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● 犯罪発生状況、防犯対策

1 犯罪発生状況
(1)トルコ内務省は犯罪統計を発表しておらず、数値による犯罪発生状況の分析ができませんが、一般的に殺人や強盗等の凶悪犯罪は多い傾向があります。一見して外国人と分かる日本人は、各種犯罪のターゲットとなり易く注意が必要です。また、トルコ国内には違法な銃器が多数流通していると言われており、ささいなトラブルから銃器犯罪に発展する事件が頻発していることから、銃器犯罪に巻き込まれないよう十分な注意が必要です。
(2)2022年11月13日、観光客で賑わうイスタンブール中心部のイスティクラル通りで6名が死亡、80名以上が負傷する爆弾テロ事件が発生しました。トルコ治安当局は、同テロ事件はクルド労働者党(PKK)によるものと断定し、テロ組織関係者の摘発に注力しています。また、引き続きISILに対するテロ対策オペレーションも連日のように実施しています。
 テロ・誘拐についての詳細はテロ・誘拐情勢(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_052.html )をご確認ください。
(3)以上の状況から、トルコに滞在中は油断することなく、常日ごろから警戒心を高めるとともに、慎重な行動を心掛け、テロや事件事故の被害に遭わないよう、海外安全ホームページや報道等により最新の治安情報の入手に努め、状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心掛けてください。

