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● 犯罪発生状況、防犯対策

 オーストラリアは比較的治安の良い国と思われがちですが,日本と比較すると一般犯罪が非常に多く発生しており,慎重な行動が求められます。特に近年では,テロ事件等も発生しており,十分な安全対策が必要です。また,オーストラリアで,保護の対象となっている昆虫や爬虫類等を軽い気持ちで国外に持ち出そうとして罪に問われる事例も報告されています。そのような事態を避けるためには,現地事情についての十分な知識と準備が必要です。

1.地域別の犯罪発生状況と日本人被害例
【キャンベラ首都特別地域(ACT)】
 ACTは豪州全体と比較して,犯罪発生率は全般的に低い数値となっておりますが,日本と比較すると,罪種により犯罪発生率が日本のおよそ2倍から25倍近くを推移しており,決して安全であるとは言えません。特に窃盗(自動車盗難及び車上荒らし含む),暴行傷害,次いで家宅侵入の発生率が高くなっています。また,最近では,若者による飲酒に起因した傷害事件が繁華街で多発している他,ACT内には複数のギャンググループが存在し,凶悪なギャング同士の抗争が時折発生しているため,危険な場所に近寄らない,夜遅くに外を出歩かない等,事件に巻き込まれないよう十分注意が必要です。
[日本人被害例]
(自動車盗難)
 独立家屋のガレージ内に駐車する2台のうち1台が,ガレージの中から盗まれており,リモコン式のガレージの扉はこじ開けられることなく,手動に切り替えられていた。
(車上荒らし)
 アパート駐車場で約10台の車が車上荒らしに遭い,邦人の車も助手席窓ガラスが外枠沿いに切り取られ車内のカーナビなどが窃取された。(午前8時頃に認知)
(家宅侵入)
 セキュリティ対策を施したアパート3階部分において留守中に邦人宅のドアがこじ開けられ,室内を荒らされた上,貴金属やOA機器が盗まれた。(外出から帰宅した際に認知)
 
【ニューサウスウェールズ(NSW)州】
 NSW州犯罪統計局の最新の発表によれば,NSW州内の17の主要罪種のうち,強制わいせつを除く罪種においては発生件数が横這い又は減少傾向にあります。しかし,全体の犯罪発生率は日本と比べて極めて高く,特に暴行・傷害事件は日本の数十倍の発生率となっています。
 主要17罪種以外では,禁止薬物の使用・所持等の犯罪が増加,特にコカインの使用・所持による検挙者は,2017年末までの2年間の統計で43%増加しています。
 地域別の各種犯罪の発生件数は,シドニー及びその近郊のエリアでの犯罪発生件数が他のNSW州の地域に比べて格段に高く,シドニー圏内では,キングスクロス地区・チャイナタウン地区等の繁華街を中心としたシドニーCBD(中心商業地区)とシドニーから南西の郊外にかけての郊外地区で各種犯罪発生件数が際だって高くなっています。
 また,依然として日本人観光客が被害となる盗難,ひったくり,置き引き等の事件が多発しています。特に,観光客の集まるロックス,オペラハウス,ダーリングハーバー周辺でのすりや置き引きが多発しているため,人混みの中では決して自分の荷物から目を離さないでください。キングスクロスやセントラル駅周辺等,深夜営業のパブが多い繁華街では,週末の深夜帯には若者たちによる飲酒にからんだ暴力事件が多発しています。不必要に深夜まで出歩くなどして,トラブルに巻き込まれることのないようにしてください。
 また,バックパッカー向けホテルや複数で同居するシェアルームでの盗難や,宿泊料・部屋割りなどに関しても詐欺まがいのトラブルも多く発生しています。
[日本人被害例]
(強 盗)
・昼間時間帯,シドニー西部に位置するショッピングセンターのトイレにおいて,中東系の男性4名に取り囲まれて所持していた財布を強奪された。
・午前4時頃,セントラル駅前のベンチに座っていたところ数人の若者に取り囲まれ鞄を強奪された。
(盗 難)
・シドニー市内のレストランで食事をしていたところ,隣の席に置いていた旅券入りカバンを盗まれた。
・深夜時間帯にシドニー市内のパブで飲酒中,床においていたカバンを盗まれた。
・シドニー市郊外の自宅において,留守中に裏口のドアの鍵が壊されて,室内から旅券と貴重品を盗まれた。
・シドニー郊外の自宅において,留守中にリビングの窓を壊されて,大型テレビを盗まれた。
・バックパッカー用ホテルに宿泊していたところ,シャワーを浴びている間に,施錠を忘れた貴重品ロッカーに入れていた財布の現金を盗まれた。

