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● 犯罪発生状況、防犯対策

1. 犯罪発生状況
(1)犯罪発生件数
 2018年のパプアニューギニア(以下「PNG」という。)における犯罪発生件数は以下のとおりです。ほぼ全ての項目で2017年に比べ2018年の犯罪件数が大幅に増加しており、注意が必要です。
 犯罪発生件数総数4,417件のうち、1,455件(約33%)が首都特別区で発生しているため、ポートモレスビー市内を含む同区内での行動には十分注意する必要があります。
※犯罪の種類:発生件数/逮捕件数(2018年)
 殺人: 343/225
 性犯罪: 720/294
 強盗: 377/240
 カージャック、車両盗難: 250/45
 家宅、店舗等侵入: 373/87
 スリ: 708/233
 詐欺: 234/107
 暴行: 870/256
 銃刀法違反: 47/41
 薬物: 49/53
 留置場脱走、脱獄: 60/33
 放火: 219/60
 誘拐: 143/23
 賄賂: 3/3
 合計: 4,417/1,717

(2)最近の犯罪発生傾向
ア PNGでは依然として失業者や生活困窮者が多く、これら困窮者や失業した若者グループによる金品強奪を目的とした犯罪が頻発しています。犯行の手口は、若者が「ラスカル」と呼ばれるひとつのグループとなって、蛮刀、ナイフ、銃または手製銃などを使用し犯行を行うことが多く見られます。また、首都特別区及び主要都市部では物価の高騰が進行しており、一方で失業者や不法居住区の数が増加しているため、これらの者が犯罪を行うという悪循環が生じています。

イ PNGでは、男尊女卑の風潮が強く見られるとされており、性犯罪の増加が改善されておらず、PNG社会に深刻な影響を与えています。

ウ 市民の安全を守るべきPNG警察機構は、人員不足や予算不足等の理由で十分に機能しておらず、犯罪者の検挙率は極めて低いため、犯罪の抑止を期待できない状況です。さらに、各地で頻繁に脱獄事件が発生しており、脱獄犯が再び犯行を繰り返しています。

(3)主要都市・地域別の状況
ア 首都ポートモレスビー市
 首都ポートモレスビー市は、スリやひったくり等の一般犯罪のほか、婦女暴行、「ラスカル」による強盗、武器等を用いた車両強奪といった凶悪犯罪も昼夜を問わず発生しています。また、セトルメントと呼ばれる不法居住地域が、市内数十箇所に分散しており、同居住者による犯罪が増加しています。

イ ハイランド地方(西、南、東ハイランド州、ジワカ州、ヘラ州、エンガ州及びチンブ州の計7州)                        
 ハイランド地方では、部族間の衝突が頻発しており、長期間に及ぶ部族対立が続いている地域もあります。このような部族対立や金銭等の収奪を目的として、道路上に大木や岩が意図的に置かれ、道路が遮断されることがあります。
(ア)南ハイランド州
 2017年に実施された国政選挙の選挙違反の申立てが却下されたことを不服とする住民が、2018年6月に南ハイランド州の州都メンディにおいて、空港に侵入して航空機を全焼させた他、知事自宅、メンディ裁判所に放火したため、同地域に対し非常事態宣言が発令されました。また、この地域では暴動や部族衝突も発生していますので巻き込まれないように注意してください。
(イ)ヘラ州
 ヘラ州タリ市周辺では、強盗や婦女暴行などの犯罪が多く発生していることに加え、暴動や部族衝突も発生していますので、巻き込まれないように注意してください。

ウ モロベ州
 モロベ州レイ市はPNG第2の都市として発展していますが、強盗や婦女暴行などの犯罪が多く発生しています。また、この地域では暴動や部族衝突に巻き込まれないように注意してください。

2.日本人の被害例
 近年の主な事例は次のとおりです。
(1)2017年12月初旬、ANZ銀行ハーバーシティ支店において、在留邦人が多額の業務用現金(200万円相当)を銀行窓口で引き出し、車に乗ったところを4人組のラスカルが、1名は助手席に、3名は邦人を挟み込むようにして後部座席に乗り込み、いきなり左太ももにナイフを突き刺す等して重傷を負わせた。同邦人の運転手はラスカルに車を動かすよう命じられて5分ほど走行したところで停止させられ、同邦人は現金や運転免許証等の入ったバックを盗まれた。その後、ラスカルはタクシーで逃走した。

(2)2018年8月下旬午後5時頃、西ニューブリテン州キンベ市内の幹線道路沿いのスーパーマーケットにて、在留邦人が2人組のラスカルによる強盗被害に遭った。1人の男が銃を構えながら、邦人に持っていたバックを渡すように脅し、もう1人の男が荷物を奪って逃走した。

(3)2018年9月上旬午前8時頃、在留邦人が勤務する国際NGO事務所で強盗事件が発生した。武装したラスカル3人組がポートモレスビー市内にある同事務所に押し入り、付近にいた所員に経理担当職員を名指しし、その職員の元へ連れて行くよう命じ、現金や携帯電話などを奪い逃走した(被害額未確定)。

(4)2019年3月下旬、 ポートモレスビー市内のホテルで長期滞在中の邦人のクレジットカードをホテルの従業員が部屋から持ち出し、150万円相当を不正利用した事件が発生した。犯人はカードを不正に利用した後、密かに財布に戻していたため、被害者は気付かなかったが、カード会社からの通報により事件が発覚した。

(5)2019年4月上旬、在留邦人がポートモレスビー市内のホテルから車で帰宅する途中、赤信号で停車中に10数人のストリート・チルドレンに取り囲まれ、金品を要求された。邦人が無視していると、彼らは一旦車から離れたが、その直後に腹いせに車に目掛けて投石を始めた。車体に凹み傷が多数付いたが、幸いなことにガラス窓には当たらず、邦人にも怪我はなかった。