2 日本人の被害事例
(1)ぼったくりバー
 事例:夕方や夜間、イスタンブールのスルタンアフメット地区(旧市街)やタクシム地区(特にイスティクラル通り)を一人で歩いていたら、外国人旅行者(自称中東系旅行者を名乗ること多し)と名乗る若者から親しげに声を掛けられて会話が弾んで友達になった。その後、「自分の知っている店があるから一緒に飲みにいこう」と誘われ、タクシーで連れて行かれた。店に入ると女性が隣に座って接客に当たり、一緒に飲食をした。いざ支払いになると、数十万円相当の金額を要求され、その外国人旅行者(当然、店の仲間)も仕方がないよと割り勘での支払いを要求された。または、支払いを渋ったら別室に連れて行かれ、大柄で強面の男達に囲まれてしまい、支払わざるを得なかった。あるいは、所持金が無いと言ったが、クレジットカードでの支払いを強要され、店外のATMで現金を引き出させられた。
 対策:知らない外国人(トルコ人を含む)からの誘いには絶対に乗らないことが重要です。騙されたと分かった後で警察に訴えたとしても、店側は営業許可や監督機関から認められた高額な料金表を用意しているほか、被害者が実際に飲食をしている様子やクレジットカードを使って自ら支払った様子をビデオに撮影していますので、被害に遭ったとの説明が難しくなります。
(2)悪徳じゅうたん店
 事例:イスタンブールのスルタンアフメット地区(旧市街)を巡っていたら、トルコ人から日本語で話しかけられ、日本へ行ったことがある、あるいは日本の芸能人にたくさん友達がいると言われて(実際にその芸能人と一緒に撮影した写真を見せてくる)、信用してしまった。その後、食事をおごられたり、無料で観光ガイドをしてもらったので、じゅうたん屋に誘われても断れなかった。最後は高額なじゅうたんを売りつけられて、買ってしまった。
 対策:一部の悪徳じゅうたん店の従業員が、日本人旅行者に日本語で話しかけ、最初は「単なる親切心から」という風を装って食事をご馳走したり、市内を案内したりして、恩を売っておき、最後にじゅうたん店に誘うことで、日本人が断りにくい状況を作り出しています。彼らの目的は高額なじゅうたんを買わせることなので、どんなに親切にされても、買う気がなければ毅然と断りましょう。購入を考えている方は、じゅうたんは美術品と同じで「適正価格」の判断は簡単ではないことや、購入後の返品は困難であることを念頭において、多くの店を見た上で、信頼のおける店で十分納得してから購入することです。特に向こうから声を掛けてきて、離れたじゅうたん屋に連れて行くような場合は、その店での購入は避けるのが無難です。
(3)恋愛詐欺
 事例:トルコ人男性から気安く日本語で声をかけられ、会話を交わすうちに、「君とは運命の出会いだ」などと言われ、交際や結婚をちらつかせられた。いい人だと信じて付き合い始めたが、そのうち借金の肩代わりや家族の病気治療費、自分の商売への出資話などをもちかけられたり、高いじゅうたんを買わされたりして、騙されていると分かった。
 対策:どんなに親切にされたり、甘い言葉をささやかれたりしたとしても、初対面の人を全面的に信頼し、相手の言うままに行動することは危険です。他の被害者がインターネットに相手の人物像を掲載している場合もありますので、交際を始める前に、あるいは、送金をする前に是非確認することをお勧めします。
(4)性犯罪
 事例:日本語や英語で親しげに話かけられ、日本の話題などで盛り上がり、夕食に誘われた。その時に、「今日はお祝いだ」などと言われ、アルコール度数の強いお酒を飲まされて、気付いたらホテルに連れ込まれていた。
 対策:たとえ親切にされたとしても、初対面の人を全面的に信頼し、相手の言うままに行動することは大変危険です。日本語で話しかけられても、相手についていくようなことは絶対にしないでください。また、服装や言動にも注意し、隙を見せないことも重要です。できるだけ複数で行動してください。
(5)格安ツアー詐欺
 事例:イスタンブールのスルタンアフメット地区(旧市街)を散歩していると、カッパドキアやパムッカレなどの国内各地への格安ツアーはいかがですかと声を掛けられた。話を聞いてみると、非常に安い値段で移動のバスやホテルを提供してくれているので申し込んだが、実際にツアーに参加してみると、路線バスに乗せられて、ホテルもとてもひどいものだった。
 対策:国内各地へのツアーに参加する場合は、事前に日本から信用のある業者を通して予約するか、当地で申し込む場合でも、呼び込みや業者の説明を鵜呑みにするのではなく、複数の業者をまわって比較し、その内容に納得した上で参加することをお勧めします。ツアーに参加した後に、その内容がひどかったと言って返金を求めても、業者はそれに応じません。また、あるツアーへの参加が既に決まっている場合でも、自社のツアーに振り替えようと、あなたの参加するツアーはいくらだ、うちはもっと安い値段で同じものを提供できると言ってくる業者もおり、それを鵜呑みにしたところ、サービスの質が非常に低かったという例もありますので、注意が必要です。
(6)タクシー料金詐欺
 事例:流しのタクシーに乗って、目的地の地図を見せたが、イスタンブールの道路事情を知らないために、近距離にもかかわらず、ここは一方通行などと言われて遠回りをされ、最後に高額な料金を請求された。あるいは、目的地に着いたらメーターの料金表示が消えており、不当な額を請求された。仕方がないので、請求額である45リラを払おうとして、50リラを渡したら、これは5リラだと言われて、更に40リラを払うように言われて口論になった。
 対策:流しのタクシー(特にドアの部分や助手席前面にタクシーの所属会社の名前や番号が書かれていないもの)は利用せず、滞在先のホテル受付や住居フロント等を通じてタクシーを呼んで利用してください。また、乗車する際には、タクシー料金メーターが稼働していることを確認するとともに、タクシーの車両番号を控え、その様子を運転手にも分かるようにすることも有効です。(ただし、トルコの大都市の道路は日本と異なり、一方通行や右左折禁止の交差点が多い複雑な作りであり、また渋滞を避けるため、地図にある最短経路どおりに行けないことも多々あります。)
(7)銃器犯罪(日本人ではないが、外国人の被害事例あり)
 事例:レストランで食事中、付近のテーブルで話し合っていた男性5、6人のグループが突如、大声で口論を始め、その内1人が隠し持っていた拳銃を口論の相手側に向けて発砲し、相手側もそれに応戦し、レストラン内で銃撃戦に巻き込まれた。
 対策:トルコでのこういった銃器使用犯罪の殆どは口論などのトラブルがエスカレートして発砲事件に至ったものです。例えばレストランで大きな声で怒鳴り合う声が聞こえた時、街中で連続したクラクションが聞こえた時、また警察官がトラブルを仲裁しているところを見たときなどは近寄らず、その場を離れるようにしてください。またもし、大きな破裂音を聞いた時も躊躇せずに低い姿勢を取り、遮蔽物に隠れるなど迅速に身を守る行動をしてください。
(8)その他一般犯罪
 上記の他、トルコにおいても他国同様に、置き引き、スリ、ひったくり等による窃盗、クレジットカードの不正使用、強盗による暴行および金品強奪などの邦人被害が発生しています。次の海外安全ホームページを参考に、注意を怠らないようにしてください。
 (旅行者の方)https://www.anzen.mofa.go.jp/trip/
 (海外出張、駐在員の方)https://www.anzen.mofa.go.jp/business/

※在留邦人向け安全の手引き
 在外公館が在留邦人向けに作成した「安全の手引き」もご参照ください。
 在トルコ日本国大使館:https://www.tr.emb-japan.go.jp/files/100463034.pdf
 在イスタンブール日本国総領事館:https://www.istanbul.tr.emb-japan.go.jp/consulate_j/ryoji/istanbul_safety_guide.pdf


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