【北部準州(NT)】
 北部準州における犯罪の発生件数は,殺人等の凶悪犯や暴行・傷害事件、窃盗事件共に過去5年間ほぼ横這い状態です。この地域における犯罪の特徴は,アボリジニコミュニティ内での飲酒の上での暴行・傷害事件が主であり,観光客等に影響が及ぶことはほとんどありませんが,無用なトラブルを避けるため,不必要な夜間の外出は避けてください。
 
【ビクトリア(VIC)州】
 犯罪の発生は,都市圏であるメルボルンに集中している状況です。
 体感治安は日本と同程度で,スラム街等の特定の危険地区もありませんが,人口10万人当たりの犯罪発生率を日本と比較した場合,ほとんどの罪種で日本を上回っていることから,夜間を中心に注意が必要です。
 2001年以降減少傾向であった犯罪発生件数は2010年〜2011年度に増加に転じ,その後も続きました。しかし、2018年3月末の統計では,対人犯罪で0.9%増加(性犯罪が13.4%の増加)したものの,全体では減少傾向(所有物及び詐欺犯罪が12.3%。薬物犯罪が6.8%それぞれ減少)となりました。
[日本人被害例]
 邦人が被害者となる事件で最も多いのは,置き引きやスリなどの窃盗被害です。中でもレストランやカフェで食事中にカバンを盗まれるケースが多く発生しています。また,トラムの中や買い物中にカバンに入れておいた財布を盗まれるスリ被害や,メルボルン郊外で空き巣被害の報告が増加傾向にあります。
 その他,ワーキング・ホリデーの若者を中心に賃金や家賃のトラブルが絶えません。
 最近では、インターネットを介した振り込み詐欺や賃貸物件を巡る被害が多く報告されていますので,安易な送金をしないよう注意が必要です。
 また,バス停でバスを待っている間に暴行を受ける被害が複数件報告されているので,特に一人で待っている場合,気を付ける必要があります。

【南オーストラリア(SA)州】
 治安は安定していますが,州都アデレードとその周辺では,路上強盗,自動車盗,店舗への押し込み強盗,ATMでのひったくり等の発生がみられます。
また,最近の犯罪統計(2017年6月〜2018年6月まで)によると,強盗・恐喝・脅迫及び住居侵入犯罪件数は減少しているものの,引き続き犯罪件数は多く,性的暴行及び窃盗犯罪件数は前年度から増加しており注意が必要です。
 特に夜間,人通りの少ない場所は避ける等,一般的な注意が必要です。また,アデレードの繁華街であるHindley St.及びその周辺は,週末の夜間になると多くの人が集まることから飲酒によるトラブルや粗暴な行為などがみられることから,注意が必要です。
[日本人被害例]
 過去の邦人被害の事件としては,女子留学生が行きずりの男に殺害された事件や,アデレード市内中心部で昼間,公園で読書中の男子留学生が2人組の男に頭を殴られ,カバンを奪われる強盗事件など凶悪犯罪の被害も発生しています。
 また,全体的にアデレードは夜間の人通りが少ないことから,夜遅くの一人歩きは注意が必要です。

【タスマニア(TAS)州】
 タスマニア州においては,1996年のポートアーサーでの銃乱射事件以降,これまでに重大な事件の発生は少なく治安は安定しています。
 ホバート等の人口の多い街では,ショッピングセンターなどの駐車場での車上荒らし,ひったくり,侵入窃盗,夜間の市街地での器物損壊などの発生がみられます。
 また,過去に邦人の交通死亡事故が発生しており,自動車の運転には十分な注意が必要です。
[日本人被害例]
 邦人女性に対する強制わいせつや強姦未遂等が発生しているほか,邦人男性に対する傷害事件やひったくり事件が発生していることから注意が必要です。最近では、自宅で休息中に施錠していない玄関から侵入された暴行・強盗事件が発生しているので,在宅中でも施錠が必要です。

