=-=-=-=-=-=-=-=
=-=-=-=-=-=-=-=
● 犯罪発生状況、防犯対策
1 犯罪発生状況
(1)トルコ内務省は犯罪統計を発表していないため、犯罪傾向の分析は困難ですが、国内最大の観光地イスタンブールでは、殺人や強盗等の凶悪犯罪が多い傾向があります。他方、首都アンカラやその他の地域では、治安が大きく悪化している状況はありません。しかしながら、一見して外国人と分かる日本人は、各種犯罪の標的となり易く、注意が必要です。また、トルコ国内には違法な銃器が多数流通しているとされ、ささいなトラブルから銃器犯罪に発展する事件がたびたび発生していることから、銃器犯罪に巻き込まれないよう十分な注意が必要です。
(2)首都アンカラでは2024年10月、クルド労働者党(PKK)による防衛産業関連企業に対する銃撃テロが発生し、施設関係者ら5名(うち2名は実行犯)が死亡しました。また、イスタンブールでは、2022年11月13日、観光客で賑わうイスタンブール中心部のイスティクラル通り(タクシム広場付近)で6名が死亡、80名以上が負傷する爆弾テロ事件が発生して以降、テロ情勢は落ち着いていたものの、2024年1月、ISILの武装集団が教会を襲撃し、一般市民1名が死亡する銃撃テロが発生しています。現在もテロ対策オペレーションを連日のように実施し、トルコ治安当局はテロ組織関係者を摘発しています。
テロ・誘拐についての詳細はテロ・誘拐情勢(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_052.html )をご確認ください。
(3)以上の状況から、トルコ滞在中は、日頃から警戒心を維持して慎重な行動を心掛けてください。また、テロや事件事故の被害に遭わないよう海外安全ホームページや報道等をこまめにチェックし、最新の治安情報の入手に努めつつ、状況に応じて適切な安全対策を講じるようにしてください。
2 日本人の被害事例
犯罪被害に遭わないためには「自分の身は自分で守る」との心構えを持ち、最新の治安情報収集に努める、危険な場所には近づかない、多額の現金・貴重品は持ち歩かない、見知らぬ人物を安易に信用せずに警戒するなど、常に防犯を意識した行動をとることが重要です。以下に留意しつつ、必要な防犯対策を講じてください。
(1)ぼったくりバー
事例:夕方や夜間、イスタンブールのスルタンアフメット地区(旧市街)やタクシム地区(特にイスティクラル通り)では、ぼったくりバーの被害が多数報告されています。自分も旅行者だと名乗る若者が親しげに声を掛けてきて、「自分の知っている店があるから一緒に飲みにいこう」などと誘われることが多いようです。店内では女性が隣に座って接客し、会計で法外な金額(数十万円相当)を要求され、支払いを渋ると別室に連れて行かれ、大柄で強面の男達が威圧して支払いを迫るといった手口です。所持金が無いと言っても、クレジットカードでの支払いを強要されたり、店外のATMで現金を引き出すよう迫られたりした例も確認されています。
対策:一番の対策は、日本語を話して近づいてくる外国人(トルコ人を含む。)からの誘いには、絶対に乗らないことです。見ず知らずの者と接待を受けるような飲食店にいくことは日本でも危険なことです。海外なら尚更危険なことだと考えてください。
(2)悪徳じゅうたん販売
事例:イスタンブールやカッパドキア等の観光地では、悪徳じゅうたん販売に関する情報が多数寄せられています。トルコ人が「日本へ行ったことがある。」「日本の芸能人にたくさん友達がいる。」などと日本語で話し掛け、警戒心を解こうとして来ます。打ち解けたところで恩を売り(食事の代金支払いや無料で観光ガイドを行うなど。)、断りづらい雰囲気を醸成し、最終的に高額なじゅうたんを売りつける手口です。
対策:ぼったくりバーの対策同様、日本語を話して近づいてくるトルコ人からの誘いには絶対に乗ってはいけません。じゅうたんの購入を考えている場合には、購入後の返品は困難であることを念頭に置き、事前に下調べをした上で、信頼の置ける店で十分納得して購入することをお勧めします。
