は高いものの、不慣れな方は夜間等の利用は極力避けることをおすすめします。
 乗り合いタクシーは、車内で置き引きやスリ、乗り合いタクシーを標的にした強盗事件も発生していますので利用はおすすめしません。

(6)車両利用時の注意事項
 車両乗降時や渋滞中の低速走行時、また停車中等を狙った強盗被害が発生しています。車両乗車後は、速やかに全てのドアを施錠するとともに、窓は極力開けないようにしてください。また、乗車中に車外から物売りに話しかけられたり、明らかに不当な停車命令を受けるなどした際は、安易に停車に応じたり、窓を開放したりせず、現場から速やかに安全な場所まで移動してください。

(7)車上狙い(荒し)対策
 車から離れるときは、車外から見える場所に物品を放置しないことは重要ですが、過去には、トランクをこじ開けられる事例や、ドアの鍵穴を工具で開け、グローブボックスの中の所持品を盗まれる事例も発生しているため、貴重品は車内に残さないよう心掛けてください。また、アンゴラ都市部では、路上駐車が常態化していますが、盗難被害を避けるためにも、管理人や警備員が配置されている駐車場を利用してください。

(8)滞在先(ホテル等)での注意事項
 ホテルを利用する際は、セキュリティ対策が厳格に行われている施設を選定することが重要です。
 また、滞在中、貴重品類は室内のセーフティボックスに保管するよう心掛けてください。ただし、セーフティボックスも絶対に安全というわけではありません。真に貴重なものは、周囲の状況に注意しつつ携行するようにしてください。また、ドアを開ける場合は、ドアスコープ等により相手を確認した上で、チェーンロックをかけたままドアを開けてください。
 また、見知らぬ人や心当たりがない人が来訪してきた場合は、絶対にドアを開放せず、速やかに管理人やフロントに照会するなどしてください。

5 トラブルに遭遇したら
(1)何らかの事故または犯罪被害に遭うなどトラブルに巻き込まれた場合は、ご自身の身を守ることを最優先に行動してください。また、可能な限り速やかにアンゴラ警察へ被害を届け出てください。万一、強盗犯と対峙してしまった場合は、相手が凶器を所持している可能性もあるため、身の安全を第一に考え、絶対に抵抗しないでください。

(2)アンゴラでは事故や事件の発生現場に警察官が到着するまでに、数時間を要することも珍しくありません。もしも事案発生現場の治安状況が悪化するような兆しがある場合には、躊躇せず現場から安全な場所まで移動してください。

(3)不幸にも実際に被害を受けた場合、または被害を受けた日本人の情報がある場合には、ご自身の安全を確保した上で、速やかに在アンゴラ日本国大使館に連絡してください。

6 テロ・誘拐については、「テロ・誘拐情勢」(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_092.html )をご確認ください。

7 在留邦人向け安全の手引き
 在アンゴラ日本国大使館が在留邦人向けに作成した「安全の手引き」(https://www.angola.emb-japan.go.jp/files/100425999.pdf )もご参照ください。


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