【クイーンズランド(QLD)州】
 クイーンズランド州の治安は安定していますが,同州警察本部が発表した犯罪件数(2018年1月から9月までの間に認知した件数)を基に,QLD州と日本の人口10万人当たりの犯罪発生率を比較した場合,殺人は約2.67倍,強盗は約21.64倍,強姦は約40.16倍,窃盗は約5.46倍,暴行傷害は約10.92倍の割合で発生しており,日本の犯罪発生率と比較すると高いことが分かります。
[日本人被害例]
(路上強盗)
 夜間,バンダバーグ駅付近の歩道橋を歩行中の邦人女性が,突然後方から突き飛ばされ顔面等を負傷し,所持品を全て奪われる,また,夜間,ブリスベン市中心部の公園で邦人が複数の男に取り囲まれ,顔面を殴られた上,所持品を強奪される等の事件も発生しており、夜間の不要不急の外出や1人歩きは極力控えるなど注意が必要です。
(窃盗)
 侵入窃盗,車上狙い,すり,ひったくり,置き引き等,様々な形態での窃盗被害が発生しており,旅券や現金等を盗まれる邦人の方も少なくありません。特に,飲食店で食事を取りに席を離れた際,椅子の背もたれ等に掛けていたバッグを盗まれるケースやナイトクラブやビーチ等で置き引き等に遭う被害が発生していますので,一人の場合は必要最小限の品物を携行し、身体から離さないよう心がけてください。
 また,ブリスベン及びゴールドコーストでは,自動車の盗難被害が多発していますので,可能な限り防犯設備の整った安全な場所に駐車するとともに,車内には貴重品を置かず,鍵の管理には十分注意して下さい。

【西オーストラリア(WA)州】
 路上強盗,家屋侵入(空き巣),車上荒らしが発生しています。路上強盗は,以前は鉄道駅からの帰宅途中や,繁華街周辺で主に夜間発生していましたが,日中の路上やショッピングモール等,いつでもどこでも発生する傾向にあります。車上荒らしは,公園,サーフィンや海水浴中,観光地,遊園地などで多発しています。最近では繁華街における飲酒や薬物絡みの暴行傷害事件が多発していますので,巻き込まれないよう注意が必要です。
 ほかにはシェアハウスのボンド(敷金)返却を巡るトラブルも頻発しています。シェアハウス入居の際は,オーナーとの間で文書による契約を交わすこと,及び支払ったボンドの領収書を発行してもらうこと,そしてそれらを保管しておくことが大切です。
 また,ドメスティックバイオレンス(DV)の被害も増加しています。万一,配偶者やパートナーからのDVを受けた場合は早めに関係機関へ相談してください。
[日本人被害例]
(強盗)
 2018年10月中旬パース市北部近郊のショッピングセンターでショッピングカートに荷物と鞄を入れていたが,気が付いたら財布,クレジットカード2枚,デビットカード1枚,現金70ドルが入った鞄がなくなっていた。
(車上荒らし)
 当地在留邦人が自家用車をキングスパーク内の駐車場に停めていたところ,窓ガラスを割られ,車内から旅券,電子辞書等が入ったバッグを盗まれるなど,パース中心部のキングスパーク内駐車場において,車上荒らしが多発しています。
(家宅侵入)
 パース市北部近郊で夜間在宅中の家に押し入られ,現金や車の鍵等を盗まれた。犯人は盗んだ車の鍵で,翌日車を盗みに来たが,バッテリーを外していたために車は盗られなかったが,翌々日,家の窓際にあったものを盗まれた。(全て同一犯と思われますが,防犯カメラに映像が写っているものの,犯人の特定には至っていません。)

2.主な犯罪と防犯対策
 実際に頻発している犯罪や,発生する可能性が高いと思われる犯罪別の注意事項は以下のとおりです。

[空港,ホテル等における置き引き]
○ チェックインやチェックアウト,荷物の入れ換えの際等に携行品に対する注意や警戒を怠らない。
○ カバン等を床やカウンター上に置いたまま,手続きに没頭しない。

[繁華街の路上や人込みでのスリ,ひったくり等]
○ 外出に際しては,できるだけパスポート(旅券)及び航空券,多額の現金や貴重品を持ち歩かない。
○ やむを得ずパスポートや航空券等を持ち歩く場合も数か所に分散して身に着ける。
○ なるべく車道から離れて歩き,携帯品等は車道側に持たない。
○ バッグ等は体の前面で片手あるいは両手を添えて保持する。
○ 人前で不用意に財布を出し入れしない。
○ 不意に話しかけられても,持ち物から注意をそらさない。
○ クレジットカードで支払をする際は,伝票の金額を必ず確認してから署名し,領収書を必ず受け取って決済が終わるまで保管する。