(3)ロマンス詐欺
事例:日本語で声を掛け、会話を交わすうちに、交際や結婚話をちらつかせ、借金の肩代わりや家族の病気治療費、自分の商売への出資話等を持ち掛ける手口です。
対策:たとえ親切にされても、初対面の人を全面的に信頼し、言いなりになってはいけません。他の被害者が、インターネット上に相手人物を掲載している場合もあるので、金銭的な要求をされた場合には、送金前に確認することをお勧めします。
(4)性犯罪
事例:特に女性の個人旅行者が被害に遭うケースが非常に多くなっています。日本語や英語で声を掛けて来て、気を許したところで、アルコール度数の強い酒を飲まされ乱暴された事例や、ツアーガイドに人気のないところに連れて行かれ、乱暴されそうになった事例等、多数の報告があります。
対策:トルコでは、女性を狙う性犯罪が多数発生しています。特に女性の個人旅行者は格好のターゲットであり、細心の注意が必要です。犯行に及んだトルコ人男性は、「(自身や周囲の体験から)日本人女性は押しに弱く、拒めないので大丈夫だと思っていた」とも供述しています。最初は軽い接触から相手の反応を見て、だんだんとエスカレートしていくケースが多いので、早い段階で強く拒否するなど、自分の意思を明確に示すようにしてください。
(5)タクシー料金詐欺
事例:路上でタクシーを拾ういわゆる“流しのタクシー”利用時に被害に遭ったという報告が多数上がっています。近距離にもかかわらず、回り道をし、最後に高額な料金を請求したり、料金メーターの表示を消した状態で、不当な額を請求するといった手口が見られます。
対策:“流しのタクシー”は利用せず、滞在先のホテル受付やアパートメントのフロントを通じて、若しくは、タクシー配車アプリを通じて手配したタクシーを利用することをお勧めします。さらに、乗車時に料金メーターが動いていることを確認するとともに、予防措置として、運転手にわかるようにタクシーの車両番号を控えるのも有効です。
(6)銃器犯罪(外国人の被害事例あり)
事例:レストラン内で仲間内の口論から発砲事件に発展した事例や、夫婦間トラブルから、夫が路上で妻を銃殺するといった事例等、日本では考えられない銃器使用の凄惨な事件が毎年発生しています。
対策:トルコでの銃器使用犯罪のほとんどは口論等からエスカレートして発砲事件に至っています。レストランや路上で大きな声で怒鳴り合う声が聞こえた時、街中で連続したクラクション音が聞こえた時、警察官がトラブルを仲裁している時などは興味本位で近づかず、すぐにその場から離れるようにしてください。また、大きな破裂音を聞いた時も、躊躇せずに低い姿勢を取り、遮蔽物に隠れるなど、迅速に身を守る行動をしてください。
(7)その他の一般犯罪
上記のほか、トルコでも他国同様、置引き、スリ、ひったくり等の窃盗事件、金品強奪等の強盗事件、クレジットカードのスキミングによる財産被害等の邦人の犯罪被害が報告されています。次の海外安全ホームページを参考に、注意を怠らないようにしてください。
(旅行者の方)https://www.anzen.mofa.go.jp/trip/
(海外出張、駐在員の方)https://www.anzen.mofa.go.jp/business/
※在留邦人向け安全の手引き
在外公館が在留邦人向けに作成した「安全の手引き」も御参照ください。
在トルコ日本国大使館:https://www.tr.emb-japan.go.jp/files/100802964.pdf
在イスタンブール日本国総領事館:https://www.istanbul.tr.emb-japan.go.jp/consulate_j/ryoji/istanbul_safety_guide.pdf
- ○外務省 領事サービスセンター(海外安全担当)
電話:(外務省代表)03-3580-3311 (内線)2902
- ○外務省海外安全ホームページ:https://www.anzen.mofa.go.jp/
−−−−−−−−−−
トップページ
−−−−−−−−−−