(6)2019年5月上旬、在留邦人がタウン地区を自家用車で走行中、路肩にいた警察官に停車を命ぜられ、違反金100キナ(約3千円相当)を不当に要求された。邦人は警察官の行為を不当に思い、やり取りしたが埒が明かず、やむなく30キナ(約900円相当)をその場で支払い、放免された。

(7)2019年10月中旬午後11時頃、東ニューブリテン州にある日系企業の事務所にブッシュナイフや銃で武装した複数人の強盗が侵入した。武器でガードマンを脅し、金庫の設置場所に誘導させた後、金庫室のドアをこじ開け、現金5,900キナ(約20万円相当)を奪って逃走した。

(8)2019年10月中旬、 東ニューブリテン州に出張に来た邦人が滞在先のホテルのレストランで食事中、邦人の居室へ何者かが侵入し、現金や貴重品が盗み出された。犯人は邦人が利用していた部屋のルームキーを所持していた部外者であった。

3.犯罪被害危険地域
 PNGには安全と言い切れる場所はなく、場所・昼夜を問わず犯罪が発生しているため、常に安全に対する細心の注意が必要です。

4.防犯対策
 防犯対策は次のとおりです。
(1)PNGでは、日中であっても、単独で行動する場合は犯罪被害に遭う危険性が低くはありません。特に、単独での徒歩による行動は大変危険ですので、常に車両を利用してください。性犯罪も多発していることから、特に女性の単独行動は避けてください。

(2)現地の人々が利用するPMV(乗り合いバス)やタクシーなどの公共交通機関は、信頼性や治安上の観点から利用を避けてください。PNGを訪れる際には、信頼できる旅行会社や現地の関係者等を通じて車両等を事前手配する、旅行中は現地事情に通じた者に同行してもらう等の安全対策を心がけ、単独行動はできるだけ避けてください。

(3)屋外マーケットでは武装集団による強盗事件が発生しています。カメラ等を含め、貴重品を持ち歩く際は、周囲に十分警戒して行動してください。外出の際は旅券等貴重品を持ち歩かず、最小限の現金を持参し、残りの貴重品はホテルのセーフティーボックス等の安全な場所に保管しておくようお勧めします。

(4)いわゆるバックパック旅行といわれる個人手配旅行者に適した宿泊施設はありません。宿泊に際しては、信頼のおける警備がしっかりしているホテルをお勧めします。ただし、このようなホテルであっても必ずしも安全とは言えませんので、確実に施錠し、来訪者のためドアを開ける時には、開ける前に必ず相手を確認する等の注意が必要です。

(5)PNGの人々は、自分たちの故郷や部族に対する帰属意識が極めて高く、社会通念よりも故郷の掟に従い行動することがあります。そのため、部族闘争に起因する予測不可能なトラブル、また、それに対する報復行動が起こることがあります。その際、当事者とは関係のない者まで巻き添えになった挙げ句、不当な金銭要求が突きつけられることもありますので、滞在中の言動に注意する必要があります。

(6)現金や貴重品を人目にさらしたり、車内等に所持品を放置したりすることは、犯罪を誘発するので避けてください。また、PNGにはチップの習慣はなく、安易に現金を渡すと、たかりや襲撃の対象となりやすいので、たとえ親切心からでもチップを渡すことは避けてください。

(7)外出する際には、なるべく目立たないような服装を心掛けてください。また、バッグ類はひったくりに狙われやすいので、携行する際には十分注意してください。なお、万一、犯罪に遭遇したり、事件に巻き込まれたりした場合には、身体を守るため、金品などの所持品を奪われても抵抗しないようにしてください。

(8)住居などのゲート前において車両が停車したところを、複数犯に襲撃される事件が発生しています。また、投石、路上への障害物(大木やガラスの破片等)の設置、道路横断者を装う等の手口により、車両を停車させて襲撃してくるケースがあるため、十分注意して運転してください。

(9)警察官になりすました犯人による事件が発生していることから、警察官の制服を着ている者に話しかけられても身分証の提示を求めつつ、近くの警察署まで移動した上で話を聞くといった対応が必要です。また、真正の警察官であっても飲酒をしながら検問をする、言いがかりをつけ金品を要求する等の報告も多くなっていますので、上述と同様に対応してください。

(10)休暇や出張で長期不在とする場合だけでなく、日常の買い物といった短時間の外出でも、空き巣被害が発生しているため、戸締まりには十分注意してください。特に使用人等の内部の者による犯行と疑われる事件も発生しているため油断は禁物です。

(11)渡航先の治安状況について、渡航前に最新の情報を訪問先や日本国大使館に確認してください。また、渡航の際は、現地で信頼のおける旅行業者を利用し、安全対策に十分配慮してください。

5. テロによる日本人の被害は、シリアやアフガニスタンといった渡航中止勧告や退避勧告が発出されている国・地域に限りません。テロは、日本人が数多く渡航する欧米やアジアをはじめとする世界中で発生しており、これまでもチュニジア、ベルギー、バングラデシュ、スリランカ等においてテロによる日本人の被害が確認されています。
 近年では、単独犯によるテロや一般市民が多く集まる公共交通機関等(ソフトターゲット)を標的としたテロが頻発するなど、テロの発生を予測し未然に防ぐことがますます困難となっています。
 このように、テロはどこでも起こり得ること、日本人も標的となり得ることを十分に認識し、テロの被害に遭わないよう、海外安全ホームページや報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。

○外務省 領事サービスセンター(海外安全担当)
電話:(外務省代表)03-3580-3311 (内線)2902
○外務省海外安全ホームページ:https://www.anzen.mofa.go.jp/

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