[飲食店での置き引き]
○ 食事を取りに行く際,同行者がいる場合は必ず誰かが席に残る。
○ やむを得ず一人で食事を取りに行く場合でも,席を離れる際は必ず貴重品を持って移動する。
○ 食事中でも,椅子の背もたれに貴重品や財布の入った上着やバッグ等を掛けたままにしない。

[ビーチでの置き引き等]
○ 所持品を浜辺や車の中に置いたままで海水浴をしない。
○ 特に,車でサーフィンや海水浴に行く際には,車内の見えるところにカバン等を放置したまま車を離れない。

[ゴルフ場での盗難]
○ ゴルフプレー中,ゴルフバッグのサイドポケットには貴重品を入れない(カートにおいてあるバッグから目を離したすきに盗まれるケースが発生しています)。

[車上荒らし]
○ 車内(トランクの中も含む)は安全と考えるのは間違いであると認識し,特に,車外から見える場所にカバンや荷物を放置して車から離れない。
○ 路上駐車は,たとえパーキングメーターのある場所でもできる限り避ける(路上駐車は,誰かが車に近寄り,車から物を運び出していても,一見して不審とは見られないため危険)。
○ 給油ステーション等で,ほんの数十秒車を離れた間に盗難が起こった例もあるので注意する。

[車の盗難]
○ 車を駐車する際は,出入りが限定された,管理人が常駐する駐車場を可能な限り利用する。
○ 管理人が常駐する駐車場に駐車する場合も,できる限り管理人室から見える場所を選んで駐車する。
○ 警報装置やハンドルロック等の追加的な防犯手段の導入も検討する。

[女性に対する暴行]
○ 夜間の一人歩きは避ける(短い距離でも,タクシー等の移動手段を考える)。
○ たとえ昼間でも,人通りのない場所への立入りは,十分注意する。
○ 知り合いに対してでも,拒絶する場合ははっきり「No」と意思表示する(甘言につられて住宅や室内に連れ込まれ性的被害に遭った事例もあります)。

[ヒッチハイクでの強盗]
○ 見知らぬ人の車に同乗しない。
○ 見知らぬ人を同乗させない。

[長距離バスや列車内での犯罪]
○ 車内では,貴重品を放置しない。
○ 夜行便を利用する場合,所持品の管理には特に注意する(眠れないからといって睡眠薬やアルコールを摂取することは危険。友人等の同行者がいる場合は睡眠を交互にとり,常にどちらかが荷物の見張りをすることも必要)。

[ホテルでの盗難等]
○ 貴重品は室内にある金庫あるいはホテルのセーフティボックスに保管する(但し,ホテルのセーフティボックスに保管中の盗難も皆無ではなく,ホテルの管理体制に問題があると思われる場合は,自ら管理せざるを得ない場合もある)。
○ 部屋に残すスーツケース等は,必ず複数の鍵をかける。
○ ロビーや人前で自分の部屋番号や行動予定をあまり話さない。
○ 客室内にいるときは,必ずドアを施錠してドアチェーンを掛けておき,来訪者があった場合は,まずドアを閉めたまま対応し,次にドアチェーンを掛けたまま扉を半開きにし,相手を確認する。
○ 外から帰ってきた際は,不審な者が尾行していないか,あるいは部屋の付近に見知らぬ人がいないか注意し,不審な人物がいる場合は部屋へ入らずにフロントに連絡する。

[バックパッカー向けの宿泊施設での盗難]
○ 比較的廉価な宿泊施設では,貴重品はいかなる時も身に着ける。
○ 貴重品はたとえシャワー中でもシャワー室内の手の届く範囲で常時見える場所に置いておく。
○ 部屋を空ける際はほんの数分でも必ず鍵を掛け,貴重品は肌身離さずに持ち歩く。
○ ドミトリー形式で他人と相部屋になる場合は,特に所持品や貴重品の保管に注意する。

[テロについて]
 これまでに,オーストラリアにおいてテロ事件による日本人の被害は確認されていませんが,2018年11月及び2017年6月にメルボルンで発生したテロ事件では死傷者が出ています。オーストラリア連邦政府によれば,テロの脅威レベルは「Probable」(起こりそうである:5段階のうち上から3番目)とされています。
このような状況を十分に認識し,テロに巻き込まれることがないよう,海外安全ホームページや報道等により最新の治安情報の入手に努め,状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。

○外務省 領事サービスセンター(海外安全担当)
電話:(外務省代表)03-3580-3311 (内線)2902
○外務省海外安全ホームページ:https://www.anzen.mofa.go.jp/

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